2019年4月27日

清水国明・定点観測「今回は地球規模!?」
〜水素社会スマートシティ構想〜

 今週の、ベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、芸能界きってのアウトドアズ・マン清水国明さんです。

 清水さんは1950年、福井県生まれ。1973年に原田伸郎(はらだ・のぶろう)さんとコンビを組み、「あのねのね」でデビュー。「赤とんぼの唄」が大ヒットし、一躍人気者となりました。1990年代はアウトドア活動に夢中になり、「自然暮らしの会」を主宰。2005年に河口湖に自然体験施設「森と湖の楽園」をオープン。その後、瀬戸内海の無人島「ありが島」に海の体験施設を作り、自然体験を通した企業研修などに取り組むなど、多岐にわたって活動中!

 清水さんには毎年4月にご出演いただき、今どんなことに夢中になっているのかをお聞きする「定点観測」を行なっていますが、今年でなんと(おそらく)24回目! 今回は、清水さんがいま取り組んでいる、全国に「楽園」を作るプロジェクトや、壮大な「君津スマートシティ構想」のお話などうかがいます。

後半人生、仲間ととも!

●国明さんには毎年、定点観測ということでこの番組にご出演いただいていますよね

「これだけ続くと、なんか恐ろしい、不気味な感じもしますけどね(笑)」

●恐ろしい(笑)!?

「本当に凄いことですよね!」

●おかげさまで、今回で24回目ですから!

「うっそ〜!? そうですか! 僕、ここへ来る前に“確か10回以上はやっているよなぁ”とは思ってましたけど、そんなにやってましたか!」

●そうなんですよ〜! 本当にいろいろなことをこの番組で話していただいているんですが、実は今回もまた、いろいろと目玉があるんですよね!

「そうそう、この1年間でいろんなことがありましたね」

●まずは私たちが今回お邪魔している、都内某所にある“9292(くにくに)ビル”、ここは国明さんのいろいろな夢が詰まっていると聞きましたが……?

「“国明会(くにあきかい)”というのをやっていまして、私、清水国明を中心にさせてもらって、いろんな人が集まって、私と関係のある仲間がどんどん各階に入ってやっている、というような会ですね」

●そもそもなんで、国明さんはその会をやろうと思ったんですか?

「後半の人生をどうやって生きるかというと、やっぱりそれは友だちや仲間ですよね。その仲間っていうのは、“けなし合ったり笑い合ったり、笑われたりすることが気にならない仲間”っていうのが、本当に大切だなと思うんです。我々は“人を笑ったりすると失礼だ”とか、“笑われると屈辱だ”っていうふうに育てられた経緯があるんですが、でも本当に仲のいい友だちは、笑ったって、笑われた相手も気持ちいいし、笑っても失礼にならないし、“もっと笑われたい!”って思うような仲間がいるじゃないですか。“この仲間の中でウケたい!”って思ったり……。

 そうすると、新しいことにチャレンジできるんですよ。今までゴルフとかしていない人でも、わぁーってやって、“へたくそー(笑)!”って言われても、“ハハハッ!”とか言いながらできるんですね。ところが、後半の人生で笑われたくないと思うと、新しいチャレンジができないですね。自分のできること、できたことだけで終わってしまうんで、そういう意味では笑ったり笑われたり、けなしたり、けなされたりする仲間が多いほど、人生は豊かになれると思います。これは、ここまで生きてきた、ひとつのメソッドといいますか、そういうふうに気づきましたね」

●確かに年齢を重ねたり経験を積んでいくと、ちょっと“笑われると嫌だなぁ”っていう気持ちが強くなっちゃいますもんね。

「だから、それが気にならない仲間づくり(が大事ですね)。それと死ぬ直前に、もう僕は今68歳ですから、この先せいぜい生きてあと60年ぐらいしか生きられないと思うんですけど(笑)、死ぬ直前に後悔することがいくつかあるっていうのを、前に読んだことがあるんですね。
 その中で“友だちを最期のギリギリまで大事にしておきたかったな”っていう後悔があるんですって。病気だったり死ぬ時に、面倒くさいから友だちも家族も遠ざけてしまおう。けども、最後の最後に、やっぱりこの思いは、この気持ちはあの友だちに言いたかったな、言い遺したかったなとか、そういう後悔があるんですって!

