自然/環境にまつわるインタビューや雑学、写真など、番組で放送した内容を随時更新していますのでぜひお楽しみ下さい

2019年12月21日

秘密の焚き火サイトで、人生初の焚き火体験!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、焚き火マイスター・猪野正哉(いの・まさや)さんです。

 猪野さんは、実は元男性ファッション誌のモデルさん! その後、登山やアウトドアにハマり、現在は焚き火マイスター、そして、今年2019年の初めに「日本焚き火協会」を設立されています。
 猪野さんは千葉市内で、普段は一般公開されていない焚き火サイト「焚き火ヴィレッジ<いの>」を運営されていて、焚き火体験のワークショップなども行なっていらっしゃいます。

 番組スタッフは今回、そんな秘密の焚き火サイトにお邪魔してきました! 焚き火サイトについた時には、すっかり日が暮れて真っ暗。一体どんな場所にいるのか、最初はわからないほどだったんです。番組スタッフがライトを照らして、周りを見て初めて、雑木林の中にいることがわかりました。そして、近くに焚き火用のストーンサークルや焚き火台があったり、木立のなかにテントを張れるようなスペースがあったりと、そんなロケーションでした。

 ほのかな焚き火の明かりの中、猪野さんに焚き火のお話をいろいろうかがってきました。また、小尾さんが人生初の、火起こしと薪割りを体験してきましたよ!

日常の延長に焚き火!?

※まずは、焚き火マイスターとして具体的にどんな活動をされているのかうかがいました。

「今はですね、全国にいろいろとイベントで出向き、焚き火の楽しさを伝えています。火起こしのワークショップとか、そういうのを多くやっていますね」

●昔から焚き火はされていたんですか?

「いや、ここ最近です」

●えっ、そうなんですか!? 何かきっかけがあったんですか?

「そうですね。もともと僕、ずっとファッション業界にいて、そこでいろいろやらかして......」

●(笑)。

「それで、その業界からは消えて、ずっと僕、倉庫とかで働いていたんですよ。その時に、ちょっと人間関係とかそういうのがいろいろありまして、その際に友達に“山登りしようよ!”と言われて、そこからアウトドアにハマっていきました。
 それで、僕の家に土地があるっていうことを思い出して、じゃあそこで何かやろうと思って、とりあえず手っ取り早く焚き火をやろうかなと思ったんです」

●その流れで焚き火を始めてみて、実際にどうでした?

「ここまで盛り上がるとは思っていなかったです」

●焚き火の魅力って何ですかね?

「焚き火の魅力は、何も考えなくていいっていうか、コミュニケーション・ツールとして、焚き火を囲めば身分とか関係なく、みんな平等なのかなっていう想いがあるので……なんか、凄くいいですね、癒されますね」

●猪野さんが今年2019年に立ち上げた「日本焚き火協会」では、どんなことをやっていこうと思われているんですか?

「まだ本格的には活動していないんですけど、まずは僕の住んでいる千葉市エリアで焚き火ができる場所をどんどん増やしていこうかなと思っています」

●焚き火を通じて、どんなことを皆さんに感じてもらいたいですか?

「今、アウトドアが凄いブームなんですけど、僕は焚き火ってアウトドアだと思っていなく、日常の延長にあるものだと思っているんですね。“まず、なんかやる”みたいな感じですね。いろんな人に、昔を思い出すかのように焚き火をして欲しいなっていうのはありますね」

世界にひとつの焚き火台!

※さあ、それでは小尾さん、初の火起こし体験です!

●まず、何から始めたらいいんでしょうか? なんにもわからないんですけど(笑)!

「まず、小枝と杉の葉、焚き付けにするんで、こういうのを拾ってください」

●杉の葉ですね!

「それで、なるべく乾いているやつを多めに拾っていきます」

●枝っていうのは、どれくらいのものを探せばいいんですか?

「両手で折れるくらいの細いやつですね。結構、着火剤とかも売っているんですけど、こういう杉の葉っぱを拾って持っていれば、買わなくても着火剤代わりになるんで。あと、千葉っていっぱい杉の木があるんで、多分、拾い放題だと思います」

●へぇ〜。……この枝は太いですかね?

「あ、多分、それは湿っているんで……」

●あ、確かに湿っていますね! 乾いていなきゃダメなんですもんね。

「ちょっと地面から浮いている枝とかがいいですね。それで折ってみて、パキッて音がすると乾いていますね。湿っていたら、ナイフとかがあれば(枝の)皮を削っちゃうと、中は乾いているので、それでまた燃えやすくなります」

●……私たち、少し移動してきました。こちらが焚き火をするスポットですね!

