2008年3月30日

2008年版・環境問題の新・常識 第1回目「ゴミ問題の現状」
〜朝日新聞の記者・杉本裕明さんを迎えて〜

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは杉本裕明さんです。
杉本裕明さん

 1992年4月から自然や環境をテーマにお送りしている「ザ・フリントストーン」は、この16年の間に自然環境の変化や環境問題の推移を間近で見てきたわけですが、来週17年目に突入する前に、これまでのキャリアの集大成として、もう一度、いちから環境問題に取り組む新シリーズを立ち上げます。その名も『2008年版・環境問題の新・常識』。
 90年代には“常識”とされていたことが、今は“非常識”なのかも知れない。環境や自然に関する間違った認識が、私たちをミスリードしてきた可能性はないのか? そして国や行政や企業の発表するデータは信用に値するのか? など、環境問題に関する釈然としない事実や常に付きまとう疑問に真正面から取り組み、番組なりの“2008年版の新・常識”を掲げ、シリーズを通して皆さんと一緒に現代の環境問題を考えていきたいと思っています。
 そんな新シリーズ『2008年版・環境問題の新・常識』、第1回目となる今週は、4月1日から東京23区のゴミ処理方法が大きく変わるのを機に「ゴミ問題の現状」に迫ります。お迎えするゲストは、環境問題を専門に取材を続けていらっしゃる朝日新聞の記者・杉本裕明(すぎもと・ひろあき)さんです。今夜は杉本さんとともに、主に「プラスチックごみ」についてお話を進めていきます。

プラスチックごみが可燃ゴミになった推移とは?

 先ほどもお伝えしたように、4月1日から東京23区のゴミ処理方法が大きく変わります。家庭から出るゴミのおよそ40パーセントを占めるプラスチックごみ。その内、ペットボトルとトレイを除くプラスチックごみが全面焼却になります。つまり、今まで「不燃ゴミ」として扱われてきたものが「可燃ゴミ」となるわけなんです。
 では、なぜ、東京23区がプラスチックごみを燃やすことにしたのか、今夜のゲスト、朝日新聞の記者・杉本裕明さんにその背景についてうかがいました。

