2013年2月9日

山頂で歌う“シンガー・ソングハイカー”、加賀谷はつみ

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、加賀谷はつみさんです。

加賀谷はつみさん

 千葉県・流山市出身、歌って登れる“シンガー・ソングハイカー”の加賀谷はつみさんは、13歳からライヴ活動を始め、2011年には、7ヶ月かけて全国47都道府県でストリート・ライヴを敢行。そして山が大好きだったこともあり、去年から「山頂で歌ってみた」というシリーズをスタート。これまでに東京都の最高峰・雲取山や、八ヶ岳の蓼科山などの山頂でギターを弾きながら歌い、その模様がYouTubeにアップされ、話題になっています。そんな加賀谷さんは、去年11月に「本日のスープ」という曲でメジャー・デビュー。デビュー・ライヴも北アルプスの立山連邦にある、日本一標高の高い(2,410メートル)ところにある天然温泉「みくりが池温泉」の山小屋で行ないました。今回は、そんな加賀谷さんに、山の頂上で歌う時の気持ちなどうかがいます。

山頂で歌えるのが気持ちいい

●今週のゲストは、シンガー・ソングハイカーの加賀谷はつみさんです。よろしくお願いいたします。

「よろしくお願いいたします。」

●“シンガー・ソングハイカー”って、面白い肩書きですが、これにはどういった想いが込められているんですか?

「そのままの意味で“歌って・登ります”ということです。私は歌も山登りも大好きなので、それを一つの言葉にできないかと思って、スタッフさんたちと話しているときに生まれた“加賀谷語”です(笑)」

●“加賀谷語”ですか(笑)。最初から今のような山に登って、山頂で歌うっていうスタイルだったんですか?

「いや、最初は別々でやっていました。」

●では、いつごろからどういったキッカケがあって、今のスタイルになったんですか?

「2011年の立山黒部アルペンフェスティバルに出させていただいたときに、初めて山の上で歌ったんですが、そこですごく気持ちよかったので、『また山で歌えればいいな』と思ったところから、“山頂で歌ってみた”という企画が生まれて、去年の金環日食のときに雲取山の山頂で歌ったのが最初でしたね。歌った後にキレイな金環日食を見ることができました!」

●それはすごく特別な体験をされたんですね!

「最高でした!」

●私も、雲取山ほどではないんですが、何度か山に登ったことがあるんですが、登っているうちに肩で息をするぐらい、苦しくなってくるんですが、“歌”と“山登り”を一緒にするのは大変じゃないんですか?

「そんなに難しく考えないで始めたんですよね。正直な話、山頂で歌うと、酸素の薄さを感じたりするんですけど、山頂の絶景を見ながら歌う気持ちよさにハマってしまったんですよね! なので、『疲れる』とか『苦しい』ということより、『その景色で歌えることが気持ちいい』ので、やってます(笑)」

●(笑)。その気持ちは2011年の立山黒部アルペンフェスティバルで初めてやったときから、芽生えたんですか?

「そうですね! そのときも、もちろん一般の方もいたんですけど、そういう人たちは景色を観にきているので、申し訳ないなと思いつつ『すみません、一曲歌ってもいいですか?』って言いながら、歌わせていただきました。そこで味をしめてしまいました(笑)」

加賀谷はつみさん

●山頂で歌い始めたら、他の登山客はどういった反応をするんですか?

「意外とみなさん温かくて、しっかりと聴いてくれるんですよね。『誰も聴いてないな』と思って歌ったら、どこからともなく拍手を送ってくれたりして、すごく温かいです!」

●山に登ると「こんにちは」って、挨拶したりして、“一緒に山を登っている”という気持ちがありますよね!

「あれって不思議ですよね。街中じゃ、挨拶しないじゃないですか。」

●確かに、駅ですれ違った人に挨拶なんてしないじゃないですか。

「その点もすごく魅力的だなと思っているんですよね。“人類皆兄弟”みたいな感じで、性別や年齢を超えて、話を交わせるというのは、すごくいいなと思います。」

●今までライブをしてきた中で、印象的だった場所はどこですか?

