2014年4月26日

清水国明さんの定点観測
〜清水ファミリー、無人島暮らし!?〜

今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、清水国明さんです。

清水国明さん

 芸能界きってのアウトドアズ・マン、清水国明さんには毎年4月にご出演いただき、清水さんが今どんなことに夢中になっているのかお聞きする“定点観測”を続けさせてもらっています。19回目の今回は清水ファミリーが挑んだ無人島キャンプについて、色々お話をうかがいます。

無人島暮らし、始めました!?

●今回のゲストは、芸能界きってのアウトドアズ・マン、清水国明さんです。よろしくお願いします。

「よろしくお願いします。1年ぶりですね!。」

●まさに織姫と彦星のように、毎年4月に1度だけお会いしています。今年で19回目の定点観測になります。去年の4月からここまでの1年間はどうでしたか?

「真面目な話を先にすると、5年前にガンの手術をしたんですね。そのときに『5年後の生存率が50パーセント』だと言われたんですね。しかも、その5年間に何事もなければ“根治”といって、再発の心配もないぐらい治るといわれていたんです。手術したときが、5年前の桜が咲いたときだったので、今年の桜がものすごく楽しみでした。そうしたら、この前、咲いたじゃないですか。すごく嬉しかったですね。第2の命をいただいた気がして、今年の桜は格別です。」

●新たなスタートを迎えたというわけですね。先日、テレビ番組で拝見したのですが、清水さん、今、無人島で色々なことをしているんですよね。今回そのお話をうかがえればと思っています。無人島といっても、色々な無人島があると思いますが、どんな無人島なんですか?

「山口県の岩国市から愛媛県の松山市に向けて線を引っ張っていくと、瀬戸内海の真ん中あたりにある、1周が3キロぐらいの小さな島なんですね。もちろん誰も住んでいなくてヤギがいるんですが、僕が数えただけでも40頭ぐらいいましたね。なんでこんなにもいるかというと、昭和20年代に誰かがそこにヤギを2頭連れていって、それが自然繁殖をした結果なんですね。だから、周囲の草を食べまくったので、草もないし虫もいないような島になってしまいました。砂や岩だらけの島になってしまったんですけど、それはそれで心地いいですよ。
 現段階で井戸を掘ることができました。そして“ドームハウス”という、河口湖でも使っていたような雨にも風にも雪にも強いというものを建てました。あとは薪風呂がありますね。そういう風に、無人島の開発をやってます。」

●その薪風呂、テレビで見ました! ロケーションが最高なんですよね!

「海を見渡せる薪風呂なんですけど、水が出たばっかりなので、お湯を溜めるとまだ茶色っぽいんですよ(笑)。そのお風呂に入ったあとに女房や息子の国太郎が『シャワー浴びたい!』っていうんですよね(笑)。それは無理なんですけど、風呂に入った途端にお風呂に入りたくなる不思議なお風呂です(笑)」

●(笑)。その島に行くには、どうやって行くんですか?

「周防大島という、瀬戸内海では3番目に大きくて細長い島があるんですけど、周防大島の突端にあります。みんなの協力で(施設を)完成させることができたので、感謝の島ということで“ありが島”と名づけました。漢字で書くと“有難島”となりますけど、これも文字通りで、大変な目に遭いましたからね(笑)」

●この後、その大変な目にあった話もたっぷりとうかがっていきたいと思います!(笑)

自然の中ではゲームなんて必要ない!

●“ありが島”って、すばらしい名前ですよね! 皆さんの協力のもと、できた島なんですね。

「一人ではドームハウスを建てたり、井戸を掘ったりできないじゃないですか。そこで、俺の仲間30人ぐらいを騙して・・・じゃない(笑)、協力してもらって、年末年始に島に行って突貫工事で作りました。瀬戸内海とはいえ、冬には北からの風が吹いてくるので、北東の風が吹いたりすると、住もうとしているところの浜の波が高くなるし、風がもろに当たるんですよね。でも、3月ぐらいになると、風が南風に変わるので、浜もすごく穏やかで、風もほとんど当たらなくなるんですよ。だから冬が大変なんですけど、そのときに行って、夏に向けての建設作業をしたんですよ。」

清水国明さん

●なぜ、その島を買おうと思ったんですか?

