2002年4月21日

清水國明さん定点観測 in 2002

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは清水國明さんです。
清水國明さんとエイミー

 芸能界きってのアウトドアズ・マン、自然暮らしの会の代表・清水國明さんには、もう7年間、毎年4月に定点観測をさせていただいています(初出演が95年4月)。実は最初に出ていただいたときの清水さんの不用意なひと言(?)「来年は違うこと言っちゃってるかもね」の言葉に、すかさずエイミーが「じゃぁ、毎年出ていただいて、言動をチェックしましょう」と突っ込んだことから、定点観測企画が実現したわけです。今回はそのあたりの想い出話から会話が始まりました。

「この芸能界、そんな話はよくあるじゃないですか。また次も是非とか、また今度飲みましょうとか。まさか本当に毎年呼ばれるとは思いませんでしたよ。“清水口だけ”、とか言われるぐらい、いい加減で、約束事とか、聞かなかったことにしようとか、なかったことにしようとかってところがあるんですけど、これに関しては僕も段々性格が変わってきて、約束したことは守らないかんなぁと思ってるんです」

清水國明さん手作りナイフ
ナイフのカヴァー

●その間、私なんかナイフ作ってもらったり・・・。

「あぁ、最初の時ね。2回目にナイフ作ったことがあったでしょ? エイミーさんが自分で作ったやつ。それを僕がお預かりして仕上げときましょう、てなことになったのはいつだっけ?」

●もう2〜3年前ですよ。

「その時に預かってたやつ、実は持ってきたんですよ。あの時のナイフ。最初のは小さかったけど、今度のは本格的なナイフ、覚えてるかな、自分が削ったやつなんだけど。ずっと中途半端になってたんで、一生懸命仕上げてきましたよ」

(ここで清水師匠、堂々たるナイフをエイミーの前に出す)

「これやばいっすよ。本格的っすよ。これが言いたかったんです」

●本当に忘れたころに届けられる驚き。やったぁ。
 ところで、今日のオープニング・ナンバーでもあった『ブラックバス』。今まで外来の害魚としての認識しかなかった人も多いかも知れませんが、清水さんのこの歌を聴いて認識を新たにした人もいると思いますけど。

「正直言うと自分自身もロクな魚じゃないなと思ってた時があったけど、釣ったこともない、食ったこともないで、批判してるだけじゃだめだと思ってやってみたら凄い発見があったんですよ。その一つは他の魚を全部食べ尽くしてしまう、どう猛なものかと思ったらそうでもない。食魚性という魚を食べるという意味ではニジマスとかアマゴとかイワナの方が素早い。敏捷性がないぶんだけ食魚性はたいしたもんじゃない。大きな口でガバガバ食ってるというイメージがあるんだけど、食べ尽くすということはないということ。
 それから、その魚をペットのように愛している、例えば犬や猫のように好きな青少年がたくさんいる。その子たちの前で、殺しちゃえとか食べちゃえとか言うことは、言い方変えると犬とか猫を食べちゃえと言ってるのと同じで、非常に残酷な響きがある。その子たちを傷つけるという意味で。
 それにブラックバスが生態系を壊すという、科学的なデータがあって立証できているのかというと、琵琶湖においてですら一度も調査されていない。それがないまま、ブラックバスだらけになったとか、食べ尽くすとか言ってるわけで、根拠のない風評であるということがわかって。
 さらにアメリカの事情、つまりブラックバスを生かして活用することによって、自然を守っていこうというような、つまりは、釣り人が落とす経済効果によって自然を守っていこうという。
 現実、どんな学者さんよりもたくさん水辺に行っている僕らから見て、この75年の間に食べ尽くしちゃった水域なんて一つもないわけですね。確かに金魚の養殖場とか、鯉の養殖場にブラックバスを放したら食べちゃったということを声高に言う人がいるけど、それはそうだね。それはブラックバスじゃなくて、鯉の大きいのやニジマスだって同じことが起きるわけです。だから、不法に放す人を弁護するつもりは毛頭ないけど、そういうこともあるわけですね。
 それをあえて人間が、この食物連鎖の順番のこいつが悪玉っぽいからこいつをとっちゃえ、ということで、例えばある人たちが言ってるみたいに駆除したり、爆破駆除やろうとか言うんですよ。ダイナマイト入れてその水辺を殺しちゃえとか、毒を流せとか遺伝子をいじろうとか。そんなところに人間が変に関わりを持つほうが自然の体系を破壊すると思うから。
 ブラックバスはきっかけですから、必ず変わると思います。釣り環境保全連盟というNPOがあるんですけど、そこの理事をやっとるわけですよ。これからは師匠は飽きちゃったから理事と呼んでいただきますが、我々は水辺の番人として良くしていこうということで地域も活性化しよう、経済効果も上げていこうということで取り組んでますから」

