2018年4月28日

子供も大人も! 自然体験の勧め!
〜大型連休は、自然と遊ぼう!〜

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、芸能界きってのアウトドアズマン、清水国明(しみず・くにあき)さんです。

 清水さんは1950年、福井県生まれ。1973年に原田伸郎さんとコンビを組み、「あのねのね」でデビュー。「赤とんぼの唄」が大ヒットし、一躍人気者となりました。1990年代は、アウトドア活動に夢中になり、「自然暮らしの会」を主宰。2005年に河口湖に自然体験施設「森と湖の楽園」をオープン。その後、瀬戸内海の無人島「ありが島」に海の体験施設を開設。一方、東日本大震災や熊本地震の復興支援活動にも積極的に取り組んでいます。

 清水さんには毎年4月にご出演いただき、今どんなことに夢中になっているのかをお話いただく定点観測を行なっていますが、それも今年で23回目を迎えました。今回は、子供たちの自然体験の大切さや、野外での企業研修の効果などお話いただきます。

リピート率100%の野外企業研修!

※「森と湖の楽園」は、とっても広い森の中にキャンプ場やツリーハウス、釣り堀などなど、そこにいるだけでワクワクするような場所なんです! しかし今、この場所は意外なかたちで大人気だそうです。

「これも長いことやっていて、もう14年目に入りますね〜! 2回目の離婚の時にここに行ったんですね。家族に捨てられて行ったら、捨てる家族がいるかと思えば、拾う嫁さんもいるということで、3回目の結婚をして、それで今、4回目にチャレンジということで……」

●え〜!?

「よく、バツ3とかバツ4とか言うでしょ? だから私は“マル”でいこうと。なので今、マル4目指していこうとやっています」

●4重マルですね(笑)。

「それ、いいですね(笑)。“趣味が結婚で、特技が離婚”って言っていますからね。そういった意味では、今年もハツラツと暮らしております(笑)」

●そのあたりも気になるところではあるんですけれども、ともかく「森と湖の楽園」は今年で14年目ということで、それだけ長く続けていると、いろんなことがあったんじゃないかなと思うんですが、いかがですか?

「すでに何回か言っているとは思いますが、40人ぐらいいた従業員さんが一気に辞めて、“もうダメだなぁ”と思って、残った4人に任せたら、急にV字回復したんですね(笑)。人件費は10分の1になったし、4人がやる気になって、“好きにやっていいよ”って言ったら好きにやり始めたんです。やる気になった4人が会社を支えているということですね。

 これをもとに、企業研修をやったんです。社長が張り切って朝の3時とか4時にみんなを集めてミーティングとかしていると会社はダメになるぞ、と。社長はやる気にならずにゴルフばっかりしていると、社員が“これは、いかん!”ということでやる気になる。そういったことをテーマにして、今では年間150社が研修に来るんですよ。IT関係の方とかも来て頂いていますね。

 “野外企業研修”というカテゴリーなんですけど、それで日本一になったり、あとリピート率も100%になりましたね! 今、離職者の問題が企業の悩みの種なんですが、うちに来た人は必ず来年も予約していくんです。うちで研修を受けて以来、3年間離職者がないという会社もあるんです。そういうことを研修担当の田中からは聞いていますね」

●それだけ素晴らしい研修って、いったいどんなプログラムをやっているんですか?

「最初は私が思いつきでやっていた、“焚火の火起こし”ですね。それができたら仕事の段取りも分かる、ということをずっと14年間やっているんです。それから風穴(ふうけつ)や洞窟探検に行ったり丸太にまたがったり、シャワークライミングといって、滝に登ったり飛び込んだりする。そんなことも交えながらやっています」

●研修に来た社員の方はびっくりするんじゃないですか?

「そうですね。それと朝の4時ぐらいまでほったらかしにして、みんなでなぜ働くのかとか、コミュニケーションって何だといった、働く意義を一言でみんなでまとめる、共有の言葉をみんなで探そうよ、ということもやっています。あそこは森の中ですから、朝までやってもどこからも文句を言われないんですね。そういった研修をしていまして、結構好評なんですね」

●やっぱり都会の会議室でやるのと、森の中でみんなで意見を交わし合うのって、全然違いますか?

「これは他の人のデータなんだけど、ラーニングピラミッドっていうものがあって、研修室でやる研修に比べて、外に出て体を使う研修、それから教え合う、先生と生徒が逆になったり、お芝居を入れるなど、いろんなことをやっていくと、“腑に落ち方”が95%ぐらい高まるんです。ところが研修室でやると、5%ぐらいしかみんな納得できないっていう、そういうデータがあるらしいんですよ」

●そんなに違うんですね!?

