2008年2月3日

WWFジャパンの小西雅子さんを迎えて、COP13を総括

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは小西雅子さんです。
小西雅子さん

 財団法人・世界自然保護基金ジャパン/WWFジャパンの気候変動担当オフィサー、小西雅子さんをお迎えし、昨年12月にバリ島で開催された地球温暖化対策の国際会議「COP13」の総括や、今後の温暖化対策のことなどうかがいます。

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 小西さんのお話をうかがう前に、今回の国際会議のおさらいをしておきましょう。
 2007年12月3日から15日まで開催された「バリ会議」は、正式にいうと「国連気候変動枠組条約 第13回 締約国会議〜COP13」と「京都議定書 第3回 締約国会合〜CMP3」のふたつの会議。
 「気候変動枠組条約」とは、1992年の「地球サミット」で締結された温暖化防止のための枠組みを決めた条約で、これまで温室効果ガスをたくさん出してきた先進国が中心となって、二酸化炭素の量を削減することや、途上国に対しての技術や資金などを支援することなどが盛り込まれています。
 その後、その条約を結んだ国が集まって「国連気候変動枠組条約 締約国会議」、通称「COP」と呼ばれる会議が開かれるようになりました。そして1997年に京都で開催された「COP3」、いわゆる「京都会議」で、先進国の温室効果ガスの削減目標を国ごとに定めた「京都議定書」を採択。その「京都議定書」では、2008年から2012年の期間中に、二酸化炭素など6種類の温室効果ガスの排出量を、先進国全体で、90年に比べて少なくとも5%削減することを義務づけています。つまり、日本を含めた先進国が削減するための“約束期間”にすでに入っていということなんですが、今回の「バリ会議」の一番大きな議題は、2013年以降、温室効果ガスを減らすための枠組みをどうするかを決めることでした。
 そのことも含めて、このあとWWFジャパンの気候変動担当オフィサー、小西さんに詳しくお話をうかがいます。
 尚、インタビュー中は「バリ会議」という言い方ではなく、「COP13」という言い方で終始しています。

日本はずるい立場!?

●ご無沙汰しています。早速なんですが、小西さんはWWFジャパンの一員として、昨年12月にバリで行なわれたCOP13に参加されたとうかがったんですが、バリの現地の人々の反応はいかがでしたか?

「やはり非常に期待が大きくて、インドネシアはご存知のように急速に発展している途上国で、熱帯雨林をたくさん持っているんですが、今、熱帯雨林ってどんどん違法伐採されて減っていっていますよね。で、木はCO2を吸収するものですから、減るとまたCO2を出してしまうことになりますよね。で、そういった意味でもインドネシアは温暖化に関心が高くて、早く先進国側からお金を取って、きちっと悪影響に対応していきたいっていう、途上国側の思いが強いホスト国だったんですね」

●そんなところで行なわれた会議なんですが、今回、主要な排出国の立場がそれぞれ違いましたよね。

「はい。地球温暖化を防ぐという国際協定を作るのは本当に難しいんですね。というのは私達1人1人、自動車に乗ったり、電気を使ったりする人全員が削減義務を果たしていかないとまとまらないもので、要は世界全体で協力しなきゃいけないんですね。そこで、各国の利害が非常にぶつかるところなんですけど、大きく分けて3つありまして、まずは先進国、つまり産業革命後、散々、経済発展して、地球を暖める効果のある温室効果ガスをどんどん出してきた、一番責任のあるグループですね。その先進国のグループと、いわゆる途上国、まだ発展していなくて、温暖化にそれほど寄与はしていないんだけど、実は温暖化の悪影響に一番さらされている国。でも、その途上国の中でも、中国とかインドといった急速に発展しているところは、今、排出が非常に大きく膨らんでいるんですね。だけど、まだ途上国という枠組に入っているんです。で、もうひとつ最後のグループは、実はすごく先進国なのに、アメリカが京都議定書に入っていませんよね。なので、先進国なのにまだ義務を負っていない国、アメリカ、当時はオーストラリアもそうでした。その3つのグループが今回、大きな立役者になったわけなんです」

●色々な立役者が集まって行なわれたCOP13なんですけど、アメリカや日本、欧州連合とそれぞれ色々な主張がありました。今回は、過去のことを踏まえた上でどういう主張だったんですか?