●さて、この一年の清水さんですが、やっぱり釣りメインだったんですか?

「いや。そうするとそれしかしてないように聞こえるかもしれませんが、魚釣りでしょ、丸太小屋、魚釣り、ログハウス、あとカヌー作ってましたね。あとナイフ、以上ですね。あれーっ!同じですね。7年間同じことやってるのかなぁ。あれーっ!」

●でも去年はあのねのねも。

「あぁ、それ系は忘れるんだなぁ、私。そうですよ。もう、ずっと作品作ってました。頭がアーティストになってました。全国ツアーやるぞぉ。その後は世界ツアーだって言いながら、どこでどうなっちゃたのか・・・。今年もアウトドアのイベントの中では『ブラックバス』を歌ったり、『クニアケ音頭』ってのがあるんだけどそれも何度か。小室等さんともジョイントしたり、原田とも気持ちは合わないんだけどスケジュールが合えば、やることはやりますね」

●まぁ、定点観測も7年ということで、夫婦でいうなら7年目の浮気の時期に達しているわけで、ナイフかなんか持ってこられてプレゼントでごまかされて、というところなんですが、これからのご予定は?

「多分、去年も言ってたと思いますけど、山梨県の西湖。そこに自然暮らしの会のでかいの作りますよぉ、みんなからお金集めてやりますよぉって言ってたし連載原稿にも一杯書いたんですよ。あの件ね、挫折しましたね、見事に。もうビックリしましたね。西湖計画やめ。もうね、こんなことってあるんかなと思うぐらい。村長さんとこ行ったり地元の民宿協会の人に集まってもらって説明会まで開いたわけですよ。悪徳不動産屋がマンション建てさせて下さい、みたいな感じになったんですよ。芸能人がなんか作るっていうんで環境を破壊されても、と思われてるかと思って、一生懸命誠実に説明させてもらって、そこはクリアー。民宿が潤って、地元が良くなればいいということになって、場所まで借りたんですよ。で、最終打ち合わせに行ったときに、そこは国定公園で建てられないということがわかった。そんなこと、そういう手続きを踏んでる途中で教えてくれよと思うんですけどね。でも、ちゃんと調べて、規制の網がかかっているのは、ここまでで、こっちは何を建ててもいいっていうから、俺はその気になってお金集めまでしていったら、ダメですって」

●でも、そこでわかってよかったですね。じゃなかったら、“噂の現場”ですよ。

「不法建築になっちゃうよね。一時はホントにやったろうかなと思うぐらいだったんだけど、それで、地元の人も恐縮して申し訳ないということだったんだけど、俺も風船がしぼむような感じでやる気も熱意も失せちゃって、どうしよう」

●じゃぁ今、新たなベース・キャンプを?