「そうです。この焚き火台は多分、世界にひとつしかないです」

●えっ!?

「オリジナルで作ってもらいました」

●えーーっ、そうなんですね!! どんなこだわりポイントがあるんですか?

「これ、もともと長野県飯山市っていうところで焚き火イベントを行なっていて、そこで“せっかくだから面白い焚き火台を作ろうよ!”っていうことになって、行政にいろいろと相談して、アメ車のカスタム屋さんにオーダーして(作ってもらいました)。直径は1メートル弱ですね。
 今の市販されている焚き火台って、結局、機能性重視なものが多くて、別にそれもいいんですけど、僕は“焚き火=見て楽しむ”みたいな……。なので、結構こういうのがあってもいいのかなと思っていますね。

 基本的に僕、いつも焚き火とかする人にワークショップで“とりあえず、たくさん失敗してください”って言っているんですね。結局、アウトドアって失敗することによってスキルがどんどん上がっていくんで、失敗を恐れず、とりあえずやってみるっていうことの方が多分、大事なんで……。これ、マッチです」

●えっ、マッチ?

「結構、今ではマッチも付けられない大人がいるんで」

●そうですよね! もう、使ったのがいつぐらいかなっていう感じですもん! では、実際にマッチで火をつけてみたいなと思います! ……え、マッチって、どっち(の角度)で擦るんでしたっけ?

「それはやりやすい方でいいですよ」

●これ、ブワッといきません? 大丈夫ですか?

「大丈夫です」

●……怖い、怖い! 持つのは、ココでいいんですよね? この先端を持って……。(ポキッ)あ、折れちゃいましたよ!?

「これも、経験です」

●これ、もう使えないっていうことですか?

「いや、使えます。そしたらそのまま焚き火の中に入れちゃってください」

●え〜、私、マッチも付けられないんですね……。

「(他にも出来ない人は)多いですから、大丈夫です」

●あはは(笑)! ……(ポキッ)あ、また折れちゃった!! 猪野さんやってください〜!

「あはは(笑)」

……(ボッ)。

●あ、一発で火がついた! ……おお〜、火が広がってきました! あ〜、暖かい……。あっという間に火が大きく広がってきましたね!

「ここで燃やしているのって、この前の台風で倒れた杉の木とかをそのまま燃やしているんですよ。ここの敷地だけでも12〜13本倒れましたね。あと僕、基本的に普段着で焚き火をやるようにしています」

●焚き火に向いている服装とかってないんですか?

「難燃素材(の服)とかはいろいろとあるんですけど、結局、火の粉が飛んで服に穴が開いちゃうっていう心配があるじゃないですか。でも、火の粉は見えるじゃないですか。よければいいじゃないですか」

●確かに(笑)!

「本当、自由でいいと思うんですよね」

薪割り初体験!

※続いて、焚き火の時にあると便利なグッズを紹介していただきました。

●もっともっと炎を出したいって言うときは、どうしたらいいですか?

「小道具があるんですけど、フーって吹く“吹子(ふいご)”ってあるじゃないですか。あれの代用品で、100円ショップとかで売っている空気入れですね」

●風船に空気を入れるときに使うような物ですね。

「ちょうど今、炎が小っちゃくなっちゃっているじゃないですか。この中に空気を入れてあげると、また炎がボワッてなるんで、ちょっとやってみてください」

●直接、これを薪に向かってやればいいんですか?

「はい、下の方に向かって……」

●ブワーーッてなりません、大丈夫ですか!?

「大丈夫、大丈夫(笑)。炎は見えるんで、大丈夫です」

●(笑)。じゃあ、空気を入れますよ……。

(プヒュ〜、プヒュ〜……。)

「弱っ!!」

●怖いです〜(笑)!

(シュコッ、シュコッ……。)

「もっと、速く!」

(シュコッシュコッシュコッシュコッ……。)

●おお〜、火が広がってきました! これが、空気を入れているっていうことですね!

「それで空気を入れるのをやめると、炎がボワって上がるんで」

●もう、やめてもいいですか?

「一回やめてもらって、それでまた炎が弱くなったら、空気を入れるんですね」

●こういう道具を使うんですね! ちなみに焚き火に適した木っていうのは、どんなものがいいんでしょうか?

「(木は)針葉樹と広葉樹に分かれていて、針葉樹は杉とかなんですけど、僕はだいたい杉を使っています。杉は油分があるんで、炎も結構上がりますし、すぐ燃え終わるんで、時間調節とかが出来るなっていう(ことで使っています)。よくホームセンターとかキャンプ場で売っているのはナラとかなんですけど、それはやっぱり長く持つんで、料理をしたりとかには適していますね」

*新たな薪をくべるために、薪割りをする場所までやってきました!