「この間、IPCCっていわれる気候変動の中で一番権威がある国連の科学者の報告書が出されたばかりで、そこで、このままでは危険な気候変動の悪影響によって、私達には重大な危険が待っているって報告しましたよね。で、それを防ぐためには、2050年頃まで必ず半減以上しなくてはいけなくて、そのためには2015年とか2020年に、今から25パーセントから40パーセントくらいの削減をしなくちゃいけないんですね。で、欧州連合は、まずそのIPCCの科学の報告書に沿った形を主張してきたんですね。つまり、京都議定書が切れる2015年から2020年くらいに、25パーセントから40パーセントくらい削減するっていうことをハッキリ決めましょうって強く宣言したんですね。で、アメリカは当然、絶対反対なんですよ(笑)。自ら京都議定書を抜けただけではなくて、1990年比に比べて、排出量を20パーセント以上も増やしているんですね。で、そこからさらに2015年に25パーセントから40パーセント削減なんて絶対反対という立場なので、ものすごく抵抗するわけですよ。で、日本が1人あたり1年に10トン出しているんですけど、中国ってまだ3トンから4トンくらいなんですね。だけど、全体の排出量でみると、中国って世界第2位なんです。で、間もなくアメリカを抜いて第1位になると。だから、途上国だから今、義務を負っていないけど、実は彼らも参加しなければ、とても世界全体の排出削減なされないんですね。だけど、中国やインドは『僕らは今、経済発展するのが先でしょ。先進国のような生活を享受するのが当たり前なんだ。だから、僕たちはまだ削減義務なんて負えないよ』っていう主張を強くしているわけなんですね。で、そこに日本とカナダとかは、京都議定書そのものが自分たちにとって不公平だと。要は、削減目標がなかなか果たせないので、ヨーロッパがいうような2015年に25パーセントから40パーセントなんて削減できないと。ということで、なるべくアメリカの陰に隠れながら一生懸命抵抗しているという立場なんです」

●強くは主張しないけど、できれば避けたいみたいなずるい立場なんですね。

「そうですね。ずるいというか、結局表に出されちゃったんですね。結局、日本とカナダとアメリカがこれから世界が向かわなくちゃいけない削減の道をブロックして、大きく地元の新聞にも載っちゃったんですよ」

会議場全体がスタンディング・オベーション!

●会議中に非常に大きな出来事があったそうですね。

小西雅子さん

「そうなんです。会議初日に本会議場というみんながスピーチしているところでオーストラリアが立ち上がって、『オーストラリアは京都議定書を批准する』ってオーストラリアの番になったときにスピーチの冒頭で言ったんですよ。でも、実はオーストラリアってその直前にケビン・ラッド首相っていう新しい首相になって政権交代が行なわれていますよね。で、このラッドさんは元々『自分が首相になったら京都議定書を批准する』って言っていた人なので、みんな期待はしていたんですけど、そうは言っても今までのオーストラリアはアメリカと一緒になって京都議定書を批准しないとか色々あったので、『本当かなぁー』って疑心暗鬼で見守っていたら、スピーチの冒頭で宣言されて、会議場は大興奮でスタンディング・オベーション! 立ち上がって『うぉー! 素晴らしいー!』って感じで」

●幸先よくスタートしたって感じだったんですね。

「そうなんですよ。あれは感動的でしたね!」

●パプアニューギニアの環境大臣がすごい抗議スピーチをして、それが会場中のスタンディング・オベーションを受けたという記事を読みました。

「そうですね。これは2週間の会議で、結局、話し合いが終わらなくて、翌日の土曜日まで持ち越されたんですよ。本当は密室会合なのに、そこではみんな最後の本会議場なので、夜中に合意された文書を持ってきて、本当は形式的に『この文書を採択します』って議長が言うだけなんですけど、そこでまた一からもめたんですね。途上国側が最初に発言をして、『途上国はここのところが不満だけど、なんとか合意する』ってツバルが最初に言ったんですよ。で、それに対してアメリカが『何を言っているんだ!』って形で反論したんですね。簡単に言いますと、途上国がどういう義務を果たすかっていうのと、アメリカが今後どういうことをするかっていう2つについてずっとやり合ってきたんですね。要はアメリカ対途上国の戦いだったんですけど、そこでまた、最後の本会議場の場になって、その問題が勃発したんですよ。ツバルやほかの東南アジアの途上国が次々に立ち上がって発言するのに対して、南アフリカが立ち上がって『途上国は今回、削減にいろいろな形で貢献するとハッキリ言ったんだ。それに対してアメリカはもっとやるべきじゃないか。これでいいのだろうか?』という提言をしたんですよ。で、その後にアメリカから『何を言っているんだ! アメリカは昨日の夜、みんなで合意した文書から一歩も変えるつもりはない』って言い切ったんですね。で、会議場ではみんながブーイングをして、で、そこでパプアニューギニアの若き環境大臣が立ち上がって、『アメリカは大国だ。私たちはアメリカに気候変動の問題において、リードしてもらうことを望んでいた。だけど、アメリカがリードできないなら、せめて邪魔をするな。出て行け!』って言ったんですよ」

●カッコイイー!

