自然/環境にまつわるインタビューや雑学、写真など、番組で放送した内容を随時更新していますのでぜひお楽しみ下さい

2019年11月30日

キャンプは、ゆる〜く!?
〜「ひとりキャンプで食って寝る」のスタイリスト登場〜

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、スタイリスト・平 健一(たいら・けんいち)さんです。

 平さんは1980年、山形生まれ。文化服装学院を卒業後、スタイリストとして活躍。特にアウトドア・グッズやトレンドに精通している、まさに“キャンプマイスター”なんです!
 そんな平さんが監修しているテレビ番組「ひとりキャンプで食って寝る」は、キャンプをしながら「缶詰料理」に幸せを感じる男・健人と、食材を現地で「獲って食べる」ことに心を奪われている女・七子の、ダブル主人公によるそれぞれの物語。健人は三浦貴大(たかひろ)さん、七子は夏帆(かほ)さんが演じていらっしゃいます。主人公の三浦さん、夏帆さん、それぞれのドラマが隔週で放送されるというのも、面白いですよね。
 今回はそんな平さんに、番組の裏話やご自身のキャンプ・スタイルについてうかがいます。

ドラマの裏話!

※まず、番組を監修されている平さんに、番組のテーマについてうかがいました。

「ゆる〜く、ひとりキャンプで、本当に何の制限もなくアウトドアを楽しむっていうのがメインだとは思いますね」

●キャンプブームがまた最近きているっていう話もありますし、特にソロキャンプが流行っているっていうことなんですけど、実際、やっぱり多いんですか?

「多いですね! 僕は結構、撮影でもプライベートでもよくキャンプ場とかフェス会場に行かせてもらうんですけど、去年2018年の11月ごろですかね、都内ですと若洲公園っていうのが新木場にあるんですけれど、そこですと都心から30分ほどで行けるんですね。そこは区画制なんですけど、友だちがソロキャンプをやっていたんですね。そこで僕も途中から行きまして一緒にやっていたら、お隣も皆さん、ソロキャンプの方が多かったです」

●泊まりでのキャンプってしたことがなくって、特にソロキャンプって言ったらひとりしかいないじゃないですか! そんな中で大丈夫なのかなって思っちゃって、テント張ったり、いろいろと大変なんじゃないかなって思うんですけど、大丈夫なんですかね?

「大丈夫だと思います! 例えばキャンプが好きな人やアウトドアが好きな人ってそうなんですけど、道具を使いたいとか、例えばこの前買ったブーツを使いたいとか、この焚き火台を使いたいから(キャンプに)行きたい、焚き火がしたいから(キャンプに)行く、あるいはテントに泊まる……みたいな。逆になるか、最初になるかはそれぞれなんですけど、日本人はやっぱり格好から入るのが好きで、そういったことが多いんですね。

 あと、スキーとかサーフィンとかと違って、一式買ったら終わりではなくて、次々に、コーヒーセットであったりガスバーナーであったり鍋であったりコップであったり……完成されてはいるんですけど、また新しいものが出ますし、ちょっと道具選びが楽しくなるっていうのがひとつの(特徴ですね)。“キャンプ沼”っていう言葉もあるくらいなので(笑)。ハマってしまうと、いろいろと道具を揃えるまで(終わらないですね)」

●ソロキャンプの醍醐味って何なんですかね?

「やっぱり、時間の制限がないっていうことですかね。自分の好きな時間に、友達も誰にも気兼ねなく、自分の気に入った時に行き、自分の時間でご飯も食べられますし、自分の時間で何でも出来るっていうのが醍醐味だと思いますね」

●今回のドラマでも、三浦貴大さんは缶詰を使ってご飯を召し上がったり、夏帆さんはその場でいろいろ獲られて、それを料理していますよね。そういった料理のシーンが凄く多いなと感じるんですけれど、そういったものもこだわりのひとつなんですか?

「あれは最初に監督、脚本家の方から“主人公の設定をこうしたい”っていうのがありまして、ひとりは三浦さんが演じている健人っていうのが、物にこだわって缶詰を食べる。夏帆さんが演じている主人公・七子は、どこにでもいるOLで、その場で獲ったものを食べる。そういう2つの基本設定はあるという話を最初にお聞きしていました」

●本当にドラマを見ていると、“サバ缶、買って帰ろう!”とか、凄く影響されています(笑)! 屋外での撮影って結構、大変なんじゃないですか?

「そうですね。スタジオ撮影と違って、天候とか風があったりで、ドラマ撮影を朝の6時から夜の12時までやって、次の日は朝の3時にまた集合とか、(合間が)1時間半とか2時間ぐらいしかない時もあったんですよ。それなんか、夜の撮影が全部キャンセルになりまして……」

●えぇ〜!?

