2006年4月2日

我らが兄イ、風間深志さんを迎える15年目の春

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは風間深志さんです。
風間深志さん

 15年目に突入するザ・フリントストーン。ゲストはもちろん、記念すべき第1回目のゲストで、番組のシンボルともいえる、冒険ライダー「風間深志」さん。そんな風間さんをお迎えし、風間さんが主宰する「地球元気村」の今後の展開などうかがいます。

自然との対話が人類の課題

●ご無沙汰しております。

「どうもどうも。春めいてきましたね」

●風間さんに初めて番組に出ていただいてから、ついに15年目を迎えました。

「15年? ウソみたいだね。この前10年って言ってたばかりじゃん!」

●早いですよね。地球元気村も18年?

「そうなんですよ。18年です」

●振り返ってみてどうですか?

「振り返ってみて、飽きもせずによくやってきたもんだなぁと思ってさ。ガハハハ(笑)。実は、昔の方が地球元気村っていうのは世の中にとって、意義深く、ある意味ではセンセーショナルなヒット商品だったのね。今の方が定番化してるよね。生活の中に『自然は大切だ』っていう意識が広く万人に行き渡っている。そういう意味では、手応えがあって、生活の匂いがするような地域の具現化を目指してやらなきゃいけない時期に来ていますね。と思って、ここのところ一生懸命動いているんですよ」

●地球元気村が始まったのは1988年ですよね?

「そうです。あの当時はイケイケボンボンでしたよ(笑)。ガハハハ(笑)」

●(笑)。都内にある緑は偽物ばかりでしたもんね。

「山はバンバン切り開かれて、森林は伐採の連続で、アマゾンはどんどん切り倒されて、世界中がそんな状況だったもんね。今は書店に行っても環境や森についての本がいっぱいあるし、今はある意味では元気村が言わんとしていることが、色々な形で、色々な名前で、同じことが言われているんだよね。そういう意味ではいい社会の動きになっていますよね。ただ、実際に生活がどう変わったかというと、なかなか変わってないんですけどね。そこが問題なんだけど、意識の上では大分変わったよね。振り返ってみると、人間の意識改革が起こったのは1995年だと思っているの」

●その1995年というのは、何かキッカケがあったんですか?

「俺もなんとなく。元気村の活動にも真剣だったから、そのことをすごく思ったの。ものすごく、エコロジーだとか環境汚染だとか、大気汚染だとか、水質汚濁だとかをどこに行っても口を酸っぱくして言ってたんだけど、『地球元気村って何?』っていう質問もなくなって、定着したなと感じたのが1995年だったね。あそこが社会のそういう意識のターニング・ポイントだったね。と、自分の実感として俺は思っているんだよね。それから11年が経ちましたね」

●いい方向に行っている感じはしますか?

「先進諸国の人達はそういう感じがすごくしてた。ところが、後進国の人達はまだまだで、ようやく機械化とか電気化してきて、そこでかつての僕らのような開発の波とか、人口増加の現象とか起きてきて、2つの層になっているよね。その両方のギャップをどう埋めるか、先進国の人が後からついてくる人達に対してどう援助していくかということが、依然としてそんなにうまくいっていないよね。人間が作っている社会なんていうのは結構幼稚なんだなと思うし、なんか低次元な感じも否めないよね。本当に絵に描いた餅ばっかりでさ(笑)。
 だから、僕らが言っていることは大事だと思うんだよね。現状は何が変わったかといえば、なかなか変わってないもんね。だって、地域は自然を大事にしたからってやっていけるかといったら、全然やっていけない現状があって、元気村の実態っていうのは地域そのものなんですね。自然のある地域そのものが、それでやっていけるようになったのかといったら、まるでなってないもんね。むしろ昔は『どこかの工場が来てくれないかな』とか『ここで産業が起きて、雇用が生まれないかな』とかっていうのを目指して夢があった。ところが、今はないんですよね。ない中でどうしたらいいのか八方塞がりの状態で、地域がどうしていくかっていったら、本当に混沌とした状態っていうのが現状だもん。自然があれば食えるかっていったら、食えないんだよね。だから、そんな難しい方程式の中で健康の産業を興すとか、こういったことが豊かさの新しいサービスのやり方なんだっていうのを、暗中模索している状態でやって、一部ヒットしているけどね。ある程度時間がかかるよね。
 ま、そんな中で元気村も同じことなんですよ。元気村は完全に目標を達成したかといったら達成していない。では、前より楽な元気村の活動ができるようになったかといったらできていない。これはエンドレスで、俺は死ぬまでやっていかなきゃいけないんだろうね、きっとね(笑)」

