2018年6月9日

家族と、仲間と、旅に出よう!
〜キャンピングカーのすすめ〜

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、ラッパーのGAKU-MCさんです。

 GAKUさんは1990年に、学生時代の友人とEASTENDを結成、1994年にEASTEND×YURI名義の『DA.YO.NE』が大ヒット! ヒップホップ初のミリオンセラーを記録しました。1999年からはソロ活動を始め、キャンドルと音楽で心をつなぐ復興支援イベントほか、サッカーやサーフィン、旅など、公私ともに精力的に活動してらっしゃいます。そしてつい先日、ニュー・アルバム『Rappuccino(ラップチーノ)』をリリース!
 GAKUさんは旅が大好きだと公言していて、日本全国をキャンピングカーでまわったり、家族と一緒に世界一周の旅にも出かけてらっしゃいます。今回はそんなGAKU-MCさんに、家族や仲間と行く旅のお話をたっぷりうかがいます。

ツアーはキャンピングカー!?

※実はGAKUさん、今年2018年の初めにキャンピングカーの「普及貢献賞」を受賞されました。一体どんな賞なんでしょうか?

「bayfmの向かい側にある幕張メッセで(授賞式が)行なわれたんですけど、去年の秋からキャンピングカーで日本一周ライヴツアーをしまして、それが認められてということだったんですかね。僕、実は昔からキャンピングカーに憧れていたんですよね。だって、いいじゃないですか!」

●キャンピングカー、いいですよね!

「“ずっとしたいなぁ”って思っていて、それで今回、ツアーで使うことができたんですよ。僕らはライヴを何年にも渡って、1年中しているじゃないですか。実は僕らは、ライヴ会場、その街のホテル、打ち上げ会場という、この3つのトライアングルしか知らないんじゃないか、っていうことに気がついたんです。大阪や福岡、北海道などはよく行きますが、“じゃあその場所のことをよく知っているんだっけ?”って言われたら、“うーん……”みたいになっていたんですね。
 それで、“もったいないなぁ”って思って、どうしたらもっとその街のことを好きになれるかっていうのを考えた時に、そうか、車で行ったほうが・・・やっと着いたぞ! 寄り道もできるぞ! 海や山にも行けるぞ! それで、その景色を見たり、人と出会ったほうが、その街のライヴがよくなるぞ! って思えて、どんどん車で行くようになったんです。そして、“もし、泊まることも始めたら、もっとすごい景色が見られるんじゃないかな?”ってことで、キャンピングカーという発想になっていったんだと思いますね」

●じゃあ、ツアーきっかけで、最初は車から始まって、そこからキャンピングカーへと変わっていったんですね。キャンピングカーでまわってみて、実際にはどうでした?

「すごくいいのは、まず上手くやるとコストがすごく抑えられることですね。バンドメンバーも4、5人で行くと、それなりに交通費や宿泊費をかけてツアーをやるわけで、それを抑えるだけでも十分、(キャンピングカーを使う)理由になりますよね。僕らにとって、キャンピングカーっていうのは、楽器庫であり移動車であり厨房であり、それから寝室であり、なおかつ楽屋であり……」

●すごい…!

「全てがそこに集約されるんですね。僕なんかはそもそもアウトドアも好きだし、性格的にも、ゴロ寝で大丈夫だし、みんなで同じ部屋で生活しても全然負担にならないのでいいんですが、そういうのがちょっと難しいかもっていう人には、向かないスタイルかもしれないですね。少なくとも、僕のバンドメンバーと僕は、そういう生活でハッピー、イェーイ! みたいな感じになっちゃったんで、キャンピングカーでもツアーができましたね」

●実は、その“ハッピー! イェーイ!”な感じが、もうミュージック・ビデオになっているんですよね!

「そうそう、そうなんですよ! 今回のアルバムの1曲目に『その先へ行こう』という曲を作りまして、ドライヴでいろんな景色を見て、“もっともっとその先へ、自分の人生もまだまだその先があるんだ、進んで行こう!”みたいな曲なんですけど、ずっとロードムービーのようにビデオを撮りながらまわっていたんですね。これも結構、千葉でロケをしていたんですよ」

●そうなんですか!? 千葉のどの辺りですか?

「千葉の勝浦とか、あの辺りに行きましたね。その後、鴨川へ寄って、僕が波乗りの時によく行く定食屋さんとかに寄ってみたりもしたんです。だから、bayfmのリスナーさんには想像してもらえるんじゃないかなと思います」

●もしかしたら、リスナーのみなさんが知っている所も映っているかもしれないですね!