「なぜ、東京23区でプラスチックごみを埋め立てる不燃ゴミにしたのかというと、1960年代の高度成長から1970年代にかけて、どんどん東京都の人口が増え、経済活動が活発になってきますよね。そうすると、ゴミもどんどん増えてくるわけです。そうなると当然、ゴミを燃やす焼却工場が必要ですよね。ところが、それをたくさん造ろうとしても、住民のみなさんが反対して、なかなか造れなかったんですね。そうすると、集めたゴミはどんどん出てくるけど、燃やす場所がないし、埋める場所も非常に小さい。で、当時の美濃部知事の下で、東京都がどういう解決策を取ったかというと、とりあえずゴミが多いので、腐ってしまう生ゴミは可燃ゴミにして、優先的に燃やしましょうと考えたんですね。で、燃やしたいゴミの量に対して、燃やせるだけの工場が足りませんから、プラスチックごみはとりあえず臭くないし、腐らないので、仕方がないから埋め立て処分場へ持っていって、当面の間は埋めて、ごまかそうといったら御幣がありますけど、当座をしのごうと考えたんですよ。そのときに非常の誤解があって、昔の焼却工場っていうのは、非常に高い温度で燃やすときに、炉が痛んだりする危険性があったんですね。それから、当時はまだダイオキシンの問題が出ていませんけど、塩化水素っていう非常に有害な化学物質が出て、そういうものを出す原因にプラスチックが挙げられていましたから、燃やさないほうがいいだろうと。住民も反対しているし、ちょっとやめておこうかとなったんですね。ところが、どんどんプラスチックごみが埋め立て処分場へ行くと、埋め立て処分場が足りなくなってくる。それで、今回、変えようとしたんですね。
 ダイオキシンについて言いますと、プラスチックの中でも塩化ビニールってありますよね。これを燃やすとダイオキシンが出る可能性が非常に高いんですね。これまではそれを燃やしても、ダイオキシンを十分に除去できなかったんですけど、1990年代の後半からメーカー側ががんばって技術的に開発して、今では、塩化ビニールはあまりよくないんですけど、プラスチックを燃やしても、塩化水素と併せて、ダイオキシンがほとんど発生しないようになったんですね。もし、中で発生しても、それを除去するバグフィルターという装置がついているので、それでほとんど取ってしまうんですね。それで、国も排出基準といって、煙の中に含まれているダイオキシンの量がどのくらいだったらいいよというのを決めているんですが、今の水準でいうと国で決めた基準に比べて、現在、東京23区の工場が出しているダイオキシンの濃度は、大体1000分の1から10000分の1なので、非常に少ない量なんですよ。それで、これなら大丈夫だろうと。それから、実験しているんですけど、プラスチックを燃やしても、煙の中に含まれているダイオキシンの濃度がほとんど変わらないということが分かったために、今回、埋め立てて処分場の心配をするよりは、焼却したほうがまだマシだろうということになりました。
 それで、プラスチックを燃やすと、二酸化炭素が出ます。プラスチックの原料は石油ですよね。で、温暖化をもたらすものは何かといったら、化石燃料ですから、石炭とか石油ですよね。例えば今回、東京23区から出るプラスチックごみを23区の工場に持って行きますよね。その量が10万トンとか20万トンという話もありますけど、それを燃やせば、それに相応した二酸化炭素が出ます。ところが、ちょっと考えなければならないのが、埋め立てればプラスチックごみから二酸化炭素が出ないのかといったら、普通に考えると燃やさないんだから出ないですよね。土の中に入れて、そのままにしておくわけです。ところが、東京都が所有している新海面処分場という処分場に行きまして、ここは非常に広大なんですけど、このラジオを聞いていらっしゃる方も実際に足を運んでみるといいと思うんですよ。行くと、カラスがものすごくたくさん来ています。生ごみは焼却工場へ行っていますから、埋めていないんですよ。では、なぜこんなにカラスがいるのかっていったら、そこへ行くと異様な臭いがするんですね。生ごみまではいきませんけど、食べ物が腐敗したような臭いがします。私も何回か行っていますけど、どうしてかなと見てみると、ガス抜きのためのパイプが処分場にいっぱい建ててあるんですよ。臭いをかぐと非常に臭いにおいが出てきます。実はそれはメタンガスが出ているんですね。ではなぜ、プラスチックや瀬戸物などの燃えないものしか埋めていないはずなのに、どうしてメタンガスが出るんだろうって話になりますよね。実は持ち込まれるプラスチックごみに有機物、生ゴミの一部が付着しているんですね。皆さんの家庭から出るプラスチックごみっていうのは、色々なトレイやパックが挙げられますよね。例えば、スーパーで魚を買ったり、肉を買ったりするじゃないですか。そこにプラスチックのケースがあったり、ラップがありますよね。そこに有機物、食べ物が付着するんですよ。それが一緒になって埋め立て処分場へ行くわけですね。で、埋めてしまうと、その有機物が分解して、発酵して、メタンガスになるんです。で、メタンガスになると、メタンガスというのは温室効果ガスといわれて、実は二酸化炭素の20数倍強い温室効果ガスとして知られているんですね。だから、メタンガスになる量が100としても、実際には二千数百の温室効果ガスが出ているということになるんですね。だから、少なくてもたくさん出てしまうっていうところに問題があるんです。それで、東京23区で作っている組合が試算をしたらしいんですけど、もちろんプラスチックを燃やして出る量よりは、メタンガスの量が少ないかもしれないけど、焼却工場の場合は、燃やすだけじゃなくて、そのときにその熱を利用して発電しているんですね。大体、熱効率が一割から一割五分くらいといわれていて、その部分を他の電力会社から電気を買わずに、自前で発電するわけですから、その部分の本来、電力会社から買った電力から出る二酸化炭素の量は少し減りますね。そうやって考えると、もちろん、焼却施設から出る二酸化炭素のほう多いですけど、これ以上メタンガスを出すよりはまだマシじゃないのかという結論が出ているようですね」

現在のゴミ処理事情は、整合性がとれていないのが実態

 都内在住の人にとっては、今まで「不燃ゴミ」として出していたプラスチックごみを「可燃ゴミ」として出すことには、やはり抵抗があります。杉本さんはプラスチックごみを全面焼却することについて、こんな意見を持ってらっしゃいます。

