2006年7月23日

くやしい探検隊、
千葉県立大房岬少年自然の家で特別プログラムを体験!

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは櫻井義維英さん、高橋博さんです。
左が高橋博さん、右が櫻井義維英さん。
櫻井義維英さん、高橋博さん

 NPO法人「千葉自然学校」の理事、櫻井義維英(さくらい・よしいえ)さんを、千葉県富浦の「大房岬(たいぶさみさき)少年自然の家」に訪ね、千葉自然学校の特徴や、実際に行なっているプログラムの内容についてうかがいます。さらに、櫻井さんと、指導員の高橋博さんと共に地元の自然を利用したプログラムを、我がザ・フリントストーンの「くやしい探検隊」が体験。そのときの模様もレポートいたします。

39からなる自然学校のネットワーク

大房岬少年自然の家のシンボル・マーク。
大房岬少年自然の家のシンボル・マーク
シンボル・マークを再現するとこうなります。ご協力、感謝!
シンボル・マークを再現!
大房岬少年自然の家のすぐそばから見える富浦湾。
大房岬少年自然の家から見える富浦湾

●今、私達は千葉県立大房岬少年自然の家の事務所のほうにお邪魔をして、これからお話をうかがっていくわけですが、まず、千葉自然学校について教えていただけますか?

櫻井さん「はい。千葉自然学校というのはひとつの自然学校ではなくて、今、39の自然学校がネットワークをして、千葉県内の自然学校が協力をして、千葉県全体をそういう体験の活動ができる場所にしようというネットワークの事務局が、この千葉自然学校だと思っていただければいいと思います。ただ、みなさんが大房岬少年自然の家にいらしているというのは、実は千葉自然学校が40近い数のネットワークを活かしながら、この少年自然の家が、現在、行政でよく行なわれている指定管理者制度になっていて、千葉県から当校が運営を委託されまして、お引き受けしたわけです。で、私達が千葉自然学校のスタッフとして、みんなで子供達の面倒を見たり、指導をしたりしているというわけです。
 大房岬少年自然の家の特徴というのは、海の体験も山の体験もできるところです。ちょっと暗い話になっちゃうんですけど、もともとここは、江戸時代から戦争が常に視野に入っている場所だったんですね。東京湾の入り口のところですから、その当時から大砲がすえられていたんです。第二次世界大戦なんかの時は、ここは完全に基地だったんですね。ですから、今だに大砲を隠してあった場所の名残があって、木や草が生えているのもそれを意識して藪が作られているんですね。竹なんかを植えてわざと隠すようにした場所もあります。そのようにたくさん木が生えているにもかかわらず、ちょっと歩くと東京湾の内海が広がっていて、海のプログラムもできます。なおかつ、木も生い茂っていて山のプログラムもできるという、非常に贅沢な場所でございます。年間4万人からの子供達も訪れてくれますので、実質、県からお願いされていることは、とにかくその子供達を安全で楽しく過ごさせてくださいということなので、それをするためにもたくさんのノウハウが必要です。と同時に、逆に県内のそういった団体さんの協力を得て子供達を、例えば館山にある海辺の鑑定団なんていうプログラムが得意な団体さんに来てもらって、子供達の面倒を見てもらうだとか、農業だったら農業の関係の団体に来てもらうとか、特に千葉自然学校と関係がある団体さんは農業関係の団体さんが多いんですよ。ですから、農業のプログラムをお手伝いしてもらうとか、そういう風にしてみんなが協力をして子供の面倒を見て、その結果、みんなもいろいろなことを勉強できるというような仕組みになっています」

●なるほど。では、実際に私達もそんなプログラムを体験させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

櫻井さん「はい。是非、楽しんでいってください」

「音聞きクイズ」で気が付いたこと

●というわけで、ザ・フリントストーンのくやしい探検隊が、実際にプログラムを体験したいと思います。今、室内にいるんですが、これはどんなプログラムなんですか?

櫻井さん「音が出るものをシーツで隠してあります。今日はラジオだということで、聴いていらっしゃる方も分かるようにご家庭にあるものを用意しました。それも、特にお台所用品です。台所を想像してくださいね。そこにあるものを僕がこれから、木のお箸で叩きます。なので、何の音なのかを当ててください」

●分かりました。台所用品ですね?