「“あー、ここ知ってるよ!”っていう所も出てくるかもしれませんね!」

●ぜひそのミュージック・ビデオは見ていただきたいですが、曲も聴いて欲しいですよね。じゃあ、曲紹介をお願いします!

「はい! 6月6日に発売になりました、GAKU-MCのニュー・アルバム『Rappuccino』の中から、『その先へ行こう』。フィーチャリングは、“きっとラット”のKEI君です」

*番組ではここで、『その先へ行こう』をOAしました。

キャンピングカーライフ!

●泊まる場所はあらかじめ決めているんですか?

「決めている時と、“きょう、本当はここまで行きたかったけど、眠いし辞めておこう”っていう時は、すぐその辺りを検索して見つけたりしますね。これはコツなんですけど、実はインターネットで『車中泊マップ』っていうのがあるんですね。そこは、いろんな人が“ここに泊まったよ”っていうのを言い合う掲示板みたいになっているんで、中には“トイレが綺麗でした”“Wi-Fiが飛んでますよ”“お風呂が近くにありますよ”っていう情報もあって“ココだ!”みたいな感じで選んでいますね」

●なるほど、インターネットを上手に活用することで、よりキャンピングカーで楽しく過ごせるわけですね。あと、やっぱりご飯、気になりますね。

「僕らは基本的に、夜にライヴをやるので、ライヴが終わった後に宿泊地まで移動して、そこで完全にエンジンを切ってご飯を作ったり、お酒だけ飲んで寝て、朝は必ずみんなでベーコンを焼いたりとかしていましたね。
 結構ね、ライヴに来てくださるお客さんたちが(僕らに)差し入れをくれるんですよ! お客さんが“これ、地ビールですけど、もう飲みました?”って言って、僕が“いえ、まだです”と言うとガサッとくれたり、“うちでできた野菜がこんなにあるから…”って言って、その土地の名産のお野菜だったりとかをもらっていましたね。ある時は、寝て起きたらバックミラーのところに差し入れが差さっていて“ありがたい…!”って思いましたね」

●普通、ライヴの差し入れってお花だったりお菓子ですよね(笑)。

「お花とかは、すいませんけど、大丈夫です(笑)」

●GAKUさんへの差し入れは食材でいい、と(笑)。

「食材がいいですね(笑)」

●ファンの方もそこはちゃんとわかっているんですね。

「そうですね。もう、酒のつまみばっかり来たりもしますけど(笑)」

●じゃあ、食材には困ることはなさそうですね。

「おいしいパンなんかも結構もらったんで、それを食べながら“次の街へ行って来まーす!”ってやっていましたね」

●キャンピングカーで行くことによって、その土地の本当の姿を知ることができました?

「それが全て本当かどうかはわかりませんけど、やっぱり“やっと着いたんだぁ!”っていう感動がすごく音に乗ると僕は思うんですよね。九州とかに車で行ったこと、あります?」

●ないですね。飛行機ならあります。

「めちゃめちゃ感動しますよ、下関を越える時! “九州入ったーーー!”って感じ(笑)。例えば福岡なんかは空港からすごく近いから、飛行機で行ったら、もはや旅した気持ちにすらならないというか……。だけど、車で行くとめちゃめちゃ感動するんですよ」

※ツアーだけでなく、家族でもキャンピングカーで旅に出たというガクさん。なんと世界一周の旅の道中、キャンピングカーの本場アメリカでキャンピングカーを利用したそうですよ。家族でキャンピングカー、どうだったんでしょうか。

「小さい子がいると旅行って大変じゃないですか。特にお母さんは普段、子供を連れているからわかると思うんですけど、言うこと聞かないし、テンション上がるとどこかにいなくなるし、荷物多いし、疲れて寝るともう、どうすることもできなくなっちゃうじゃないですか。
 飛行機で普通に旅すると、移動で待たされて集中が切れて……って、本当に大変だと思うんですけど、キャンピングカーは荷物をバコンと入れたらもう、そこが家なんで、すごく楽ですよ! 例えば、飛行機で世界一周できるかって言われたら、そっちのほうが難しいと僕は思う」

●お子さんたちは(キャンピングカーでの旅は)どうでした?

「すごく喜んでいたと思いますよ。キャンピングカーは主にカリフォルニアで乗っていたんですけど、やっぱりカリフォルニアでレストランに行ったら、子供のサイズなのに全然食べきれないくらい出てきて、いつも残していましたけど(キャンピングカーなら)母親の作るご飯なんで、いつもと変わらずにスーパーで選んできた食材で作った料理を食べていました。なので、何もネガティヴなこともなく、元気にやっていましたね」

●アメリカって、キャンピングカーの本場ですよね!

