今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、鹿野美絵さんです。
今回のゲストは、“アメリカ国立公園〜しぶしぶトレッキング旅”というエッセイ集が話題の主婦・鹿野美絵さんです。本のタイトルに“しぶしぶ”とあるように、鹿野さんはアウトドアが嫌いなんです。ところが、アメリカ好きのご主人に連れられて、仕方なく旅に出かけ、これまでにアメリカの国立・自然公園を20カ所ほども訪れています。広大なアメリカ大陸をご主人が運転する車で移動し、そして公園内をトレッキングする旅にはどんな出来事があったのでしょうか。
●今回のゲストは、“アメリカ国立公園〜しぶしぶトレッキング旅”というエッセイ集を幻冬舎ルネッサンスから出版された鹿野美絵さんです
「よろしくお願いします」
●読ませていただきましたが、内容がこのタイトルに集約されていますよね。
「そうですね」
●その旅はどんなものだったのか、じっくりうかがっていきたいと思いますが、まず、この本を書こうと思ったキッカケは何だったんですか?
「夫がアメリカの国立公園が大好きで毎年行くんですけど、それに付いていくうちに、色々なことを経験しているので、それをまとめてみたいと思って書きました」
●どれぐらい好きなんですか?
「『そのために働いている!』と言い切るぐらい好きみたいです(笑)」
●(笑)。どのぐらいのペースで行ってるんですか?
「毎年夏休みには行くと決めていて、ゴールデンウィークや冬など、ちょっと余裕があるときにも行ってます」
●その夏休みのときに行くために頑張ってるんですね。でも、この本でも書かれていますけど、美絵さんはそうでもないんですよね?
「私、旅行は好きで、アメリカの国立公園の景色も好きなんですけど、トレッキングがあまり好きじゃないんですよね」
●だから、“しぶしぶトレッキング”なんですね。今までどのぐらいの国立公園に行ったんですか?
「20ヶ所ぐらい行っていると思います。でも、アメリカには60ヶ所以上あるので、まだ3分の1ですね」
●美絵さんが初めて行ったのはどこなんですか?
「グランドキャニオンだったと思います。最初のころは歩いてなかったんですけど、『歩くと違う風景が見られて楽しいよ』と友達から教わったりしてから歩くようになったら、日本では考えられない広さで、景色よりもその広さに驚きました」
●その国立公園の旅は、どういったスタイルの旅が一般的なんですか?
「キャンプをしたりする人は、10日ぐらい同じところにいると思いますが、人によってトレイルのレベルなど色々あるので、一概には言えないんですよね」
●では、美絵さんのようにトレッキングがあまり得意じゃない人でも楽しめるようなコースってあったりするんですか?
「ありますね。数時間で行って帰ってくることができたりしますし、何日もかけて行くようなところもあります。私も最初は2、3時間ぐらいで行けるコースを選んでいたんですが、それが5時間のコースになり、7時間のコースになりっていう感じで長くなっていきましたね」
●それは気づいたら旦那さんに慣らされていったんですね。
「そうなんです(笑)」
※旦那さんに連れられて20ヶ所以上国立公園を旅された美絵さんに、印象的だった景色を聞いてみました。
「“ブライスキャニオン国立公園”があるんですけど、そこは谷を下っていくと、変わった景色が見れるところがあるんですね。谷の細い隙間の中に木が立ってるんですよ! でもそれを見て上を見上げたら、下った谷を上っていかないといけないんですよね」
●そこから出口があるわけじゃないですから、上っていかないといけないですよね。
「そのつづら折りがすごく厳しかったんですよね」
●そのとき、「国立公園って大変かも?」って思ったんじゃないですか?
「それは思いました(笑)。帰りたいんですけど、自分で歩いていくしか帰る術がないので、人の3倍ぐらい時間かけて上った気がします」
●それだけ苦労して行った先の景色って、美しかったんじゃないですか?
「美しかったです! 自分で歩いていくと達成感がありますよね」
●旦那さんはそれを見せようとしたんじゃないですか?
「いや、自分が見たかっただけだと思います(笑)」
●(笑)。そういった旅をしていく中で、美絵さんの行きたいところと旦那さんが行きたいところがたまたま合致したケースがあるんですよね。
「アリゾナ州にある“ザ・ウェーブ”というところです」
●私も美絵さんの著書に掲載されていた中で一番気になったところで、すごくキレイな場所なんですよね!