●もしかしたら人間の課題かもしれませんね。

「そう! 人類の課題なんだよね。人類の生活、あるいは豊かさの質とか内容を考える問題だから、それには自然との対話が不可欠だよね。その不可欠な対話が『どうしたら本当の調和、ハーモニーだって言えるの? 実証してみて』ってことだから、なかなか難しいよね。本当に難しい」

元気の元は自然と健康と平和

●地球元気村がスタートして18年、フリントストーンが15年目に突入して、時代が変わり、自然や環境に対する意識が一般的にも浸透していると思うんですけど、元気という意味では、そんなに人々は元気になっていないなぁって気がするんですが、どう思いますか?

風間深志さん

「元気になってないね。むしろ、心身症みたいな人たちが5、6人に1人といわれるようになって、ちっとも元気になっていないよね」

●しかも、最近の犯罪を見ても、とても心を病んでいるじゃないですか。

「そうだね。政治の世界もすごいしね。ただ、元気っていうのは気の持ちようだからね」

●確かにそうですね。でも、その気の持ちようである元気がないっていうことは、その気の持ち方が良くないっていうことですよね。

「そうだね。気の元がないからね。やっぱり元気の元は自然でしょ。健康でしょ。それから、世の中が平和で穏やかでニュートラルで、今日の暖かい気候のような気分に世の中の現象がなっていれば、『生きていてよかったなぁ。楽しいなぁ』って思って元気になるはずなんだけどね。やっぱり、どこか曇っているんだろうね」

●私が感じてしまうのは、「生きるってなんだろう?」っていうところで、生きがいも含めて張り合いやピチピチするようなものが見受けられないなって思うんですね。特に若い子達の表情を見ていると、「私が高校生の頃は元気でハツラツとしていて、やりたいこともいっぱいあったし、飛び跳ねていたのになぁ」って思ってしまうんですね。今の子達は電車でも床に座っちゃってるし、みんな凄く疲れているなぁっていう風に見えるんです。

「要するに、生きている実感っていうか、手応えっていうものを感じられなくて、ただ生きている状態なんだよね。自分がどこに向かうかっていう目的意識や、方向が定まらない状態の中でなんとなく満たされないフラストレーションだけがたまっているっていうね。いつも不幸なんですよ。元気村でいつも言っているのは、幸せ、健康、元気っていうのは、いつも三つ巴で、どれが下になっても上になっても、常にその3つが正三角形になっている状態が元気だってことなんですね。つまり、体が元気であるっていうことが条件だよね。それには環境っていうものがある程度整っていなければ、人間っていうのは環境の一部だから健康を保てない。でも、その健康を保った上に、自分の今置かれた境遇、つまり文化が自分のライフスタイルそのものの中に『今、幸せだ』っていう気持ちがもてるかどうか。その、『健康だ』『幸せだ』っていう意識を持ったときに、元気が現象として出てくる。ところが、現象として出てくるから明日は分からないんだよね。そういうものが元気だから形はない。昨日は元気だったのに今日は元気じゃないっていうのは、今日は何かに不満足で、何かに悲しくて、幸せの気分を抱いていないんだよね。そうすると、健康であっても元気じゃないんだよね。いくら食えても、何でも与えられて全てがあるにもかかわらず、元気じゃないっていうのはそういうことなんだよね」

●それって、1人1人の気持ちですもんね。

「そう! 1人1人の気持ちを作っていくから、やっぱり社会をどう作っていくかっていうのは難しいよね。全員が同じ新聞を見て、同じようにテレビを見て、常に流行があったり、全体がそういったものの中にあって、僕も君もあなたも元気だって言えるためには、今は大きな地球という船にみんなで乗っているようなものだから、その中でリーダーシップを握っていく人はそういう使命があるだろうし、世の中と自分を対比しながら『自分は幸せだなぁ』と思える人は元気だよね。そういう世の中にしないといけないよね」

新たなプログラムも進行中!