「私は埋め立てよりは、発電しながら焼却したほうがマシだと思っています。いいとは思っていません。よりマシっていう選択を考えたらいいと思うんです」

●東京23区は全面焼却の方向に向かっているのかなっていう気がするのですが・・・。

「そうですね。ただ、23区の中でも、どの区に住んでいるかによって変わってくるんですね。実は、この問題について東京都は先ほどもいったように、埋め立て処分場へ持って行きますから、『こんなプラスチックごみなんか持ってきてもらったら困る』って言ったんですね。なぜかというと、プラスチックごみを埋めても、かさばっかりが積もって、跡地を利用できないんですね。ほかの土砂とかそういうものだったら、跡地にビルでも何でも建てられますよね。ところが、プラスチックごみを埋めた後は、密度がないものですから利用できないと。それで、埋め立ては困るといったんですけど、東京都は『埋め立てごみにするのは困ります、燃やしてください』っていっているんですね。それを受けて、23区は色々と検討をしまして、2005年に焼却ゴミは焼却しましょうって決めるんですね。
 ところがそのときに23区のうち、10区はプラスチックごみを埋め立てるよりも、燃やすというのは分かりましたと。でも、その前に、容器包装リサイクル法っていう便利な法律があるじゃないですかっていう話になったんですね。で、こんな便利な法則があるんだったら、容器包装に使われているプラスチックは燃やさずに先に分別をして、別個に回収をして、業者に渡せば、ちゃんとリサイクルしてくれるんだねと。それで、とりあえずリサイクルにまわしましょうと決めるんですね。で、残ったプラスチックは全部燃やしましょうと決めたんです。で、こういうことを決めたのが中野区とか、杉並区とか、葛飾区とか、全部で10区。残りの足立区とか世田谷区とか、13の区が残っていますけど、そこは全部燃やすことを決めたんですね。だから区によって燃やしたり、一部しか燃やせなかったりと、非常に分かりにくくなっているんですね。
 そこで、疑問が出てくるのが、焼却工場というのは23区が共同して作った一部準組合が運営、管理をしているんですね。そこへ色々な区から持ってくるわけですよ。そうすると、ある区から持ち込まれたゴミの中には、プラスチックがほとんど入っていません。でも、別の区から入ってくる家庭ゴミは、プラスチックがいっぱい入っていると。で、ある区ではプラスチックが入っていて、別の区では入っていないというのはやっぱり変ですよね。そういう意味では非常に整合性の取れていない実態かなと思いますね。そういうことが今年の4月1日から全面的に始まってしまうんですね。私は非常に問題あるんじゃないかなと思っています。燃やすのは仕方がないんですけど、13区はリサイクルをもっと熱心に取り組もうということで、検討してもよかったんじゃないかなと思うんですね。で、転勤や引越しで別な町へ行ったときに、分別の方法が違って困るという声がありますよね。例えば今、世田谷区に住んでいる人は、プラスチックはバンバン燃やしていますし、分別の数も非常に少ないです。例えば、お父さんの転勤に伴って、名古屋へ行くとしますよね。名古屋は20近くの分別をしていますよ。東京23区と比べると、2倍から3倍の厳しい分別になっています。プラスチックはそんなことしてはいけませんって絶対に怒られますよね。そういう矛盾が全国各地で起こっていますね」

 ちなみに、杉本さんはほかにもプラスチックごみの焼却についてこんな風にも見てらっしゃいます。
 バブルが崩壊後、経済活動が停滞したことから、出てくるゴミが減り、特に、都市部の東京のゴミも減って、23区と多摩地区を合わせてこの15年で3割も減っている中、23区内に22ある焼却工場について一部の市民団体から“そんなに必要なのか”と疑問の声が上がっている。また、焼却工場を安定的に稼働させるためにプラスチックごみを燃やすようにしたのではないかという指摘もあるんですが、杉本さんはこの指摘には疑問があるそうです。
 その一方で23区の予測によれば、2020年にはゴミが4パーセント増えると見ているそうですが、それは焼却工場を減らさないための理屈。杉本さんとしては、計画そのものを見直し、もっと呼びかけてリサイクルとゴミの減量に努めるべきで、そうすれば焼却工場も段階的に減らすことも可能だろう。そういう努力をせずに、プラスチックごみは燃やせばいいんだという説明には疑問が残るとおっしゃっています。

市民の声がゴミの分別を変える

●4月1日からプラスチックごみを全面焼却する東京23区ですが、全国的にみて“燃やす派”と“埋める派”とではどちらが多いのでしょうか?

杉本裕明さん

「全国には1900の自治体がありますけど、7割が燃やす派、3割弱が埋める派になっています。それから、燃やす派、埋める派の中で、約5割の自治体は、燃やしたり埋めたりする前の段階で、容器包装のプラスチックはリサイクルしましょうってなっていますね」

●ちなみに、ベイエフエムの地元、千葉市はリサイクルに関してどうなんでしょうか?

