2011年11月5日

空を見て、自然とのつながりを感じよう!

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、景山えりかさんです。

景山えりかさん

 フリーライターの景山えりかさんは、月や星、そして宇宙をテーマに執筆活動を続けるかたわら、科学館などで星空のガイドとしても活動されています。
 そんな景山さんが先頃、「自然とつながる暮らしかた〜空の向こうは私のうちがわ」という本を出されました。景山さん流の“自然とつながる暮らしかた”とはどんなライフ・スタイルなのか、色々なお話をうかがいます。

一番身近に感じる自然は“空”

※景山さんの新刊のタイトルにもなっている“自然とつながる暮らしかた”とは、どんな暮らし方なのでしょうか?

「“自然とつながる暮らしかた”って聞くと、ハウトゥーのような感じで提案しているように思う方がいるかと思いますが、この本にはそのヒントをたくさん詰め込んでいて、そのヒントを元に、それぞれのライフ・スタイルに合った“自然とつながる暮らしかた”を見つけてほしいと思っているんです。だから、具体的に『こうした方がいい』とか『こういう風にすべき』といった感じではないんですね。」

●ということは、人と場所を選ばずにできるんですね?

「そうです。」

●今回の本にヒントをたくさん入れたということですが、どういったヒントを載っているのか、詳しくは本を読んでいただきたいんですが、その中でもご紹介できるものがあれば教えてください。

「先ほど長澤さんが『人と場所を選ばずにできる』と仰いましたけど、まさにその通りで、自然を意識したときって、山に行ったり海に行ったりして、普段生活しているところから離れたところで自然とつながるというイメージをほとんどの人が持っていると思うんですね。でもそうではなくて、都会にいても、自宅にいても、いつでも自然とつながれると思うのは“空”だと思うんですね。誰の頭上にも空はいつも広がっていて、私たちが忙しくてものんびりしているときでも、意識して見上げれば、空は広がっているんですね。なので、空って、自然の中で一番近いものじゃないかなと思っているんですね。」

●確かに空って、どこか遠くに行かなくても、ちょっと意識するだけで、身近にありますよね。

「だから、仕事をしている最中でも、意識をして目線を上に上げるだけでも、自然の豊かさや気持ちよさ、癒しなどを感じることができるんじゃないかなと思っています。」

景山えりかさん

●景山さんが、そういうことに気づいたキッカケってあったんですか?

「四、五年ぐらい前のことなんですけど、旅行でハワイ島に行ったんですね。ハワイ島には、標高4200メートルほどの“マウナ・ケア”という山があるんですけど、夕陽が沈むときに友達と一緒にその山の頂上に行ったんです。沈む夕陽を見ているときに、ふと反対の方角を見たら、月が昇ってきていたんですよ。西に夕陽が沈んでいて、東には月が昇ってきていて、自分は山の頂上にいるというシチュエーションがすごいなと感じたんですよね。
 山に登ったことも、自然を感じる体験だったんですが、そのシチュエーションを体験したときに『特別なところに行かなくても、空を見上げるだけで、爽快感や自分が地球にいること、宇宙の中に存在しているということを感じられるんだ』と思いました。それまでは、空を見上げるとか月を見ることをほとんどしていないような生活をしていて、月の満ち欠けのことや星座のこととか全然知らないような暮らしをしていたんですが、そのハワイ島の旅行がキッカケになって、空を意識するようになりました。」

●自分が宇宙の中にいる感覚ですか。確かに、普段の生活では意識しづらいかもしれないですね。以前は、月の満ち欠けなどを意識することがなかったということですが、月の満ち欠けも、自然とつながる暮らし方では大切になってくるんですか?