風間深志さん

●地球元気村では、新しい試みとして森林セラピーも始められたそうですね。

「そうなんですよ。森の中には人間を癒す効果があったり、森林浴っていう健康増進の具体的な話があったりとか、そういうものをもう1歩2歩前に進めていこうと思っているんです。それで、医学的、科学的論拠に基づいた健康セラピーっていうもののシステムを具体的にして、メニュー作りをして、森というものを新しく、人々の健康のために貢献できるような事業、あるいはベースキャンプなのか、ホスピタルなのか分かんないけど、そういった具体的な形、施設、サービス、システムにしていって、みんなに森の新しい利用の仕方をアピールしていこうという考え方なんです。それが森林セラピーってことで、今は森林療法っていう新しい現代用語まであるんだよね」

●それを元気村でも取り入れていくんですね。

「うん。『元気村では元気村ならではの角度を持って、あるカリキュラムの中で地球元気村っていう部分を担当してくださいよ』って言うから、それはお医者さんや森林仲間やインストラクターだけではなくて、森の中で歌を歌うこともそうだろうし、ゲームをすることもそうだろうし、さらに、医学的な部分だけではないということも言えるよね。その部分が元気村の持ち味の部分だからね。森と親しむ、遊ぶ」

●村長と一緒に森の中に入って一緒に寝るとか(笑)。

「昼寝するとかね(笑)。ターザンごっこをするとかね(笑)。そういう馬鹿なことが元気村の特徴なんだけどね」

●でも、毎回感心してしまうのが講師陣の豪華さなんですよ。どんどん増えていってますよね。

「増えていきますね。もう100人超えています」

●元気村のパンフレットに講師陣が載っているんですけど、どんどん増えていってますよね。

「だんだん増えていくからね。で、僕が入院なんかしていると止まっちゃうんだよね。俺、入院なんかしていられないんだよな(笑)。ガハハハ(笑)。どんどん歩いて、バシバシ講師を集めてこないといけないし、講師の数だけ元気村に広がりが生まれるんだよね」

●地球元気村って何ヶ所くらいで開催されたんですか?

「40くらいかなって、去年と言っていること同じか(笑)。でも実は、減ってもいるんだよね。やってたけど、難しいからやめたっていうところもあるけど、でも、その分増えたところもあるしね。森林セラピーをやってくれる地域なんかは、森林セラピー基地の誕生イコール地球元気村の誕生なんていう風にやってくれているから、今年もまたいくつか増えるはずなんですけどね」

●あと去年は、山村レイコさんのところのフェアリーテールに常設の木工教室が出来ましたね。

「木工教室も増やしていきますよ」

●元気村も形が変わってきていますよね。

「そうですね。これでいいなんて思っていないんだけど、現象としてはイベントっぽかったんですよ。でも、そうじゃなくて、活動っぽくしていきたいなと思ってね」

野点は富士山の頂上で!?(笑)

●風間さんは今年も地球元気村がこれからたくさんあって、一番近いのが4月8日〜9日のしみず地球元気村ですね。

「よく知ってますねぇ(笑)。あるんですよ。ちょうど桜吹雪の頃なんですよね。車が通れば一緒に桜の花びらもブワーッと追いかけていくみたいな。上空からも地べたからも桜吹雪が」

●大村長ももちろん行かれるんですよね?

「もちろんです。桜をほっぺたにピッとつけながら(笑)。ガハハハ!」

●(笑)。そんな地球元気村もあり、トライ&キャリーもあり、小耳に挟んだところによると、また冒険に出られるそうですね。

「今年、出たいと思ってますよ」

●予定ではどんな感じなんですか?

「ユーラシア大陸をオートバイで全部は行けないから、今年、半分だけ行こうかなと思ってるんです。下関から韓国までフェリーに乗って、で、韓国からすぐロシアに渡れるそうなので、一番早く渡れる方法らしいのね。新潟、富山から出るよりも早いんだって。それで、ずーっとモスクワまで行って、6000キロを走ろうと思っています」

●久しぶりの冒険ですね。

「すごい久しぶりですね」

●いつぐらいに行くご予定ですか?

「9月、10月くらいですね」

●でも、ロシアってその頃は寒いんじゃないですか?

