2016年4月9日

ハッピー! ベランダ菜園

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、川瀬良子さんです。

 タレントの川瀬良子さんはNHK“趣味の園芸〜やさいの時間〜”のMCでおなじみ。プライベートでも野菜の栽培やお米づくりに夢中になってらっしゃいます。そんな川瀬さんは先日“川瀬良子のプランター野菜”という本を出されました。今回はベランダ菜園を始めるときの心構えや、お野菜を育てるためのコツなどうかがいます。

大変だけど、楽しい!

※川瀬さんが野菜づくりを始めたキッカケは何だったのでしょうか?

「プライベートでお米づくりを始めたことがキッカケで、自分で何かモノを作って食べるのがすごく楽しいことに気づいたんですね。その後にたまたま“趣味の園芸〜やさいの時間〜”の出演が決まって、そこから家でも野菜づくりをやるようになりました。それですっかりハマっていきました」

●番組がキッカケではなくて、その前からお米づくりをされていたんですね。

「そうなんです。友人と神奈川県の大磯で田んぼを借りて、お米づくりをしています」

●なぜお米づくりをしようと思ったんですか?

「元から食べることは大好きだったんですが、その友人が私が行く3年ぐらい前から開墾したりして、泥だらけになっているのは知っていたんですね。ずっと『良子も行こうよ!』って誘われていたんですが、『汚れるのが嫌』とかいって断っていたんです。それが『こんなにお米が美味しいなら行ってみようかな』と思って、行ってみました。それが3月ぐらいの時期だったので、田んぼが草がボーボーで『どこに田んぼがあるの?』っていう状態でした(笑)。“代掻き”っていう作業分かります? 田んぼの土を耕す作業のことなんですが、そこからのスタートでした」

●本格的ですね(笑)

「田植え体験みたいな感じでちょっとウキウキ気分で行ってたら『まずここを耕すところからやって』って言われて、長靴を履いて田んぼに入って、社会科の教科書で出てくるような長いハシゴのようなものを歩いてひきずって耕しました。今はもうトラクターとか機械でやると思うんですが、そこをあえて手作業でやることを自分たちのポリシーにしているところなので、そこからやりました。その日は晴れたり曇ったりいきなりどしゃ降りになったりと、全部の天気を1日で体験するようなすごい日だったんですね。その体験自体もすごいし、大人になってそういう中に体一つでいることってなかなかないじゃないですか。そういう体験も一緒に味わったら、『こんなに大変だけど、こんなにも楽しいならやっていきたい!』て思いますよね! そこから田植えや夏には草刈り、収穫と、1年通してやりました」

●最初に「大変だけど、楽しい」って思ったっていいましたが、“楽しい”っていう気持ちも生まれたんですね。

「そうなんです! 子供のころは自然の中で遊ぶのが大好きだったんですが、大人になるにつれてインドア派になっていって、久しぶりに外で1日中自然を体感したら、それが自分に合っているなって思いましたね」

好きな野菜を育てましょう

※川瀬さんは先日“川瀬良子のプランター野菜”という本を出されました。なぜプランターだったんでしょうか?

「東京にいると“畑を借りる”というのが難しいじゃないですか。私も“畑を借りる”のが夢なんですが、プランターだと20センチの幅があればできちゃうので、家のベランダでもできるので、プランターでやるようになりました」

●お仕事で借りた畑で定期的に野菜を育ててきたかと思いますが、家でも育ててみてどうですか?

「ベランダにプランターがないときは、休みの日は朝10時頃まで寝ていたんですが、プランターを置き始めてから毎朝早起きができるようになりました。『大きくなっているかな?』とか『昨日蕾だったのが咲いたかな?』といった毎朝の楽しみができましたし、先生から『毎朝10時までに水を与えてね』と言われていたこともあったので、毎朝早く起きてすぐベランダに出るようになりました。生活が規則正しくなったので、休みの日に寝坊しちゃう人にはオススメです!」

