2010年8月22日

ザ・フリントストーン特別企画『音楽と自然』

 今週のザ・フリントストーンは「音楽と自然」をテーマに、自然を愛している国内外のアーティストをフィーチャーします。登場するアーティストは、サーファーであり、シンガー・ソングライターの「ジャック・ジョンソン」さん、熊本を拠点に活動するシンガー・ソングライター「東田トモヒロ」さん、ネイティヴ・アメリカン・フルートの奏者「マーク・アキクサ」さん、そしてカナダ・バンクーバー島に暮らすシンガー・ソングライター「ヘイリー・セールズ」さんです。みなさん、環境や自然に対してどんな思いをもってらっしゃるのか、そのコメントをご紹介します。

 

ジャック・ジョンソンさんのアルバム
『TO THE SEA』に込めた思い

ジャック・ジョンソンさん

まず、最初にご紹介するのは、サーファーであり、シンガー・ソングライターのジャック・ジョンソンさんです。今年5月にリリースしたニュー・アルバムのタイトルが『TO THE SEA』となっているんですが、どうしてこのタイトルにしたのか、その理由を語ってくれました。

ジャックさん「『トゥ・ザ・シー』というタイトルは、僕が最近、よく読んでいるいろいろな神話の本を参考にしたもの。僕はその神話を読みながら、自分の人生に当てはめ、父のことを思い出していた。父は20歳のときに、カリフォルニアからハワイまで、ひとりでセイルボートで航海したんだ。彼はたぶん、人生の意味を見い出そうと海に出たと思う。ハワイに着いた父は僕と兄弟をいつも海にいるように仕向けた。そして僕は物語や夢や海を徐々に理解していったんだ。僕にとって、海や水を見ることは、潜在意識の表現だった。だから夢や物語の中で川を渡ったり、水に入ったりすることは、未知の世界に潜っていくことを意味している。人それぞれに解釈は違うものになるだろうけど、僕にとっての「トゥ・ザ・シー」は、自分自身をより理解しようとする息子を、父親が海に導くっていう意味があるんだよ。」

そんなジャックさんも今では3人の子持ち。かなりの子煩悩ぶりを発揮していて、子供たちと海に行く機会が増えたそうです。そのことをこんな風に語っています。

ジャックさん「僕の人生で海はほんとうに学べる場所だと分かっているから、子供達を海に連れて行けることをラッキーだと思っているよ。子供達は海に行きたがるときもあれば、そうじゃないときもあるから「お父さん、きょうはビーチに行かないよ」って言われたら、いつも「いいよ」って言うんだけどね。そういうときは庭でかくれんぼをしたりするんだ。今の僕は自分が海で遊ぶよりも、海で遊ぶ子供達を見ているほうが好きだ。今までは自分だけで喜びや楽しみを味わってきたけど、今は子供達を見ていられる幸せを感じている。子供達がその瞬間瞬間で体験していることを見逃したくないって思っているんだ。」

 

東田トモヒロさんにとっての“1% FOR THE PLANET”とは

東田トモヒロさん

続いて登場するのは、熊本を拠点に活動しているシンガー・ソングライター「東田トモヒロ」さんです。その東田さんからこの番組にメッセージが届きました。

東田さん「こんばんは。東田トモヒロです。最近は、地元の熊本で曲を作ったりして、のんびりしています。そんな僕なんですけど、6月9日にアルバム『NAMELESS SONG-MONO-』をリリースしました。このアルバムは、以前リリースした『NAMELESS SONG』が一度廃盤になったんですが、その後も非常に人気があったので、今回モノラルのリミックスとして、生まれ変わってリリースしました。また、単純にリリースするというだけではなくて、“1% FOR THE PLANET”に参加してのリリースとなります。“1% FOR THE PLANET”がどういうものなのかというと、アルバムの売り上げの1パーセントを、自然環境保護活動をしている団体に寄付をするというものです。これは元々“パタゴニア”というアウトドアウェアブランドが始めたもので、海外のミュージシャンでは“ジャック・ジョンソン”や“ジャクソン・ブラウン”などが参加しています。去年、日本のパタゴニアの店舗の中にあるショールームでライブをすることがあったんですが、それがきっかけで、スタッフの方とお話をすることがあったんですね。前から“1% FOR THE PLANET”のことは知っていて、『いつか参加したい』とずっと思っていたんですが、今回こういう縁があったので、参加することになりました。この“1% FOR THE PLANET”への参加は、日本人ミュージシャンでは初のことだということで、非常に光栄だと思っています。これからも、僕が音楽活動を続けていく限り、この活動を続けていきたいと思っています。