「めちゃめちゃ本場ですね! 本場のキャンピングカーって、本当にデカいんですよ!」

●どれくらい大きいんですか?

「都バスくらいの大きさですね」

●そんなに大きいんだ!?

「それを夫婦2人で使う感じですね。なんなら、4駆のジープとかを引っ張らせてキャンピングカー場に停めて、その車で近所を移動したりしていますね。リアルに高級なものになると、キャンピングカーの下を開けると、そこから車が出てくるとかもあるんですよ!」

●すごい……!

「もう、“うわわわ!”って感じ! モーターホームパークのようなキャンピングカーサイトがあって、パチッと下を開けるとトイレから排出する配管がつながっていて、水道管や電気も繋がっているから、もうずっとそこで楽できるんですよね。真ん中にはおおきなプールやジャグジーがあるから、そこでシャワーを浴びたりして次の街へ行くっていう感じで、めちゃめちゃ整ってるな〜って思いますね!」

世界一周の船旅

※キャンピングカーで旅行、行ってみたいですよね。でも、キャンピングカーは高そうだし維持費がかかりそう……。そんな不安もGAKUさんに聞いてみたんですが、GAKUさんは仲間とみんなでキャンピングカーを所有して、カーシェアリングのような形で利用しているようでした。
 他にも、キャンピングカーのシェアには色々あり、既にキャピングカーのオーナーがいて、それをシェアする。レンタカーのように借りる。さらには、南房総にある道の駅「とみうら」では、キャンピングカーシェアリングを行なってます。興味のある方はぜひ調べてみるといいですよ!

 それでは世界一周の旅、船旅編のお話をうかがっていきましょう。GAKUさんは一体、どんな船で旅に出たのでしょうか。

「ピースボートっていう船なんですけど、よく飲食店とかにポスターが貼ってあるのを見たことある人もいると思うんですけど、基本的には“国と国の‘わだかまり'みたいなものを自分たちで見てみないか?”っていうのがきっかけで始まったプロジェクトで、それがどんどん大きくなって今に至っているんです。
 つまり国際交流を目的にしているので、もちろん観光もたくさんやるんですけど、その国に行って、自分でその国を紐解いてみようっていう(コンセプトの)船旅なので、次の国に行く数日間をかけて、船の上にいる時はその次に行く国の歴史の授業があったりとか、その国の先生がレクチャーしてくれたり……。そういうのを聴きながら、“ああ、シンガポールにはこういう歴史があるんだ”ということを知った上でシンガポールに立ち寄ったり、という感じでしたね。
 僕はそこでミュージシャンとして乗っているので、船の上でライヴをして、みなさんにエンターテインメントを提供していました。
 家族旅行ではあるんですけど、ホストの役もやっていました。船の上にはライヴができるスペースや500人ぐらいが入れるシアター、屋上にはサッカーコートもあって、僕はサッカーも好きなので20〜30代の若造を集めて毎日、そこで1〜2時間サッカーをやっていましたね」

●キャンピングカーとは違った旅の魅力がありましたか?

「船の上はNo Wi-Fiなんですね。厳密に言うと、高額なお金を払うとメールチェックぐらいはできるんですけど、基本的にはWi-Fiはないので、結構いろんなことに諦めがつくというか。今では(僕たちは)、どこにいてもお仕事の連絡が来て、情報もすぐに入ってくるので、割と情報を選ぶことに疲れちゃったりする生活なのかな、と思うんですね。でも、船の上だと本当にいろいろ諦めなきゃいけないし、3日前の新聞をみんなでまわし読みするとかしていましたね」

●不便さはなかったんですか?

「不便なことだらけだったんですけど、その不便がいろんなことを呼び起こしてくれて、“やっぱり、不自由があるから自由が生まれるんだなぁ”と思いましたね」

“生活を歌う”!

※GAKUさんは船の上から、こんな生き物を目撃したそうですよ。

「イルカ、見たことあります?」

●ありますよ!

「野良(のら)イルカ、見たことあります?」

●野良イルカ(笑)。野生のイルカは見たことないですね。

「僕は見ちゃいましたね〜! 船の舳先を並走していくイルカを見ましたけど、普段僕らが見るイルカっていうのは飼われているイルカなので、野生のイルカを見た時は感動しましたし、“そうか! イルカは本業、こっちだな”って思いました(笑)」

●やっぱり、活き活きしていました?

