2006年12月24日

グリーンサンタさんと「メリー・グリーン・クリスマス」

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはグリーンサンタさんです。
グリーンサンタさん

 クリスマス・イブのザ・フリントストーンは、デンマークの環境親善大使として来日中の「グリーンサンタ」さんをお迎えし、日本での環境保護活動やデンマークの環境教育のことなどうかがいます。また、グリーンサンタさんからのクリスマス・プレゼントもありますよ!

環境のサンタクロース

●デンマークの環境親善大使、グリーンサンタさんです。ようこそお越し下さいました。

「サンキュー。HO HO HO!」

●私たちがサンタクロースと聞いて思い浮かぶのは、とても愉快で明るくて、大きなおなかと、白くて長いヒゲの、真っ赤な衣装を着たサンタさんのイメージですよね。でも、グリーンサンタさんはその名の通り、緑の衣装を着ていますが、なぜ、緑の衣装を着るようになったんですか?

「ほかは全部一緒だけどね。大きなおなかもしているし、赤鼻のトナカイも連れているが、衣装を緑に変えたのは、緑が環境を表わす色だからなんじゃよ。つまりわしは“環境のサンタクロース”というわけなんじゃよ。
 実は5年前からグリーンサンタになったんじゃ。なぜならその頃から世界中で環境問題が起こっているのが見えてきたからだ。天気がどんどん変わっていき、雪も減ってきた。そこで、わしなりに何か特別な形で環境問題に取り組んでいきたいと思ったんじゃ。というのも子供たちはサンタの言うことなら聞いてくれるからの。だからサンタが環境を守ろうと言ったら、みんな耳を傾けてくれると思ったんじゃよ。それでわしはグリーンの衣装を着た“環境のサンタクロース”になったというわけなんじゃ」

●世界中で活躍しているサンタクロースですが、実は毎年、世界中のサンタさんたちが集まる「国際サンタクロース会議」が行なわれているそうですね。

「そう。コペンハーゲンでやっているんじゃ。日本のパラダイス山元もおるよ。世界中のサンタクロースが集まってクリスマスについて話し合うんじゃよ。今年の夏は環境問題についても話し合ったんじゃ。実は雪がどんどん減っておっての。気温がどんどん上がっているから何とかせにゃならんのじゃよ。CO2の問題はかなりまずいことになっておるからの。そこで世界中のリーダーたちに京都議定書をちゃんと守るようにメッセージを発信したんじゃ。もしみんながあれを守れば、一歩前進することになるからの。
 ほかのサンタたちも問題を認識しているから、わしの仕事の重要性をちゃんと認めてくれているんじゃよ。レッド・サンタたちも“メリー・クリスマス”という大切なメッセージを伝えているが、わしは“メリー・グリーン・クリスマス”という特別なメッセージを広めているんじゃ。どこで何をして、何を信じているとしてもみんなで環境のことを考えて欲しいんじゃ」

世界を救えるのは子供たち

●グリーンサンタさんは、世界中を回ってメッセージを届けているわけですが、グリーンサンタが活動してきたこの5年間で、人々の意識が変わってきたと感じますか?

「ああ。みんな前より環境について考えるようになっておるよ。しかし、わしの考えではそれぞれの政府がもっと行動しなくてはいけないな。もっと企業などにプレッシャーを与える必要があると思うんじゃ。なぜなら50年後だと遅すぎる。今、行動せねばならんのじゃよ。
 そう考えると、世界を救えるのは子供たちなんじゃ。50代や60代の人たちが自分たちには何もできないと言うのは、ある意味、正しいかもしれん。彼らは年を取りすぎているからの。しかし子供たちには世の中を変えるチャンスがあるんじゃ。だからわしは直接、子供たちに話しかけておるのじゃよ。そうすることで大人にも伝わるんだ。いつもは大人たちがああしないさい、こうしなさいって言っているが、この件に関しては子供たちが親たちに、『こうしなければいけないよ』って言うんじゃよ。
 ここでわかりやすく例を上げてみよう。例えば、ご飯を食べたあと食器を洗うじゃろ? その時、多くの人は水道をずっと出しっぱなしにしてしまうんじゃ。しかし、ボウルに水を溜めておけば少量の水でちゃんと食器をキレイに洗うことができる。それから歯を磨く時も水道を出しっぱなしにしなくても、コップ1杯の水で十分なんじゃよ。わしは子供たちにそういうことを教えているんじゃ。そして、それは自動的に親にも伝わる。つまりダブル効果ってわけじゃな」

●環境問題といえば、水、森林、天候と様々ですが、環境を守るために私たちがやるべき一番大切なことは何だと思いますか?

