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2019年12月28日

季節の楽しみと小さな工夫〜週末野心のすすめ

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、メディアブランドNEXTWEEKENDの代表・村上萌(もえ)さんです。

 ご主人がJリーガーの、村上さん。所属チームの移籍に伴い、東京、神戸、北海道と生活の拠点を移し、現在は大阪と東京を行ったり来たりしながらも、仕事に家事、そして子育てもがんばっていらっしゃいます。
 村上さんは、「おてんばな野心を、次の週末に叶える」をコンセプトに、「季節の楽しみと小さな工夫」を提案。ウェブサイトの運営ほか、雑誌やイベントなども手がけていらっしゃいます。
 そんな村上さんと、ブロガーで作家の「はあちゅう」さんが共同プロデュースした『週末野心手帳』は、5年目となる2020年版も大好評です!
 今回は、そんな村上さんに、季節感を日々の暮らしに上手に取り入れるコツや、小さな目標を手帳に書き留める「週末野心」のお話などうかがいます。

小さな野心は週末に叶えよう!

※まず、村上さんが代表を務めるNEXTWEEKENDとは、どんなメディアなのでしょうか。

「コミュニティメディアって呼んでいるんですけど、コンセプトは“季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える”っていうことにしています。直訳としては、NEXTWEEKENDって“次の週末”でしかないんですけど、“いつか……”と思っていることを、季節の楽しみと小さな工夫を持っていると、“いつかじゃなくて、次の週末に出来るよ!”っていうことを後押しするメディアでありたいなと思っているんですよね」

●日々、仕事や家事、育児で忙しかったりっていう人、いっぱいいると思うんですけど、そんな人には、どういうふうに週末を過ごしてもらいたいと思ってますか?

「いや、もう、“正解はないよ”っていつも言っているんですよ。皆さん、結構まじめで、ゼロか100か、みたいな感じで、育児が忙しいからとか、落ち着いたらとか、引っ越したらとか……。皆さん、たくさんあるんですけど、じゃあいつ出来るのかっていうと、落ち着くことなんてあんまりないじゃないですか。いくつになっても“落ち着いたぜ!”っていう人はあんまりいないわけで、だったら今、自分が次の週末に出来ることって何だろうねっていうと、季節ごとに日本っていい国なので、絞り出してみると、たくさんあるんですよ。

 だから、“こんなことをしてください”っていうわけじゃないんですけど、じゃあ今の季節を楽しんで、自分の生活で出来ることって何ですかっていう、答えはこちらからは提示しないんですけど、問いかけるような感じで提案していますね」

●どんなふうに提案されるんですか?

「雑誌だったりすると、その季節に合わせて、私たちは“小さな野心”とか“ウィッシュ・リスト”って言っているんですけど、例えば今は年末なので、お世話になった人にどんな手紙を書くかだとか、贈り物をちょっと自分で包んでみるとか、来年度の手帳をちょっと可愛くカスタマイズしてみるとか……。

 本当に小さなことなんですよ。大それたことでもないですし、起業するようなことでもないんですけど、結構小さな“いつか落ち着いたらやりたいことリスト”って、誰でもあるじゃないですか。それを、本当にひとつでもいくつでもやってみると、ちょっとずつ自己肯定感が上がっていくと思うんです。

 それが凄く大事だと思っていて、作りたかったレシピとか、情報が多いとみんな、スマホの中ひとつ取っても、実はやりたいことリストをたくさん書いていたりとか、SNSを見ていても、保存していたりとか、“いいなぁ……”って思うことが凄くあると思うんですけど、忘れちゃっているんですよね。なので、それを片っ端から叶えていくっていうことを提案していますね」

魔法の言葉“せっかくなら!”

※続いて、日々の暮らしで心がけていることを、聞いてみました。

「私の生活をテキストで書くと、“忙しそうだね”とか、“大変そうだね”って思われちゃうんですよ、絶対に! 家が大阪で、東京に会社があって、月に2回以上は往復して、子供も基本的には連れてきたり……まぁ、(時間的に)短い時は置いてきたりもするんですけど、いろいろ工夫しながらやっていますね。

 会社も、大きかったら回ると思うんですけど、10人程度の社員なので、一番みんなの顔も見られて、自分の中ではサッカーチームみたいに考えているので、本当に全員の役割も私が作らないといけないですし、めちゃくちゃコミットしないといけない規模なんですよね。

 なので、凄く物理的にいうと大変で、それでいて夫はアスリートなので、ご飯もちゃんと作らないといけないので……ってなるともう、“やらなきゃいけない!”って思うと大変でしかないから、“楽しもうっ!”って思って(笑)」

