2012年5月5日
今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、サンプラザ中野くんです。
今回で2度目のご出演となるミュージシャンのサンプラザ中野くんは、先頃、ニュー・ミニ・アルバム「歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜」をリリースされました。
そこで、サンプラザ中野くんに、アリゾナ州セドナやハワイの海岸で行なったフィールド・レコーディングのことや、パワースポットのお話をうかがいます。
※まずは、ニュー・ミニ・アルバム「歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜」についてお聞きしました。
「これは、爆風スランプの有名曲と新曲を、新たなアレンジで収録しました。そして、気になる“歌うパワースポット”の部分なんですが、パワースポットに行って録音してきたんです!」
●実際に行って、その場で録音したんですか!?
「そうです。ハワイ・マウイ島のビーチと、アメリカ・アリゾナのセドナで録音してきました。せっかくパワースポットに行くんだから、スタジオを借りて、部屋の中で歌っても面白くないと思ったので、フィールド・レコーディングという、外で録音するという方法で行ないました。いわゆる、お外で一発録りですね!」
●外だから、録り直しとかできないですよね?
「そうですね。自然の音が同時に録音されてしまうので、録り直しができないんですよ。なので、最初から最後まで歌って、いいものをCDに収録しました。」
●それって、大変だったじゃないですか?
「レコーディングって、今のスタジオでやると、パソコンで録音するので、トラックの数も多いし、機械もすごく進歩しているので、『あそこの4小節目の最後の音だけ、こっちで大きくしますね』とか『どうしても無理なので、8小節目のココだけもう一度歌い直してもらっていいですか?』といった感じで、部分部分で作り直していくことが非常に多いんですよ。でも、今回は、外で自然の音と一緒に歌っているので、一つも直せないんです。なので、現場にいたディレクターたちも、いいか悪いかを判断するのに『今の歌、よかったです!』とか『今の歌は、さっきよりも熱いですね!』といった、非常に大まかな判断で進んでいきましたね(笑)
普段、歌をレコーディングするときって、ボーカルブースという狭いところで歌詞カードとマイクがあるだけの中で、自分が書いた歌詞の世界を最大限にイメージして、歌うんですよね。でも、今回、フィールド・レコーディングを初めてやってみて、非常に楽しかったのは、ビーチに向かって、遠くに見える島や流れていく雲とかを見ながら歌うと、イメージしてるときと全然違う感覚が味わえるんですよね。想像の世界の中で解放していこうとする気持ち以上に解放された状態で歌えましたね。『またやりたいな』と思いますね。」
●私、実際にCDを聴いたんですけど、突き抜けたような、解放感のある気持ちがいい歌声で、聴いている私も、清々しい気持ちになれました。また、自然音との調和がすごく美しいなと思ったんですけど、それもレコーディングで気にしていたんですか?
「録音方法は、波打ち際にICレコーダーを一つ立てて、それに向かって歌うんです。歌い終えて、エンジニアの方がパソコンでカラオケの音源と僕の歌を合わせたら、波が入ってくるタイミングと鳥が鳴くタイミングが、僕の歌がマッチしていたんで、『これは奇跡だ!』といって感動してくれました。」
●それが聴ける曲のタイトルは何ですか?
「4曲目に入っている“SHIAWASE-for TERRA-”という曲です。去年、東日本大震災が発生した後、4月頃から被災地に行って、慰問ライブをやってきました。30ヶ所以上やってきたんですけど、その体験から生まれてきた曲なんです。
被災地に行こうと思ったのは、復興作業の中心となる人たちの年齢層が30〜40歳代なんですけど、その年齢層は爆風スランプのファン層ですし、爆風スランプには“Runner”や“旅人よ”といった曲があるので、『これは行かないといけないな』と思って、行ったんです。行ってみると、みんな過酷な状況の中で生活しているじゃないですか。そんな過酷な状況に立ち向かっていく人たちに向けて歌うことなんて、僕の歌手人生の中でないんですよね。
普通、ライブで歌うとなったら、『サンプラザ中野くんが歌うから行こう』と、前向きな気持ちを持って、来てくれるじゃないですか。歌う側としては、聴きにきてくれる人に向かって歌うじゃないですか。でも今回は、こちらから『慰問させてください』とお願いをしていくので、別に僕の歌を聴きたいわけじゃないんですよね。歌えば『ありがとう。勇気をもらえました!』と言ってくれる人がいますけど、そんな過酷な状況に立ち向かわないといけない人たちに向かって歌うことって、想像したこともないし、自分の中で想像を超える変化があったんですよね。その中で、できた曲なんです。」
※ここで、放送では“SHIAWASE-for TERRA-”を聴いてもらいました。
※ところで、“歌うパワースポット”と名乗るようになったのはなぜなんでしょうか?