「自分の行動を意識して、無駄は省くこと。節水などを考えて欲しいんじゃ。例えば、森の中の空気を吸い込んだ時、これが森の匂いだってわかるはずじゃ。そしてそれがわかるなら、面白半分で木を切ることは止めて欲しいんじゃよ。もし木を切るのであれば、1本木を植える。2本植えればなおいい。そういうことが地球のためになるんじゃよ。木々や花々、緑の草はとても大切なんじゃよ」

日本は数年後に環境先進国のリーダーになる

グリーンサンタさん

●スカンジナビア諸国ではどのように環境対策や、取り組みなどを行なっているんですか?

「そうだなー。わしが住んでおるデンマークの話をしよう。デンマークで今、成功している一番の取り組みは風力発電なんじゃ。およそ20%の電力が風力発電によってまかなわれているんじゃよ。風力発電のいいところは完ぺきにクリーン・エネルギーだということ。あとガスもクリーン・エネルギーを利用し、水力発電も使っておるなど、環境を守るための様々な努力をしておるんじゃよ。
 わしらは環境のことを毎日考えておって、学校でも環境のことを習うんじゃよ。ただ教室の中に座っているだけではなく、森に出掛けて行って森の匂いを嗅いだり、鳥たちのさえずりを聞いたりすることは、とても大切なんじゃよ。だからデンマークのほとんどの幼稚園は森の中で教室を行なっているんじゃよ。みんなで小屋を建てたり、植物を植えたり。また森の植物を食べたりと、自然に逆らった生き方ではなく、自然とともに生きること、自然を助けながら生き方のことを学ぶんじゃ。なぜなら自然がなければこの地球もないわけだからの」

●日本も昔は自然と共存する生き方をしていましたが、今では自然との共生と呼ぶにはほど遠い生き方をするようになってしまいましたよね。グリーンサンタさんはそんな日本ではどんな活動を行なっているんですか?

「わしはわしなりの特別な活動を行ないたかったんじゃ。それで子供たちと一緒に木を植えておるんじゃ。そうすることで、子供たちに、自然の中には木が植わっていて、その木は家具とかを作るのに使えるんだということを教えておるんじゃ。プラスティックで物を作れば、プラスティックを作る際にも多くのエネルギーを無駄にしてしまう。しかし植林をして、木が十分あれば、木のパワーを使って物作りができる。そうやってプラスティックの代わりに木を使ってすべての物作りをすることを教えておるんじゃよ」

●では、そんな日本人が今、一番必要なものとは何なのでしょうか?

「そうじゃの。多くの日本人は会社に対する忠誠心を示すために働きづめになっておるが、企業側がもうちょっとゆったりできる環境を作ってやれば、みんなもハッピーになって自動的に仕事の質も上がると思うんじゃ。だから、わしは企業の雇用者たちに、従業員を働かせすぎず、もっと自由を与えるべきだと話しておるんじゃよ。そうすればみんなハッピーになって、短い時間でもいい仕事をするようになる。
 しかし、日本人たちは人に対してとても親切じゃよ。どんなに忙しくしていても『アリガトゴザイマス』って言う時間を惜しまない。それは素晴らしいことじゃと思うよ。デンマークの人は感謝することをよく忘れることがあるんじゃが、日本ではみんなが常に一生懸命働きながらも、感謝の言葉を伝えることを忘れていない。もし世界中の人が“ありがとう”という言葉を忘れなければ、世界にも平和が訪れるかもしれないの」

●グリーンサンタさんのありがたいお言葉を返すようですが、私が思うに、日本人は一番大切なこと、自然に対して感謝することを忘れがちだと思うんですよね。

「そうじゃな。しかし、日本は新しいテクノロジーの方向に進み始めておる。自動車メーカーもトヨタを始め多くがエコカーを作り環境に配慮し始めておるんじゃ。だから、正しい方向に進んでおると思うよ。ただ、これは一夜にしてできることではないんじゃ。とても時間のかかるものなんじゃよ。しかし日本人はエコ商品などに取り組んで確実に正しい道へと進んでおる。そして数年後には新しいエネルギーをもって、環境先進国のリーダー的存在になると思っておるよ」

●とても嬉しいお言葉をいただきましたが、私たちがグリーン・ワールドを築くためにできることのひとつに「グリーンサンタ基金」に参加する方法があります。ここで、「グリーンサンタ基金」とはどんな基金なのか、ご説明いただけますか?

「今年設立したものなんじゃが、グリーンサンタ基金は企業からの寄付やグリーンサンタ・クラブのメンバーたちの会費などによって、子供たちに環境の大切さを伝える社会貢献事業を展開しておるんじゃ。
 活動内容は、まず1つは、子供たちへ国産材の机や椅子をプレゼントすること。それらを使うことで子供たちに自然の大切さを理解してもらいたいと思っておるんじゃ。2つ目は、机や椅子を作るための木を“切る”のではなく“植える”こと。3つ目は、子供たちのために自然教室を開き、なぜ自然が失われてしまったのか、また、森や木の役割はなにかなど、なぜ自然が大切なのかを教えることなんじゃ。
 そしてわしは、みんなが楽しくやっているか、わしのメッセージをちゃんと受け止めてくれているか見届けなければならないんじゃよ。わしらは商業的ではなく、鳥や動物たち、そして人間のための自然の森『グリーンサンタの森』を作ろうとしておるんじゃ。だから、わしもその森を育てるために5月にはまた日本に来るつもりじゃよ」

グリーンサンタさんのクリスマス・プレゼントとは?