「集まったら集まったで、その日の撮影も全部なしになって、もう一回最初っから、再撮っていうのがあったりとかもしました。それもまた、テントを十数張も張って、ゲストさんもまた入れて、機材も入れて照明さんや皆さん、オールスタッフで……」

●凄いですね……。 キャンプならではというか、実際のキャンプでもそうですもんね!
 とっておきの裏話とかはありますか?

「そうですね……皆さんが使っている道具とか、まぁキャンプしている方だと、登山とか好きな方だとすぐにわかるものが多いと思うんですけど、ただ、わかりにくいものもありますね。
 夏帆さんに関しては、物のシーンとかも、キャンプでは“ギア”って言うんですけど、その辺の設定は監督からもやっぱり、どこのホームセンターでも買えるものを基準に、そんな高価でないものを基準にして選んでいるんで、わかりやすくどなたでもやりやすいかなと思います。三浦貴大さんのほうは、アウトドアショップとかに行けば比較的手に入るものですしね」

千葉のお勧めキャンプ場!

※平さんご自身は、キャンプにどんな魅力を感じているのでしょうか?

「なんて言うんですかね……自然の中でゆるい時間を楽しめるっていうところですかね、何の制約もなく」

●平さんの言葉の中で、“ゆるい”って言うのが結構、出てきますけれども、平さんはキャンプ場でどんなふうにゆるく過ごしているんですか?

「僕はもう本当に、キャンプに一緒に行く友達とかもそうなんですけど、やっぱり皆さん、道具を使いたいとか、新しい道具を持ってきて楽しくやるんですけど、僕は逆にそれはもうないんですね。僕は普通に、他人のイスでもいいんですけど、僕のイスを出さなくても、座ってただお酒を飲んでいるだけで十分かなっていう(笑)」

●ゆるいですね(笑)。

「ゆるいです(笑)。あとは、火をつけたい人がつける」

●平さんが率先して、何か料理を作ったりっていうのはないんですか?

「そのキャンプによりますね。“あんまりやる人いないな”ということがわかったら、その手前のスーパーとかで買い出しの時に“じゃあ僕、きょう作るよ”って言って僕が作る時もあれば、逆に“きょう、〇〇を持って来たよ!”とか“料理を仕込んで来たよ!”っていう人は多分、料理もしたい人がいるんで、その場合はそういう人にお任せした方がいいですかね」

●いろいろと役割分担があるんですね! どのあたりにキャンプしに行くんですか?

「僕は山梨も神奈川も長野も千葉も、関東近郊はよく行きますね」

●ちなみに、千葉県内でお勧めのキャンプ場ってありますか?

「千葉県内はですね、君津市にある“ホーリーウッズ久留里キャンプ村”っていうのがございます。そこは林の中にありまして、そこも結構、広くていい場所ですね。
 あとは、よく行くのが袖ケ浦市にある“森のまきばオートキャンプ場”っていうところで、どっちもオートキャンプ場なんで僕は好きなんですけれども、森のまきばの方はですね、普通にキャンプ場を経営なさっている方が牧場を経営しているみたいでして、牧場地で本当に(キャンプを)やるっていう感じなんです。そちらも広くて気持ちいいです」

●へぇ、そうなんですね! 雄大な自然の中で!!

「夏だったら、あとは南房総市にある“根本マリンキャンプ”っていう、外房というか、一番先端部分のところなんですけど、そこは7月15日から8月いっぱいという、1ヶ月ちょっとしかやっていないビーチのキャンプ場で、そこもオススメですね!」

●チェックしてみます!!

<キャンプのマナーやルール>

 空前のキャンプブームということなんですが、キャンプのマナーって大事ですよね。

 キャンプといえば、ちょっと上の世代の方々だと、「キャンプファイヤーを囲んで飲んだり歌ったり踊ったり、朝まで騒いだもんだよ」と、若かりし頃を懐かしむ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今、それはほとんどのキャンプ場でNG行為なんです!

 多くのキャンプ場では、ランタンの灯りを消して静かに過ごす就寝時間が設けられています。その時間帯にはテントの中でおしゃべりしたり、音楽を流したり、また、車のドアを開け閉めすることも、できれば控えた方がよさそうです。

 焚き火も、決められた焚火台のみOKというところが多いんです。地面で直接、というのは火事の危険もありますからね。焚火台を使用する場合も、火の始末や灰・炭の処理などをしっかり行なわなければいけませんね。

 ゴミの分別もキャンプ場によって細かく決められていて、自分が住んでいる地域とは分け方が違う場合も多いので、ルールに従いましょう。

 そして、「トラブルを防ぐため」ではなく、「命を守るため」に守らなければならないルールもあります。キャンプ場での大きな事故で最も多いのは、車が関係する事故だそうです。周りに十分注意し、徐行運転を心掛けましょう。小さな子ども連れの方は、特に気をつけてくださいね!