●では、いよいよ薪割りに挑戦してみたいと思うんですけれども、本当に私、初めてなんですが、どうしたらいいでしょう? 何から始めたらいいですか?

「まず、斧を持ってもらって、今、3種類の斧があるんですけど、一番長い斧は、本当に丸太の状態の木から割るっていう斧ですね。そして徐々に、割れば割るほど木は小っちゃくなっていくじゃないですか。それと比例して、斧も小っちゃくしていくんですね。

 そしたら、せっかくなんで、一番重い斧を……」

●えっ!? ……え、重い!? 斧ってこんなに重いんですね!

「でも、持てますよね(笑)」

●持てますけど……(笑)。

「斧の使い方なんですけど、今、(小尾さんは)こういうふうに構えていたじゃないですか」

●はい、ランニング・スタートみたいな感じに構えていました。

「そうすると、斧を空ぶったときに、足に刃がくるんですよ」

●うわ〜、そうですね、グサッと!!

「なので、絶対に肩幅以上、足を開いて、振り抜くっていうよりは、振り落とす。トンカチみたいな感じで。その時に、一緒に膝も落としてあげるといいですね」

●わかりました。……それでは、せーの……。

(コンっ!)

●わっ、(斧が丸太に)刺さっちゃいました!

「そしたら、そのまま打っちゃってください」

●このままですね……フッ!!

(コンっ! コンっ! コンっ!)

「頑張れっ!」

(コンっ! コンっ! パカンっ!)

●おお〜! 割れた、割れた!! 気持ちいい〜!!

「じゃあ、この丸太でもう一回」

●はい。せ〜のっ!

(コンっ! パカンっ!)

●割れた〜!

「結構、割れる時は、力は要らないですよね」

●そうですね! へぇ〜、楽しい〜〜!!

落ち葉は燃やさない

※最後に、焚き火をするときに注意して欲しいことをお聞きしました。

「僕は、落ち葉は燃やさないようにしています」

●それはどうしてですか?

「結構、落ち葉って軽いんで、すぐ飛んでいっちゃうんですよ。そうすると、どこかへそのまま延焼しちゃう可能性もあるんで、落ち葉は燃やさないほうがいいです」

●他には何かありますか?

「あとは、焚き火をする時に、一番初めに焚き火台を中心にして、その周りに落ち葉とかがあれば、全部掃いてからやります。焚き火台から結構、火がついた状態で薪とかがこぼれたりするんで、やっぱりそれも延焼を防ぐためにやっていますね。あと、一応近くにバケツとか水とかを用意しておいた方がいいです」

●なるほど。この焚き火ヴィレッジ<いの>を使いたいって思ったら、どうしたらいいんですか?

「今はちょっと一般開放していないんですけど、僕が不定期でいろんなところでイベントをやらせてもらっているんで、そこでワークショップとかに参加してもらって、直接僕とお話しした人には貸しているっていう、そういうスタンスですね。だから、メールでだけとかはお断りさせてもらっています」

●じゃあ、猪野さんと仲よくなれば使えるっていうことですね(笑)。そういったイベント情報などは、あとで番組HPで詳しくお伝えしますね。では最後に、猪野さんにとって、焚き火とは?

「焚き火とは、多分、また僕を表舞台に立たせてくれた大事なアイテムかもしれないです」

INFORMATION

焚き火ヴィレッジ<いの>

 普段は一般公開されていませんが、イベントなどで猪野さんと仲よくなれば、使わせてもらえるかも!?年明け2020年に、アウトドアライフ・アドバイザー・寒川一(さんがわ・はじめ)さんを講師に迎えた、焚き火の講座が開催されます。日程は1月29日、2月5日、2月8日の予定。詳しくは「ドット・ヒャッケイ」のサイトをご覧ください。

 猪野さんが設立した「日本焚き火協会」についてはオフィシャル・サイトをご覧くださいね。

 ちなみに猪野さん、2020年1月8日にBS日テレの番組「極上!三つ星キャンプ」に出演予定。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. JOY TO THE WORLD / ARETHA FRANKLIN

M2. JUST LIKE FIRE / P!NK

M3. 炎と森のカーニバル / SEKAI NO OWARI

M4. PLEASE COME HOME FOR CHRISTMAS / THE EAGLES

M5. FUN FUN CHRISTMAS / BENI

M6. GIRL ON FIRE / ALICIA KEYS

M7. TO FEEL THE FIRE / STEVIE WONDER

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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