2011年7月30日

NECが実現した“オフィスまるごとエコ”!

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、小村敏美さんです。

小村敏美さん

 今回のNEC presents ザ・フリントストーンは、NECが進める「オフィスまるごとエコ」をご紹介します。地球温暖化の原因になっている二酸化炭素の排出削減、そして今年は特に電力消費の削減が求められる中、NECでは、オフィスで使うパソコンやディスプレイなどの機器や、社員の働き方を見直すなどして、オフィスのエコを実現しています。
 今回はそんなNECの取り組みを、社内でエコを推進してこられたNEC・プラットフォーム販売本部の小村敏美さんのお話をまじえながらご紹介します。

オフィス全体で省エネ!

※NECでは、“オフィスまるごとエコ”と題し、オフィスで使うパソコンなどの機器や社員の働き方を見直すなどして、オフィスのエコを徹底的に取り組んでいますが、“オフィスまるごとエコ”の概要について、NEC・プラットフォーム販売本部の小村敏美さんに話していただきました。

「オフィスの消費電力の大部分は、照明やOA機器やエアコンになります。これらをトータルで省エネにしていきます。さらに、紙の使用量を削減することで、CO2の削減に繋げます。また、働き方を見直して、地球に優しい、エコな働き方を実践することで、部分的ではなく、相乗効果も含めて、オフィス全体の省エネ・CO2の削減を展開していきます。さらに、効果としては、CO2の削減だけではなくて、業務の効率化や経費の削減といった効果も出てきます。」

●具体的にうかがっていきたいんですけど、OA機器の省エネは、どういったことをするのでしょうか?

「例えば、パソコンやプリンター、ディスプレイなどの買い替え時期に、省エネタイプのものにします。パソコンなら、4年前のものと比べて、約8割の消費電力を削減することができます。」

●そんなに違うんですね!

「違いますね! また、パソコン機器の買い替えが難しい場合は、自動的にパソコンの消費電力を削減するソフトウェアがありますので、それをインストールするだけで、パソコンで使っている消費電力やCO2の排出量を“見える化”していますので、自分がどれだけ使っているかが分かるようになっています。」

小村敏美さん

●そして、ワークスタイルを変えるということですが、これはどういう風に変えていくのでしょうか?

「紙の使用量を削減することで、環境に優しい業務のやり方を推進することができますし、木を切らないという意味でも、環境保全に繋がります。また、データをサーバーに保存しておくことで、ネットワークを通じて、どこからでも情報を取り出すことができますので、場所を選ばずにどこでも働くことができるようになります。それによって、ワークスタイルの変化に繋がっていきます。
 さらに、“遠隔会議”という方法があります。これは、今まで外出や出張などをして仕事をしていたものを、Web会議やテレビ会議といった方法を活用することで、交通機関の使用が減ります。それによって、CO2の削減に繋がりますし、業務の効率化、交通費や出張費などの経費削減にも繋がります。」

●他に、建物全体のエコへの取り組みは、どういったことをされているんですか?

「例えば、照明を今では一般的になってきたLED照明に切り替えていきます。また、照明の取り付け器具にアルミ板を使用することで、蛍光灯の裏側の光を表に出すことができますので、今まで二つ必要だった蛍光灯が、一つで二つ分の明るさにすることができるんですね。それによって、消費電力が約半分になります。さらに、センサーを取り付けることで、窓から入ってくる太陽の光が強いときは照度を絞るといった、照度を自動で調整することができるようになります。」

●エネルギーの管理は、どのようにしているんですか?

「エネルギーは、オフィスの消費電力を全て“見える化”しています。オフィスで消費される照明やOA機器やエアコンの消費電力・CO2の排出量を、見やすい形でディスプレイに表示することによって、社員のエコ意識を高めています。」

最先端のエコロジービル「玉川ソリューションセンター」

玉川ソリューションセンター
川崎市に建設されたNEC玉川ソリューションセンター1階には、
NECの環境への取り組みを紹介したディスプレイ・コーナーがあり、見学できます。

※NECでは、オフィスで使う機器や社員の働き方、そして建物そのものの省エネとエネルギー管理を実現した最先端のエコロジービル「玉川ソリューションセンター」を川崎市に建設し、話題になっています。その「玉川ソリューションセンター」の特徴などについてうかがいました。

玉川ソリューションセンター

「NEC・玉川ソリューションセンターは、NECの玉川事業所内にあるオフィスビルで、2010年の5月に建設されました。このビルは12階建てで、約3,000名の社員が勤務しています。このビルの特徴は、建物の設計から運用維持、解体までのライフサイクルでCO2の排出量を削減していることが特徴です。」

●中の設備は、どういったものを導入しているんですか?

「特徴的なものでいえば、高層ビルは一般的に開放できる窓がないかと思いますが、このビルは、外気を取り入れることができまして、日中に温まった空気を夜間のうちに外気で冷ますことによって、翌朝の空調稼動を抑えるといったエコな設備があります。」

玉川ソリューションセンター

●玉川ソリューションセンターを建設する段階で、目標を達成するために、プロジェクト・チームを結成したそうですが、どのようなチームだったんですか?