「私は千葉にあまり詳しくないんですけど、例えば、千葉市は残念ながら遅れています。政令指令都市が全国で17市ありますよね。で、千葉もその1つなんですけど、17ある市のうちリサイクルをしていない都市が4つあります。千葉市はその1つです。でも、安心してください。3年後にリサイクルするといっていました」

●3年後かぁ・・・。でも1人ずつでも、少しずつでも動けば変わりますもんね。

「あとは、小さな市とか町でも、千葉でも当然やっていますが、確定的な数字はいえませんが、多分、半分とか、6割くらい、千葉県の市町村も取り組んでいると思います。だから、その数が増えたり、千葉市が取り組むっていうことが大事なんですね。それが周辺の市町村へ広がっていきますから。だから、千葉市もかなりよくなっていくと思いますよ」

 千葉市以外の市町村の取り組みについて当番組のスタッフが調べたところ、例えば、柏市はほかの市に先駆け、再生プラスチック原料による指定ゴミ袋を作り、再生原料40パーセント配合の袋が平成18年8月に日本環境協会のエコマーク商品の認定を受けるなど、プラスチックのリサイクルを進めています。これは市民の方たちが目にできる、全国的にも珍しい取り組みだそうです。
 また、市川市は平成14年10月からゴミの分別を、5分別から12分別にしたことで燃やすゴミの減量と資源化が大幅に上向いているということです。
 そんなプラスチックごみのリサイクルに関して、今後の見通しはどうなのか杉本さんにうかがいました。

「環境省はどう見ているか分かりませんけど、私は少なくても23区のうち、10区が4月からリサイクルに着手するっていうことで、やらない区は相当プレッシャーを感じると思うんですね。なぜかというと、当然議会でも、市民団体の市民からも『隣の区ではやっているのに、どうしてうちの区ではやらないんだ!?』っていう突き上げが当然きますよね。『いいことなんだからやれ』って当然言いますよね。で、そのときに、これまでやらない区はお金がかかりすぎるとか、あるいはプラスチックの容器包装を集めるときに、かさばるものですから、途中で積み替えて、圧縮梱包するんですね。大体1メートル四方のサイコロに固めるんですよ。そういう工場っていうか保管施設が必要なんですけど、そういうものがなかなか区内に作れないとか、色々な理屈をつけているんですね。でも、全国的に『やっぱりリサイクルしよう』って動きが高まっていて、これは環境省の予定ですけど、大体5年とか10年経つと、全国の7割以上の自治体が、もう容器包装リサイクルしましょうってなりますから、残った13区もおちおちしていられないですよね。だから、当然それに対するお金がかかっても、『やりましょう!』ってなってくると思います。それから区長さんも、区の職員は『そんなもの燃やしていればいいんだ』とうそぶいてもいいかもしれないけど、区長さんは区民から選ばれる立場ですよね。なので、次の選挙に向けて、『ゴミ問題、リサイクル問題について感心のない人は選びませんよ』って言われると、『これは、まずい!』ってなってきますよね。現に、ある区の区長さんは、昨年新しく区長さんになったんですけど、それまでは『こんなもの燃やせばいいんだ』といっていた区だったんですが、方針を変え始めて、区長さんがリーダー・シップを取って、『ダメじゃないか。リサイクルをやろうという方向で検討しろ!』って指示がいっていまして、それでリサイクルについても動きが出始めています。だから、そんなには悲観することないと思うんですね。だから、そのためには住民がリサイクルについてもっと考えて、やっていったほうがいいんじゃないかって声を出すことも必要かなと思いますね」

制約も多いサーマル・リサイクル

 プラスチックごみを燃やすことのメリットの1つといえるのが、燃やすことで発生する“熱”を利用する「サーマル・リサイクル」ができること。そんな「サーマル・リサイクル」について杉本さんはこうおっしゃっています。