「そうですね。そのハワイ島での旅行のときに、現地の方から『ハワイには、昔から月の満ち欠けに合わせた暮らしがある』という話を聞くことができたんですね。『ハワイには、満月や新月という名前以外にも、月の形一つ一つにハワイ語で名前があって、その月の形のときには、薬草を摘みにいったり、結婚をするのに適していたりなど、月の形からどのようなことをすればいいのかということを教えてもらっているんですよ』という話をお聞きして、すごく驚きました。
 日本に帰ってきてから、暦を調べてみたら、旧暦は月の満ち欠けを基準にしていたということを知って、『私たちの先祖も、月の満ち欠けに合わせた暦を使って暮らしていたんだ』と思ってから、実は月って、私たちにとって身近なものなんだなと、改めて感じました。」

●確かに、日本人は昔から自然の移り変わりと共に暮らしてきたんだなと思いますね。

「私たちは、普段だとそういうことを感じない方が多いと思うんですが、私たちの両親や祖父母、そのまた祖父母など、五十年、百年ぐらい遡れば、自然や月の満ち欠けに寄り添うような暮らしをしていたと思うんですよね。その人たちのDNAを受け継いで生きているので、私たちの中にもそういったものが潜在的に刻まれていると思うんですね。」

●なので、今回の景山さんの本を読んで、そのDNAを呼び起こしてほしいですね。

「目覚めてほしいですね(笑)」

月の満ち欠けをキッカケに、日常にメリハリをつける

※どのようにすれば、普段の生活の中で月の満ち欠けを意識することができるのでしょうか?

「最近は、新月や満月を意識する人が増えてきていると思うんですね。なぜなら、皆さんが日々使っている手帳に新月や満月が分かるマークが付いているものが増えてきているんですよ。また、もうすぐ新年を迎えるので、本屋さんや文房具屋さんに行くと、新しい手帳やカレンダーを販売しているところを見かけるようになったんですが、それを見てみると、月の満ち欠けが載っているものが結構増えてきているんですよね。
 なので、今の時代の流れが、そういったところにフォーカスするようになってきているのかなと思うんですが、実際に空を見ることが難しくても、そういったツールを利用して、『今日の月はこういう形をしているんだ』とか『来週満月なんだ!』ということをちょっと意識するだけでも、月の満ち欠けが頭の中に入ってきて、今までとは違うものを取り入れている感じがすると思うんですよね。」

景山えりかさん

●景山さんの本を読んでから、家にあるカレンダーを見てみたら、今まで気づかなかったんですけど、カレンダーの右下あたりに、小さくお月様のマークが書いてあったんですよ! ただ、正直なことを言うと、それを見て「満月かぁ。へぇー」というぐらいの印象しかなかったんですね。例えば、満月のときにやった方がいいこととか、こんなライフ・スタイルをした方がいいといったことってあるんですか?

「昔の人は今みたいに娯楽がないので、空を見る習慣があったみたいなんですね。満月は実りの時期だったり、何かの成果が出るときというイメージを持っている国々が比較的多いので、満月のときは、今まで自分がやってきたことを振り返ってみて、これからはどんなことをしたらいいのかというターニングポイントの時期にするといいと思いますね。満月の月光を浴びながら、そういったことを考えてみるのもいいんじゃないでしょうか。」

●新月のときには、どうすればいいですか?

「新月って、目に見えないですよね。これから輝きを取り戻して、段々と満ちていくというのが新月ですけど、輝きを取り戻すということで、新たな始まりを意味していると思うんですね。だから、物事をスタートさせたり、何かを決意したりといった、未来への希望みたいなことを心に抱いたり、計画を立てたりするときに適していると思いますね。」

●そういう風に過ごすと、メリハリも出てきそうですね!

「そうなんですよね! この本を友人・知人に読んでもらったら、『子供の頃って、学校で季節毎に色々な行事があったから、毎日学校に行ってても、生活にメリハリがあったような気がするけど、大人になって、仕事をするようになったら、同じようにあるところに通っても、季節毎の行事をすることが少なくなったから、生活が平坦な感じがするんだよね。だから、意識的に自然を見つめたり、向き合ったりしないと、生活が面白くならないんだよね』って話してくれたんです。

 今の社会人って忙しいじゃないですか。しかも、なかなか思うようにいかなかったり、他の人と自分を比べて焦ってしまったりと、色々なことがあると思うんですが、そういうときに立ち止まって、空を見上げて、自分をリセットすることが大事だと思います。旅行に行ったり、お買い物をしたりすることでもリセットできると思いますが、余分なお金や時間を使わなくても、空を見上げるだけで、今いる空間と違う空間に目を向けるだけでもリセットできるんじゃないかなって思うんですよね。」

自然とつながることは、自分とつながること

景山えりかさん

※自然を意識する生活をすると、どのように変わるのでしょうか?

