2007年1月28日

串崎吉光・文子ご夫妻の「北海道から千葉までの歩き旅」

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは串崎吉光さん・文子さんです。
串崎吉光さん・文子さん

 日本縦断の歩き旅にチャレンジされた、千葉県八千代市にお住まいの「串崎吉光(よしみつ)」さん「文子(ふみこ)」さんご夫妻をお迎えし、北海道・宗谷岬からご自宅までの、2ヶ月半/1722キロの旅を振り返ります。

第1目標は旭川

●お2人には千葉県八千代市のお宅からご実家のある鹿児島まで、78日かけて旅をされたときの模様を綴った本のことで去年の夏にお話をうかがって、次回は北のほうにでも行ってみたいなぁとおっしゃっていたんですけど、あっという間にそれを実行されて帰ってこられました。おかえりなさい。そして、旅の途中に何度か電話でお話を聞かせていただいてありがとうございました。そもそも、宗谷岬からご自宅への旅を具体的に実行しようと思われたのはいつ頃だったんですか?

吉光さん「7月の中旬ですので、フリントストーンに出演させていただいて間もなくですね。なんとなく『行け!』って言われたような気がしたんですよ(笑)」

●やっぱり、伝わっちゃいましたか!(笑)

吉光さん「(笑)。私の家のトイレには大きな日本地図が掲げられているんです。それで、毎日、毎朝見ていますので、どうしても、『半分残っているよ』と宗谷岬が呼んでいるような気がして、早く行かないと落ち着かないなと思って行こうと決めました。で、前の旅が春から夏にかけてでしたので、そのときの夏の暑さが脱水症状になりかけたくらい大変だったので、今度は秋から冬に行こうと、9月に出発することを決めたんですね」

●今回の旅、早かったですよね。

吉光さん「そうですね。今回は前回よりも1日で歩く距離が長かったですから。大体、2年前と比べて、2、3キロ長くて、1日25キロくらい歩きましたね。で、30キロ以上歩いた日が10日以上ありましたからね。もっとも、結果としてそうだったんですけど、北海道は特に30キロくらい歩かないと、宿がないというところが多かったので、結果的に早くなったという感じですね」

●奥様の文子さんは看護士さんをしていらっしゃるということですけど、1日の歩く距離が伸びたっていうのは健康面でも問題なかったんですか?

文子さん「あまりなかったですね。私は前もって予防手当てをしていたので大丈夫でした」

吉光さん「僕は言うこと聞かなかったよな(笑)」

文子さん「ええ(笑)。1日目、2日目がきつかったみたいですね」

吉光さん「初日とか、もうどうなるかと思いましたね。彼女が足まめ予防のために豆クッションをしなさい、ひざが痛くなるからサポーターをしなさいと言うので1時間くらいしたんですけど、窮屈なんですね」

文子さん「昼間は大丈夫だったんですね。でも、夕方になったら歩けなくなって、ステッキを使い、硬めのサポーターをして・・・」

吉光さん「彼女が本格的なサポーターを買っていたんですよ」

文子さん「自分のために使おうと思っていたんですが・・・(笑)」

吉光さん「僕は100円ショップのを買っていたんですけど、すぐにズレ落ちてダメでしたね(笑)。で、彼女のを借りて、結局、私がずっとしていましたね(笑)」

●奥様、男ってやつはダメですね(笑)。

吉光さん「助かりましたです(苦笑)」

●北海道という遠い北の地は、いくら秋とはいえ寒かったと思うんですけど、最初の頃はほとんどお店もなかったってお電話でおっしゃっていましたよね。

吉光さん「そうですね。北端の宗谷岬から旭川まで歩けたら千葉まで歩けるかな。前回が箱根を越えたら関門トンネルが見えて、鹿児島まで帰れるかなという感じで、前回の第1目標が箱根の山を越えることだったんですね。で、今回が2週間くらいかかるという予定で旭川を目標にしていたんですけど、1日、2日目が歩けど歩けど宿がないんですね。で、そのせいもあってひざがやられて、そのときに『これは続くかなぁ』って思ったんですけど、ちょうど2日目に泊まった民宿で、『こんな北の広いところで急ぎすぎだよ。急ぎすぎてはいけません』と民宿のオーナーに言われて、『そうだな』ということで、少しペースを落として歩いたんですけど、そのおかげで歩き通せたのかなという気がしますね」