「“森と湖の楽園”というのが河口湖にあるんですけど、今度は“海の楽園”ということで、瀬戸内海のど真ん中にある本物の無人島でそういったことをやれるのがいいんですよ。しかも、瀬戸内海最大の漁場らしいんですよ! 鯛や平目、タコなどが獲れて、それが“瀬戸内海名産の海産物”として、全国に行っているぐらいのいいところなんですよ。それを見て『ここに決めた!』と思いましたね。」

●島に降り立った瞬間に「ここで無人島生活をするんだ!」って思ったんですね。

「そうですね。『よし、俺らもここで暮らすぞー!』って言ったら、国太郎と女房が『行ってらっしゃーい!』って言うんですよね。『あれ?これ、どこかで・・・』って思っていたら、以前、東京から河口湖に行くときに『富士山のふもとで自然暮らしだー!』って言ったら、家族全員が『行ってらっしゃーい!』って言ったんですよ。『これはもしかして、デジャヴか?』って思いましたね。ってことは、4回目の結婚がありますね(笑)」

●いやいや(笑)。でも、その後、ちゃんと一緒に来てくれたじゃないですか!

「今回、かすがいになってくれたのが、6歳になる息子の国太郎なんですよ。国太郎が魚釣りが好きなんですよ。それに、無人島ではしゃぐんですよね。本当に昔からよく“子はかすがい”と言ったもので、繋ぎとめてくれたのが国太郎でしたね。とはいえ、女房から住むことの承諾はいただいていないんですが、国太郎はよく『パパと無人島に行くー!』って言ってますから。
 国太郎は今6歳なので、ゲームに夢中なんですよ。そして、今年大雪が何回かあったじゃないですか。河口湖ではトレーラーハウスで暮らしているんですが、1メートル50センチぐらい積もって、3日間一歩も外に出れない状況になったんですよ。そうなると、ゲームをするしかないじゃないですか。それで、『アウトドアの父親の息子がこんなんじゃダメだ!』と思っていたんですが、無人島に連れていったら、全くゲームをしないんですよ。浜に3時間ぐらい放っておいても貝殻を集めたり砂をいじったり、漂流物を投げたりして遊んでるんですよ。一応ゲームは持っていったんですよ? それでもやらなかったんですよね。
 だから、好奇心を駆り立てるものとか自然豊かなところでは、ゲームは必要ないんですよ。それを直感的に分かるんでしょうね。それは素晴らしいことだと思いましたね。ところが、広島から新幹線に乗って帰ろうとしたら、乗った途端にゲームをやり始めました。便利な世の中になったからこそ、退屈の種類も変化して、そういうものが必要になってきたのかもしれないですね。本当の自然の中では要らないですね。」

“待てば海路の日和あり”

※去年末から年明けにかけて「ありが島」にスタッフと共に滞在していた清水さん。スタッフが帰るということで、国太郎ちゃんと一緒に清水さんの船で対岸の港まで送り、これから親子3人水入らずで過ごそうと思っていたら、急に海が荒れ始め、一瞬にして「ありが島」に戻れなくなり、一夜を明かすことになったそうです。
 島には奥様一人。強風で、テントや風呂場の屋根が飛ばされる中、ドームハウスの中で嵐に耐えている状態。清水さんは「早く奥様のいる“ありが島”に行かなくては!」という焦りで、翌朝、まだ波が高い中、船で島に向かい、浜に近づいたところでアンカー(錨)をいれましたが、そのロープがスクリューにからまって、エンジンがストップする有様。そんな中、なんとか島に上陸して、奥様と合流することができたそうです。清水さんはそんな体験から、こんなことを学んだといいます。

「あとから地元の漁師さんにそのことを話すと『当たり前や! アンカー入れてからバックしたらからまるわ』って言われたんですよ。後からならなんぼでも言えますけど、そういうこと先に言ってくれ! って思いましたね(笑)。それはそれとして、さらに驚いたのは、その日の夕方なんですよ。それまで荒れていた海が鏡のような海に戻ったんですよ。それを見て『なんで、あんなに激しいときに無理して行こうとしたのかな?』って思いましたね。
 だから、昔から“待てば海路の日和あり”といわれているように、漁師さんたちは待ってるんですよね。自分にとって逆境だったり、逆風が吹いているときに無理して出るものじゃないんですよね。だから、調子悪いときには無理せずに待っていると、海が穏やかになるように、必ず自分にとっていいときが来るという教えなんでしょうね。そこで焦ってしまうと、危険を増幅させてしまうということを経験しましたね。だから、いくらスケジュールを決めたって、大自然の前では勝てないから、自然を相手にするときは2、3日余裕を持つとか、“待つゆとりと勇気”がいるなと思いましたね。これって、人生に置き換えても、そうかもしれないなと思いましたね。」

