2018年4月21日

山が大好き! りっちゃんと山登り!?
〜moumoonのYUKAさんとガールズトーク

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、moumoon(ムームーン)のYUKAさんです。

 フランス語の「mou」ムー(やわらかい)と、英語の月moonをあわせてつくった造語「やわらかい月」という意味の「moumoon」は、ヴォーカルのYUKAさんとコンポーザーのMASAKIさんによるユニット。2007年にメジャーデビューを果たし、2010年リリースの「サンシャイン・ガール」が大ヒット! また、YUKAさんはbayfmで2007年から2016年まで、レギュラー番組「やわらかい月の下で」を担当されていました。

 そんなYUKAさんは子供の頃の原体験からなのか、山や自然のフィールドが大好きで、まさに今、山登りにハマってらっしゃいます。今回はそんなYUKAさんに山登りの魅力や、蝶々をモチーフに作った曲のお話などうかがいます。

大木に触って“あ゛〜〜〜”!

※YUKAさんはどうして山登りにハマったのでしょうか。

「小っちゃい時によく、長野県にある八ヶ岳の、赤岳(あかだけ)の麓(ふもと)に遊びに行ってたんです、登山道のすぐ近くに家があったので。そこを登って行くと登山をしているおじさんたちが鈴を付けて登っているので、一緒に途中まで行くんですけど、(まだ子供だったから)それより上は行けないので、富士山が見える岩の上に座って、作って持ってきていたお弁当を食べて、夕暮れ時になる前にお家に戻るっていうのが私の日課でしたね。小っちゃい時から山に登るのが好きだったんですよね」

●登山道の入り口のすぐ近くに家があるって、もう本当に山登りするためにそこに生まれたと言ってもいいくらいですよね(笑)。

「そうなんですよ! だったら、それを活用しなきゃって今は思うんですけど、当時は全然(本格的な)登山とかはしていなく、プチ登山だけだったので、今は本気の登山をやりたいなと思っています」

●本気の登山をやりたいと思ったきっかけは何かあったんですか?

「最初は、仲のいいライヴハウスの店長さんがいて、その人が登山部っていうのをやっていて、“みんなで高尾山に登ろう”っていうのをやっていたので、それに参加させてもらったんですね。それで、“あ、登山って楽しいな!”って改めて思ったら、どんどん山に行きたくなっちゃったんです。それで最近、bayfmで番組をさせていただいていた時のディレクターさん“りっちゃん”と……」

●癒し系のりっちゃんですね! 私も会ったことあります(笑)。

「一緒にいるだけで癒される、本当に柔らかい方なんですけれど、そのりっちゃんと一緒に奥多摩とか青梅のほうにある日の出山、あと御岳山に登って、“帰りには温泉に入って、ご飯を食べて帰ろう!”って言ってカツ丼を食べたりとかしていますね(笑)」

●下山後に結構ヘビーなものを召し上がっていますね(笑)。

「登る前からチャーハンとかガッツリ食べてたりとかしてます(笑)。山に入ると、普段話すようなことじゃない話とかもできたりして、私は結構、りっちゃんにいろいろ相談とかしながら頂上で泣いたりとかもしていますね(笑)。何だか溢れてきちゃって私は泣いていて、それを黙って聞いているりっちゃん、みたいなこともあります。
 でも、それだけじゃないですよ。山のそばに温泉があって、頑張ったご褒美に温泉とご飯っていうのが好きなんですよね。よく行きますね」

●本当に山登りを楽しんでいらっしゃるんですね!

「楽しい! もう、葉っぱを見ているだけで楽しい! 木とかコケとか、そこに生えている植物が大好きで(家でも植物を)よく育てているので、見たことない植物を見ると写真に撮ったりもしますね」

●自分で育てている植物と山で見る植物って、ちょっと違います?