 それともうひとつは、あんなに一生懸命働くんじゃなかったな、という後悔もあるんです。もっと大切に、家族とか子供とか愛人とかと過ごせばよかったなという後悔をしてしまうっていうのを読んだ時に、そこに僕は凄く打たれたというか、惹かれたんです。友達と、それから本当に好きな人と時間を過ごすということに、後半の人生を使いたいなと思いましたね」

楽園プロジェクト!?

※それでは、そんな清水国明さんの新しい挑戦「楽園プロジェクト」について、どんなプロジェクトなのか、うかがっていきましょう!

「僕の生業というかメインの仕事は、キャンプ場とか企業研修なんですね。そういうことによって、キャンプ場がオフのシーズンも収益があってなんとか持つんで、僕の“森と湖の楽園”というビジネス・モデルでもあるんですが、それをいろんなところにご紹介して、研修のメソッドとかを学んでもらって、僕と同じように生き延びていきましょうよ! っていうようなことをやっています。
 今は20箇所ぐらいの楽園が出来上がりましたね。そこで僕のやり方を、講習とかファシリテーターになれる人を、河口湖でやっている森と湖の楽園で今、養成しているんですね。これがゼロ期生から始まって、今は2期生まで募集して、僕のやり方を踏襲してもらうんですが、収益もあるし楽しいし、喜んでもらえていますね。僕のところは今、95%が企業さんのリピーターなんですよ」

●へぇ〜!

「年間で140社ぐらいの人が僕のところの企業研修を受けているんです。それはなぜかっていうと、辞めないんですって、僕のところの研修を受けた人は! 今の企業の一番の悩みは、リクルーティングで本当にたくさんお金をかけて入ってもらった人が、4月や5月になるとパッと辞めちゃう。それはなぜかっていうと、仲間がいないとかが原因なんです。最初のチームビルド、仲間づくりに失敗しちゃうと、凄い孤独感になるじゃないですか。そうすると“もっと違うところがあるんじゃないかな……”と思って辞めちゃう。

 けれども、入社する前に僕のところでガッチリと、みんなの仲間意識を高めて仕事のモチベーションも高めて……まぁ、大したことをするわけじゃないですよ。洞窟に入ったり富士山に登ったり、河口湖でカヌーを漕いだりして、最後は夜に焚き火を囲んで、朝まで語り合うっていうものなんですね。それで仲間ができたということで、“おかげさまで3年間、離職者が出なかった!”という会社も結構ありまして。なのでその場で、“あ、この研修はいいな! 来年も予約しておこう”ということで、一瞬100%リピートにもなりましたね。今は大体95%ぐらいの方に喜んでいただいています。
 そういう研修とか、アウトドア体験とか、それからバーベキューとかやっているんですが、そのノウハウを全国に展開して、そして日本全国を楽園だらけにして、あっちに行ったりこっちに行ったりして繋がろうという、そんな計画ですね」

●なんで、そんなにアウトドア体験をすると仲間意識って強くなるんですかね?

「うーん、そうやねぇ〜……今、(普通の)研修なんかは名刺の渡し方とかっていうことをやっていますけど。つまり、体を使う! 僕のところの研修は、野外研修ですからね。野外企業研修ですから、いわゆる座ったままの研修よりも、体を使ってみんなでひとつの目標を決めて、ミッションを決めてそれを達成するために力を合わせてやる。
 そうすると大概、宝探しとかをやるんですけど、上手くいかない。夜、必ず振り返りをやって、なぜ上手くいかなかったのだろうと考える。お互いの連絡や報告がダメだったとか、相談すればよかったっていうようなことを反省するわけです。それの繰り返しで、次の日はミッションが達成できて“やったーーっ!!”っていうのが味わえるわけですね。

 それで最終的に、“っていうことは、それってお仕事の場でも一緒ですよね?”みたいなヒントがポンと出ると、“あっ、そうか! 今は宝探しだけれども、仕事で働いている時に「ほうれんそう(*)」っていうことも必要だ”とか、自分の体を使ったり、教えられるだけじゃなくて、自分が先生になってみんなに教える、気づいたことを教え合う、それがいいのかなと思いますけどね」
(*報告、連絡、相談の略)

セブ島に楽園!?