●えーー!? ……楽しめるものですか? 凄く大変そうだなって思いながら(いつも見ているんですけど)。

「いや、でも基本的には、自分がやりたいからやっているっていうことは、凄く自覚しているので。どれも自分がやりたくてやっていることだし、じゃあ楽しむためにはどうするかっていうと、ちょっとでも料理が楽しくなる食材を買って帰ろうとかっていう、小っちゃな工夫をいろいろとしていくんです。

 “まぁ、どうせやらなきゃいけないんだったら”とか、私はいつも“せっかくなら”って言っているんですけど、“せっかくなら!”って言うと、面倒くさいことが、ちょっとでも楽しくなるんですよね」

●魔法の言葉ですね!

「そうなんです! 面倒くさいって思うことって、1日に100回ぐらいあるじゃないですか(笑)。その時に毎回、“せっかくなら!”って言ってみると、絶対にそのあとは小っちゃなポジティブな行動が生まれるので、凄くそれはいいなと思っています。

 本当に小さなことでいいんですけど、“じゃあ、せっかくなら、こんな時期だしホリデーのレシピを作ってみようかな”とか、“お肉を買ったけど、焼くだけじゃなくてクレソンも添えてみようかな”とか……。なくてもいいけど、あると楽しいことっていうのを思いつけるようになるので、そういうふうにずっとやってきていますね」

●村上さんのインスタグラムを拝見していると、よく公園だったり、外での写真も多いなというふうに感じるんですけど、お子さんと一緒にいろんなところに行かれたりもするんですか?

「しますね。やっぱり夫の仕事がアスリートで凄く移籍が多いのもあるので。北海道は5年間いたので長かったですけど、その前に神戸に4年間いたり、凄く移籍が多いですね」

●サッカー選手ですもんね。

「そうなんですよ。今のところ、Jリーグなのでずっと日本国内なんですけど、そのおかげで本当に日本のいろんな場所に行けるんですね。

 凄くよかったのが、もともと自然は凄く好きなんです。今月はどんな花が咲くかなとか、どんな風の匂いがするかなみたいなことは、小っちゃい時から大好きなんですけど、なかなか自分が東京に住んでいたら、急に“きょう、富良野に行こう”なんて思えないじゃないですか。夫のおかげで、本当にそれが凄く身近になったんです。

 北海道では私の週末野心が爆発していましたし、もともとのそういう自然が好きな気持ちに拍車がかかって、本当に今はオフごとに娘と家族を連れていろんなところに行っていますね。淡路島に行ったり、今は大阪にいるので、ちょっと足を伸ばせば京都にも行けますしね」

●じゃあ、自然に触れる時間っていうのは結構多いんですね!

「多いですね。和歌山に行った時とか、掘ると温泉が出てくる川があって、それを娘と岩を積み重ねて、自分だけの温泉を作るとかってやっていると、凄く娘のDIY精神が育つんです。

 それこそ本当に受け身じゃなく、自分でやってみようって思ってくれるから、どんなことでも“これって、どうやって遊ぶの?”なんてもちろん聞いてきたことはないです。子供っていうのはみんな、もともとそういうのがあると思うんですけど、やっぱりその子供らしいところを活かしてあげたいので、そういうことが原体験になってくれればなと思っていますね」

花が持つ力

※ご主人がJリーガーということで、きっと食事作りも栄養を考えたり、いろいろ大変なんじゃないでしょうか。

「もちろん、もう付き合って長いので、結婚する時とかにアスリート・フードマイスターみたいなものも取りましたね。毎週試合があって、試合前はこういうものを食べたほうがいいとか、回復時はこういうものを食べたほうがいいとか、いろいろ成分の勉強はしたんですけど、一番気をつけているのは“旬をいかに取り入れるか”ですね。

 やっぱり、凄く便利になって何でも通販で買えますけど、なるべく私は、食材は自分でスーパーに行って買ってますね。隣のものとどっちが美味しそうか見比べて選びたいですし、凄く色が鮮やかなものを自分の目で見て買いたいなと思うので、結構時間がなくても、食事に関しては、基本的には買い物は自分で絶対行きたいと思っていますね。

 それで、旬のものや美味しそうなものをその場で決めて、夫とその話をしながら食べるのも楽しいですし、旬のものが一番美味しいから、そこは一番気をつけていますね」

●毎日、必ず行なうルーティーンみたいなものってあるんですか?