「“従来のオフィスビルと比較して、CO2の排出量を50パーセント削減する”といった目標を立てました。そのためには、ビルの省エネ設備だけでは達成できないということが分かりましたので、先ほど説明した、オフィスまるごとエコのOA機器の省エネや働き方を見直すことも含めて、トータルで50パーセント削減することを目標に、チームが結成されました。メンバーには、建物の専門家やワークスタイルの専門家など、それぞれの専門家が集まって、オフィスづくりを進めていきました。」

●メンバーは全てNECの社員の方なんですか?

「そうですね。」

●それだと、通常の業務に加えて、プロジェクト・チームの仕事をしていたということですか!? 結構大変そうですね!

「去年の夏は大変でした。」

●そういった目標を立てたことで、今のオフィスがありますけど、その目標は達成できたのでしょうか?

「昨年の10月〜12月までの実績値から年間換算したところ、達成できるということが分かりました。」

玉川ソリューションセンター

●頑張った甲斐がありましたね! 実は先日、NEC・玉川ソリューションセンターを見学させていただいたんですけど、一番印象的だったのが、“見える化”だったんですね。フロア毎にディスプレイがあって、そのディスプレイには、その日の目標となるCO2と電力量が表示されていました(写真上参照)。それが達成できると、ディスプレイに表示されている木に花が咲いて、この花が咲けば咲くほど、目標が達成できていると教えていただいたんですけど、この“見える化”はすごく効果が大きいのではないかと思いますが、どうですか?

「普段働いているだけだと、自分がどのぐらいの電力を使っているか、CO2を出しているかというのは、とても分からないことだと思うんですね。そういったことをしっかりと認識することで、『自分がどうすれば、それを減らすことができるのか』といったことを考えるキッカケになりますので、かなりの効果はあると思います。
 オフィス毎にあった、見える化のディスプレイの他にも、エントランス部分に70インチの大きいディスプレイが置いてありまして、このディスプレイは、社員が出社してくるときに、自然と目に入るように置いていますので、それによって、社員のエコの意識が高くなっていると思います。目標が達成できていない場合、例えば、社員が会社の照明をこまめに消すようになったり、使っていないOA機器の電源を落とすといった行動に結びついています。」

●社員のエコに対する意識がかなり変わったということですね。

「そうですね。」

ペーパーレス化はエコにつながる!

※長澤が見学した「NEC・玉川ソリューションセンター」で行なっている、ディスプレイを使った“見える化”以外にも、そこで働いている社員のデスクまわりに、ほとんど紙が見当たらないようにするといった取り組みも行なっていらっしゃいます。そのことについてうかがいました。

「弊社では、ペーパーレスを推進していますが、ペーパーレス=節電というイメージがないと思うんですね。例えば、紙の使用量が削減されると、おのずとプリンターの使用量が減るので、消費電力の削減になりますし、先ほど話したとおり、紙を作る過程で出てくるエネルギーもありますので、地球にも優しいということにも繋がります。」

小村敏美さん

●紙の使用量は元々少なかったんですか?

「いや、実は、玉川ソリューションセンターに移転する前は、デスク周りに積みあがるほど、紙を抱えていた社員が大勢いました。それを減らすのがかなり大変でした。例えば、“ペーパーレス・キャンペーン”と題して、一斉に紙を捨てる日時を決めて、各自で紙を減らす作業を始めたんですが、それでも、サボってそのままの人がいたんですね。
 そういった人たちのデスクからどうやって紙を減らしたかというと、そのデスクをデジカメで撮影をして、その写真を部内のホームページにアップしたんですね(笑)。それを見た社員が、名前は出されていなくても『自分のデスクが公表されている』と思って、恥ずかしくなってくるみたいで、少しずつ捨て始めるようになってくるんですね。達成した社員に対しても、結果をすぐに発表することで、モチベーションのアップに繋げたりして、工夫していました。

 また、オフィスのど真ん中に、高さが1メートル20センチぐらいある、大きなゴミ箱を設置して、『このゴミ箱に紙をどんどん捨ててください』と通知したんですね。すると、紙をなかなか捨てない社員がその前を通る度に、そのゴミ箱の中に少しずつ紙が溜まっているところを見ると、段々と『捨ててもいいかな』っていう気持ちになってくるんですね。すると、いつの間にかその人も、そのゴミ箱に紙を捨てるようになったんです。これもマインド変革の一つかなと思います。ちょっとしたことで、気持ちが少しずつ変わるんだと実感しました。」

