2007年2月11日
音楽を通してエコを考える、SLOW LIFEなアーティストたち
今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはHY、Leyonaさん、NATURAL HIGHです。 |
HY。左から、宮里悠平さん(G)、名嘉 俊さん(Dr)、仲宗根 泉さん(Key & Vo)、
許田信介さん(B)、新里英之さん(Vo) |
●(放送で1曲目に聴いていただいた)「HY」の「そこにあるべきではないもの」という曲は、沖縄を徐々に侵食し始めているゴミの問題に目が向けられ、沖縄の自宅にて作られた曲なんですね。「HY」は高校の友人だったメンバーが2000年に結成、現在も自然豊かな沖縄に拠点を置き、様々な音楽を発信しています。そんな彼らから、コメントが届いています。
全員「THE FLINTSTONEをお聞きのみなさん、こんばんは、HYです!」
名嘉俊(なか・しゅん)さん「自然環境についてですよ」
新里英之(しんざと・ひでゆき)さん「自然についてはうるさいからね。最近は本当に自然がなくなってきていますね。沖縄でも感じるんじゃない?」
名嘉さん「感じるね」
新里さん「海とかね」
名嘉さん「本当に減ってきたね。でも、僕達『HY』はマイ箸とかも使っているじゃん」
新里さん「使っていますね」
名嘉さん「そういう取り組みとかもやっているけれども、どんどん自然が減ってきているね」
新里さん「本当に自然は守っていかなきゃいけないものだと思います。自分達が子供の頃は自然の中で遊んだことあるさ。目を輝かせて虫を掴んだりして。その自然を守っていかないと、将来の子供たちは、俺達が輝いていたような目を失っちゃうわけでしょ。自然は残さなきゃいけないものだし、1人1人考えていかなきゃいけないものだよね」
名嘉さん「沖縄は観光客も多いけど、最近は『普段、こんなところにゴミはないだろ』っていうようなところにゴミが落ちていたりするしね。あとは自然をぶっ壊してビルを建てたりとか、家を建てたりとかしているよね。人が住むのはいいんですけど、考えさせられるようなものがあるよね。信介はどうよ?」
許田信介(きょだ・しんすけ)さん「埋め立てとか・・・」
名嘉さん「あっ、信介の家の周りとかヤバイよな! ホテル建つらしいじゃん」
許田さん「地形が変わってくるよね」
名嘉さん「10年後、20年後には沖縄の地図とかも違ってくるかもしれないよね。悠平は?」
宮里悠平(みやざと・ゆうへい)さん「身近にある海じゃない? 小学校の頃とかはもっとキレイだったんじゃない? 今は汚れていたりするよね」
新里さん「そういうので学んだもんね」
名嘉さん「いず、なんかしてる? あんた、アウトドア大好きさ!」
仲宗根泉(なかそね・いずみ)さん「うん、大好きね。してることは、よく海やキャンプに行くんだけど、泊まるさ。行って泊まったら、来たときよりもキレイにっていうのは当たり前だよね」
名嘉さん「それは当たり前さ」
仲宗根さん「この間、大阪から友達が来ていたわけ。で、キレイだから海を見せてあげようと思って連れて行ったんだけど、よく見たら木の下に超ゴミが落ちているわけ。そういうのが悲しかった。陰のほうに捨ててあるっていうことは、『海からちょっと見えなかったら捨てていい』っていう考えの人が捨てていると思うしさ。そういう気持ちをなくしてほしいなぁっていうのが一番の願いだね」
名嘉さん「そういうのがありつつ、HYにも1曲あるじゃないですか。『そこにあるべきではないもの』という曲を三線を使って沖縄テイストに仕上げているんですけど、あの曲も、『おばあちゃんが腰を低くして何をしているのかなぁ?』って思ったら、空き缶とかを拾っていたので、『何で若いのが拾わないで、おばあちゃんが拾っているのか』っていう曲なんだけどね。あれはあれで作ってよかったよね」
メンバー全員「うん」
