2004年1月25日

エコプロダクツ2003 取材レポート・パート4

 2003年12月に東京ビッグサイトで開催された「地球と私のためのエコスタイルフェア“エコプロダクツ2003”」の取材レポート。今週はその最終回です。ご紹介するのはコケを使った屋上緑化や壁面緑化を推進する「株式会社 国際環境デザイン協会」です。
 出展ブースに展示してあった、コケを生やしたボードやトレーに魅かれた取材班は早速「国際環境デザイン協会」の兒玉孝則(こだま・たかのり)さんに、コケによる屋上緑化を行なうと、どのような効果があるのかを聞いてみました。

国際環境デザイン協会の兒玉孝則さん

兒玉さん「ヒート・アイランド現象の低減に役立たせましょうということと、厚みを持たせてありますので断熱効果が出てきます。直接躯体が暖められることもなくコケが熱を吸収してくれるので、室内温度があまり上がらずにすみます。ひいては冷房の使用頻度が減ってきたりとか、室外機からの廃熱が少なくなるんじゃないかということですね。それともう一つは保水をします。雨がバーッと降ってそれが一気に流れてしまうのをいったんここのユニットで溜めます。それでオーバー・フロウ(余った部分)が徐々に流れていく。一気に流れずにすむんですよ。雨水流出の抑制ですね。それと照り返しの低減というようなことがあります。
 それと、植物でありますから光合成をします。二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出してくれます。ただ、コケの場合はそんなに多くあるかという話になりますと、やはり大きい木の方があるんですけど、ただ、樹木の場合は朽ちた瞬間に溜めた二酸化炭素を放出してしまいますので、入って出ていくというのは1対1でなんです。逆にコケっていうのは泥炭、ピートモスという炭に変えていきますので吸収した二酸化炭素というのは未来永劫固めてしまうということをします」

 現在はどんな商品を出しているのでしょうか?

国際環境デザイン協会の商品ノンフォッシル・ボード
国際環境デザイン協会の商品・生のタイプ

兒玉さん「ひとつはノンフォッシル・ボードという名前で販売させていただいています。土粘土、わらくず、新聞紙で作った、昔の土壁風のものを想像していただければよろしいんですけど、その中にタネゴケという成長しきっていない種を混ぜて、雨水だけで成長させていこうというボード状の商品が壁用と平面用と2種類ございます。
 もうひとつが2年間地道に育てた生のコケをそのままトレー・ユニットに収めておりまして、屋上の方に置くだけで、施工が非常に楽であるという生のタイプがあります。ボードのタイプと生のタイプの2種類用意しています」

 気になるお値段は壁用のボードで1平方メートルあたり6,900円、平面用で13,500円、生のスナゴケを配したトレー・ユニットでおよそ22,000円。施工したらその後のメンテナンスは必要ないということです。
 ちなみに「国際環境デザイン協会」の親会社は人間のカツラを扱う、増毛技術のメーカー。お話をうかがった兒玉孝則(こだま・たかのり)さんは「私たちが扱っているのは“ビルのカツラ”」と表現されています。
 コケを使った商品に関するお問い合わせは「株式会社 国際環境デザイン協会」(http://www.kokusai-kankyou.com/html/tips.htm)(電話:03-3560-2220)まで、どうぞ。


エコプロダクツのホームページ:http://www.eco-pro.com/


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