「僕は六年ほど前から、アメリカ・アリゾナにある有名なパワースポット“セドナ”にハマってしまったんですよね。そのことをマネージャーも知っているので、去年の始め頃に『これからのキャッチコピーを“歌うパワースポット”にしましょう!』と言い出したことがキッカケで、“歌うパワースポット”というキャッチコピーで活動しようとした直後に東日本大震災が発生したんですよね。
それで、慰問ライブをやっていく中で、マネージャーが『中野さんの歌が、慰問ライブを繰り返している内に“良くなっています”よ』と言ったんです。今まで悪かったというわけじゃなく(笑)、ランクアップして、伝えたいことが伝わるようになっているということなんですよね。それを受けて、スタッフが『その良さをCDにしましょう!』ということで動いてくれて、録音をすることになったんです。」
●セドナにハマったということですが、どんなところにハマったんですか?
「セドナは世界的に有名なパワースポットなんですけど、どこが有名なのかというと、地球のエネルギーが噴き出している場所で有名なところが四ヶ所あるんです。その中で“ボルテックス”というところがあるんですが、そこに行くと気持ちがよくなるといわれているんですね。ちなみに、そこはネイティヴ・アメリカンのほとんどの種族の聖地とされているところなんですね。
“ボルテックスは気持ちのいいところ”だということを聞いて、最初は一泊二日の日程で行きました。実際に行ってみたんですけど、最初は何も感じることがなく『アリゾナは暑いな』と思った程度だったんですね(笑)。確かに、真っ赤な岩山が見渡す限りに広がっているという、日本では考えられないようなすごい景色があって、非常に感動したんですが、僕は元から鈍い方なので、『パワースポットっていうけど、何だこれ? 分からねぇよ』と思ったんですね。
次の日、帰るために、空港に向けて、移動をし始めたんですけど、セドナを離れようとした途端に、何だか知らないんですが、一緒に行った人たちに対して、一時間ぐらい悪態をついている僕がいるんですよ。『この悪態、止まらないな』と思いながらずっとやっていたんですね。後々考えてみたら、どうやら、自分の中の殻が開いちゃってたと思うんですね。東京で暮らしていると、『サンプラザ中野くんは、こういう人間じゃないといけない』という殻があるじゃないですか。それがセドナに行ったことで開いちゃったんだと思うんですよ。それがあって、『これがパワースポットの威力か!』と思って、行くようになったんですよね。行く度に、その気持ちよさが分かってきて、人間としても変わってきた感じがしてますね。」
●一皮むけたという感じですか?
「そうですね。飾らないというか、自分の型にはめないという感じで、自分の素に近くなる感じですね。」
●“自分の素に近くなる”ですか。そんな力があるんですね。
「“心の補整下着を取りました”みたいな感じじゃないでしょうかね(笑)」
●(笑)。さすがですね! それは、女子としてすごくよく分かります! あれ、すごく窮屈なんですよ。そういった感覚なんですね。
「そういう感じだと思います。」
※アリゾナ州にあるセドナにすっかりハマってしまったサンプラザ中野くんなんですが、セドナに行く度に何か変化はあるのでしょうか?