●グリーンサンタさんの故郷、デンマークではどのようにしてクリスマスを過ごすんですか?

「デンマークのクリスマスはとても伝統的で特別なんじゃ。まず24日の夜から祝いが始まるんじゃが、家族が揃っておいしい食事をし、食後にはクリスマス・ツリーの周りを手を繋いでみんなで踊ったり歌ったりするんじゃよ。そしてプレゼントを渡す直前には、みんなで手を繋いだまま家中を走り回って、こんな特別な歌を歌うんじゃよ」

(♪歌うグリーンサンタさん)

●イェーイ!

「そして、みんなが疲れて座ったところで、1人がみんなにプレゼントを配るんじゃ。そして25日も26日も家族が揃ってまた食事をするんじゃよ。だからこの3日はかなりおなかがふくれてしまうんじゃよ(笑)。でも素晴らしい伝統だと思うよ」

●普通のサンタクロースはクリスマス・イブの夜中に煙突から家に入ってきて、プレゼントを配っていますよね。でもグリーンサンタさんはいつ、どんなプレゼントを配っているんですか?

「グリーンサンタもプレゼントは配っているよ。環境のことを考えている人にはもちろん特別なプレゼントを用意しているんじゃが、わしと挨拶を交わした人は全員、プレゼントがもらえるんじゃよ。そのプレゼントとは・・・」

(シャカシャカシャカと花の種の袋を振るグリーンサンタさん)

「その通り、花の種、れんげ草の種なんじゃ。育つと土にもパワーを与えるし、可愛い花は見ていても楽しい。それにハチもやってきて蜜を集めてくれるんじゃ。子供たちが寝ている時、こんな音が聞こえたら・・・」

(シャカシャカシャカとれんげ草の袋を振るグリーンサンタさん)

「それはグリーンサンタなんじゃよHO HO HO!」

●最後にグリーンサンタさんから皆さんへメッセージをお願いします。

「どこにいても、信じるものが何であっても、環境のことを毎日考えておれば世界を救うことができるんじゃよ。HO HO HO & MERRY GREEN CHRISTMAS」

●今日はどうもありがとうございました。

「ありがとう。メリー・グリーン・クリスマス」

●メリー・グリーン・クリスマス!

「HO HO HO!」


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■「グリーンサンタ」さん情報

 デンマークの環境親善大使「グリーンサンタ」さんは赤ではなく“緑”の衣装を身にまとい「メリー・グリーン・クリスマス」というメッセージとともに、世界中で環境保護を訴えている“環境のサンタクロース”。

「グリーンサンタ基金」
 「グリーンサンタ」さんの活動の広がりに伴い今年設立された基金。同基金は企業からの寄付やグリーンサンタ・クラブのメンバーたちの会費などによって、子供たちに環境の大切さを伝える社会貢献事業を展開。
 そしてそんな「グリーンサンタ基金」では「グリーンサンタ」さんと一緒に環境を守る活動に取り組んでくださる「グリーンサンタ・クラブ」の会員を募集中です。
 年会費は、1口、3,000円。会員になるとデンマークからご指定の宛先にクリスマス・カードを届けてくれるなどの特典もあるので、みなさんもぜひ参加して下さい。尚、詳細は「グリーンサンタ」さんのホームページをご覧下さい。
  HPhttp://www.greensanta.jp/

グリーンサンタさん
グリーンサンタさんからのプレゼント!
 デンマークの環境親善大使「グリーンサンタ」さんから、環境のことを考えているあなたに素敵なプレゼントをいただきました!
 そのプレゼントとは、れんげ草の種です。あなたもぜひ可愛い花を咲かせて下さいね。
 ご希望の方は、あなたの住所、氏名、年齢、職業を明記の上、メール(flint@bayfm.co.jp)にて、「ザ・フリントストーン/グリーンサンタ・プレゼント係」までご応募下さい。
 締め切りは、2007年1月10日(水)到着分まで。尚、発表は、発送をもって代えさせていただきます。皆さんからのたくさんのご応募、お待ちしています。
※受付は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. HEY SANTA / WILSON PHILIPS

M2. GREEN CHRISTMAS / EARTH MAMA

M3. LEAVES THAT ARE GREEN / SIMON & GARFUNKEL

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. GLADE JUL / SISSEL KYRKJEBO

M5. SANTA CLAUSE IS COMING TO TOWN / CHICAGO

M6. DECK THE HALLS / THE SINGERS UNLIMITED

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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