「寒くなっちゃうね。本当はなるべく早く行ったほうがいいんだけど、元気村の都合があるからね」

●足(の怪我)は大丈夫なんですか?

「その頃には完治してますよ。完治!」

●完治?

「はい。そうかなぁ(笑)。なんか自信ないんだよ。だってさぁ、2004年からこうなったでしょ。その年は『来年こそは・・・』って思ったけど、それが去年でしょ。で、去年『来年中には』って思ってたら今年になっちゃって、もう3月でしょ。で今、エイミーの顔を見ながら半べそをかいて歩いていたわけでしょ(笑)。いつになったら俺の足はよくなるのかなぁと思ってさ。だから、9月になってもどうなるかわかんないけど、去年の12月に僕は房総半島にツーリングに行ってきましたから、バイクに乗ってしまえば完全にいつもの風間ですから」

●でも、そんなに忙しいと野点もなかなか出来なそうですけど、ユーラシア大陸の冒険から戻られてからにしますか?

「野点はすぐやりましょうよ。富士山の頂上へ行きますか!」

●富士山の頂上ですか!?(笑)

「うん。去年の9月に行ってきましたので、今年も行きましょう! で、頂上で野点をやりましょう! 真っ青の青空の中で真っ白い雲を見下ろしながら、チャッチャッと俺がお茶を立てるから。で、80℃くらいしか沸かせないからちょうどいいわけね。で、俺のシルエットが眩しいわけ」

風間深志さん

●後光が差しているような感じで。

「そうそう! それで俺が『エイミー、どうぞ!』って渡すから、エイミーは『いただきます!』って飲んで、『うまーい!』って言うわけ(笑)。ガハハハ!」

●(笑)。歓喜の声は放送で。で、後光が差している風間さんの写真はホームページで。

「そう! 『3776mで飲むお茶はうまいっすねー!』って言うんだよ(笑)。何を言ってるんだろうね(笑)。ガハハハ! 普通はこんなことやったことないよね」

●次回は野点でお会いしたいと思います。

「いやぁ、楽しかったなぁ。この番組をやっていて楽しくなっちゃった。最初は寂しかったんだ。楽しくなって終われるなぁ。よかった!(笑)」

●(笑)。これからも元気一杯で・・・。

「そうなんですよ。とにかく元気はいっぱいで、人にメッセージを送らなきゃいけない僕ですから、本当にそう思っているんですよ。自分は『足が痛い』とか言ってられないなぁって。でも、そうあるためには本当に自分っていうものが基本だよね。自分が元気じゃないと人にも元気になってもらえないよね。そういう意味では、自分の体の健康と、心身のバランス、これをやっぱりきちっとしないといけませんね」

●頑張ります! 今日はどうもありがとうございました。

「つまんない、もう終わっちゃうの? ダメだよ。これから始めましょう! これから第2弾が良くなるんだから(笑)。もう終わっちゃうの? やだ(笑)」

■このほかの風間深志さんのインタビューもご覧ください。

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■大村長「風間深志」さん率いる「NPO法人・地球元気村」情報

 冒険ライダー「風間深志」さんが大村長を務める「地球元気村」では、今年も全国各地で1泊2日の「地球元気村」のつどいを開催。
 近いところでは、今度の週末、4月8日(土)〜9日(日)に「しみず地球元気村」(静岡市)が開催され、森の整備や焚き火教室、野外料理教室など、盛りだくさんの内容で行なわれます。
 また、7月から8月にかけては「富山県・氷見市」や「長野県・伊那市」などでも開催。今後のスケジュールに関しては随時ご案内しますが、「地球元気村」のホームページでチェックしてください。
 尚、「地球元気村」では、随時、村民も募集しています。村民になると、会報誌が年4回送られてくる他、参加料の割引などの特典もあるので、皆さんもぜひ一員になって下さい。

  • 登録料:個人村民1,000円、家族村民(6人まで)2,000円
  • 問い合わせ:地球元気村本部事務局
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. SAKURA / いきものがかり

M2. WHAT I AM / EDIE BRICKELL & NEW BOHEMIANS

M3. HAPPIER THAN THE MORNING SUN / NICK DeCARO

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. HOLLYWOOD / BOZ SCAGGS

M5. BEING WITH YOU / SMOKEY ROBINSON

M6. 地球は元気 / 地球元気村の仲間たち

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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