「活き活きしていましたし、カッコよかったですよ! それで、どこまでも泳いでいくんですよね。水族館だとすぐに折り返さないとイルカは泳げないから、“あ、そうだね、まっすぐ進めるんだ”っていうのにも感動しましたね。
 あと、面白い経験だったのは、例えば人が立っているとするじゃないですか。普通その時、影って横になるじゃないですか。でも、赤道を越える時は太陽が真上にあるから、影がなくなるんですね。なので、ガンガン太陽が照っている時に自分の影がないので、“日本にいたらできねーな!”って感動しました。“地球は丸いんだな”って、そういう時にも思いましたね」

●そういった旅の経験は、やっぱり今回のアルバム『Rappuccino』の中にもエッセンスとしてたくさん入っているんですよね。

「もうガッツリと“旅の曲”っていうのも何曲か入っているんですけど、でも実は、僕がこのアルバムの中で一番みなさんに伝えたいのは、ラップミュージックの基本である“生活を歌う”っていうこと。毎日同じ生活をして、同じリズムで、同じことをやっていると、ずっとその視点になっちゃうなと思っているんですね。

 さっきも言いましたが“不自由を知るから自由の良さに気づく”ということではないんですけど、外に出るとやっぱり“外は素晴らしいな!”と思うんですね。けど同時に、自分の家の素晴らしさとか、自分の友達の顔とか、日々の食に対する感覚とかが研ぎ澄まされていって、“あ、そこをちゃんと照らすのがやっぱり一番大切なんじゃないかな”って思ったんです。

 だから、曲だけ聴くと“これ、全然旅のことと関係ねーじゃん”っていうのも何曲もあって、(リスナーのみんなに)最後に1曲、聴いてもらいたいのは、旅先でガッツリ書いているんですけど、でも本当に歌っているのは、“誰にも認められない夜に、自分で自分を褒めようぜ”みたいな歌なんですね。それは外に出て、不便を味わったから書けた歌じゃないかなと、僕は思います」

●じゃあ、ぜひリスナーのみなさんに聴いていただきたいので、曲紹介をお願いします!

「はい! アルバム『Rappuccino』の中から、聴いてください、GAKU-MCで『グッジョブ』」

*番組ではここで、『グッジョブ』をOAしました。

●GAKUさん、今後は誰と、どんなところに旅に行きたいですか?

「まずですね、このあとすぐに始まる、(Mr.childrenの)桜井和寿との旅が待っておりまして、これは“ウカスカジー”というユニットでやっていまして、サッカーを応援するために日本のサポーターのみなさんと一緒に背中を押して行きたい! そんな気持ちで旅をして参ります。
 それが終わって、今度は夏フェスを何本か参加させていただいたら、今年の秋もキャンピングカーでみなさまの街に行くという企画を、引き続き深掘りしていこうかなと思っています。今年はね、“うちでライヴ、どうっすか?”って言ってくださるような所を募集しているので、そこにきた話も何件か入れながらツアーを組んでいます」

●お客さんもみんなキャンピングカーで来たら、面白そうですよね!

「そうなったら一番ですよね! 何年ぐらいこのツアーをやっていたら、そのスタイルになりますかね!?」

●キャンプ場にキャンピングカーで集まって、そこでライヴ! みたいな(笑)。

「すごいなぁ、その計画はなかったな! それ、いつかしたいなぁ」

※この他のGAKU-MCさんのトークもご覧下さい。

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 キャンピングカーに船旅、どちらも目的地まで行く道のりも楽しめるのが魅力の一つかもしれませんね。旅の道中、思い浮かんだ言葉をノートに記していたというGAKUさん。今回のアルバムにその言葉がどんな風に彩られているのか。GAKUさんの旅を想像しながらアルバムを楽しむのも良いかもしれません。

INFORMATION

『Rappuccino(ラップチーノ)』

ニュー・アルバム
Rappuccino(ラップチーノ)

 GAKUさんが旅の間に綴った言葉が、さまざまな形となって彩られたアルバムです!

「ウカスカジー」全国ツアー

 Mr.childrenの桜井和寿さんとのユニット「ウカスカジー」の全国ツアーが6月11日に神戸からスタート、最終日は6月28日の中野サンプラザとなっています。また、7月14日から16日まで、つま恋リゾート「彩の郷」で開催されるap bank fesほか、夏フェスにも精力的に出演されます。

 さらに2018年の秋からは、全国をキャンピングカーでまわるツアーも予定。
  いずれも詳しくは、GAKU-MCさんのオフィシャル・サイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. 勝利の笑みを君と / ウカスカジー

M2. その先へ行こう / GAKU-MC feat. KEI

M3. HAVE IT ALL / JASON MRAZ

M4. OUR DAY WILL COME / AMY WINEHOUSE

M5. FREE / DONAVON FRANKENREITER feat. JACK JOHNSON

M6. グッジョブ / GAKU-MC

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」