櫻井さん「そうです。どこの家にもあるものばかりです。最初、ちょっと叩いてみますね」

(7つのものを順番に叩く櫻井さん)

くやしい探検隊(以下:くや隊)「えーっ!?」

櫻井さん「分からないですよねー(笑)。ピッタリ当てるのは難しいですから、何を叩いたかはお教えします。なので、7つの順番を当ててください。1つ目、コーヒーのビン。2つ目、瀬戸物の湯飲み。3つ目、タッパー。4つ目、金物の茶筒。5つ目、スプーン。6つ目、スリッパの裏。7つ目、お皿。では、もう1度叩きます。どの音でしょうか?」

最初は音を聴くプログラム。
こちらから見えないように音を鳴らして、
何かを当てるゲーム。
音を聴くプログラム

(カーンと鳴らす櫻井さん)

華ちゃん「お皿!」

櫻井さん「おっ! もう1回鳴らしましょうか?」

(もう一度同じ音を鳴らす)

じいちゃん「でも、結構響いたなー」

●結構、大きなものだと思うな。

じいちゃん「お皿かなぁ」

櫻井さん「お皿ですね? ピンポーン!」

(一同拍手)

櫻井さん「2つ目いきます」

(音を鳴らす櫻井さん)

●これはタッパーでしょう!

じいちゃん「タッパーかな」

櫻井さん「素晴らしい! 正解です! 3つ目いきます」

(音を鳴らす櫻井さん)

ダメオ「音が高いですね」

●ビン?

じいちゃん「コーヒーのビンか、瀬戸物だな」

●もう1回お願いできますか?

(音を鳴らす櫻井さん)

ダメオ「瀬戸物かなぁ」

じいちゃん「これは瀬戸物っぽいなぁ」

●私はガラスっぽい感じがするなぁ。ちなみにコーヒーのビンの中にコーヒーの粉は入っているんですか?

櫻井さん「いえ、入っていません。意見が分かれましたね(笑)」

華ちゃん「ちなみにコーヒーのビンのふたは閉まっていますか?」

櫻井さん「おっ、細かい!(笑) ふたは取ってあります」

●じゃあ、ビンです!

櫻井さん「残念でしたー! 瀬戸物の湯飲みでしたー!」

★        ★        ★

 さて、まずは肩慣らしの意味も込めて始まった「お台所の音聞きクイズ」。お皿、タッパーと順調に当てた私たち「くやしい探検隊」でしたが、湯飲みをコーヒーのビンと聞き違ったあと、思いのほか、響きが強かったスプーンをお茶の缶と間違え、7問中、正解は5問。音のプロを自認するラジオ番組スタッフとしては、やや悔しい結果になったわけですが、いつも聞き慣れているはずの音も、視覚と聴覚を切り離してしまうと、意外に混乱するということが分かりました。

櫻井さん「普段の生活でいつもこうやって音がしていますよね。何かがぶつかったりして音がしているんだけど、改めてその音だけを聞いていると、いつも聞いているくせに、普段、注意深く聞いていないんですね。『そういわれてみればこの音だよ』と思うんですけどね。だから、いつももうちょっと耳をそばだててみると、面白い音がするんですね。こういうこともちょっと意識してみるといいと思います。このプログラムでちょっと耳が大きくなったような気がするでしょ?」

●はい!

櫻井さん「では、その耳が大きくなった状態で、実際に外へ行って、今度はみんなでその音を見つけたり探したりする遊びをしてみたいと思います。靴へ履き替えて外へ出ましょう!」

●耳はダンボのまま、宜しくお願いします!

聴覚や触覚も使ったプログラム!

●いよいよくやしい探検隊、外へ出てまいりました。音体験の続きをこれからしっかりやっていきたいと思うんですけど、ここからは櫻井さんに加えて、こちらの指導員の高橋博さんにも参加していただきます。宜しくお願い致します。

高橋さん「宜しくお願い致します」

●実は、高橋さんはフリントストーンとしては、はじめましてではないんですよね?

高橋さん「はい。初めてではないですね」

●愛知万博の際に、里の自然学校プログラムの方でお世話になりました。

高橋さん「こちらこそお世話になりました」

●というわけで櫻井さん、外に出てまいりました!

櫻井さん「これから、少年自然の家を出て、高橋君がプログラムする場所まで行くんですけど、ただフラフラ歩いたのではつまらないので、さっき一生懸命耳をそばだててもらいましたよね。今度は耳と、風が当たる頬だとか、靴を履いちゃっているけど足の裏の感覚とかを研ぎ澄ませていきたいと思います。では、2人ずつペアになってもらって、1人が目をつぶって前の人の肩に手を置いてもらいます。で、前の人は目をつぶっている後ろの人を気遣いながら、私が誘導する方へ歩いていってください。で、後ろの人は歩きながら、感じたことを話してください。前の人は『ここは危ないからちょっと気をつけようね』とか、言ってあげてください。それではちょっとペアを作ってください」