「実はものすごく大きな課題というか、制約があるんですよ。それは、私、何回かドイツやフランスの実情を見たりしているんですけど、一般的に言って、ドイツやフランスの焼却工場では熱回収、つまり、どれくらい燃やすことによって、出てきた熱を回収して、それを新たな熱源にして、利用しているのかっていうことも大切ですよね。燃やしただけだったら、出てきた熱を放出するだけでもったいないですよね。ドイツやフランスでは熱回収率とか、エネルギー回収率というんですけど、それが、ドイツでは法律で8割以上って決まっているんですけど、実際には9割くらい回収しているんですね。で、日本の場合はどうかというと、全国平均でたったの10パーセント。東京23区の組合の平均でも、10パーセントから、よくて15パーセントくらいしかありません。『どうしてこんなに違うんですか?』って思いますよね。焼却工場を作ったプラント・メーカーが質が悪くて、技術力が悪くてそうなったわけではないんですね。技術力はほとんど変わりません。何が違うのかというと、フランスでもドイツでも、発電にまわせる率は大体1割とか2割なんですよ。残りの9割のうち、7割〜8割は何で稼いでいるかというと、熱供給をしているんですね。つまり蒸気にして、蒸気を近辺の住宅や工場に送って、例えば住宅ではそれを冷暖房に使っているんですよ。工場も同じです。いわゆる熱源ですよね。そういう利用をしているんですね。ところが、日本の場合は、一部、札幌市などでやっていますけど、他の場合はそういう供給設備がないんですよ。じゃあ、『日本も同じような供給設備を作ればいいじゃない』って思うでしょ? ところがそんなことをやるために、どれくらい地下を掘って、遠い住宅団地や大きなビルへのパイプをつなげて、ものすごくお金がかかりますよね。今頃どうやってやるんですかと。という問題というのもあるんですね。それから、こんな問題もあります。やれないことではないんですが、もし、やるんだったらドイツやフランスのように焼却工場は住宅地の真ん中に作るか、あるいは工場団地のど真ん中に作らないとダメですよね。つまり、立地がよくないとダメなんですよ。ところが、非常に不幸なのは、日本の焼却工場は住民が反対するじゃないですか。『そんな便利なものがあったら、私の家にも熱や温水を供給してください』、『お風呂にも使えるし、夏には冷房にも使えるね』というふうにはならないんですね。もし、それでもみんなが『作ってください!』って言うんだったら、出来たかもしれませんが、どうしても山の中とか、へんぴな所になるじゃないですか。あるいは、自治体みんなが困って作ると、自治体同士の境界線を作りますから、イヤなんですよね。だからヨーロッパと比べて、高度な利用というのは非常に難しいし、制約がある気がしますね」

 まだまだ課題が山積みのゴミ問題ですが、ゴミ問題を考えるとき、リサイクルは不可欠です。そこで新シリーズ『2008年版・環境問題の新・常識』の第2回目は「リサイクルの現状」に迫ります。ゲストは、今回ご登場いただいた朝日新聞の記者・杉本裕明さんに加え、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の専務理事・滝田靖彦さんにもお話をうかがいます。放送は4月13日。どうぞ、お聴きのがしなく。

*尚、東京23区の分別回収は区や自治体によって異なるので、詳しくはお調べください。

送信フォームこのシリーズ『2008年版・環境問題の新・常識』ではリスナーの皆さんからも色々と教えていただきたいと思っています。特に、お住まいの市町村ではどうなのかなど含めて、ご意見やご感想、また、今さら聞けないと思っているような疑問なども、お寄せください。

このほかの杉本裕明さんのインタビューもご覧ください。
このほかのシリーズ『環境問題の新・常識』もご覧ください。
『環境問題の新・常識』ホームページ
AMY'S MONOLOGUE〜エイミーのひと言〜

 習慣を変えるのは難しい上、住んでいる地域によって分別の仕方も変わる。しかもプラスチックごみを焼却することは決して最高の方法だとはいえない・・・。大人でさえ納得しきれないこの状況を子供たちにどう説明すればいいのですかね〜。今まで燃やしてはいけないと言っていたものを、今度は燃えるゴミとして捨てるのよ〜って言わなければならないわけですし、例えばお子さんが分別の仕方が違う地域にある私立の学校に通っている場合、それぞれの地域の分別方法を教えるわけですよね? 自然を破壊し、環境を悪くした上、こんな形で混乱させてしまうなんて、未来を担う子供たちに申し訳ないかぎりです。

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『赤い土・フェロシルト〜なぜ企業犯罪は繰り返されたのか』
『ごみ処理のお金は誰が払うのか』

■朝日新聞記者・杉本裕明さん情報

最新刊『赤い土・フェロシルト〜なぜ企業犯罪は繰り返されたのか
風媒社/定価2,100円
 環境問題を専門に取材を続けていらっしゃる朝日新聞の記者・杉本裕明さんが徹底、かつ丹念な取材を通して、企業と自治体の不正と社会的な責任を追究した読みごたえのある一冊。
 

ごみ処理のお金は誰が払うのか
合同出版/定価1,680円
 『納税者負担から生産者・消費者負担への転換』というサブタイトルが付いている杉本さんと環境ジャーナリストの服部美佐子さんによる共著。容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、建設リサイクル法の施行後の状況に焦点を当て、処理費用をキーワードに“日本のゴミ問題”を再点検し、その現状と解決策を、豊富な実例満載で提起。
 

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. TRASH / SUEDE

M2. SO SERIOUS / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA

M3. PLASTIC MAN / THE KINKS

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

油井昌由樹ライフスタイル・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. WE BELONG / PAT BENETAR

M5. SYSTEM / SEAL

M6. DON'T STOP / FLEETWOOD MAC

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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