「“UNITED STATES GET OUT OFF THE WAY!”って言い切ったんですよ。本当は国際会議でこうやって名指しで言うことは許されていないんですね。外交の舞台だし、国連は儀礼的なところなので、そういうものなんですよ。そこでこれだけ言うってすごいことなんです。だけど、“GET OUT OFF THE WAY!”って言ったときに会議場の全員が立ち上がって『うぉー! その通りだー!』ってなって鳴り止まなくて、パッとそれが鳴り終わったときに、アメリカの代表団が立ち上がって、『アメリカは世界のコンセンサスを邪魔するつもりはない。アメリカはみんなの合意に従う』って言ったんです。そこで、またみんなが『おーっ!』って大拍手。国際会議の、こういった最後の本会議場の場でこんな姿が見られるなんて滅多になくて・・・」

●ちょっとしたドラマですね!

「もうすごかったですよー! 私も涙出てきちゃったもん(笑)。結局、世界はアメリカをここまで追いつめたんですね。アメリカは参加することには合意したわけですよ。世界にはちゃんと知恵があると思いましたね。人類の叡智ですよね。『こうやって目の前に危機があるんだから、もめている場合じゃない。なにかやろう!』っていう決意を感じましたね」

バリ・ロードマップは暫定的なもの

●会議では難産の末、バリ・ロードマップというものが採択されました。バリ・ロードマップというのはどういうものなのか教えていただけますか?

小西雅子さん

「はい。これから2013年以降の枠組みを決める行動計画なんですね。つまり、これは2009年までに決めましょうという締め切りが設けられました。国際交渉では締め切りってとても大事で、締め切りに合意すれば必ずそこにはできるので、そこに向かってすべてが動くんですね。これってとても大きいことで、いつまでに何回集まって、これを話し合いましょうっていう道筋ができたので、バリのロードマップという名前が付けられたんですね。つまり道筋ですよね」

●ロードマップの中に温室効果ガスの具体的な削減目標の数字って出てこなかったじゃないですか。アメリカや日本の強い反対があってこれが入らなかったそうですが・・・。

「それもそうなんですけど、実は今回、日本で報道されていないことの1つに、バリのロードマップっていうのは、元々アメリカを入れるために気候変動枠組条約のもとで立ち上がった新たな道筋なんですね。そこでは確かにおっしゃるようにアメリカやカナダ、日本の大反対によって、ハッキリした『25パーセントから40パーセント』、『先進国』という文字は入らなかったんですよ。だけど、実は話し合いの道筋ってこれだけではなくて、もともと京都議定書のもとで、特別作業部会っていうのがすでに動いていまして、それは先進国の次の約束期間においての何パーセント削減しましょうという約束を決めるところなんですね。で、これの道筋がすでにあって、その2つでこれから話し合っていくんですね。で、そちらの元々の京都議定書の方にはきちっと数値が入っているんですよ。『2015年から2020年までに先進国は25パーセントから40パーセント削減を行なうことを認識する』という言い方なんですけど、きちっとそれが入っていて、それは法的に合意された文書としてそれに沿って動いていきますので、実はそちらの道筋もできているんですね。で、こちらの条約の方っていうのは、来年、アメリカで選挙がありますよね。現在のブッシュ政権は後ろ向きでしたけど、次はどっちが政権をとるにしても、必ず温暖化対策は変わりますよね。だから、そのアメリカが変わるときまで、待つ間の暫定的なものと私たちは見ているんですね。数値は入らなかったけれど、一応、アメリカがそこに参加して、2013年以降の枠組みに参加するということで、決められている道筋と、もう一方の先進国だけでやっている、25パーセントから40パーセントっていう数値があるので、いずれ1本になるっていうことを前提に動いていると見ていいと思いますよ」

●遠くから見ていると、「そんな余裕あるのかなぁ」って感じがしちゃうんですけど、実際の「COP13」ではこれでOKという結果だったんですか?