 これからの時代、自分の利益だけじゃなく、みんなで分かち合うということが大事になってくると思います。そういうことに生きがいを感じることができる世の中になればいいと思っています。微力ですが、そういうことをやっていきたいと思っています。」

 

マーク・アキクサさんに影響を与えた
ネイティブ・アメリカンの思想

マーク・アキクサさん

続いて登場するのは、ネイティヴ・アメリカン・フルートの奏者「マーク・アキクサ」さんです。日本の伝統的な楽器「篠笛(しのぶえ)」の奏者だった「マーク」さんは、アメリカのアリゾナでネイティヴ・アメリカン・フルートに出会い、その懐かしい素朴な音色にすっかり魅せられ、独学で吹き方を習得。また、ネイティヴ・アメリカンの人々から、神話や伝説、風習などを教えてもらったそうです。そんな経験が曲作りに影響を与えたのか、うかがいました。

マークさん「彼らの生き方や文化を見ていて思ったのは、自然と共生しているんですね。彼らは、学術的にいうと、アニミズムと表現されるんですが、石とか岩・花・草・川・山など全てに精霊が宿っているということを信じているんですね。そういう考え方は、僕にとってはすごく新鮮だったんですけど、よく考えたら、その考え方って、日本古来からある“八百万(やおよろず)の神様”と言われているようなことと全く同じだなということに気がついて、遠い世界の遠い人たちのことを勉強していたはずなのに、なぜか、自分のルーツにたどり着いたような感じがしたんですね。」

●それってすごく面白いですよね。

マークさん「そうなんですよ! 彼らの文化や音楽を聴いて、曲作りをしているんですけど、人間としてのルーツから、色々なインスピレーションが沸いてきたりしていますね。」

●今年の春にリリースされたデビュー・アルバム「ALL MY RELATIONS」なんですけど、先ほど話していた、様々なインスピレーションを感じた曲が入っているんですか?

マークさん「そうですね。ホピ族の民話や伝説に基づいた曲もありますし、『オールド・オライビ』という、現存する1番古い村があるんですけど、そこに行ったときの感覚を曲にしたものも入っています。タイトルの『ALL MY RELATIONS』というのは、ラコタ族の言葉で“ミタクエオヤシン”という言葉があるんですね。それは、彼らのお祈りの最後に唱える言葉なんですけど、“私につながる全てのものへ”という意味なんです。その言葉を英語にしたのが『ALL MY RELATIONS』なんです。」

●“私につながる全てのものへ”ですか。例えば、自分の家族とか、思想とか関わってくるんですか?

マークさん「もちろん、そういうものもつながっていますけど、厳密にいえば、地球上に住んでいる全ての人がつながっているということでもあるし、さっき話した石とか岩・花・草・川・山など、そういったものに精霊が宿っていて、その精霊も、自分の中にある魂と同じもので、全ての魂はつながっているという教えなんです。」

 

ヘイリー・セールズさんの楽曲に影響を与える
“バンクーバーの自然”

ヘイリー・セールズさん

最後に登場するのは、カナダのシンガー・ソングライター「ヘイリー・セールズ」さんです。カナダの西部、バンクーバー島にある、両親が営むブルーベリー農場に暮らすヘイリーさん。その農場にはミュージシャンでもあるお父さんが建てたスタジオがあり、今年発表したニュー・アルバム『ホエン・ザ・バード・ビケイム・ア・ブック』をそこでレコーディングを行ないました。ヘイリーさんは、バンクーバー島の豊かな自然の中でサーフィンなど、アウトドア・スポーツも楽しんでいますが、そんな自然が音楽や曲作りに影響を与えているか、聞いてみました。

ヘイリーさん「ここに住んでいるだけで、すごくインスピレーションを受けるわ。サーフィンに行ったり、ハイキングに行ったり…。ブルーベリー畑に座っているだけでも。海の中や自然の中にいると、自分の考えがクリアになるし、とても安らかな気分になって、素敵なアイデアが浮かんでくるの。歌詞だけじゃなく、曲を書くときにも自然からは影響を受けていると思う。環境問題や、今の世界で起きていることで感じたことを曲に書くようにしているわ。もっと自分たちをとりまく環境に目を向けるべきだと思う。どの曲もそうだけど、特に「ノット・イン・ヒズ・ガーデン」は私がこの世界の現状に対して感じていることを表している曲。この曲がきっかけで環境問題に目を向けてくれる人が増えたらいいなと思う。自分が危惧していることを知らせるのはアーティストとして必要だから。」