「全然違います! 私たちが育てられる植物ってすごく小っちゃいじゃないですか。みかんの木とレモンの木と、あとトネリコの木とローズマリーとかハーブとかいっぱい育てているんですけど、みんなまだ小っちゃいんですね。
 でも森の中に入ると、自分よりも何百年、何千年っていう時を過ごした木々がいて、そうするとすごく大きなものに包まれたような気持ちになれるんです。なので、たまにすっごく太い木を見ると、“触っちゃいけないですよ”って書かれていない木にはすっと手の平を当てて、“あ゛〜〜〜”って声を出しています(笑)」

●ずいぶん太めな声ですね(笑)。

「なんか安心する〜〜って。抱きつくとちょっとストレスが下に流れていく、みたいな気がします」

一人ひとりの“花咲く場所”

※山登りにはまっているYUKAさんは、いつか山でこんなこともしてみたいそうです。

「ガスバーナーを持って行って、山頂でラーメンを食べたいっていう憧れがありますね。一個一個、道具を買いによく行くんですけれど、そこで靴を最初に買って、その次にリュック、その後にバーナーとかそういう物が欲しいなって今は思っています」

●アイテムを集めるの、楽しいですよね〜!

「楽しい! でも、まだ初心者だから何から集めていいかわかんないんです。最初に持っていたほうがいい物って何かあるんですかね?」

●私が最初に勧められたのは、山用のスパッツ! 疲れないように、膝のところをちょっとサポートしてくれるようなスパッツがあるといいって言われましたね。やっぱり疲れちゃうと、山登りが嫌いになっちゃうから、なるべく疲れないようにそういうのを持っていたほうがいいよって、四角友里さんっていう、山登りのステキ女子の方にうかがいました。

「あ〜! インナーとか大事ですよね。ちょっと知識を増やさないとですね」

●でも、一個一個アイテムを集めていくと、それだけでもワクワクしますよね! 何か山登りに欠かせない物ってありますか?

「何だろうなぁ……携帯電話でも大丈夫ですけど、レコーダーを山に持って行って、車が通らない所に半日ぐらい置いておくと、自然の音がすごく録れるんで、それを後で聴き返しますね(笑)。よく、眠れるCDとかあるじゃないですか。鳥のさえずりや小川のせせらぎとか、そういうのを自分で録りたくて、小川の近くに置いておいたり、枝にぶら下げたりするんですけど、そうして録ったものを夜に聴いて寝るとか……ちょっと変ですかね(笑)?」

●いや、変じゃないと思います!

「たまに虫が寄って来て、よく聴くと“ブゥ〜〜ン!”って飛んでいる音があって、“早くどっか行け”と思いながら早送りしたりすることもあるんですけどね(笑)」

●ミュージシャンの方ならでは、という感じでいいですね! やっぱり、自然の中の“音”が気になるんですか?

「そうですね。景色ももちろんなんですけど、やっぱり目を閉じて風の音に耳をすましたり、水の音が大好きなんで、いつも水を見つけると録音しちゃいますね」

●リラックスできるんですね。

「そうですね、リラックスして体の力が抜けていくというか、柔らかくなってほぐれていく感じですかね」

●そういう音を実際に曲に入れたりしたことはありますか?

「ありますよ! 雨の音を録音しておいて、昔リリースした『It's Our Time』というアルバムの中に入っている『Fight Back』という曲があるんですけど、その曲にノイズとして使ってみたりということもやっていました。今回のアルバム『Flyways』だと、自然の中で聴くと合うような曲がもっと多いので、今後、そういう曲にちょっと使ってみるのもいいかもしれないなと思います」

●自然の中で聴くといい曲って、今回のアルバムだとどの曲ですか?

「(どの曲も)ほとんど植物を眺めたり、山に行った時に得たインスピレーションで作ったので、だいたい全部なんですけど、うーん……『花咲く場所』という曲が10曲目にありまして、この曲は昔から見ている八ヶ岳の大自然の景色とか、冬を越えてうわぁーっと緑がどんどん濃くなって花が開いて、空に向かって伸びていく姿っていうのがすごく浮かんだんです。
 それを心の中の景色として、“あなたの心の中にも花咲く場所があって、それは誰にも奪うことができないものですよ”っていう歌なんですね。とっても大事に思っている曲なんで、これがいいかな」

蝶々の通り道

※山に登ると、そこにある植物からたくさんのことを感じるとおしゃっていたYUKAさんですが、家で育てている植物からも学ぶことはあるのでしょうか?