目をつぶって歩くプログラム。
前の人の肩に手を置き、目をつぶって歩くと
視覚以外の感覚が働きます。
目をつぶって歩くプログラム

●では、若い組(高橋さん & ダメオ)と、年寄り組(エイミー & じいちゃん)に分かれて行きますかね(笑)。

じいちゃん「目を開けちゃいけないんですよね」

櫻井さん「そうです」

●では、ゆっくり歩きますよー。ずーっと真っ直ぐです。

じいちゃん「日がちょっと射して、また暗くなりましたね」

●ちょっと段差があります。

じいちゃん「はーい。おっ、今度は枯葉の上を歩いているような感じですね」

●その通りです。

じいちゃん「足の裏が優しくなった感じがします」

櫻井さん「ちょっと下り坂になるから気をつけてくださいね」

くや隊「はーい」

★        ★        ★

 こうして2人1組で、広い敷地内を歩き始めた「くやしい探検隊」。目は閉じているんですが、正面からの陽射しや、風の向きを感じたりするんです。また、足の裏の感覚を通して、足元の固さや柔らかさといった地面の様子を感じ取れたり、地面の傾きがちょっと怖く感じたりもしました。さらには、鳥達の鳴き声が気になったりと、普段、歩いているときとは、また違った感覚を体験して、いつもどれほど視覚を優先し、ほかの感覚をないがしろにしているかを実感しました。
 次は、指導員の高橋さんがリードするプログラム。まずは高橋さん、いきなり「プレゼントがあります」と、ポケットの中から何やら取り出しました。

高橋さん「ここにフィルム・ケースがあります。1人1個差し上げます。ちょっと振ってみてください。何かが入っています」

ダメオ「固い音がします」

高橋さん「では、フィルム・ケースを振って音を聞いて、音が同じ人とグループを作ってみてください。中に入っているものが違います」

(順番にフィルム・ケースを振る、くや隊)

●音を聞いた結果、私とじいちゃんだな。それと、華ちゃんとダメオだな。

高橋さん「じゃあ、中を見て確認してみましょう」

くや隊「ふたを開けます」

●ダメオは何が入ってた?

ダメオ「貝殻です」

●華ちゃんは?

華ちゃん「貝殻です」

高橋さん「正解ですね!」

●私とじいちゃんの中身はガラスですね。

くや隊「やったー!」

★        ★        ★

高橋さん「みなさんに、またプレゼントがあります」

くや隊「やったー!」

高橋さん「みなさんにまた、フィルム・ケースをお渡しします。中には何も入っていません。今から時間を与えますので、この公園の中に落ちているもので、フィルム・ケースの中に入れて振れば面白い音が出るんじゃないかなっていうものを拾って、持ってきてください」

●それで、お互いで当てるということですね?

高橋さん「そうです!」

●分かりました!

高橋さん「ただしですね、自然の中に生えているものをとってきちゃうと自然がかわいそうなので、落ちているものを持ってきてくださいね」

じいちゃん「落ちているものを拾うの得意なんだ!(笑)」

(一同爆笑)

高橋さん「人工物ではなくて、自然物にしてくださいね」

●では、いくぞ!

くや隊「はーい!」

五感を使って遊びながら学ぶ

●みんなそれぞれフィルム・ケースの中に拾ったものを入れてきました。みんなニヤニヤしちゃって(笑)。

高橋さん「それでは順番に音を鳴らしてもらって、あとの3人で何が入っているかを当てましょう!」

●では、華ちゃんから!

(フィルム・ケースを振る華ちゃん)

●結構、重みのある音ですね。ガラスと変わらないくらいの重さがあります。

高橋さん「木の実っぽいですね」

くや隊「おー!」

じいちゃん「さすが、指導員!(笑)」

華ちゃん「では、開けてみます」

(ふたを開けると、中から木の実が出てくる)

華ちゃん「これは何の実なんですか?」

高橋さん「これは、ハンの実ですね」

くやしい探検隊の面々がフィルム・ケースの中に入れたのは
上からハンノキの実、ダンゴムシ、桜の実らしきもの、
ドングリの殻斗(かくと)でした。
拾い物

華ちゃん「松ぼっくりみたいですね」

●ハンノキの実でした! では、つづいては、じいちゃん!