「ルーティーンもね、凄く2拠点生活だと難しくて、決め過ぎちゃうと守れなくなった時に辛くなっちゃうので、なかなか決めづらいんですけど、どこでも出来ることでいうと、朝一番に白湯を飲むとか、そのあと必ずフルーツを食べるとか、あと寝る前には必ず湯船に入るとかっていうことは、凄く自分の中では(決めていますね)。そうしたほうが自分の体が動きやすいし、眠りやすいので。けど、それ以外のことはルーティーンにしちゃうと守れなくなっちゃいますね。

 あとは、日課ではないですけど、家とかオフィスには花が枯れていることがないようにしています。家の花は自分で買っていますけど、出張から帰る足でそのまま買って帰ったりとか、毎週月曜日に買ってきて変えたりとかしています。オフィスはお花屋さんに頼んで、月に何度かメンテナンスに来ていただいて、っていうふうにしていますね」

●やっぱり、花のある暮らしは違いますか?

「違いますね。なんか……“花のある暮らし”っていう言葉がひとり歩きし過ぎて、何がいいのかっていうのは、なかなかこれを言葉にするのは難しいですけど……。

 私、実家が花屋だったので、もう花がないと、今がどの時期かもわからないくらい、花は暦代わりになっていましたし、花のおかげで、“この季節はどうやって楽しもうかな?”っていうのは凄く思うようになりましたね。

 社員も、もともとは私と同じ生活をしていたわけじゃないですけど、やっぱり私の会社に入ると、みんな花の水が濁ってくると勝手に気づいて変えてくれたり、新しい花がくると凄く喜んでくれたりとか、仕事も多分、効率よくなっている気がしますね」

●全てがいい循環になっているんですね!

「お花には、そんな力があると思います」

夢を予定に変える手帳

※最後に、ブロガー、そして作家の「はあちゅう」さんと共同プロデュースした『週末野心手帳』についてうかがいました。

「“週末野心手帳”は、本当に夢を予定に変える手帳で、“週末野心”っていう、つまり小さな野心のことなんですけど、私が最初に申し上げたみたいに、大それたこととか“起業したい!”とか、そういう野心ではなく、あくまで週末野心なんですよ。なので、“いつか……”と思っていることを自分ごとにして、次の週末に叶えてみようっていう手帳です。

 みんな結局、凄く落ち着くのを待っちゃう人が多いんですけど、じゃあ今の自分に向き合って、やりたいことをここに書き出してみると、意外と今やりたいことって、そんな難しいことばっかりじゃなくて。じゃあ、5年後のプランを書いている人がいたとしても、逆算して、“次の週末に何したいですか?”って言って、それが答えられないとしたら、なんかちょっと、それっておかしいんですよね。違和感があると思っていて……。

 なので、大きなテーマとしては、今の生活を自分ごとにして、楽しんで欲しいなと思って作った、そんな手帳ですね」

●今、スマホで予定を管理する人も多いかと思うんですけど、“書く”っていうことで、また自分の気持ちも考え直せそうですよね!

「そうですね。こういう社会に生きていると、常に誰かが何かしらモヤモヤしていたりとか、SNSを見ていると、誰かと比較しちゃったりして、自分がやりたいことが出来ていない気がしたりとかって凄く多いと思うんですけど、この手帳に書き出すと、それが野心に変わるかもしれなくて!

 誰かのことを、“いいなぁ、こんなことをしていて……”って思った気持ちを、“じゃあ、自分はどうしたいの?”っていうふうに、ここで向き合うと、“じゃあ、次の週末にやってみよう!”とか、いい方向にスイッチ出来る可能性があって。書き出すことでモヤモヤもジェラシーも、小さな野心に変わるんじゃないかなと思っています」

●村上さん自身も、常に野心があるっていうことなんですか(笑)?

「そうですね。なんか、織田信長みたいですけど(笑)。別に大きなことじゃなくても、本当に今も、“次、大阪に戻ったら、これを作ろう!”とか、思っていることはいろいろありますし、やりたいことは常にありますね」

●そういうのは、じゃあやっぱり書き出しているんですか?