※瀬戸内海に浮かぶ無人島「ありが島」では、どんな研修を行なっているんでしょうか?

「上手いこといっていますね!  “口も聞きたくない!”っていうくらい仲が悪かった、6人ぐらいの営業所長たちが、僕の無人島に来た時に、台風が来てですね、テントで寝ていたら顔が半分ぐらいまで水浸しになるくらいのことも起きたんですけど(笑)、そういうことも乗り越えて、その6人が同じ釜の飯を食べてすっごく仲がよくなったんですよ! だから、自然体験や自然の力っていうのは大きいのかなと思いますね。これは講師の力じゃないですね」

●うーん、じゃあもしかしたら、いがみ合っちゃうっていうのは、あまりにも環境がよすぎちゃうんですかね?

「そうかもしれないねぇ。だから、厳しい、本当の大自然と向き合った時に人間のちっぽけさとか、気にしていることとか悩みとか、そういうものがサーっと洗い流されるような一瞬がありますね。職場に戻ったらまた、バリバリっとやるんでしょうけども。一瞬でもそういう、同じ釜の飯を食べたという共通認識があると、だいぶ違うと思いますね。そんな楽園を全国に作って、あと全国だけじゃなくって、フィリピンにあるセブ島にも今、手を伸ばしていますね」

●セブ島の楽園も企業研修ですか? ちょっとリゾート的な要素も入ったりするんですか?

「これは老後の備えも含めて、最初はタイムシェアでそういう権利を買われた人を誘って、最終的にタイムシェアで買った会員権みたいなものを頭金にして、自分の次の住処を手に入れるというプロジェクトを、国明会なんかが中心になってみんなで紹介しているという……まぁ、これはビジネスですね。
 そこに自然学校、楽園を作って、みなさんのライフサポートとか、それからアクティビティもあります。海とか山とか湖があるんで、そこでガイドしたり……。やっぱり、ひとりで海外に行くと心細いじゃないですか。物価は3分の1ぐらいで物凄く安いし、年金だけでむちゃくちゃ大富豪になれるんですけど、そういう生活のガイドをする仲間がいないと心細いということで、そこも今はやっています」

●そうなんですね。私の旦那も、“引退したらそういう南の島に行ってのんびりしたいな”なんて言っているんですけど、やっぱりそういうところで、ただのんびり過ごすんじゃなくて、アウトドアを楽しむことで、より充実した老後を過ごせるんですかね?

「そうですね。我々はセブ島に“日本人町”をつくって、そこに僕らみたいな人も、そこでの時間の過ごし方をガイドしながらっていうふうに考えていますね。やっぱり仲間で暮らしていかないと、本当の喜びも得られないんじゃないかなと。そんな感じでやっています」

君津市にスマートシティ!?

※実は清水さん、千葉県君津市で、ある壮大なプロジェクトを始めようとしているんです! 一体どんなプロジェクトなのでしょうか!?

「(昨今は)エネルギー革命だからね。本当に日本が、世界が変わると思いますよ! いわゆる化石燃料を使わなくて、水を小さな電力で電気分解して、電気分解された水素と酸素を燃やすことでエネルギー源にすると、自動車も動くし、発電もできるし、ゴミの焼却ですね、廃プラスチックとかも燃えて……という、無害でやる“ゼロ・カーボン”ですね。それからゼロ・エネでゼロ・コストで、ゼロ・ゴミでしょ……もう、言うことなしです。水素ガスを燃やすことによって物凄い、ゼロの世界が出来上がるんです! だから、ゼロが輪になってやるから、“ゼロ輪”……これはどこかで聞いたことありますよね? “令和”ですね!」

●あっ、トレンディ!!

「そうでしょ! ゼロを輪にするというようなスマートシティを、君津市のほうに何万坪という土地を今、手に入れて、そこでそういうスマートシティを作り上げようということでやっています。トレーラーハウスを置いて、“クラインガルテン”ってわかります? 作物を作りながら、その作物を販売するところがあって、それを食べるところがあって、牧場もあって……。
 それで、そこで作った水素ガスのエネルギーで電気も熱量もやるし、廃プラスチックを燃やした熱でそこも循環するような形なんですね。ゴミについても、微生物分解で乾燥して発酵させるという無水無臭装置があるんですって! それを取り入れることによって、本当にオフグリッド、いわゆる独立したエネルギーと、独立した生活、インフラの循環ができるという……。これをやり遂げて、この世を去ろうかなと思っています(笑)」

●いやいや、まだまだいてください(笑)!