今回はクマ対策として活躍した、串崎夫妻のテーマ曲

●「ぶんきち夫婦歩き旅」というブログも作られたんですけど、奥様の文子さんの「文」という字と、旦那様の吉光さんの「吉」という字を取って「文吉」と名付けられたそうですが、色々な応援メッセージがたくさん寄せられたそうですね。

吉光さん「ええ。あれが大きかったですね。出発の前日に立ち上げて飛行機で飛んできましたから、最初は『厄介なものを立ち上げてきちゃったな』と思ったんですね(笑)。でも、結果としてブログのみんなからの励ましとか、エールが大きかったですね。で、留守番チームの娘達も女房と私と一緒に旅をしているような感じでしたね」

●奥様から見ても、家に残している娘さん達と常に連絡が取り合えた安心感もあったんじゃないですか?

文子さん「ええ。すごく安心で、私達2人だけの旅じゃなくて、家族4人、そして応援してくださる皆様と一緒に旅をしたという感じですごく楽しかったです」

吉光さん「ブログでリアルタイムに情報交換をしたりして、非常に今回は家族の絆が前回以上に強まったんじゃないかなと思いましたね」

熊出没要注意Tシャツ

●実は今日、ご主人がとても素敵なTシャツを着ていらっしゃって、背中に「熊出没要注意」のマークが書いてあるんですが、やっぱり北海道を歩いていらっしゃるときは、野生動物との遭遇が一番気をつけなきゃいけない点だったんじゃないですか?

吉光さん「そうですね。出会ったチャリダーも徒歩ダーの人達も、やはり熊が一番怖かったと言っていましたね。しかも、「熊出没注意」の絵もリアルなんですよね。で、地元の人達も『鈴を鳴らして、相手に気づかせたら絶対大丈夫だ』と言うから、出発前に用意したベルを鳴らしまくって、私はステッキを持って、ちょっと身構えながら、その時は男ですから私が前を歩いていました。後ろへ行ったら『逃げるんじゃないか』と思われたらいかんので(笑)、前を歩いていました。でも、クマ除けの鈴だけではちょっと心配なんですよ。で、我々しか歩いていないので心配ですから、大きな声で歌を歌っていました。で、私の携帯の着信音が『森のくまさん』なんですよ(笑)。時々、『♪あるーひ、森のなーか、クマさーんに、であーった♪』って流れるんですよ(笑)。縁起でもないので、もうこんな歌はやめておこうということで鳴らないようにして(笑)、で、(TOKIOの)『BE AMBITIOUS! BE AMBITIOUS!』って、そればっかり歌っていましたね(笑)。歌が途切れないように。で、彼女は歌詞をたくさん持ってきていたのかな?」

文子さん「(笑)」

吉光さん「退屈しのぎに歌うということだったんですけど、クマ除けのために歌ったのも多かったかな」

文子さん「そうですね」

吉光さん「『♪勇者であれー!』(TOKIOの『AMBICIOUS JAPAN!』の歌詞の一節)って、僕はそのときだけ大きな声で歌っていました(笑)」

●(笑)。やっぱり串崎夫婦の旅のテーマソングですね!

(放送ではここでTOKIOの『AMBICIOUS JAPAN!』が流れました)
串崎吉光さん・文子さん

●観光の方はどうだったんですか?

吉光さん「今回の歩き旅の楽しみだったのが、色々な観光をすることだったんですね。私の印象に残っているのは旭川の大雪山です。9月26日かな、日本で一番早い紅葉が旭岳で見られました。それと、なんといっても旭山動物園が面白かったですね」

●いいなぁー!(笑)

吉光さん「(笑)。それから青森、秋田の県境にある世界遺産の白神山地のブナ原生林がよかったですね。そんなものかなぁ?」

文子さん「そうですね。私も動物園がすごく身近に見られたのでよかったです」

●そういうのがありながら、紅葉前線と共に南下して行っているような感じでしたが、日本海側はどうでしたか?