「ありますね。朝起きると必ず植物にしゃべりかけながら水をあげるんですけど(笑)、その後、虫が付かないように、葉を一枚ずつ霧吹きで水をかけたりとかしているんですね。そうすると本当に、小っちゃな変化なんですけど、芽が出てきたり、冬の間は寒いから縮こまっていますけど、“この冬を越えたらたくさんの花が咲くんだろうなぁ”とか考えたり、ただただお水をあげているだけなんですけど“本当に寒い中でも一途に、こんなに頑張って生きているんだ”と思うと学ぶこともすごくいっぱいあります。

 すごく好きな言葉がありまして、それが“花が咲くことができない時期は、必ず人にはあるんだけれども、そういう時は花を咲かせることを急ぐんじゃなくて、根を下におろして、どんな風や雨が来ても負けない、太い根を張るような、そういう気持ちでいなさい”っていう言葉で、そういう気持ちでいろんな歌詞を書きましたね」

●“なかなか芽が出ないけど、今は根を張る時期なんだ”っていう経験は、YUKAさんにもあったんですか?

「やっぱりありますね。アルバムを作っている時期って大抵、家にこもっていると言いますか、何か悩みながら、克服したいなと思いながら何かに向かっていたりとかも多いので、“今は我慢の時だ”とかも考えますね」

●じゃあ今、やっとアルバムが出せて、花が咲いたところですね!

「もう、全身で春を表現しています! 見てください!」

●本当だ! 髪留めがすごく鮮やかな、色とりどりのお花ですね! 咲いちゃってますね〜! 私たちは、YUKAさんが一生懸命お水をあげて根を張らせて育てた花を、こうしてアルバムとして楽しませていただいているわけですね!

「そう思っていただけると嬉しいです!」

●今回のアルバム、ジャケットの蝶々がすごく印象的で綺麗だと思ったんですけれど、蝶々にも何か思い入れがあったりするんですか?

「ありますね。あ、そうだ! これを話さなくっちゃ! 今回のアルバムは『Flyways』っていうんですけど、これは“蝶々の通り道”っていう意味で、先ほども登場しましたけど、りっちゃんと私で登山をしている時に蝶々が飛んで来て、“寒い季節に蝶々っているんだね”みたいな話になったんですね。それで私が“蝶々、指に止まらないかな?”って思って指を差し出したりとかして蝶々と交信している姿を、りっちゃんが微笑みながら写真を撮ってくれていたんですけれど(笑)。その後、歩いていたら“あなたには蝶々の通り道が見えますか?”って書いてあるのを見つけたんですね。“わかんないな”って思いながらも、“蝶々って通り道、あるの?”って思ったんです」

●そうですよね、蝶々って自由に飛んでいるイメージがありますよね。

「そうなんです。蜜を集めてふわふわ〜っと好きに飛んでいるイメージだったけど、実は黒い蝶々は日陰を通ったり、明るい色の蝶々は日向を通ったりというように、道が決まっていたり、海を渡る蝶々もいたり……。それを知った時に、“私たち人間の目には見えない道がある、ってすごい素敵なことじゃない!?”って思ったんです。
 なので、人間にもそういう、目には見えないけれども無意識に追いかけている運命の道みたいなのがあるような気がしたんです。そこで本当に思いが通じ合える友だちと出会えたりとか、不思議なことが起こる道って絶対にあると思うんですよね!“そういうことがみんなにもたくさんありますように”とか、そういうことを表現したくて『Flyways』というタイトルにしました」

●そっかぁ……私たちにも蝶々と同じような道があるのかもしれませんね!

「そんな気がするんですよね」

月が満ちれば会える!?

※moumoonといえば、満月の日に行なう「フルムーン・ライヴ」が評判です。そのライヴについてもうかがってみました。

●3月31日にやっていた「フルムーン・ライヴ」の配信を見させていただいたんですけど……。

「あー、長澤さんに最初に見ていただいたフルムーン・ライヴがそれでよかったのかなぁ。なぜかというと、その時、私たちはライヴじゃなくてゲームしてたでしょ(笑)」

●最初に歌って、中盤でゲームをしてて、そして最後にまた歌をうたってましたね(笑)。

「そうそう(笑)。普段は相方のMASAKIくんと私のふたりだけでやっているアコースティック・ライヴだけなんですけど、その日はなんかテンションが上がっちゃって、マリオカートがすっごく面白くて、そのゲーム配信をネットでやっちゃった、みたいな(笑)」

●ふたりとも真剣にやっているんですけど、口調がふたりとも優しいので、熱いレースなんだけど “いや〜”“それは〜”っていう感じで話している、そのギャップがたまらなく面白かったです(笑)。でもそこで印象的だったのが、“満月おめでとうございます!”って言っていたじゃないですか。なんで“おめでとうございます”なんですか? ライヴの時はいつも言っているんですか?