●そうなんですね! 私も育てているんですが、朝なかなか起きられないんですよね。

「何を育てているんですか?」

●今はバジルとシソとローズマリーですね。

「長澤さんってハーブ似合いますよね!」

●いや、ハーブが楽だって聞いたからなんですよね(笑)。

「本当そうなんですよ! ハーブは強いので、あまり手入れしなくても勝手に育つんですよね。人それぞれに生活リズムがあると思うので、それに合ったものを育てるのもいいんですが、トマトやナスなど実が付くものは、できれば朝10時までには水やりや手入れをする方がいいので、規則正しい生活にしたい人にはオススメです」

●今年は挑戦してみようかな。

「ハーブって料理で使いますか?」

●使いますね。バジルとかあると便利ですよね。

「さすがですね。私が野菜づくりを始めてから7年ぐらいになりますが、それでもまだ7回とかなので、それほど大それたことは言えませんが、『何育てたらいいですか?』ってよく聞かれるんですね。私も最初はハーブをみんなにオススメしてたんですね。友達にも勧めて育ててたんですが、彼女はすごく大きく育った夏頃に『私バジル好きじゃないわ』って気づいたみたいなんですね(笑)。もう一人の友達からも『あれだけたくさんできても使いきれない』と言われたんですよ。それで『これは食べたいものを作るのが一番なんだ!』って思いました。私はトマトもナスもピーマンも大好きなので、その3種類は毎年必ず育ててます。それに、好きなものを育てると、より愛着がわくのでオススメです!」

※ベランダで野菜を育てると、こんないいこともあるそうです。

「ベランダのプランターで毎日育てていると、5月ぐらいに植えた50センチぐらいの苗が夏になると自分の背丈ぐらいになっていて、トマトだと赤い実を付けてるんですよ。自分の3ヶ月前って覚えてますか?」

●はっきりとは思い出せないかもしれないです。

「そうじゃないですか。でも、苗はその3ヶ月でかなり育つんですよ。苗からそこまで成長したのを振り返ると、その3ヶ月という月日を一緒に味わうことができるんですよね。それが楽しくて、今でもハマってます」

野菜人のバイブス!?

※川瀬さんは自分で野菜作りを始めてから、こんなことが気になるようになったそうです

「自分が野菜づくりに携わるようになってから、人の畑がとにかく気になるようになって、電車に乗っていても『あの育て方かっこいいな』とか、『あの畑はオシャレだな』と思うようになって、誰にでも声をかけるようになりました(笑)。あと、電車が止まったときに線路沿いに建っているお家のベランダ育てている野菜で、私が先生から教わっていない支柱の立て方をしていたりすると『あー! 教えてあげたい!』って思っちゃうんですよね! それに、畑におばちゃんとかがいると、ついつい声をかけちゃうんですが、話していると『あなたはもしかして、川瀬良子さん?』って聞かれますね(笑)。皆さん番組を見てくださっているんですが、私よりも野菜づくりがはるかに先輩なので『あんなにキッチリ育てなくていいのよ』って言われるんですよね(笑)。でも、先生方も『収穫に一番の近道のやり方を教えているだけで、こんなにしっかりしなくてもいい』と言ってくださっているんですね。声をかけてくださるおばちゃんたちのアドバイスも受けて、“自分のペースに合わせた育て方をすると楽しくできる!”ということを学びました
 不思議なんですが、野菜を育ててる人同士が分かり合えるバイブスみたいなものがあると思うんですよね(笑)。日々の悩み相談だったり、自慢したいこととかあると思うので、コミュニケーション・ツールになっていると思いますね」

●そういう点でも、野菜づくりをするのもいいかもしれないですね!

「絶対にいいと思います! あと、野菜づくりをしている人はどんな人でも『いい人かもしれない』と思っちゃいますね(笑)」

●(笑)。今まで野菜づくりをしている人にたくさんお会いしたかと思いますが、皆さんいい人ですか?