新里さん「さっきも出たマイ箸運動も、ゴミになった木の使わない部分を使ったりして、それをHYマイ箸でやったりもしているよね」
名嘉さん「それはいいことだと思う。これが流行ればいいけどね! ルーズソックスみたいに流行しないかな(笑)」
新里さん「(笑)。とってもいいと思う。今、自分達のことしか目に入らなくなってしまってる人が多いけど、そうではなくて、自分達が今守って、未来の子供たちにそれを残せるような目を向けて欲しい」
名嘉さん「そうだね。あと、氷溶けたりとか!」
新里さん「問題になっているよね」
名嘉さん「沈む島も出てくるんでしょ」
仲宗根さん「沖縄もいつまであるか分からないよね」
名嘉さん「沖縄も絶対危ないって! ヒデの実家の辺りとか」
仲宗根さん「沖縄って元々、サンゴで出来た島なんでしょ?」
名嘉さん「うん」
仲宗根さん「だから余計今サンゴは、人喰い鬼じゃなくてなんだっけ?(笑)」
メンバー4人「オニヒトデ!(笑)」
名嘉さん「『人喰い鬼』って(笑)」
宮里さん「怖いなぁ!(笑)」
仲宗根さん「オニヒトデにサンゴが食われてどんどん死んでいっているさ」
名嘉さん「あれも暖かくなっているせいもあるさ」
仲宗根さん「今までオニヒトデはあんなにいなかったのに、出てくるようになって、結局、遠まわしだけど自分達の生活に返ってくるさ。それを考えてほしいんだよね」
名嘉さん「ひとつひとつ小さなことでもいいわけよ。コンビニに落ちているタバコの吸殻を拾うくらいのことでもいいさ」
仲宗根さん「コンビニであげている袋をもらわないとかね」
新里さん「そうそう」
仲宗根さん「あれもあんまりダメなんだよね」
新里さん「カメが食べちゃうからダメだよね」
名嘉さん「今回、このラジオに出させてもらって、俺達HYも小さなことから頑張っていきたいね。ということで、HYでした」
NATURAL HIGHの大嶽香子さん(左)、白木裕子さん
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●ここで、「NATURAL HIGH」のお2人をお迎えしましょう。ヴォーカルの「白木裕子(しろき・ゆうこ)」さん、ピアノ担当の「大嶽香子(おおたけ・かおるこ)さん」です。よろしくお願いします。2人は去年、雑誌「Lingkaran(リンカラン)」の植林ツアーでインドネシアのカリマンタン島に行って実際に植林の体験をなさったそうですが、どうでしたか?
大嶽さん「山火事や焼畑で森林が失われているっていう話は情報としては知っていたけど、実際がどんなものかっていうのは想像しかできなかったので、現状を目の当たりにしたときのショックが大きかったですね。熱帯雨林の中にいきなりぽっかりと地割れしているような更地の部分が現れて、そこの差にもビックリしたし、その中で自分達は植林しに行っているところで、近くでは現地の人たちが焼畑のために山を焼いていて、煙が上がっているんですね。人間が生きていくうえで必要だからやっているんですけど、堂々巡りというか、自分達が生きていくためにしていることで森林を破壊してしまって。でも、今はそれを守ろうと私達が植林しに行っていてっていうところで、カリマンタン島もすごく大きなところで、森林も見渡す限りどこまでも続く感じもあるんですけど、それを『まだまだこんなにある』って思うのではなくて、もっともっと豊かに守っていかなければいけないなって感じました」
白木さん「実際、森林火災の場所に行くと、10年経っても森はまだ再生していなかったんですね。1回壊れたものって、取り戻すのに何十年もかかるんだなって思いました」
●特に自然のものって、木の育つサイクルだったり、それが森になっていくサイクルってものすごく時間が必要じゃないですか。でも、それって普段生活していると、そういう時間の違いって感じないじゃないですか。それはやっぱり、実際に行って植林したり、そこに暮らす生き物達と出会うことによって、余計に感じたんじゃないかなって思うんですけど、いかがですか?