「言っていますね。月に一回、みんなと会える日なので、お祝い事みたいに思っていて、しかも一年に一回、中秋の名月にやるライヴ “FULLMOON LIVE SPECIAL” っていうのがあって、大きなホールとかライヴハウスでやっているんですね。それがmoumoonのお正月みたいなものなので、“おめでとうございます”と言っています(笑)」

●満月に日にライヴをすることによって、何か変わったこととかってありますか?

「どうだろう、もう10年ぐらい満月のライヴをやっているから……でも、月を見る回数が、私はもちろんなんですけど、フルムーン・ライヴを知って見てくれている人たちは“本当に月を気にする回数が増えました”って言ってくれるんですよね。
 例えば、仕事とか友達と約束事をする際に“何日、空いてる?”って言われた時“あ、ごめん、満月だから無理だわ!”みたいなことをmoumoonのマネージャーさんとかが言うと、“満月の日に何があるの!?”ってmoumoonを知らない人は言うらしいんですね(笑)。“moumoonは満月の日にライヴをやるから、その日は1日無理なんだよね”っていう感じで、マネージャーさんもそうですし、スタッフさんやファンの方も満月の日は何かある、みたいな(笑)。そう言ってくれるので、嬉しいですね」

●それって面白いですよね! 昔の人は月の暦で農作業とかをしていましたけれど、今の人はほとんど月の満ち欠けって意識しないじゃないですか。

「あんまり気にしないよねぇ」

●でも、moumoon関係の人は月の満ち欠けを気にしているっていうのは、面白いですね。

「多分、友達とかがいても、ふと月をぼーっと見ていると、“あぁ…月が太ってきたなぁ…”って言ってくれたりすると思うんですよ。それがいいですよね。カレンダーじゃなくて、空を見上げればちゃんと目印がある、みたいな。そういう“繋がっている感”みたいなものはありますね」

●そして、その月が満ちた時には、みんなに会える! 素敵ですねぇ…。 それでは最後に、YUKAさんにとって音楽と自然、どんな繋がりがあると思うか、教えてください。

「エネルギーをたくさんもらえて、感性が豊かになる場所なので、これからも繋がり合っているものなんじゃないかなと思います」

●あと、ぜひ久しぶりのbayfmなので、リスナーの皆さんにもメッセージをお願いします。

「bayfmリスナーのみなさん、お久しぶりです! きょうはたくさん山のお話や自然のお話ができて楽しかったです。また、どこかでお会いできたら嬉しいなと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。また会いましょう!」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 初めてお会いしたYUKAさんは、歌声もお肌も抜群の透明感でしたが、何よりその「感性」に澄んだ透明感を感じました。1匹の蝶々からその通り道を知って、私たちが歩む道まで繋がっていく、という感性。私だったら「蝶々綺麗だな」で終わりそうです(笑)。これからもぜひ、その素敵な感性で、自然の美しさ、儚さ、力強さを歌にして欲しいですね。

INFORMATION

『FLYWAYS』

『FLYWAYS』発売記念ライヴツアー

 ニュー・アルバム『FLYWAYS』は、全12曲収録。どの曲もきらきらしたポップチューンで、今の季節にぴったりです!
 そして現在、そんなニュー・アルバム『FLYWAYS』の発売記念ライヴツアーが行なわれています。首都圏では5月4日(金)に「HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3」で、6月3日(日)に「横浜BAYHALL」でライヴが予定されています。
 詳しくはmoumoonのオフィシャルサイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. SUNSHINE GIRL / moumoon

M2. ノルウェイの森 / THE BEATLES

M3. 花咲く場所 / moumoon

M4. YOU BELONG WITH ME / TAYLOR SWIFT

M5. Flyways / moumoon

M6. MOONLIGHT SERENADE / CHICAGO

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」