「すごくいい人ばかりです! お米づくりもそうですが、やっぱり大変な作業じゃないですか。それを楽しみながら収穫したときに、私は静岡出身なんですが、近所のおじちゃんおばちゃんが家庭菜園でたくさん獲れたら近所に配ったりするじゃないですか。そういう根っこにある優しさみたいなのが野菜づくりをしている人にはあるような気がしますね」

●そう考えると、子供と一緒に作るっていうのもいいかもしれないですね。

「いいと思います! 私は以前、千葉県の我孫子の大きなマンションの3階に住んでいたんですが、4階と10階にいた友達には子供がいて『マンションだけど野菜づくりをしたい』といって、私の家のベランダで野菜づくりのスタート部分をやってもらいました。ある友達の子供は幼稚園でトマトが大嫌いだったんですね。そこで私があえてトマトの苗を分けたら、自分で植えたので、何も言わずに収穫して食べて『美味しい』って言ったらしいんですよ! やっぱり、自分で育てると、子供ながらに育てる苦労とかが分かるみたいで、その野菜に愛着を持つんですよね。なので、食育にはすごくいいと思います!
 私が“趣味の園芸〜やさいの時間〜”を始めたのが28歳の頃だったんですが、そのときまで種とか見たことなかったんですよ。大根の種が1ミリぐらいとか、トマトの苗が10センチぐらいしかないこととか全然知らなかったので、大人も勉強になると思います」

野菜づくりに失敗はない

※川瀬さんは野菜づくりを通して、こんなことも学んだそうです。

「うまく実がつく・美味しくなる・キレイな形になるのが正解だと最初の頃は思っていたんですが、トマトだと“尻腐れ病”という下のところが黒くなってしまったり、雨に当たって実が割れてヒビが入って腐り始めたりと、どうしてもうまくいかないときが多くて、“趣味の園芸〜やさいの時間〜”の講師でもある深町貴子先生に『毎年失敗しているんですよ。私、育てるのは大好きなんですが、向いてないかもしれないです』と話したら、『野菜づくりに失敗はないのよ。ベランダならベランダ、畑なら畑で、野菜はその場所に適した育ち方をするので、うまく実がならなくても、それは失敗じゃない! ただ愛情を持って手助けをすればいい』と教えてもらいました。『失敗はないんだ!』って思ったらすごく楽しくなって、『たとえ形が変でも、野菜作りそのものを楽しめばいいんだな』と思えばすごく気が楽になりました。そこから毎年楽しめるようになりました」

●それって、人生にも置き換えられますね。野菜って、スーパーで売ってるものの形が正解だと思ってるじゃないですか。私もそうしないといけないと思っていたんですが、実はそうじゃなくて、どんな形・色・大きさでもいいんですね。これは自分の教訓にもなりそうです。

「そうですね。改めて、農家さんってすごいんだなって感じました。あんなにキレイな形を毎年何万という数を出荷して、私たちのところに届けてくれるじゃないですか。もし台風が来るとなったら、ベランダの小さなプランター1個でも家の中に入れて避難させようとするんですが、露地栽培やハウス栽培だと、そうもいかないじゃないですか。何万分の1かもしれませんが、農家さんの苦労や感謝が深くなりました!」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 とってもチャーミングな笑顔の川瀬さんなんですが、野菜作りのお話をしている時は、その笑顔が一層キラキラとしていて、そのお顔を見ているだけでも、野菜作りって本当に素敵なことなんだということが伝わってきました。これから野菜作りにもいい季節なので、今年は私もハーブだけでなく、ちょっと手間がかかる野菜にも挑戦してみたいなと思います。

INFORMATION

川瀬良子のプランター野菜

新刊『川瀬良子のプランター野菜

 主婦と生活社/本体価格1,200円

 川瀬さんの初めての本となるこの本には、これまでの経験をもとに、初心者が陥りやすい失敗など、お悩みを解決しながら形などは気にせず、美味しく収穫出来るコツなどが満載です。家で野菜づくりを始めたい人にはピッタリな1冊です。

オフィシャル・ブログ

 川瀬さんの近況はオフィシャルブログをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「GRACIAS / LARRY CARLTON」

M1. LIFE / DES'REE

M2. HAPPY / PHARRELL WILLIAMS

M3. HELLO, YOU BEAUTIFUL THING / JASON MRAZ

M4. LOVEFOOL / THE CARDIGANS

M5. セロリ / 山崎まさよし

M6. GIFT / Mr.Children

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」