大嶽さん「私達が植林した『Lingkaran』の森では3年前からこういう植林活動をしていて、ちょうど3年前に植えた木が3メートルくらいに育っている木もあって、去年植えたものも次の段階に育っているんですね。私達は全部で50本くらい植林してきたんですが、その50本は全てが育つっていうわけにはいかないと思うんです。色々条件もよくないところに植えていくので。でも、そうやって3年前に植えたものが確実に成長しているっていうのを、目にして『こうやって受け継がれていったらいいな』っていう願いを強く持ちましたね」
●そんな思いを込めてお2人は曲を書いていらっしゃって、その曲というのが「THE SHINING EARTH」。この曲は白木さんが作詞作曲された曲なんですけど、これは「Lingkaran」の森へ行って感じたことを表現されたものなんですか?
白木さん「日本に帰ってきてから、そういう現状を見てきたっていうだけで終わらせたくないっていう気持ちがものすごく膨らんできて、だったら何が出来るんだろうかって考えたときに、私達は音楽を通して形にして伝えたいなと思って曲を書きました」
大嶽さん「『環境問題』って一言で聞くとすごく大げさなこととして、自分の力じゃ微力なんじゃないかって思ってしまいがちなんですけど、小さな力でもまず自分の身近にあることから始めるのが第一歩になるんじゃないかなって思ったんですね。『じゃあ、自分達には何が出来るんだろう』って考えると、音楽の中で伝えられる表現方法として最大限のものが、今の自分達にとってピアノと歌だから、シンプルにこの構成で届けたかったんです。しかも、『守っていきたい!』っていう気持ちを曲に込めたかったので、自分がずっと大事にしている実家のグランドピアノを使いました。あと、録り方にもこだわって、スタジオを借りて録るのではなくて、本当に自分達で出来ることで録りたかったので、今の東京で私が使っているPRO TOOLSとか、機材を実家に持ち込んで、録り方も一発録りで決めて、2人だけで何テイクか録って、その中で『これだ!』っていうものをOKテイクにしました」
●グランドピアノも元はといえば、木から出来ているものですもんね。何十年もかかって育った木が新たな形で生まれ変わって、それで奏でられた「THE SHINING EARTH」は、インドネシア・ボルネオの「Lingkaran」の森の植樹費用として寄付もされていらっしゃったんですけど、ここでその曲を聴いていただきましょう。
(放送ではここで、「NATURAL HIGH」の「THE SHINING EARTH」が流れました)
●シンガー「Leyona」さんは、2003年から始まった「音楽を通じて、広く人々の環境への関心を喚起しよう!」をテーマにした地域発信型の環境音楽イベント「WIND BLOW」に参加、イベントの翌日に行なわれるビーチ・クリーンなどにも参加しています。そんな「Leyona」さんからコメントが届いています。
Leyonaさん「こんばんは、Leyonaです。去年で4回目を迎えた『WIND BLOW』というイベントが静岡県の相良で行なわれていますが、そのビーチ・クリーンのライヴ・イベントに参加させてもらっています。ライヴをやった次の日の朝に、ライヴをやったミュージシャンを含め、お客さんもみんなで参加して海をキレイにしようというイベントなんですけど、その参加しているミュージシャンも私のお友達で、Spinna B-ILL(スピナビル)くんとか、KEISON(ケイソン)とか、DUBSENSEMANIA(ダブセンスマニア)とか、CARAVAN(キャラヴァン)だったり、毎年素晴らしいゲストが歌っていて楽しいイベントです。そのみんなで次の日の朝、ビーチ・クリーンをしたりしています。
思うことは、自分もサーフィンをし始めてから友達が増えたり、友達のことが気になるように、海に関わる環境のこともすごく身近に思えてくるようになりました。本当に自然がヤバくなってきているということは、小学校の時、私でも『学研の学習』から教わっていて(笑)、小学校6年生の時でも『地球が悲鳴を上げている』っていう特集をしているくらいだったので、本当に危険だと思います。限りある自然をこれ以上汚さないように、自分達が出来ることをやっていくことはすごく大事なんじゃないかなと思います。気づいているんだったら行動することが一番大事だと思います。ライヴやイベントを通じて、勉強することもたくさんあります。また、そういう機会があればみなさんにお会いできたらいいなと思っております。Leyonaでした」
●「NATURAL HIGH」のお2人は植林をしたり、風力発電地域を見学したりとご活躍されていますが、そんな中で環境について考えていることや、気になっていることは何か教えていただけますか?