「どれも絶景だったので、どれも印象的だったんですが、立山で歌わせてもらったときには、ご来光を観にいったんですけど、すごくキレイなご来光を観た後に歌ったんですね。それはすごく気持ちよかったです。」

●ご来光の後に歌うのって、すごく神々しくて楽しそうなんですが、どうだったんですか?

「それは“山頂で歌ってみた”の企画でYouTubeにアップされているので、是非とも見てもらいたいんですが、当日は手がかじかんだりして、すごく寒かったんですけど、空気が澄んでいて、すごく気持ちよかったですね。そのときに、ご来光を観にきていた他の登山者もすごく温かくて、歌い終わった後に拍手をいただきました。なので、あの景色は忘れないですね。」

●空気が澄んでいると、「やっほー!」っていう声も、すごく遠くまで行くじゃないですか。歌声も、すごく遠くまでいったんじゃないですか?

「そうですね! でも逆に、景色が果てしないので、その景色に吸い込まれていくような感じがしますね。なので、『もっと響かせたい!』っていつも思いますね。」

●吸い込まれていく感じですか。それはすごく不思議な感覚ですね!

「だから、『もっともっと響けばいいのにな』ってすごく思います。」

●自然と一体化しているような感じですか?

「そうですね。だからこそ、止められないんですよね!(笑)」

●(笑)。さてここで、昨年11月にリリースされたシングル「本日のスープ」をお送りしますが、この曲はどんな曲なんですか?

「この曲は、大泉洋さんとSTARDUST REVUEさんが2004年にリリースした曲のカヴァーで、8年ぶりに私、加賀谷はつみが蘇らせて、みなさんに届けようという曲です。」

※ここで、放送では「本日のスープ」を聴いていただきました。

登るなら歌いたい

●加賀谷さんは昔からアウトドアが好きだったんですか?

「そうですね。親に聞いたんですけど、3歳のときに自分の足で筑波山に歩いて登ったらしいです。かすかに記憶に残っているんですが、そのときは多分『疲れたー。おんぶー』って言ってたと思うんですけど、私のお父さんがスパルタであまり甘やかさなかったので、上まで登らせたみたいです(笑)」

●(笑)。元々、ご両親はアウトドアが好きで、よく家族でどこかに出かけてたりしてたんですか?

「そうですね。海・川・山、どれもよく行きましたね。」

●その小さいときからの体験が、今のアウトドア好きに繋がっていたりするんですか?

「そうですね。断然、家にいるより外に出たいですね。」

●最近では、どんな山に登ったんですか?

「最近では、年始すぐに静岡県の達磨山に行ってきました。」

●どうでしたか?

「達磨山は富士山と湖の両方が見れるんですね。言ってしまえば、山と海が両方見れるんですよ!」

●それは贅沢ですね!

「贅沢なんですよ! すごくいい山なので、オススメです!」

●そこで印象的な出来事とかありましたか?

「富士山に雲がかかってる“傘富士”を初めて見ました。それも印象的でしたし、その日は人生で感じたことがないぐらいの強さの風が吹いていたんですよ。それもいい体験になりました(笑)」

●(笑)。それはお仕事で登ったんですか?

「半分プライベート、半分仕事ですかね。」

●すごく気になることがあるんですけど、プライベートでトレッキングするときも、やっぱり歌いたくなりますか?

「そうですね! 今では“登るなら歌いたい”って思いますね。」

●仕事じゃなくても歌いたくなっちゃうんですね!

「そうですね。だから、今では“山頂で歌ってみた”という企画は、私の中では仕事じゃないですね。逆に、お仕事としてやらせてもらっていいんですか?』っていう感じですね(笑)」

●いいですね!(笑) 歌手じゃない私たちでも、自然の中に行くと鼻歌を歌ってみたり、鳥のさえずりが聞こえてくると、一緒に歌ってみたくなりますね。

「開放的になりますよね。」

●そういった場所で、曲作りに影響を与えてもらったことってありますか?