「やっぱり、会議をしながら誰かに聞いたような話を聞いていても、なかなか納得はできないですよ。でも、自分で体を使ってやってみると、“わかっていること”と“できること”は違うっていうことを如実に体で感じるでしょ。そういうところがいいんだと思いますね。
 おかげさまで今、野外企業研修講師っていうのが、関東と関西で60人ぐらい育っています。そういうやり方をいろんな研修施設とかキャンプ場で広めていこうという、そういうところまでやっていますね」

不便を体験するリゾート!?

※続いて、清水国明さんが海の体験施設を開設した瀬戸内海の無人島「ありが島」についてうかがっていきましょう。なんでも、ありが島の隣の島に新たな施設をつくろうとしているみたいですよ。

「今、ありが島の隣に開発しているのが、婚活の島で“おめで島”という島です。これはどちらかというと、個人的な(自分の趣味である)魚釣りとか、それから魚釣りとか、あと……魚釣りのためにつくっているようなもんで(笑)、自分の釣り用のボートを使って、自分の島の周りをグルグル回っているんですよ。
 近所の仲のいい漁師さんに“ねぇ、他に(釣りの)ポイントを教えてよ”って言うと、“お前の島の周りだー!”とか言うんで、私の島の周りが一番いいということらしいんですね。確かに休みの日は九州とか広島といったちょっと離れた所から、みんな遊漁船で私の島の周りに集まって来るという、不思議な場所ですね(笑)」

●私たちもありが島には行くことができるんですよね。

「そうですね。行って頂いて勝手に泳いで渡ってもらったり船をチャーターしてもらったり(笑)。私の海の家が手前にありますので、そこで言ってもらえれば船も出しますしね。勝手に遊んで帰ってもらうという、そんな島ですね」

●そこは研修というよりも個人の遊びがメインという感じですか?

「個人や団体で行って遊んでもいいですし、遭難者として島に上陸して、そこから力を合わせてみんなで脱出する、ということもやっています。 “初心者でどうしても…”っていう人のために、なぜか釣竿とかお米とかは置いてあるんですけど、食料も何もなしで本格的にやりたい人は何にもなしで生き残って、最後はイカダを作って本島まで漕いで来る、ということをやっています」

●えー!? テレビ番組でもそういう企画とかありますけど、じゃあそれが私たちも体験できるんですね。参加された方はどういう感想ですか?

「“もう二度と嫌だ!”って言いますね(笑)。それはつまり、(以前行った人に)“感動するよ!”とか言われて騙されて連れて行かれて、トイレも水も、非常に不便だから“うわ〜、最低!”とか思うんですね。ところがその人が家に帰ってしばらくすると、メールとかお葉書を私に書くんですが、そこには“感動しました!”って書いてあるんです。家に着いたら感動するんですって! 何でかなぁと思ったら、電気が点くとか蛇口をひねれば水が出るとか、“すごいな、文明って!”って感動できるわけですよね。ところがそれが当たり前だと思っている人は、水が出るだけとか、トイレで用を足せばザーっと流れるだけ、では感動できないんですね。

 そういったところで感動できるというのは、つまり日常生活よりも、とてつもなく原点に戻っているわけですよ。その原点から今の生活を振り返ることができて、“今はこんなにいいところで生活できているんだ”っていうことに気づいて、そこで感動する。これはねぇ……リゾートって、こうあるべきだと思いますね。
 ものすごい豪華な所に行って自分の家に帰った途端にがっくりして、“あー、明日からまたいつもの生活が始まるのかぁ”って思うよりも、その逆で、自分の家に帰って来たら“また明日からここで暮らせるんだ、ラッキー!!”って思うような、そういうリゾート体験がいいんじゃないかなと思いますね。連休を使ってどこかに行く時も、より不便を目指して行った方がいいんじゃないか、という提案ですね」

●なるほど、それ、いいかもしれないですね!