白木さん「私は洗剤も中性洗剤を使うようになって、洗剤の98%は自然に帰るものを使ったり、お気に入りのエコバッグがちょっとずつ増えてきたりはしていますね」
●最近は色々ありますもんね。
白木さん「今、色々なスーパーもエコバッグを持ってくるとポイントがついてくるとか、そういう活動があったりして『いいな』って思います。こうやってちょっとずつ意識していくことが、繋がっていくんじゃないかなって感じています」
●大嶽さんはベランダ栽培をスタートさせたそうですね。
大嶽さん「はい。これも、環境問題に関する情報を色々聞いていくと、今、CO2がどんどん増えていて、その削減に木を植えるっていうことが役立つっていうのを聞いて、私1人が出来ることなんて本当に小さなことなんですけど、でもそういう意識を持つっていうことが大事なのと、私自身も忘れちゃいけないなと思って、それに生活も華やかになった気がするんですよね。気分的にも美しくなれるかなぁと思って(笑)」
●(笑)。環境にもちょっとプラスで、しかも、自分の心も豊かになれますもんね。お2人は持続すること、継続することが大切だとブログに書かれていましたね。
白木さん「自分の生活の一部として関わっていけたら、もしかしたら『私、持続している!』とか『続けている!』っていうふうには思わずに、自然にやっていけることなのかなって思っているので、そうなりたいなと思います」
●今、音楽を通して伝えたいメッセージというのはどんなものなんですか?
白木さん「今、環境のことも含めて目にしたくないようなことがたくさんあるけど、守るべきものがある限りはそこは強くなって見守っていきたいし、そういうことがあれば耳を傾けていきたいし、私達の音楽がちょっとしたキッカケになれば、それは嬉しいことだなって思います」
●お2人は2月19日(月)に大手町カフェで行なわれる「LOHASライヴ & トーク/グリーンな音と光ですごす丸の内 冬の夕べ」という長いタイトルのイベントがあるんですけど(笑)、こちらで2ステージ、ライヴをなさる予定なんですけど、これはどんな感じのライヴになりそうですか?
大嶽さん「これは今回、植林に行ってきてから書いた『THE SHINING EARTH』も演奏しますし、もちろん日頃、私達がどういうことを感じて生きているかっていうのを音楽を通して伝えていきたいし、植林して自分達が感じたこと、目にしたことをお話しできたらいいなと思っています」
●これからも素敵な曲を書いていってほしいなと思います。今日はどうもありがとうございました。
■沖縄出身のバンド「HY」情報沖縄のゴミ問題に関する曲を書くなど、環境問題に関心の高い「HY」。去年12月に日本武道館でのライヴを成功させた彼らは3月9日からカナダ・トロントを皮切りに、北米8ヶ所のツアーを行ないます。
DVD『HY 2006 KUMAKARA AMAE TOUR〜ここから未来へ〜』
HYの「仲宗根 泉」さんの恋愛詩集『あなたへ』
・「HY」のHP:http://www.hymode.net/ ■シンガー「Leyona」さん初のライヴ・アルバム発売!
『Rollin’& Tumblin’』
・「Leyona」さんのHP:http://www.leyona.net/ ■女性ユニット「NATURAL HIGH」情報
ライブ情報
最新シングル「始まりのヒト/バーテンダー」
・「NATURAL HIGH」のHP:http://www.naturalhighweb.com/
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. そこにあるべきではないもの / HY
M2. 森 / HY
M3. THE SHINING EARTH / NATURAL HIGH
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M4. WIND BLOW / Leyona
M5. カゲロウ / NATURAL HIGH
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
M6. I NEED TO WAKE UP / MELISSA ETHERIDGE
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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