「日常では見ることができない景色や感じることができない空気感があるので、影響を受けることはありますね。」

加賀谷はつみさん

●それによって生まれた歌詞とかありますか?

「まだ音源化されていないんですけど、“DAYS”という曲がありまして、この曲は山頂で歌う曲で、まさにその影響を受けてできた曲ですね。」

●なんと、その曲を、今回演奏してくださるんですね?

「いいんですか?」

●もちろんです!

※ここで、放送では、生演奏の“DAYS”を聴いていただきました。

●すごく前向きな歌詞で、思わず歩きたくなって、山登りに行きたくなるような曲ですね!

「山の中で感じる木漏れ日や、思わずスキップしたくなるような気持ちを出したいと思って作った曲です。」

●この曲はどの山を登っているときに浮かんだんですか?

「具体的な山は特にないんですが、毎回登山したあとに浮かんだ言葉をメモしたりしていて、それの積み重ねでできた曲なんですよね。最初のころは登るだけで精一杯だったんですけど、徐々に慣れてきて、空気を感じられるようになって、余裕ができたときに作った曲です。」

●山登りを人生に置き換えても聴くことができる曲ですよね。

「私も“登山は人生に似ている”と感じているんですよね。登山と人生はかけ離れていないと思っているので、そういうところを表現できて、『山に登らない人に対しても、前向きになれるような曲になればいいな』と思って、作りました。」

加賀谷はつみさん

●今後、ライヴをしてみたい山ってありますか?

「今年の目標の一つなんですが、やっぱり日本人として、富士山の山頂でライヴをしたいですね。」

●富士山、行っちゃいますか!

「行っちゃいます! ただ、高山病とか、未経験なところがあるので、どうなるか分からないんですが、行きたいですし、やりきりたいですね!」

●それに向けて、準備とかしているんですか?

「月に1回ぐらいのペースで山に登って、夏ごろに行ければと思っています。」

●結構キツイと思いますが、大丈夫ですか?

「そうですね。あと、まだ皆さんにお知らせすることができないんですが、私にとって、とても大きな挑戦をしようと思っているので、“挑戦の年”にしたいと思っています。」

●どんな挑戦なのか、かなり気になります!

「皆さんの心をワクワクさせますので、私のホームページなどでチェックしていただければと思います!」

●その挑戦が成功したときには、是非とも番組でお話を聞かせてください! というわけで、今回のゲストは、シンガー・ソングハイカーの加賀谷はつみさんでした。ありがとうございました。

加賀谷はつみさん

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 今回はスタジオで加賀谷さんに生演奏も披露していただきましたが、加賀谷さんの温かさと透明感のある歌声は本当に素敵でした。きっと、雄大な自然の中でその歌声を聴けたら、更に心地良いのでしょうね。そんな、加賀谷さんの気になる今後の挑戦ですが、もちろん「山関係」ということなので、私も応援させていただきたいと思います!

INFORMATION

「本日のスープ」

デビュー・シングル
本日のスープ

 WARNER MUSIC JAPAN
/ WPCL-11261 / 定価1,000円

加賀谷さんのデビュー・シングル。通常盤には、「本日のスープ」の他に、「つなぐ想い」、「会いたいよ」という楽曲も収録されています。どれも素晴らしい楽曲ですので、是非聴いてみてください。

ライブ情報

 ライブも続々と決定しています。近々では、2月28日(木)に渋谷gee-geで開催される『鉄ロックフェスティバル』に出演します。その他の情報など、詳しくは、加賀谷さんのHPをご覧ください。
 また、近況などを知りたい方は、ブログもチェックしてみてください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「GRACIAS / LARRY CARLTON」

M1. I DO / LISA LOEB

M2. HUMAN TOUCH / BRUCE SPRINGSTEEN

M3. 本日のスープ / 加賀谷はつみ

M4. DAYS(LIVE)/ 加賀谷はつみ

M5. MOUNTAIN SOUND / OF MONSTERS AND MEN

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」