“笑い合える”友達

※実は、今年1月に開催された国明さんの個展に私、長澤もお邪魔してきました。前回お話をうかがった時に、絵手紙を書いているとおしゃっていたので、てっきり水彩画の個展かと思って行ったら、なんと油絵だったんです! なんでも、その個展の為に油絵を短期間で習得してしまったそうです。でも国明さん、現在、絵の方はしばらくお休みをしているとか。というのも、年を重ねていくうちに、こんな考えが出てきたそうです。

「今、私は67歳なんですけど、もう人生の後半は好きなこと、おもしろいこと、嬉しいこと以外は絶対にしたくない! 電話がかかってくる時も、“おお、やったー! 電話がかかって来た!”って自分が喜んで出るような人としか付き合いたくないって思っているんですよ。

 今年に入ってから、“友達確認ライヴ”っていうのをやったんですね。そのライヴに来てくれた人だけを友達としていこう、と思ったんです。ところが声をかけたら、50人ぐらいのキャパのところに80人来てしまって、“これ以上、声かけられないなぁ…”と思ってちょっと失礼しちゃった人もいましたね。“これ以上友達を増やすのも何だかなぁ…”とも思っているんですけど。そういうことで、好きなこととか嬉しいこと、楽しいことしかしないように、今は努めていますね」

●そういうふうに好きなことだけをするようになって、何か変わりましたか?

「好きなことがどんどん増えていくから、また忙しくなってしまいますね(笑)。好きな人同士が集まっていると、その人の好きなことも自分の好きなことになるでしょ。友達の数っていうのは、好きなことの数になってくるわけですよ。だから仲間とか友達っていうのは、本当にこの頃思うけど、必要だなと思いますね」

●歳を重ねるとなかなか友達ってつくりづらいですよね。

「そうそう! 私ぐらいになると、友達もどんどん死んでいってしまうから、“香典だけでも大変だから(苦笑)もう付き合うのは辞めようかな”とか思っているんですけどね。
 ただ、あるアンケートに、最後の死ぬ寸前にする後悔がいくつかあって、その中のひとつに“あぁ、友達を最後まで大事にしておけばよかった”っていうのがあるらしいんですね。それを知った時に、“なるほど、そうか! 明日死ぬぞ、ってなった時に話を聞いてもらいたいのは、やっぱり仲のいい人なんだな”って思ったんですね。だから最後の最後まで、友達は大事にしたほうがいいなと思います。

 “人はひとりでは生きてはいけない”っていう言葉の中には、“can not”という意味と、“ひとりで生きては、ダメ!”という意味の“do not”という、2つの意味があるんですね。なので、やっぱり仲間を求めて、仲間とともに共感・共鳴して生きることが、人生の過ごし方かなと思うんです。ひとりでデッカい魚を釣ってもねぇ、ついカメラを探してしまったり、誰か隣の船の人でもいいから見ていてくれないかな〜とか思っちゃうんですね(苦笑)。やっぱりそういう人は必要なんですね」

●本当に嬉しい時とか美しい景色を見た時って、誰かと共有したいですよね!

「そうだよね。そうすると感動も倍になるんだよね。だからリンゴを半分に分けて“これ、うまいなぁ!”って言って、相手も“うまいなぁ!”って言ったら、うまさが倍になるよね。食べる量は半分になってしまうけど。これを3人で食べたら、うまさも3倍になる。だから物量的なこととか、そういうことではなくて、気持ちの大きさを倍々にしていくようなマジックが友達にはあるんじゃないかと思うんですよ。

 ただ、その友達も“気のいいやつ、(一緒にいて)気持ちのいいやつ”がいいね。そいつのことを笑っても失礼にならないやつ。それから、笑われてもムッとしないやつ。それが友達の基準じゃないかなと思うんだよね。
 私たちは“人を笑っちゃ失礼だ”とか、“笑われると屈辱だ”と思って、“人に笑われないようにしよう”と思うけど、そう思っている間は友達はできなくて、笑われれば笑われるほど面白い、楽しい、気持ちいいと感じる(関係がいいと思う)。だとしたら、新しいスポーツでも趣味でもチャレンジできるんだよね。笑われる気持ちよさを覚えた人は“笑われても大丈夫だ”って思えるから。
 そういう、笑ってくれる仲間がいると切磋琢磨してどんどん新しいことにもチャレンジできる。ところが、笑われたくないと思うと、なにもできないよね。そういう意味で、笑える人や笑ってくれる人が仲間にいるっていうのは、大事だなと思いますね」

痛みが人間を目覚めさせる!?

※大型連休はやっぱり、家族や友達とキャンプに行きたいですよね! でも昨今は、キャンプ場の予約がなかなか取れないそうです。そんな方に、国明さんからこんなアドバイスをいただきました。

「何でだろうなぁ……アウトドアとかキャンプっていうことを、“キャンプ場でやらなきゃいけない”と皆さん思っているようだよね。日本は広いからね。だから、どこででもできるって私は思いますね。許されている場所限定ですが、例えば河原とか、野山であっても農家の人に“ちょっとそこの野山でキャンプしてもいいですか?”みたいに許可をもらえば、もっと場所はあるんじゃないかなと思いますね。
 それを開発する、つまり“マイ・キャンプ場”みたいなものをつくっていくのもいいかもしれませんし、それは行き当たりばったりで、“あ、ここで一晩過ごせたらいいな”ということで車を横に停めてちょっとテントを張って、寒かったり雨が降ったりしたら車に入るというようにすれば、まだまだ(キャンプできる場所は)たくさんあると思いますね。一番ベストは、富士山の麓にある“森と湖の楽園”とかですかね(笑)」

●聞いたことあります(笑)!

