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2003. 6/16〜6/19 ゲストトーク(概略)
● 現代生活に適したふとん・涼しく眠る夏のふとんについて
 代々ふとん屋をやっています。継ぐのはきらいじゃなかったですね、ふとんが
すごく好きです。時代の流れと共に日本家屋も変わってきました。昔は木造で隙
間風が入っていたものが、今ではコンクリートで出来たビルだったり、そういう
形で生活環境が変わると、寝具自体も、掛け布団、敷き布団、すべて変わってき
ます。そんな中で、皆さんに質の高い眠りを、と思った時、私は自然素材が好き
だからその中のベストチョイスをお勧めしたいですね。
白井千雄 さん
Profile
 ふとんの方は、綿や麻など天然素材を中心にやっていますが、綿のふとんに関
しては、私は今の時代必ずしもすべての方にあうとは思っていません。メンテナ
ンスがかなり必要ですし、一週間に1度は最低干してもらいたいなと思う。お日
さまの匂いのするふとんというは実は絶妙です。アロマテラピーなどの匂いとは
またちがい、寝ることにあたって非常にプラスになるんです。
寝具店「いづみや」店主。(東京都狛江市の「わたや」の10代目、ふとん店となって3代目の店主。)
現代の既成の生地や科学的な素材に違和感を感じ、「わたや」の原点に帰って仕事を始める。
綿素材の素晴らしさを生かしたふとんづくり、ひとりひとりの体型や好みにあわせたふとんづくりはもちろん、綿の打ち直しも専門の職人を抱えて丁寧に対応する。
また自宅脇に畑を作り、日本産の綿「由比ヶ浜」を育成。種蒔きから収穫を一般公開して、その綿で座布団を作るワークショップも展開中。
「いづみや」のHPはこちら
 座布団に関しては、クッションの延長線上という形でやっています。クッション
は丸、もしくは四角ですよね。座布団ももともとは四角ですが、その形を若干変え
ることによって新しいジャンルが生まれていると私は思っています。生活様式がフ
ローリングでソファーであっても、フローリングの床に座ってソファーに寄りかか
りたい時などに、座布団兼クッションっぽいのが登場したらいいなと。昼寝布団も
じつは昼寝する時ばかりではなく、ちょっとごろっとしてテレビを見たり、音楽を
聴く時にいい。ソファーの上でくつろぐのとは、また違った世界が味わえるのでは
ないかと思います。
 日本のじめっとした夏には、さらっとしたひんやり感のある麻の布団がお勧めで
す。寝る環境にもよりますが、理想的には麻の敷き布団に麻の掛け布団、全て中身
も麻、というのがひんやりとして気持ちがいい。今までかなり低めに設定していた
エアコンを少し控えても、そんなに不快感がなくてすむと思います。体感温度の違
いは2度くらい、2度違うとかなり違いますよ。肌にあたっている部分は熱伝導の
関係で暖かくなりますが、麻の場合、寝返りをして位置がちょっとずれるだけで、
またひんやりする。かなり心地よいのです。
●「質の高い眠り」を得ることの大切さについて
 「食べる」ことに関しては家庭科の授業で習ったりしますが、「眠る」ことに関
しての大切さ、質の高い眠りの重要さを誰から教えてもらうのか、というのがある
と思うのです。今はいろいろなところで布団は売っていますから、ただ単に予算に
見合ったものを買ってきて寝ることはできる。でもそれでは違うと思うのです。気
持ちよく眠るためには様々な要素が必要です。残念ながら今はそういう基準値がな
い。この大切な「寝る」という文化に対して、あまりにも日本の方たちは無頓着に
なりすぎていると思うのです。私も別にめずらしいことをやっているという認識は
ないのです。ごくあたりまえのふとん屋をやっていたらこういう形になりました。
本当は「寝具」って、それくらい大切なのです。
 若いうちは身体の新陳代謝も激しいし、どんなところでも寝られます。でも社会
に出てストレスが溜まり始めると、就寝時もいろいろなことを考えたりして眠りに
くくなる。ふとんがその人にかなりあっているものであれば、その負担も軽くなる
のです。暑い時は暑いなりに涼しくする、そしてなるべくエアコンを控える、それ
によって自己免疫力も高まる。夏場、エアコンのかけすぎで風邪ひいちゃったのか
な?という方を見かけますが、自分に合った布団でそんな負担もなくなれば、おの
ずと身体は回っていきますよね。ますます今、ふとん屋がおもしろいと思っています。