 また、天気の急変に注意し、キャンプ場のスタッフの指示には従うこと! 事前の天気予報で計画を変更したり中止したり、キャンプ中も「危ないな」と思ったら早めに避難するなど、自分で「判断・行動」することが大切だといいます。

 アウトドアは、自己責任!!

小学校の授業にキャンプを!

※最後に、こんなお話をうかがいました。

●ソロキャンプはされたことありますか?

「ソロキャンプも何度かあります。自分の時間を楽しみたい方はいいと思いますね」

●そうですよね。本当に自由に、自分の好きな時間に本を読んだり、ご飯を食べたり……。

「コーヒーを読んだり、夜空を見てもいいですし、釣りしてもいいですし、薪割りしてもいいですし……。ウッドクラフトやブッシュクラフトって今、流行っているんですけども、木でマグカップやスプーンを作ったり、そういったものをやられる方もいます。レザーものでいろんな物を作ったりとか、人によってそれぞれの作り方がありますね。
 本当に凄いものだと、ひとりキャンプっていうよりは、サバイバルみたいな感じではあるんですけど、本当にバックパックとナイフだけで、自分で全部する。それを“野営(やえい)”って言いまして、伐った木や葉っぱとかで普通にタープっていう屋根を作ったりとか……」

●えぇ〜!? 作れるものなんですか!?

「そうですね。けど、やっぱり人の私有地とかではなく、自分の場所をちゃんと確保するんですね。ちゃんと木を伐っていい場所とか、法律に触れないようなところで皆さんやられることが多いですね」

●特に平さんが今、注目しているグッズってありますか?

「最近でいうと、ガレージブランドなんですけど、キャンプグッズは今、個人で作られる方が多くてですね、そういった物をガレージブランドって言うんですね。そういったところでいうと、“The Arth(ザ・アース)”っていうブランドがありまして、六角テーブルっていう有名なものがあるんですね。真ん中に焚火台を置くんですけど、それは結構オススメですね! 家の中で使ってもいい、調度品のようなもので、いろんな種類もありますしね」

●平さんがハマっているアクティビティは何かありますか?

「僕はキャンプに行ったら、特に真夏ですとSUP(サップ)っていうのがありまして、あれが好きですね。サーフィンよりもっと長いボードになってまして、浮力が高いんですね。サーフィンの板だと折りたためないですけど、SUPは折りたたみ式の“インフレータブル”っていう、空気を入れて出来るものがありまして、それだとリュックひとつ分ぐらい、14kgぐらいですね」

●平さんはそれでSUPをされるんですね!

「そうですね、すると気持ちいいです! 海はやっぱりベタつきと波があるので、湖でやるのが一番気持ちいいですね」

●その前後でキャンプをされるんですか?

「そうですね。川でやるのも楽しいんですけれど、川はやっぱり、その川に慣れている人が行かないと危ないので、ちゃんとインストラクターの方とかと行かれたほうがいいですね」

●平さんの今後の目標だったり夢っていうのは何ですか?

「そうですね……今回のドラマが人気があれば、多分また第2シーズンとかあれば嬉しいなとは思いますし……。
 今、僕は娘がいるんですけど、ダンスって小学生の体育の授業で、NHKとかでもやっていると思うんですけど、僕は昔から、特に今はこれだけ災害とかが多い世の中なんで、もっとキャンプとかを子供の時に授業のひとつとして、年に2〜3回はやっておいていいのかなと思いますね。火のつけ方にしろ、食料の確保にしろ、そういうサバイバル術を身につけた方が、今後の生き方としてはいいかもしれないですね」

●確かに、全くやったことないっていう子供も多いですよね。

「あとは停電とか台風の被害とかもありますし、どこが安全かとか、どういうふうに安全に出来るかとか、そういったことを考えられる子供が増えたらな、とは思います」

INFORMATION

テレビ番組「ひとりキャンプで食って寝る」

 平さんが監修されているテレビ番組! 毎週金曜日の深夜0時52分からの放送です。詳しくは、番組のオフィシャル・サイトをご覧ください。

 また、平さんがアウトドアのアイテムを紹介する記事を連載しているサイトや、平さんのインスタグラムも、ぜひチェックしてみてください!

  • MUUSEO SQUAREのHP:https://muuseo.com/square/series/11
  • 平さんのインスタグラム:https://www.instagram.com/runrun1980/
  • 今週のオンエア・ソング

    オープニング・テーマ曲
    「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

    M1. I CAN BUY YOU / A CAMP

    M2. to the moon / YOGEE NEW WAVES

    M3. HAPPY / PHARRELL WILLIAMS

    M4. WILDFIRE / JOHN MAYER

    M5. 愛はスローにちょっとずつ / サザンオールスターズ

    M6. OB-LA-DI, OB-LA-DA / YOUSSOU N'DOUR

    エンディング・テーマ曲
    「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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