「はい。正直なところ、私たちがもっと中に書き加えたかった「○○について、△△を目標にして話し合う」っていう具体的な中身は弱くなったんですよ。それは、私たちが望んでいるほど強くはならなかったんですけど、2009年という目標は決められて、きちっとこれについて話し合うというところまでは決まったので、必ず決まるんですね。だから、その意味においては評価できるんですけど、逆に仕事が大変になりましたね(笑)。これから中身を決めていくから、ちゃんと地球にとって温暖化が危険ではないレベルに抑えられる中身になるように、世界全体に宿題をいっぱい残して道筋が決まったって感じですね(笑)」

●しかも、2009年って来年ですからね。

「そうなんですよ」

●1年なんてあっという間じゃないですか。忙しいなんてもんじゃないでしょうね。

「はい。これから国際会議の嵐ですよ。4回決まっていますしね(笑)」

地球温暖化対策は今すぐ行動することが大切

●バリ・ロードマップもできて、この後の進み方というのを小西さんなりにシミュレートしていただきたいと思うんですけど、先ほど、宿題がたくさん残されているとおっしゃっていましたが、どんな宿題が残されているんですか?

「EU全体を1つとすると、いわゆる大量排出国って世界に10ケ国くらいなんですね。そうすると、次の約束期間でそれぞれの国が身のある削減をする。しかもその数値がIPCCの科学に沿った、危険な悪影響を防ぐ、25〜40といった大きな数値を合意できるかどうかというところがとても大きいんですね。それで、みなさん極端から極端に走ってしまって、気候変動って『今、こんなことが起こりますよー!』って、今年の正月のテレビ番組とかでもいっぱい出ていて、みんなが『もう手遅れじゃない? 間に合わないんじゃない?』って言っちゃうんですけど、実はそんなことは全然なくて、今すでに私たちが持っている技術で危険な気候変動の進行具合を抑えることができるんですね。IPCCがそれをハッキリ示しているんですよ。今ある技術で十分だと。そうすると、お金がいっぱいかかるんじゃないかって思いますよね。『とても経済発展なんて望めないんじゃない?』って。でも、そんなこともないんですよ。GDPの1パーセントくらいでできるってはっきりコストも出しているんですね。つまり今、私たちが持っている技術で、もちろんお金はかかりますよ。1パーセントって正直なところ、大きな数値ですけど、十分、私たちが払える金額でできるんですよ。でも、それは私たちが日本人だから、先進国だからなんですね。で、そこで1日1ドルしかなくて、飢餓や貧困に非常に苦しんでいるたくさんの多くの途上国がありますよね。彼らも含めての1パーセントですから、それがどういうことを意味するかというと、私たち先進国が、彼らを助けていかなきゃいけないんですね。悪影響に対してお金を出してあげて、私たちが持っている技術を渡してあげて、尚かつ違法伐採をしているのは先進国ですから、それを止めてというような、途上国に対してのいろいろな形の支援と、技術移転とかを進めていかないといけないので、要は気候変動っていうのは、ある意味、南北問題なんですよ。みんな国際協力でやらないといけないから、国際協力でやるにあたって、誰がいつ、どのような形でお金を出すか、誰が言うか、どれだけの援助を渡してあげられるかっていうことなんです。そうすると、みんなそうですけど、先進国の間で総論は賛成だけど、自分が真っ先にやるのは嫌だってなりますよね。そこで、何が一番必要かっていうと、結局、国際的に話し合って、みんなでやりましょうっていうコンセンサスをとって、協定を結んでやってくっていうことなんですね」

●地球人として全てが繋がっているわけですから、そういう途上国を助けない限りは自分たちも苦しむんだっていうふうに発想を変えていかないと、どうしても難しいのかなぁっていう気がしますよね。

「そうですね。取り返しのつかない悪影響が起こってしまってからでは、『そこまでいかないと分からないのか!?』っていう感じになってしまうので、今からやらないといけないんですよ。さっきお話ししたGDP1パーセントとか、そういった数値っていうのも、今すぐ始めれば始めるほどコストが低いっていう計算も、結果として出されているんですね。だから、グチャグチャ話し合って、遅れれば遅れるほど、お金も高くなるし、気温上昇ももっと大きくなってしまうということになるので、とにかくたった今、『国際的にみんなで話し合いましょう、みんなで決めましょう、みんなでやりましょう』という意志が一番大事なんですね。あとは、『やろう!』という政治的な意志だけなんですよね」