「心の変化があるんですよね。細かい変化は言いにくいんですけど、セドナに行くとウキウキするんですよ。それが段々と強くなっていくんですよね。ロスにいる友達からセドナを教えてくれたんですけど、あるとき、その友達から『セドナばかりにずっと行ってたらダメだよ。世界には、まだまだ素晴らしいパワースポットがいっぱいあるんだから、一ヶ所にこだわっていたらダメだよ』って言われたんですね。『そうですね。今回で最後にします』と言って、セドナに行ったんです。『セドナだからといって、大したことないよな』と思いながらシャトルバスに乗ってセドナに入った瞬間、『あー! やっぱりセドナは気持ちいいー!』って思って、バスの中で手を広げてしまったんですよね(笑)。『もう、セドナだけでいいじゃない』って思っちゃいました。
セドナには昔、ウォルト・ディズニーが住んでいたといわれているんですよ。東京ディズニーランドに“ビッグサンダー・マウンテン”っていうアトラクションがあるじゃないですか。あれって、茶色い岩山からジェットコースターが出たり入ったりするじゃないですか。あの岩山の元となった山が“サンダー・マウンテン”という、セドナで一番大きい山なんです。」
●ということは、ウォルト・ディズニーもそういうところからインスピレーションを受けていたんですね。歌っているときに、パワーをもらっている感覚ってあるんですか?
「想像以上の解放感があるので、実際にもらっているかもしれないですね。」
●そういったお話を聞くと、“地球とセッションしている”感覚があるんじゃないかと思うんですが、どうですか?
「いいこと言いますね! その感覚はありますね。“SHIAWASE-for TERRA-”の波の入り具合と僕の歌い具合が、セッションしている感じがすごくしますね。」
●今回のCDには、大自然だけじゃなく、ネイティヴ・アメリカンとのセッションもあるんですよね。
「そうなんですよね。これは、セドナに住んでいる、スピリチュアリストのイルという方との繋がりで、ネイティヴ・アメリカンと仲良くなったんですが、去年の東日本大震災の直後に“TOMOSHIBI〜地震がきたら〜”という曲を作ったんですけど、去年の4月2日にセドナに行って、『歌ってください』とお願いしたら、『日本の方々のために、祈りを込めて歌えることは、私にとっても、非常に嬉しいことだ』といって、ネイティヴ・アメリカン語で歌ってもらいました。」
●そういった方々の歌も入った「歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜」ですが、最後にリスナーのみなさんにメッセージをお願いします。
「僕は変なものを見えたり聞こえたりしていませんが、今、日本は元気がなくて、これからどうなるか分からない状況ですが、“歌うパワースポット”というキャッチコピーを掲げて、日本のみなさんに癒しと励ましをお届けできればと思って、レコーディングしてきました。是非とも『歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜』を聴いていただけたらと思います。今年も定期的に被災地に行きたいと思っていますので、もし『サンプラザ中野くんに来てほしい』と思っている人がいらっしゃいましたら、メールなどで依頼をしてください。よろしくお願いします。」
(この他のサンプラザ中野くんのインタビューもご覧下さい)
私も、今回のニューミニアルバム『歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜』を全曲聴かせていただいたんですが、どの曲もとても心地よくて、まるでパワースポットに行って自分の心が解放されるような、そんな感覚になりました。特に『SHIAWASE-for TERRA-』は、サンプラザ中野くんの突き抜けるような歌声と、自然音とのハーモニーが本当に美しいので、ぜひみなさん聴いてみて下さい!
トイズファクトリー/TFCC-86377/定価2,000円
ミュージシャン・サンプラザ中野くんの新作となるこのアルバムは、大ヒット曲「ランナー」や「大きな玉ねぎの下で」のセルフ・カヴァーほか、ネイティヴ・アメリカンのスピリチュアル・ソングや、自然の音が絶妙なタイミングで出てくる楽曲など、心地いいサウンド満載です。全8曲収録。
またサンプラザ中野くんは、宝島社から「聖地セドナの歩き方」というガイドブックも出されています。
その他詳しい情報は、サンプラザ中野くんのオフィシャルサイトをご覧ください。
尚、今回番組内で、BGMとして「TOMOSHIBI〜地震が来たら」のネイティブ・アメリカン・ヴァージョンをオンエアいたしましたが、こちらは今回のアルバムをプロデュースした「向谷実」さんのサイト「向谷倶楽部」で聴くことが出来ます。
(『歌うパワースポット〜セドナ・ハワイ編〜』には収録されていません)