吉光さん「日本海側の印象はですね、私はもともと山人(やまんちゅ)より海人(うみんちゅ)のほうがいいかなという感じだったんですね。だけど、雨が多くて時化ていたので、雨の中を歩くのはちょっときつかったかな」

●徒歩の旅の場合、雨はつらいですよね。

1722キロの歩き旅、ゴール!

●今回の旅は合計で1722キロあって、北海道も大変だったでしょうけど、本州に入られてから長いですよね。

吉光さん「長かったですね」

●ルート的にはどのように廻ってこられたのか簡単に教えていただけますか?

旅のルート

吉光さん「まずは、羽田から北海道へ飛んで、宗谷岬から内陸部を歩いて、旭川、札幌、函館を通って、本州へ入り日本海側を歩いたんですね。で、日本海側を歩いて、新潟から日本海に背を向けて、三国峠を越えて、群馬に入って、千葉へ帰ってきたというルートですね」

●最後にお話をうかがったときに三国峠が最後の難所になるのではないかとおっしゃっていましたけど、その後どうでしたか?

吉光さん「広くて長い北海道が第一の難関でした。それから、日本海側の嵐の中も歩いた。で、最後が、大地から海へ行って山ということで、1000メートル級の三国峠を越えるのが最後の難関でしたね。ちょうどのその頃、雪が降り出して、朝早く出発するときには雪が積もっているんですね。その辺で道も狭くなっているし、そういう意味では寒いのと、坂がきついので・・・」

文子さん「三国トンネルを抜けてから、群馬県の猿ヶ京に行くまでが大変でしたね。歩道もないし、カーブが55個あるんです。そういうところをずっと下っていくときに、私が先頭だったので・・・」

●下りなんですか?

文子さん「今度は下りなんですね」

吉光さん「ひざにこたえるんですね(笑)」

文子さん「(笑)。車が怖いですし、かなり緊張して歩きました」

吉光さん「100メートルの標高を下るのに1時間くらいかかるんですね。それだけ、カーブがあって、時速4キロで歩いていますから、1時間で約4キロ歩くくらいの距離を緊張しながら歩きました。ひざにもカクカクきますしね」

●肉体的にも精神的にもしんどいですよね。

吉光さん「彼女(文子さん)は特に前を歩いたからね」

●でも、お家がどんどん近づいてくるわけですから、気持ちも「後もうちょっと頑張れば!」っていうふうにもなってきたと思うんですけど、家が近づいてきて最終的に「もう、家に着くなぁ」って感じたのってどの辺でしたか?

吉光さん「まず埼玉と東京の境にある荒川を渡って、そこから江戸川へ来たときに、そこで東京から千葉の県境があったんですよ。そのときに『千葉だ!』と思いましたね。それで、そのときはすごい横殴りの雨だったんですよ。で、それまではあまり感極まることはなかったんですけど、その横殴りの雨が『千葉に着いても自然は厳しいんだぞ。そう簡単にゴールさせないぞ』と言っているような気がして、そのときに『なんだこの雨、よっしゃ!』という、なんか『ありがとう!』という感じで、ゴールしたときには達成感があったんですけど、そのときに初めて涙が出たかなぁという感じでしたね」

文子さん「私は日本橋に着いたときでしたね。日本橋から自宅までは何回か1人ウォーキングをしたことがあって、地図なしでも帰れるんですね。なので、その辺で『家に近づいたなぁ』と感じましたね」

●前回は奥様にとっては、旦那さんのご実家なので、お舅さんお姑さんがいらっしゃるところで、あえて涙するっていうことはなかったと思うんですけど、今回はお嬢様たちも待っていらっしゃる家に帰るわけですから、前回の旅よりも感動があったかと思うんですが、どうでしたか?