「書き出していますし、もうこの手帳も5年作っているので、書き出す前に自分の中で凄く頭の中に明確に箇条書きに出来ていたりするので、まとめて書いたりとかもしていますね。習慣になるとやっぱり、日常の中にチャンスっていっぱいあると思うんですよ。何か情報を見ても、誰かが何かをしているのを見ても、凄くチャンスはあるんですけどね。

 私、“自分ごと”“人ごと”って言葉を凄く使うんです。人ごとにしちゃうと、やりたいことだと思えないんですよ。なんかもう、ノイズに聞こえちゃって、“ああ、こういう人っているよね”とか、“こういうことばっかりやっていて、羨ましいな……”とかっていう、人ごとにしてシャットダウンしちゃうんですね。 自分ごとに出来る習慣がつくと、“じゃあ、こうしてみようかな!”とか、もう見える景色が変わるんですよ、同じものも見ていても! なので習慣になると、本当に同じ道を歩いていても、ただ下を向いて暗い気持ちで歩いていたところが、自分がやりたいことが凄くある道に変わったりとかして……。

 やっぱり、チャンスが多い人って、運がいいだけじゃなく、思考の問題だと思うので、そういう思考がこの手帳で習慣にしていただくと身につくかなと思いますね」

●“日々忙しいから、出来ないや……”とか、“遠いから、行けないや……”とか、いろいろ自分自身に言い訳を作っちゃっている人は多いかなって、凄く思います。

「そうですよね。本当に何回も言っていますけど、大きなことじゃなくても、例えば今、心の中にある小さな“いつか……”っていうのを、次の週末にひとつでも叶えると、絶対に自己肯定感がちょっとだけ上がるんですよ。

 “自己肯定感”って硬い言葉ですけど、これから絶対、凄くキーワードになると思っているんですね。やっぱり、どんどん自己肯定感を上げていくのが難しい時代になると思っているんです。常に人と比較できちゃうし、自分が家でパジャマでいる間も、誰かが必ずホームパーティでシャンパンを飲んでいる写真がSNSで上がっちゃう時代に、自己肯定感を高く保つのって凄く難しい。

 だからこそ、要は自分が自分を認めてあげることが凄く大事なんです。自分はやりたいことをちゃんと出来るとか、自分のやりたいことをわかっているっていうのが凄く大事なんですね。

 人の情報ばっかり見ていると、それが自分のやりたいことだと思っちゃったりすると、凄く辛くてずーっと比較しちゃったりするんです。けど、それを参考情報にしながら、“そうだね、でも、私はこういうことがやりたい!”って思えていると、次の週末にひとつでもいいから叶えて、クッキーを焼くでも、何でもいいんですよ、それをすることで自己肯定感を少しでも高めていく。

 そうしていくと、本当にいざという時、転職や結婚、引越しっていう大きなことも、自分に自信があれば決断できるんですけど、自信がないと、例えば凄くいい異動の話が来た時に、人ごとにしちゃって、“いや、私なんか……”ってなって、もしかしたら断っちゃうかもしれない。それを判断できる自分じゃないと、断るのがいいのか、何がいいのかもわからずにずーっと悩んじゃうと思うんです。

 やっぱり日頃、自己肯定感を高めておけると、“でも、私はきっとこういうことが嬉しいはずだから!”って、ちゃんと考えられて、自分で決められるようになると思うので、日頃の自己肯定感っていうのは凄く大事だと思います」

●自己肯定感っていうものに対して、意外と見落としちゃっている人、多い気がしますね。

「そうですね。勉強すればいいとか、本をいっぱい読めばいいっていうんじゃなくて、ちゃんと自分で考えて感じて、自分のやりたいことって何だろう、っていうふうに知ることが大事なんじゃないかなと思いますね」

INFORMATION

週末野心手帳〜WEEKEND WISH DIARY 2020

 ディスカヴァー・トゥエンティワン / 税込価格1,980円

 村上さんと、ブロガーで作家のはあちゅうさんが共同プロデュースした手帳! 月の初めに“その月のキーワード”と、その解説が載っています。また、書き込むスペースがたくさんあるので、自分らしくカスタマイズも出来ますよ♪ ぜひ、あなただけの手帳に育ててみてはいかがでしょうか!
 『週末野心手帳〜WEEKEND WISH DIARY』の2020年版は、ベビーブルーヴィンテージピンクの2色があり、とても可愛くて持ち歩きたくなりますよ! 詳しくはディスカヴァー・トゥエンティワンのサイトをご覧ください。

深夜の、かけこみ横丁

 カエルム / 税込価格1,760円

 村上さんがウェブサイト「NEXTWEEKEND」で連載している記事をまとめた本も発売中! 詳しくはNEXTWEEKENDのサイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. Week end / 星野源

M2. BLINDING LIGHTS / THE WEEKND

M3. FUN DAY / STEVIE WONDER

M4. LOVELY DAY / BILL WITHERS

M5.  Pretender / Official 髭男dism

M6. FLOWER GIRL / MEJA

M7. ONE MORE CHANCE / MICHAEL JACKSON

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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