「そうですね。岩がミルフィーユのような模様ですごくキレイなところなんですけど、行くにはハードルが高いんですよね」
●どんな風にハードルが高いんですか?
「1日に入ることができる人数が20人と決まっているので、まずはその抽選に当たらないと入ることができないんですね」
●美絵さんが行ったときには、どのぐらいの申し込みがあったんですか?
「50人以上いたと思います」
●結構な確率ですね!
「1回目の抽選で当たったので、奇跡なことだと思います」
●その奇跡の切符を手に入れて、実際に入ってみてどうでしたか?
「見たことがないような岩の景色が広がっているんですね。そこで人数制限している理由も分かったので、自分が選ばれた人間になったような気がして感動しました」
●写真を見ると、地層がミルフィーユ状になっていて、黄土色と黄色と白、そしてオレンジ色が細かい層となっていて、それが道のように奥に続いているように見えるんですよね。
「その一帯がそういった模様の岩でできていますね」
●この模様が続いているんですね!
「そうなんです! 不思議な景色でしたね」
●著書の写真を見てみると、太陽の光が差し込んでいるんですけど、それが柔らかいオレンジ色で、味があってすごくステキですよね。
「朝や夕方など、日が傾いたときの景色がキレイなんだと思います」
●行けた人はラッキーですね。
「はい、ラッキーだと思います」
●また行きたいと思いますか?
「はい。ここは行く価値ありの場所だと思います」
●ちなみに、ここまでの道のりは大変じゃなかったですか?
「大変でした(笑)」
●私はアメリカ国立公園の旅に行ったことがないので分からないんですが、よく駅とかにパンフレットがあって、そこに書かれているツアーで行くのと、自分で歩く旅とでは、どんな違いがありますか?
「例えば、グランドキャニオンだと、ツアーで行けば見晴らしのいい展望台から大きな谷を見下ろして、写真を撮ったら次のビューポイントに行く形になると思いますが、自分で歩く旅だと、そこから続いているトレイルを歩くことができるので、ビューポイントから見下ろした景色を下から見上げることができるんですね。それに、上にいたときより会う人数も変わってきますし、自然に近づいている感覚を得られますね」
●もし、アメリカに行って、その日に「国立公園を歩いてみようかな」とふと思ったら、行けるものなんですか?
「行けますね」
●事前に申請とか要らないんですか?
「すごくハードなところなら、申請が必要なときもありますけど、普通なところなら、ちょっとしたハイキング気分で楽しめるところも多いと思います」
●服装は高尾山に登るぐらいのものでいいんですか?
「水さえ忘れなければ、それぐらいで余裕だと思います」
●それを聞いて、国立公園が身近になりました。ちなみに、この夏の予定は決まっているんですか?
「まだ決まっていないんですよ。夫は『ロッキーマウンテンに行きたい!』と主張しているんですけど、標高が高くて息が切れてしまうのは分かっているので、私はハワイ島を薦めています」
●確かにハワイの方がトロピカルな感じがしていいですよね! でも、ハワイにも山ありますよ?
「え、知らなかったです!」
●(笑)。そうやって、しぶしぶでもトレッキングの旅を続ける理由は何ですか?
「やっぱり、トレッキングで苦労したらしただけの景色が見られるということだと思います」
アメリカの国立公園をトレッキング...。そう聞くと今までは、どこか山歩きのエキスパートの方が挑むことだと思っていました。でも、誰でもアメリカの国立公園を自分の足で、しかもツアーではなく自分の好きなルートで歩くことができるんですね。今回鹿野さんにお話をうかがって、アメリカの旅の可能性がグッと広がった気がします。
幻冬舎ルネッサンス/本体価格1,200円
鹿野さんの新刊となるこの本は、イエローストーンやヨセミテなどアメリカを代表する国立公園などを、実際に歩いて体験した面白いエピソードや驚きの出来事が満載! この本を読むと、アメリカの広い公園を旅してみたくなりますよ。
鹿野さんご夫妻が運営しているサイト「DRIVE AMERICA」には、旅の写真やエッセイがたくさん掲載されています。鹿野さんご夫妻の旅のことをもっと知りたい方は是非ご覧ください。