これからはシェアの時代。

●ありが島に行くことで、たくさんの学びがあるんですね。

「ありましたね! 今回のチャレンジを、『爆報!THE フライデー』という爆笑問題とかが出演している番組にドキュメントで追いかけていただいているんですけど、色々な人のご協力を得て、今、そこで暮らすための最低限の電気・水などを整えています。電気はソーラーパネルを使ってます。俺の気の合う仲間がソーラーパネル関係の会社をやっていて、家2〜3軒分の電気を賄えるものを提供していただきました。
 『これで完璧やな!』って言ってたら『でも・・・』っていうんですよ。『でもってなんだ?』って聞き返したら、『僕の彼女をここに連れてきたとするじゃないですか。そうなると、焚き火で手は真っ黒だし、足は砂だらけじゃないですか。そうなると、女性が来たときに『ここじゃ嫌!』って言いますよ!』って言うんですよ。そうなると、これ以上の発展は見込めないし、少子化改善に貢献できないし、婚活にも使えないと思ったので、『ならば、その気がなくてもその気になるような、いい建物を建ててやろうじゃないか!』と決めました。
 そうなると、俺としては“ログハウス”だと思ったんですね。ただ、これからはシェアの時代だから、“建てるならみんなで建てよう”と思って、そういう不埒な考えを持った男性はたくさんいるので、みんなにお金を出してもらって、お金を出せない人は手伝いに来てもらって、そうやって協力してくれた人がそのログハウスを使うことができるというシステムにして、ログハウスを作っています。」

清水国明さん

●そのシステムの名前を紹介していただけますか?

「何かありましたっけ?(笑)」

●“無人島クラブ”ですよね?(笑)

「そうそう! そうなんですよ! そういう風に無人島で力を合わせて活動をしたいけど、どうやって行って、どうやって手伝えるのかというと、“無人島クラブ”に所属していただければ、月1で会報を出したり、オフ会みたいなことをやるので、是非とも入っていただければと思います。
 『“無人島”という言葉を聞くだけでロマンがある!』って、みんなに言われます。上場した会社の社長からも『清水君の話にはロマンがある! でも、そろばんがない! ロマンにはそろばんが付き物だ!』って言われるんですよね(笑)。『確かに、ロマンを語らせたらなんぼでも言えるけど、そろばんが疎いな』と思って、今回は無人島クラブの中で会社づくりというところまで考え始めています。」

●興味はあるし、ロマンがあるけど、一人ではなかなか挑戦できることではないので、こういったクラブがあると、キッカケとしていいですね!

「“いつかやがて”と語っているだけでも面白いじゃないですか。俺は月に1度、4〜5日は行っているので、そのときに一緒に行ってもらったり、行ったらレポートを書いてもらったりしています。」

●これからは、番組でも無人島の動向を追っていきたいと思います!

「その前に、来ます? ブラジャー代わりにホタテ貝が2枚ありますし、男性はヤギが落とした角の筒がありますので、それを被せていただければと思います(笑)」

●では、次回は無人島でお会いできればと思います(笑)。

(この他の清水国明さんのインタビューもご覧下さい)

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 食料・水・エネルギー。自分が生きるために必要なものは自分で賄う生活。その究極の形が無人島にはあるのかもしれない。今回お話を伺ってそんなことを思いました。そして、今便利な生活をする私たちが、そんな無人島生活を体験したら一体どんな事を感じるのでしょうか。今の暮らしのありがたみを再認識するのでしょうか。それとも・・・。ぜひいつか「ありが島」に行ってみたいです。

INFORMATION

無人島クラブ情報

 清水さんの無人島“ありが島”。そこをフィールドにした“無人島クラブ”の会員を現在募集中です。会員になると、テントや薪風呂、ドームハウスの避難基地、カヌーなど、無人島の施設はなんでも使っていいそうです。また、無人島までは専用のクルーザーで送迎してくださるそうです。

◎年会費:6,000円

 そんな無人島の視察ツアーがあります!気になる方は是非ご参加ください。

◎日程:5月2日(金)から5日(月・祝)まで
◎集合・解散:周防大島
◎参加費:一人 30,000円(現地までの交通費は別途負担)
◎お問い合わせ:無人島クラブ事務局
◎TEL:03-5765-5825

森と湖の楽園情報

 清水さんのホームグラウンドでもある河口湖の“森と湖の楽園”でも、5月の連休中にカヌー体験やピザ作りなど、ファミリーでも楽しめるプログラムがありますよ。
 これらの情報はもちろん、それ以外の情報は清水さんのブログや“森と湖の楽園”のホームページなどでご確認ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「GRACIAS / LARRY CARLTON」

M1. LOVELAND ISLAND / 山下達郎

M2. PURE SHORES / ALL SAINTS

M3. KOKOMO / THE BEACH BOYS

M4. LA ISLA BONITA / MADONNA

M5. RIGHT HERE WAITING / RICHARD MARX

M6. 青春旅情 / あのねのね

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」