「あそこなら、いくらでも入れますからね(笑)。それからキャンプ道具というものも、一時期は本当にキャンプ道具を揃えないとキャンプができないといった、変な風潮がありましたけど、家庭にある鍋とか毛布とかビニールシートとか、そういった物で十分、野外生活はできると思いますので、気楽にお出かけになったほうがいいんじゃないかなという気はしますけれどね」

●やっぱり子供のうちに自然体験をたくさんするっていうのは、すごくいいことですよね!

「めっちゃ大事です! 聞いた話によると、人の体には電気が帯電しているらしいんですね。だから、野外に出て土の上を素足で歩いたり、砂浜を歩いたりすると放電してむちゃくちゃ気持ちよくなるって聞きますね。

 それから、生まれた時ってまだ色んな感性にビニールがかかっているんだよね。それを一皮剥くのは、自然の中で熱いとか寒いとか臭いとか痛いっていう、日頃ないものを体験することだと思うんですよ。虫に刺されてもいいんですよ。切り傷やたんこぶをつくってもいいと思うし、そういうところでピリッとスイッチが入りますからね。

 スイッチが入っていない子供がそのまま大きくなって、それでまた子供をつくってスイッチの入っていない子供をつくっていくと、極端な言い方をすると、人間じゃないものが育っていくような気までしますね。痛みが人間を目覚めさせるんだけど、それをムチとか物差しでピシピシ叩けばいいってもんじゃなくて、自然の中で放っておけば勝手に怪我しますんで、それでスイッチが入って目覚めることがあるんですよ。
 だから、整備されたキャンプ場ではなくて、大きな怪我はダメですけど、小さな怪我をさせてくれるような、ちょっとガサツな、本物の自然の中で遊ばせるというのが一番、子育てになるんじゃないかなと、私は思っていますね」

※連休の最終日である5月6日(日)に、清水さんのライヴがあります!

ライヴ『清水国明と愉快な仲間たち』

「どんなイベントであっても人が集まらないような、連休の最終日にライヴをやるんですよ(笑)」

●いや〜、いいですね!

「何でかっていうと、その日はライヴ会場が空いていたから(笑)。連休で疲れ切っている最終日に、新宿にKENTO'S(ケントス)という懐かしいライヴハウスがあるんですけど、そこで『清水国明と愉快な仲間たち』というライヴをやります。どれだけ愉快かはわかりませんけど、Bro.KORNや清水アキラは私の弟子筋なもんですから、私も歌わなきゃしょうがないということで、彼らの他、たくさんのゲストが来ます」

●“涙と笑いと感動のステージ!”とライヴ告知用のチラシに書かれてあるのが、いいですね〜!

※この他の清水国明さんのトークもご覧下さい

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 国明さんとお話すると、いつも自然の中では「もっと自由に」遊んで良いんだな、と教えられます。キャンプはキャンプ場で、道具はフルセットで、そんな自分の中の先入観を捨てて自然の中で遊んだら、新たな学びや感動がありそうですね。

INFORMATION

ライヴ「清水国明と愉快な仲間たち

 大型連休の最終日5月6日(日)に新宿のKENTO'S(ケントス)でライヴを行ないます。Bro.KORNさんや清水アキラさんほか、スペシャルなゲストが登場!
 第一部は午後3時から、第二部は午後6時30分からです。ぜひ清水さんのライヴで連休をしめくくりましょう! チケットの料金など詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

 ほかにも、河口湖にある自然体験施設「森と湖の楽園」、そして瀬戸内海にあるキャンプ施設「ありが島」については、それぞれのオフィシャルサイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. YOU ARE THE SUNSHINE OF MY LIFE / STEVIE WONDER

M2. ON TOP OF THE WORLD / IMAGINE DRAGONS

M3. THE LAZY SONG / BRUNO MARS

M4. アドベンチャー / D.W.ニコルズ

M5. YOU'VE GOT A FRIEND IN ME / RANDY NEWMAN

M6. STAND BY ME / BEN E. KING

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」