環境を取り巻く問題に少なからず関心を持っているヘイリーさんが、今1番気になることは何なのか、聞いてみました。

ヘイリーさん「気候変動の問題、これがすべて。私たちは小さなことでもいいから、行動をはじめないといけないわ。もっと自然を尊重するべき。私たちは地球に住んでいるけど、所有はしていないわ。ほかの生き物達と地球を共有しているのよ。このままだと地球はもたないわ。私たちが態度を改めないといけないのよ。もっといえば、私はサーファーとして海そのもの、そしてそこに暮らすイルカやクジラといった生きものたちのことをとても心配しているの。だから海洋保護活動を行なっている団体などにどんどん関わるようにしているのよ。だって私たち世代が海をダメにするなんてイヤじゃない?人々は環境=陸地、地球、樹木って考え、時として海のことを忘れてしまっているように思うの。でも海も決して忘れてはならない大切な環境の一部なのよ。普段から、川の清掃を手伝ったりして、環境を守るための活動は意識してやっている。みんなが自分のできることをやるべきだと思うし、海を救うプロジェクトの資金のために曲の売り上げを寄付しようと思っている。だって科学的にみても私たちが生きていられるのは自然があるからだもの。」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 東田さんのコメントにもあった、1%フォーザプラネットですが、私もとても興味を持ちました。賛同アーティストのアルバムを買う事で環境保全に協力できるので、私のようなエコ初心者でも気軽に参加出来ますし、何より自分が気に入った曲を購入して、更に地球の為に何か出来るのがいいですよね!今後も、こういった活動がどんどん広がればいいなぁと思います。

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アルバム「TO THE SEA」

ジャック・ジョンソンさん情報

アルバム「TO THE SEA
UNIVERSAL INTERNATIONAL/UICU-1197/定価2,200円
 約2年ぶりとなる今作は、100パーセントソーラーパワーの電力を使ってレコーディング。楽曲も夏にピッタリなものばかりです。また、アルバムのパッケージはリサイクル用紙が使われています。
 
 その他、ジャック・ジョンソンさんの情報はオフィシャル・ページをご覧ください


東田トモヒロさん情報

アルバム「NAMELESS SONG -MONO-」

アルバム「NAMELESS SONG -MONO-
バウンディ/XQIC-1002/定価2,100円
 東田さんのコメントでもあった今作は、以前廃盤になった「NAMELESS SONG」をモノラルリミックスをしてのリリース! ファンの中でも人気の高い楽曲ばかりなので、一度聴いてみてはいかがでしょうか。
 

東田トモヒロさんライブ情報
 東田さんは9月11日(土)の午後6時から、神奈川県・鎌倉の七里ヶ浜でサンセット・ライブを行ないます。

◎チケット:前売り・2,500円
◎詳しい情報:東田トモヒロさんHP


マーク・アキクサさん情報

アルバム「ALL MY RELATIONS」

アルバム「ALL MY RELATIONS
コロムビアミュージックエンターテイメント/QACK-35008/定価3,000円
 ネイティブ・アメリカン・フルートに魅せられ、ネイティブ・アメリカンから“魂”を感じて作られた、マーク・アキクサさんのデビュー・アルバム。
 

マーク・アキクサさんライブ情報
 8月28日(土)の午後3時から、神奈川県・川崎市の「フィオーレの森・星のサロン」でソロ・ライブを行ないます。

 その他の詳しい情報は、オフィシャルサイトをご覧ください。


ヘイリー・セールズさん情報

アルバム「WHEN THE BIRD BECAME A BOOK」

アルバム
WHEN THE BIRD BECAME A BOOK

ポニーキャニオン/PCCY-01944/定価2,415円
 両親が営む、バンクーバー島の農場にあるスタジオでレコーディングされた今作は、今の世界の自然環境への思いを込められた楽曲ばかり。彼女なりのメッセージを、楽曲を聴いて感じてください。
 

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オープニング・テーマ曲
「JAVA DAWN / SHAKATAK」

M1.  YOU AND YOUR HEART / JACK JOHNSON

M2.  ONLY THE OCEAN / JACK JOHNSON

M3.  アゲハ / 東田トモヒロ

M4.  TIME THE CONQUEROR / JACKSON BROWNE

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「UNDERSTANDING TO THE MAN / KOHARA」

M5.  不思議なハチドリの冒険 / マーク・アキクサ

M6.  NOT IN HIS GARDEN / HAYLEY SALES feat. DONAVON FRANKENREITER

M7.  SOON AS MORNING COMES / HAYLEY SALES

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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