じいちゃん「これは、あまり強く振りたくないんです」

(フィルム・ケースを振るじいちゃん)

華ちゃん「もしかして生きてます?」

じいちゃん「ドキッ!」

華ちゃん「ダンゴムシ?」

じいちゃん「正解です!」

●おー! さっきからいっぱいいるもんね。

 というわけで、じいちゃんがフィルム・ケースに入れたダンゴムシ、生き物という大ヒントのおかげで正解にたどり着きましたが、フィルム・ケースの中身を見ないで、持ったときの感じとか、ケースを振ったときの音で推理して当てるというこのゲーム。エイミーが入れたドングリの帽子「カクト」や、ダメオが入れた桜の実らしきものは結局当たらず、意外に難しかったんですが、ただ、このゲームは、正解を見つける喜びの他にも、ケースに入れるものを探して色々と試したり、他の人のケースの中からどんなものが出てくるんだろうとワクワクしたり、色々な楽しみが詰まったゲームでした。

★        ★        ★

櫻井さん「いかがでしたでしょうか? 実際にご自分で音を作りに行きました。でも、ちょっと周りを見てください。パッと見て自然はたくさんありますけど、実際に皆さんが探したときは、この大きな公園の中からあのフィルム・ケースの中に入る小さなものを見つけようとして、グーっとズームするように探しませんでした?」

●そうですね。

ダメオ「はい。かがみました」

櫻井さん「そう、かがんだ。まさに、耳を使ってくださいっていうゲームをしたんだけど、実はその中に『見る』ということが含まれていたんですね。普段は自分の背の高さのところから全体をパーっとみて歩いているだけのところが、『自然の中にどんなものがあるだろう?』ってグーッとズームして一生懸命探すと、木の葉でも柔らかいのや固いのがあったりするんですね。『あ、ダンゴムシがいる!』、『こんな小さな木の実がある!』、『こんな大きな木の実がある!』、『フィルム・ケースに入らない』とかね(笑)。そういう風にこの自然の中には色々なものがたくさん存在するって気が付かれたと思うんです。
 こういう風に子供達と知らない間に感じ合うことができるんですね。子供達はこんな理屈は言いません。知らない間に色々なものを見たり、発見したり、聞いたり、『不思議だなぁ』とか『面白いなぁ』と思って感じてもらう。その感じてもらうことが将来の、いろいろなことを感じる力を養うんですね。そうすると、木の葉には色々な種類があるのと同じように、人間だって柔らかいやつがいれば、固いやつがいるとかね(笑)。そういう風にして『色々なものがあっていいんだなぁ』ってことに気が付く。子供のときにこういう自然の中で、体験をしながら遊んでいくっていうのは大切なんですね。こういうのは遊びです。遊びですけど、とても大事な遊びです。『自然観察』って言ってしまうと、『この葉っぱは・・・』ってなりがちで、それも大切なことなんですけど、その前に、まずそういうことを『してみたいなぁ』って思う気持ちを育てるために、たくさんの人たちと遊べるようなプログラムを作って、子供達と遊びながら、いろいろな団体の人にも紹介をしています。だから、割とどこでもできちゃうものって多いんですよ」

●櫻井さん、高橋さん、今日はどうもありがとうございました。


このページのトップへ

■「NPO法人千葉自然学校」情報

 千葉県内各所の団体とネットワークを組むことで、千葉県の自然、産物、伝統文化、景観などを活かした幅広い体験活動を提供。特に、夏休みのこの時期は色々なプログラムが目白押し! 興味のある方はぜひホームページをご覧下さい。

・NPO法人千葉自然学校のHPhttp://www.chiba-ns.net/

■「千葉県立大房岬少年自然の家」情報

 「千葉自然学校」が県から運営の委託を受けている「大房岬少年自然の家」でも、小学生から中学生を対象にした「岬キャンプ」や「夏休みの自由研究キャンプ」。また、9月には、18歳以上を対象にした「ディープ・ネイチャー・スクール」という、沖縄と屋久島に行くツアーなどを予定。こちらもぜひチェックしてみて下さい!
 問い合わせ:千葉自然学校・安房事務所 TEL:0470-33-2693

・千葉県立大房岬少年自然の家のHPhttp://www.chiba-ns.net/taibusa/

このページのトップへ

オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. IN THE SUMMERTIME / MANGO JERRY

M2. HAVE FUN / BEAUTIFUL SOUTH

M3. SHUT UP AND LISTEN / HOTHOUSE FLOWERS

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M4. THE RIVERBOAT SONG / OCEAN COLOUR SCENE

M5. ZIP-A-DEE-DOO-DAH / RIC OCASEK

M6. OOH LA LA / ROD STEWART

M7. NATURE'S AT PEACE / JANIS IAN

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
このページのトップへ

新着情報へ  今週のゲストトークへ  今までのゲストトーク・リストへ  イベント情報へ
今後の放送予定へ  地球の雑学へ  リンク集へ  ジジクリ写真館へ 

番組へのご意見・ご感想をメールでお寄せください。お待ちしています。

Copyright © UNITED PROJECTS LTD. All Rights Reserved.
photos Copyright © 1992-2006 Kenji Kurihara All Rights Reserved.