「最後のチャレンジが、これですよ!」

●そんな凄い取り組みが、千葉県君津市で行なわれているんですか!?

「はい、そこで粛々と今、進めております。すっごいですよ、この水素発電! 水素利用ができたら、車は水だけで動くし、本当にいい社会になるんじゃないでしょうかね」

●それが実現したら、本当に革命ですよね!

「そうですね! せめて、銅像ぐらい作ってもらいたいなと思うんですけどね(笑)」

●私たちが作りますよ(笑)!

「作ってくださいよ〜、粘土でもいいから(笑)! 本当に世の中が化石燃料とか地球温暖化とか気候変動が大変だというのは、やっぱりカーボンですね。二酸化炭素とか、それから廃プラスチックっていうのは世界的な問題ですよね。中国がもう輸入をしてくれないとなると、日本に溢れてしまう。それを燃やせばいいのかっていうと、燃やしたらダイオキシンとかいろんなものが出る。
 ところが、水素ガスを燃やすと2700度にまでなるんですよ。そうすると、どんな有毒なものでも無害化するっていうか、分子が原子化するぐらい燃えるっていう……これは受け売りですけどね(笑)。そうなってきたら、例えば中国とかモンゴルとかで発生している、ばい煙とか、石炭を燃やしているところも、そういう水素エネルギーでやることによって、綺麗な地球、人間に優しい地球が実現するという……。どうですか、今年の定点観測は! エラい地球規模の話までしていますよ!(笑)」

●もう、なんか偉大過ぎて拝みたい気持ちです…!

「まぁ、“清水、口だけ”と言われていますけれども(笑)」

●(笑)。でも、エネルギーのあり方が変われば、私たちの考え方も凄く変わってきそうですよね!

「そうですね。地球上の75%くらいは水ですから、その水で発電して、それはまた水に戻るだけなんで、ゼロ・カーボンの、ゼロ・プレッシャーということですよね。僕が言っているようなことは、入り口かもしれないです。いつか、“そんなこと言っていたやつがいたなぁ”みたいな感じで思い出してくれてもいいんですけど、世の中の進歩の変化を見ると、あと1〜3年ぐらいでゴロっと変わるような気がする!
 今、ヨーロッパなんかでも化石燃料系に出資する会社はいなくなって、どんどん今、世の中のエネルギー源は変わっていますから、そういうふうに思い立った人がもうちょっと増えてくれたら、これは動くんじゃないかなというふうに思いますね」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 いつも「地球と遊び、地球に学ぶ」を実践されいてる国明さんですが、お子さんが生まれてさらに「子供たちの未来を明るいものにしたい」、そんな思いが強くなっているように感じました。君津市で進めている水素社会スマートシティ、どんな展開になっていくのか、今後も注目していきたいと思います。

INFORMATION

・6月23日(日)に、新宿のケントスで「清水国明と愉快な仲間たち」のライヴ開催。
 出演は「あのねのね」ほか。時間は午後1時からと午後5時からの2回。
 料金はS席6,000円、A席5,000円となっています。ぜひお出かけください!

・清水さんプロデュース企画、「人生100年時代を楽しく〜清水国明と歌って食べる夏祭り」。
 8月に立川市にある「タチヒビーチ」でおいしいバーベキューを食べて、
 歌ってというイベントなんですが、清水さんの曲「生きる力」をみんなで歌って、
 その場でライヴ録音し、CD化と音楽配信を予定しています。
 そのクラウドファンディングの募集が6月1日から始まります。

 詳しくは清水さんのオフィシャルサイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. LITTLE BITTY / ALAN JACKSON

M2. YOU'RE MY BEST FRIEND / QUEEN

M3. YOU'VE GOT A FRIEND / BIG MOUNTAIN

M4. アイタイ・アイタイ / 清水国明

M5. ONE LOVE / PEOPLE GET READY / BOB MARLEY & THE WAILERS

M6. 生きる力 / 清水国明

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」