●それは、国のリーダーたちはもちろん、それぞれの国の国民たちの「やりましょうよ!」っていう行動や言葉って大切になってきますよね。

「もちろん、すごく大事です。私が一番大事だと思うのが、政治に物を申していくってことだと思うんですね。今やっと、各党がこの間の参院選からマニフェスト対策を打ち出すようになってきたんです。だから、そういうのを読んで、選挙とかの機会に、温暖化対策で政治家を選ぶことが重要になってきます。あとは、企業が非常に大きな排出をしていますよね。日本では産業部門で6割以上を占めますから、やっぱり排出の大きなところが対策することが大事なので、私たちは消費者として物を買ったりとか、色々な方法がありますよね。株主総会とかもありますけど、そういったところで温暖化対策をちゃんとしているかどうかっていう基準で、企業を見ていける目を持っていくことが大事だと思いますね。結局、私たちは今までにない人類最大のチャレンジに瀕しているので、やっぱり諦めず、絶えず生まず、ずっとやっていくことが大事だと思いますね。解決方法はあるんですから」

●小西さん的にいうと、大丈夫なんですよね。未来はちゃんとやればOK?

「そうなんです。それはハッキリと科学が示しているんですよ」

●決して手遅れではない?

「全然大丈夫です!」

●ただ、このままダラダラやっているとつらくなるだけなんですよね。

「そうです。お金もかかるし、危険な悪影響が出てくると、リポートによれば、危険な気候変動をこのままにしておけば、悪影響に対応するお金がかかってきますよね。例えば、海面上昇で、そこに高潮が重なって、そこに台風がきたら、今の日本の堤防なんてひとたまりもない状態がすぐそこに迫ってくるんですよね。で、それに対応するために堤防を強化したり、そういったお金がどんどんかかりますよね。で、またすごい災害や洪水が起きた後の災害対策コストっていうのも非常にかかりますよね。そういったコストを試算すると、たった今、温暖化対策した方がはるかに安いっていうリポートも出ているんですよね」

●その辺を今後も教えていただきながら、またこの番組で報道していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。

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 尚、小西さんにお話をうかがった後、皆さんもご存知の通りスイスのダボスで開催された「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」で、今年7月の北海道・洞爺湖サミットの議長として福田首相が特別講演を行ないました。
 その内容についてはここでは詳しく説明しませんが、日本は2013年以降の温室効果ガス削減の国際的な枠組作りで、新たな「国別総量目標」を掲げて取り組むことを表明しました。「COP13」で温暖化対策に消極的と批判された日本がようやく小さな一歩を踏みだしたといえるのではないでしょうか。

■このほかのWWFジャパン・小西雅子さんのインタビューもご覧ください。
AMY'S MONOLOGUE〜エイミーのひと言〜

 地球温暖化問題はまだ手遅れではない。十分間に合うという小西さんの心強いお言葉にホッとしました。でもだからといってのんびり構えてはいられませんよね。何よりも大切なのは、私たち一人ひとりが少しでもCO2を出さないような生活を心がけること。そしてその中には省エネの製品を出している企業や温暖化対策に熱心な企業を応援すること。反対に熱心ではない企業の製品は買わないこと。更に温暖化対策をおこたっている企業や国に対して声をあげることも重要な要素として含まれています。また、「WWFジャパン」を始めとする、頑張っているNPOやNGOの会員になったり、寄付をするという形で応援することも一つの方法です。皆さんももう一度ご自身のライフスタイルを見直して、できることはどんどん実践していって下さいね。

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■「WWFジャパン」会員募集中!

 (財)世界自然保護基金ジャパン/WWFジャパンでは随時、会員を募集しています。
 会費は、月々500円からとなっているので、ぜひ「WWFジャパン」のホームページで詳細をチェックしてみてください。
 また、昨年12月に開催された「バリ会議」の模様や、温暖化のことなども詳しく載っているので参考にしてはいかがでしょうか。

・WWFジャパンのHPhttp://www.wwf.or.jp/

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD / TEARS FOR FEARS

M2. MERCY MERCY ME (THE ECOLOGY) / THE DIRTY DOZEN BRASS BAND feat. G.LOVE

M3. CALLING AMERICA / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M4. NO MORE WALKS IN THE WOOD/ EAGLES

M5. RIGHT HERE, RIGHT NOW / JESUS JONES

油井昌由樹ライフスタイル・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M6. SMOKE GETS IN YOUR EYES / THE JERRY GARCIA BAND

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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