文子さん「そうですね。感動もあったんですけど、日本縦断につなげられたっていう達成感の方が強かったですね。で、ブログのおかげで家のこともよく分かっていたので・・・」

吉光さん「無事で何事もなく、帰れたという喜びのほうが大きかったかなぁ」

文子さん「そうですね」

慎ましく、心豊かに人生を歩いていきたい

串崎吉光さん・文子さん

●今回の旅と前回の旅を合わせた日本縦断の旅の合計が3531キロ、鹿児島までの旅と北海道からの旅を合計すると、日本中を歩いたことになりますよね。

吉光さん「念願の日本縦断を達成しましたね」

●その旅からしばらく経ちましたが、2007年の新たな旅のご予定などはあるんですか?

吉光さん「下手に喋ると歩かにゃいかんので(苦笑)、行けないから言うんですけど、初夢はロシアのウラジオストックから北朝鮮を通って、板門店を通って、韓国を渡って日本海を見ながら日本に帰ってくるというものなんです。私は韓国に駐在していましたので、言葉は適当に私に任せなさいという感じで(笑)、初夢はこれでいきたいんですが、まだ統一は先だと思うので、統一したらという条件付きでいきたいなと思います(笑)」

●(笑)。奥様はこの2007年、行ってみたいところとかってありますか?

文子さん「まだ行ったことのない東北地方の太平洋側、それから中国地方の山陰側を歩いてみたいですね。1つの県を1週間くらいかけてのんびりとウォーキングできればいいなと思いますね。それくらいにしておきたいと思います(笑)」

吉光さん「それ、いいね!(笑)」

●(笑)。縦断は長いですから、1つずつの県をくまなくゆっくりと歩いて、日本国中を網羅するっていうのもいいですよね。

吉光さん「区切って歩けば、仕事も1週間くらい休むのはそんなに難しくないですからね。仕事を長く休むのには説得が難しいですからね(笑)」

●そうですね(笑)。ぶんきち夫婦歩き旅は色々な形で今後も続いていくわけですね。

吉光さん「やっぱり、歩くっていいなぁって思っていますからね。歩きたいですね。私の信条が『苦しみも楽しさに変えて』っていうものでして、結果として、苦しかったなっていうのも楽しい思い出になっているんですけど、やっぱりその信条はありますね。で、慎ましく心豊かに人生を歩いていきたいと思います」

●家族の絆を大切にルールとマナーを守った歩き旅っていうのが、ぶんきち夫婦の歩き旅かなっていう気がするんですけど、奥様はどうでしょうか?

文子さん「私も主人と同じように、慎ましく、心豊かにいきたいと思います」

●これからも、素敵で楽しい旅、続けてくださいね。今日はどうもありがとうございました。

■このほかの串崎吉光さん・文子さんのインタビューもご覧ください。

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■夫婦で歩き旅を行なっている「串崎吉光」さん「文子」さん情報

『千葉から鹿児島へ夫婦歩き旅』

 千葉県八千代市の自宅から実家のある鹿児島までの歩き旅に続き、去年、北海道の宗谷岬から自宅までの歩き旅を終え、徒歩での日本縦断を果たした「串崎」夫妻。そんな北海道からの旅の模様は「串崎」さんのブログ「ぶんきち夫婦歩き旅」をぜひご覧下さい。
 尚、鹿児島までの旅の模様は『千葉から鹿児島へ 夫婦歩き旅』という本をぜひお読み下さい。
・ブログ「ぶんきち夫婦歩き旅」
  http://yaplog.jp/sohachi4649/

串崎夫妻の本
千葉から鹿児島へ夫婦歩き旅

新風舎/定価1,575円
 千葉県八千代市の自宅から故郷・鹿児島県内之浦まで、実家には内緒で、夫婦そろって徒歩で里帰りした時の1,800キロ78日間の記録。日記形式で綴られた内容は、夫婦だけではなく、娘さんたちとの強い愛と絆を感じられる感動作!
 また、毎日歩いた距離や時間、そして使った金額なども記されているので、歩き旅を考えている方の参考にもなる1冊。
 

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. COUNTRY ROAD / JAMES TAYLOR

M2. WALKING SLOW / JACKSON BROWNE

M3. RAIN COME DOWN / eastmountainsouth

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M4. DIARY / BREAD

M5. BACK HOME / ERIC CLAPTON

M6. THE ROAD THAT NEVER ENDS / KEALI'I REICHEL

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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