「その“自然とつながる暮らしかた”をしたことによって、明日が変わるとか、明後日には効果がでるというものではなく、自然そのものがとてものんびりしたものであったり、予測不能だったりするものなので、何かを期待するということよりも、ありのままというのが一番いいんじゃないかと思っているので、“自然とつながる暮らしかた”というのは、自然体でいられることのありがたさを感じることだと思うんですね。あと、本にも書いたんですけど、“自分”という字は“自”然の“分”身とも読めますよね。そうすると、私たち一人一人が自然の分身であり、自然の一部だと考えると、“自然とつながる”ことは、自分自身と繋がることにもなると思うんですね。

『やりたいことが分からない』とか『この先のことが分からなくて不安だ』とか『自分に自信がもてない』といったことを抱えている人ってたくさんいると思います。私もそういうことをたくさん経験しているんですけど、自分自身と繋がることって、実は自然体でいることによって、ありのままの状況や自分自身を受け入れることに繋がっていくので、そういう意味でも“自然とつながる”というのは、森や海、宇宙と繋がるだけではなくて、自分自身もよく分かってくるという暮らしだと思うんですよね。」

●“自然とつながる暮らしかた”って、“自然に優しい暮らしをすること”だと思っていたんですけど、自然だけじゃなくて、自分にも優しい暮らしをするということなんですね。

「そうですね。あと、短時間で何かを得るという風に考えるのではなくて、のんびりと構えて、長いスパンで物事を考えたり、何か一つのことを続けてやっていくということが大事だと思うんですね。例えば、地球環境のことも色々と言われていますけど、半年・一年後にいい結果がでるとは限らなくて、そういった物事って五十年〜百年といった長い期間で考えていきますよね。 なので、“自然とつながる”ということって、私の本を読むことですぐ繋がるというわけではなくて、あくまでも意識を変えることで、生活が少しずつ変わっていったり、自分自身も少しずついい方向に変わっていくことだと思うんですね。それと同時に、今まで理解できなかった自然を理解することができたりすることで、すごく豊かな人生を過ごすことができると思いますね。」

(この他の景山えりかさんのインタビューもご覧下さい)

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 忙しい日常の中で少し空を見上げて自然を感じるだけでも、私たちの人生って豊かになるんですね。景山さんの本をよく読んで、私も自分に合った自然と繋がる暮らし方を考えてみたいと思います。まずは、カレンダーに月の満ち欠けが書いてあるので、お月様を意識したライフ・スタイルを送ってみようかな?
 みなさんもそろそろ来年のカレンダーの購入時期だと思うので、2012年は月齢カレンダーをチョイスして、月の満ち欠けを意識して過ごしてみたら、来年はひと味違った一年になるかもしれないですね。

INFORMATION

「自然とつながる暮らしかた〜空の向こうは私のうちがわ」

景山えりかさん情報

「自然とつながる暮らしかた〜空の向こうは私のうちがわ」

 講談社/定価1,365円
 フリーライターの景山えりかさんの新刊となるこの本。
自然のリズムを感じる生活をやってみたいと思った方は、是非参考にしてください。
月のリズムを意識する生活の仕方など、ヒントが満載。
特に女性にオススメの一冊です。

公式サイト

 景山さんの動向が気になる方は、ぜひ景山さんのオフィシャルサイトをご覧ください。
開催が決定しているイベント情報や毎月満月の日に配信されるメルマガへの登録などができるようになっています。
また、景山さんはブログもされています。こちらも是非チェックしてください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「GRACIAS / LARRY CARLTON」

M1. THE SUN, THE TREES / RUSSIAN RED

M2. C MOON / PAUL McCARTNEY & WINGS

M3. SLOW / RUMER

M4. CHANGE OF SEASON / DARYL HALL & JOHN OATES

M5. STOP THE CLOCKS / NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

M6. PEACEFUL EASY FEELING / EAGLES

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」