「うん。その瞬間にあれこれ進んだんですけど、ただ、西湖に燃えてたときのテンションまで戻すには、女子高が近くにあるとか、湖があるとか、何かがないとあのテンションまでは戻せないなと思って」

●きっと縁がなかったんですね。

「だから、ウチのスタッフや自然暮らしの会の会員が、間が空かないほうがいいといって色々持ってきたんだけど、この一旦停止というのは何かに移るためのステップだとしたら、どさくさでやることはやめようと思って、不細工なことになったんです。でも、自然暮らしの会は、そういうところに家を建てたいという人の集まりだから、そういうふうな挫折や落とし穴が一杯あるよということを知ってもらうのもいいのかなと。それを乗り越えてこそということを身をもって、代表であるこの私がこけて見せようということで、生き恥をさらしてるんですけど」

清水國明さん

●自然暮らしの会では富士山の“こどもの国”でも自然楽校プロジェクトが。学ぶ校ではなく楽しむ校が。

「そうです。去年あたりから取り組んでいるんですけど、その校長先生なんですね。富士山の“こどもの国”ってでっかいんですけど、その広いスペースでとりあえず放ったらかしなんですけど、そこにログハウスをみんなで建てようということになって、やってますわ。聴いてる皆さんやエイミーさんみたいにチェーンソーでストレス発散したいという人がいましたら、来ていただければ」

●誰でも参加できるんですか?

「えぇ。みんなでやっていこうということですわ」

●それ以外でも、福井県の九頭竜では“自然楽校・森と湖のキャンプ”。これは既に・・・。

「えぇ、何度かやってるんですよ。ログハウスやカヌー作ったり。基本的には遊び自体を自分で作る、遊ぶ道具も自分で作る、家も作る。誰かにサービスを受けるHAVEとかTAKEではなくてDOだと。自分でするということに喜びがあったり、楽しみがあったりすると自然暮らしは実現するんだけど、何かをしてもらおうとか楽しようという発想だと夢はどんどん遠ざかってしまうということでしょうね」

●HAVEよりDOという話は7年前に清水さんにうかがって、その時もいい言葉だなぁと思ったんですけど、その時から比べてHAVEよりDOの人が着実に増えてますよね。

「そうですね。それと自分自身を振り返ってみたら、家のローン以外に持ってるのもが少ないっすよ。何も持ってない、俺。古いBM持ってますが、それだけ。楽屋とかでしゃべると、誰とはいいませんが森本さんや笑瓶が、ベンツ買ったとか、外車を持つことで目がキラキラしてる。でも俺は新車を買い替えるとか、家を建て替えるとかいうことに全く食指が動かない。持つということに興味ないですね。その意味ではこの7年間、何も残ってないなぁっていうね。目に見えないものは一杯残ったのかなっていうと負け惜しみに聞こえるかな」

●いやいや、言い方はおかしいかも知れないけど、清水さんが私にDOしてくれたことは私の中でしっかりと残ってますし、私の成長につながってます。

「そういう人間関係は嬉しいですね。お互いに高めあうというのは。その意味で非常に重要なフリントストーンでございますね」

●これからも番組の続くかぎり、是非来ていただいて。それにイベントの方にもお邪魔して。

「今年もあっちゃこっちゃで色々なことやりますから。僕の頭の中ではね、創造という作るということばっかりあるんですよ。ゼロから何かを生みだすということに。もう少ししたら“國明創造研究所”というのを立ち上げるんですよ。“國明創研”ですな。このプロジェクトで、物作りについてそこで専門的に研究して実践していこうと」

●それではまた、色々もろもろよろしくお願いいたします。

■このほかの清水國明さんのインタビューもご覧ください。

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■芸能界きってのアウトドアズ・マン「清水國明」さん情報

「清水國明」さんが代表を務める『自然暮らしの会』
 『自然暮らしの会』では随時、会員を募集しています。入会費などは一切かかりません。会員だというアイデンティティーをHAVEするだけでなく、ぜひ実際にイベントなどに参加して、DOしていただきたいと思います。入会方法や今後のイベントのことなど、詳しくはお問い合わせください。

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. ブラックバス / あのねのね

M2. THE PROMISE / WHEN IN ROME

M3. 釣りに行こう(WHY DON'T WE GO FISHING) / 矢野顕子

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. EARTH DAY EVERYDAY (CELEBRATE) / JOHN DENVER

M5. HUNGRY HEART / BRUCE SPRINGSTEEN

M6. TAKE IT EASY / EAGLES

M7. I STILL HAVEN'T FOUND WHAT I'M LOOKING FOR / U2

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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