●新しいオフィスに移転する前に、デスク周りも気持ちもキレイな状態で移転したということなんですね。

「そうですね。移転後のフロアを見てもらって分かったと思うんですけど、紙を保存するためのキャビネットがすごく少ないんですね。だから、どうしても紙を減らさないと、移転ができなかったんです。なので、そういう施策をして、少しずつ減らしていきました。
 ペーパーレス化は“働き方の見直し”の部分で一番大きな目的になっています。働き方の見直しというのは、ペーパーレス化を推進していくと、色々な業務の効率化に繋がっていくんですね。それによって、時間を有効活用できるようになってきます。例えば、残業時間が減ると、残業時間中の空調や電気などの使用量が減りますので、エコに繋がっていきます。」

●コピー機もフロアに一台ぐらいしかないので、紙を取りにいく手間が少なくなってきますよね。

「そうですね。コピー機の台数を50〜60人に一台の割合で設置しています。場所はフロアの中央の通りに設置していますので、自席からコピー機までの距離までが遠いので、印刷自体が面倒になってくるので、ペーパーレス化に繋がっています。あと、一人二台のディスプレイを設置することで、今まではマニュアルを印刷して、それを見ながらパソコンで作業をするということがあったんですけど、そのマニュアルを印刷しないで、もう一台のディスプレイに映し出して、それを見ながら作業をするといった“紙を増やさないための施策”を行なっています。」

ポイントは“社員のマインド変化”

※ペーパーレス化に取り組んでいる「玉川ソリューションセンター」では、会議も各自のノートパソコンと大型のディスプレイで行ない、遠方との会議はテレビ会議と、徹底的にペーパーレスを追求しています。そんなオフィスエコの最先端をいく「玉川ソリューションセンター」で働いている社員のエコ意識の変化があったのか、そのことについてうかがいました。

「玉川ソリューションセンター内にいる社員は、意識せずに自然とエコな行動ができていると思います。なので、今後はそれ以外のビルの社員のエコ意識を高めていきたいと思っています。」

●例えば、家に帰ってもエコな行動をしたりと、意識が変わったりしましたか?

「玉川ソリューションセンターで働いている社員に、そういった話を直接聞いていないので分からないんですが、私自身の経験からすると、業務の効率化によって、時間を有効利用できるようになって、プライベートが充実できるようになったので、ワークライフバランスの点で、かなりメリットを感じています。その結果、エコに繋がっていくのではないかと思っています。
 以前、足を怪我して通勤困難になったことがあったんですけど、そういったときに、自宅でもオフィスにいるときと変わらずに業務を行なえる環境が整っていたので、テレワークを利用して業務を行ないました。ワークスタイルが変わっていたから、こういうことができるんだと思いました。そういう働き方にメリットを感じることが、エコに繋がっていくと思います。」

小村敏美さん

●そういった、すばらしい“オフィスまるごとエコ”のシステムなんですけど、こういったシステムやノウハウを導入した事例は他にもあるのでしょうか?

「これまで、品川・関西・本社などの各拠点で部分的に展開しています。それらのノウハウを結集し、さらにビルの設備もエコにしたものが、玉川ソリューションセンターで、“オフィスまるごとエコ”となっています。なので、部分的に導入することができますので、エコの効果が高いものから取り入れるのがポイントだと思っています。」

●今後も“オフィスまるごとエコ”を推進していくかと思いますが、あえて言うなら、課題はどういったところでしょうか?

「ポイントとなるのは、“働いている社員のマインドをいかに変えていくか”だと思います。エコだけでは、社員がメリットを感じることが少ないと思いますし、経費削減も、会社としてはすごく嬉しいことなんですけど、個人としてはメリットを感じにくいと思うんですね。そこで、業務の効率化などのメリットを、早い段階で社員が感じることが大事になってくると思います。」

 

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 私もオフィスまるごとエコを実際に導入した「玉川ソリューションセンター」を見学させて頂きましたが、照明や空調設備など、至る所が省エネとエコを追求した設計になっていました!
 また、1人二台のディスプレイを使用するなど、徹底した「ペーパーレス化」を行なったり、電力量、CO2排出量を一目で確認できる「見える化」を行なうなど、働く環境で常にエコが考えられていることにも驚きました。
 なにより、小村さんも最後におっしゃっていた、一人一人の「働く上でのエコへの意識」は、これから私自身のワークスタイルの中でも考えていきたいと思います。

INFORMATION

NEC情報

“オフィスまるごとエコ”

 NECが進めている“オフィスまるごとエコ”は、他の企業や団体、学校などでもすでに導入され始めています。うちの会社でも導入してみたい、また、もっと詳しく知りたいと思われた方は、NECのオフィシャル・サイト内にある“オフィスまるごとエコ”のページをぜひご覧ください。資料請求や、2010年5月に完成した玉川ソリューションセンターの見学コース参加のお問い合わせもできます。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「GRACIAS / LARRY CARLTON」

M1. LOVE LOVE LOVE / TRISTAN PRETTYMAN

M2. TO THE SEA / JACK JOHNSON

M3. WOULDN'T IT BE NICE / THE BEACH BOYS

M4. SUMMER SUNSHINE / THE CORRS

M5. MIRACLE WORKER / SUPERHEAVY

M6. CHANGES / DAVID BOWIE

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」