2019年9月7日

私たちの祖先は、なぜ海を渡ったのか
〜「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」完結編・第2弾〜

 今週のベイエフエム/ ザ・フリントストーンは、「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」特集の第2弾です。

写真協力:国立科学博物館

 この番組で2016年から取材を続けているこのプロジェクトは、3万数千年前に日本人の祖先がやって来たとされる沖縄ルートの航海を、出来る限り、当時あったとされる道具や技術を使って徹底再現し、我々の祖先がどうやって日本列島に渡ってきたのか、その謎に迫る一大プロジェクトです。

 国立科学博物館の人類進化学者・海部陽介(かいふ・ようすけ)さんが2013年に企画し、2016年から実験がスタート。メンバーは研究者や探検家、シーカヤックのスペシャリストなど総勢60名ほど。2016年に草を束ねた舟、2017年に竹を組んだ舟を作り、航海実験を行ないましたが、うまくいきませんでした。そして第3の選択肢、石斧で作った丸木舟にシフト!

 漕ぎ手が5人乗った約7.5メートルの「スギメ」と名付けられた丸木舟は、7月7日午後2時38分に台湾を出航、そして7月9日午前11時48分に与那国島に到着。およそ45時間、225キロの航海が成し遂げられました。

 前回は、黒潮の横断に成功した要因や、丸木舟「スギメ」にフォーカスしましたが、今回は出航のゴーサインを出した漕ぎチームの監督・内田正洋(うちだ・まさひろ)さん、そして漕ぎ手のひとりとして、45時間225キロを漕ぎ切った田中道子(たなか・みちこ)さんほかにお話をうかがいます。なぜ、3万年前の人たちは海を渡ったのか、その想いに迫ります!

海と一体になる

※今回の実験航海は、当然のようにタイムリミットがあり、スケジュールとの闘いでもありました。そんな中、漕ぎ手と監督は台湾の浜辺にテントを張り、出航のタイミングを計っていました。
 なぜ浜辺で過ごしたのか、漕ぎチームの監督・内田正洋さんにお聞きしました。

内田さん「スギメと我々が一緒になるみたいな感覚と、さらに重要なのが、“海と一緒になる”っていうことなんだよね。21世紀の今でも、天気予報で判断して(海に)出るっていうことは不可能なんですよね、今の科学では。じゃあ、どうやって出るの? っていう話だから、そこは海との一体感みたいなものをつくっていないと、その判断は出来ないんですよ。

 これはシーカヤックの世界では当たり前のことなんだけど、特にこういう200キロぐらいの長い海峡だから、まぁ2日ぐらいかかるわけですよね。その間に天候が変化するっていうのは当然あるわけで、その2日間の天候が落ち着く、そういう時を判断して海に出ないと、当然危ないわけだから、そこを待つということは最低必要条件みたいな、そういう世界ですからね。だから、それが来るまで待っているっていう。それが来た時に、見逃さないでバッと瞬間で出るっていうのが大事なんですよね」

●でもそれが、なかなか普通の人は出来ないところなんですけどね(笑)。

内田さん「俺も普通の人なんだけど、そういう世界にいるっていうことで出来るっていうことですよね。これが今回の話で言えば、例えばホテルに入るとダメなんだよね。要するに、エアコンの中に入ると、やっぱりちょっと遮断されちゃう。だから、なるべく浜にいる、みたいな。

 特に俺なんか最終判断しなきゃいけないっていう立場ですから、大潮の満潮時でも、ギリギリ波が来ないところにテントを張っていたわけなんだよね。それ以上、下だと完全に(波に)かぶるような所なんだけど、そこに毎日居ることで、そこで毎日寝ることで近づいていけるんですよ、海に。
 海の動きが持っている……感覚みたいなやつ……なんだろうなぁ、海が持っている……波動。その世界に近づく、みたいなところが人間って出来るんですよ。それはなぜかと言うと、人間の中もそうだから」

※そして、出航を決めた瞬間について、こんなふうに話してくれました。

内田さん「その日の朝はね、まぁ暗いうちに俺はだいたい目が覚めるんだけど、その日に目覚めた理由は、音がしなかったから」

●音がしなかった、ですか?

内田さん「本当に波打ち際にいるでしょ? それで、波の音がしないっていうので、飛び起きた。それまで(波音がしないっていうことは)なかったから。だから、“ああ、これか”と思って、それで飛び起きて外を見たら、まだ暗かったけど、本当に水とは思えないような、要するに陸みたいなベターっとした世界で、“あ、これは行けるな”と。

 それで、俺のテントのすぐ後ろに、キャプテン原康司(はら・こうじ)のテントがあって、あいつもすぐに出てきたから、“おお、きょうだよな!”って言ったら、“あ、そうっすね!”とか言って(笑)。“いや〜、迷いないっすよ!”とか言うから、“おお、やっぱりな!”みたいに思って(笑)。朝の5時ぐらいかな。もう決まりよね。もう確信しているから、こっちは!」

スギメと“魂”を合わせる

※漕ぎチームの監督・内田正洋さんは、漕ぎ手7人から5人を選んだわけですが、何より「カヌー・ファミリー」としてのチームワークを大事にしていました。メンバーそれぞれのプライベートなことや性格なども考慮した上で、適材適所を心がけたそうです。
 そして、漕ぎ手の中から田中道子さんに、丸木舟のいちばん後ろに座るという重要な役割を課しました。どうしてなんでしょう?

内田さん「彼女に舵を取らせたんですよね。要するに、舵を取るっていうのはいわゆる、その舟の運命を決めるみたいな。まぁ一番偉い人なんだけど(笑)。でもね、おそらく彼女が一番それに向いているだろうなというふうに思ったわけですよ。

 これは実は俺だけじゃなくて、クルーの連中がみんな、そう思っていたっていう。実際にやり始めたら、やっぱり飲み込みが早いんですよ。天性なんだろうけど、丸木舟“スギメ”の動きに逆らわないように、なぜかコントロールしているっていう。そういう感覚に、外から観ていてそう思うんですね。

 それプラス、今度はナビゲーションが必要ですから、そのナビゲーションはキャプテン原康司くんが3年ぐらいかけて、ニュージーランドから来ているトイオラ・ハウィラのレクチャーを受けてやっているわけですよ。  だから、彼女とキャプテン康司くんが一緒になってやれば、まぁそんなに難しい話じゃないなというのはわかっていたので、彼らが決定したことですけど、俺はもう“それでいいんじゃないの”というふうに彼らには言ったわけですね」

●“スギメの動きに逆らわない”っていうのは、やっぱり大事なんですか?

内田さん「そうね。スギメをコントロールしようっていう考え方じゃないんですよね、おそらく。スギメが行きたい方向に行くことを助けてあげる、みたいな。そのスギメの行きたい方向が、まぁ例えば与那国であるというふうに考えているっていう、そういう感覚なんですよね」

●はぁ〜なるほど! じゃあ3万年前の人もそうだったのかなぁ!? 丸木舟が行きたい方向に行っていたんですかね?

内田さん「行きたい方向を察知できるっていうか、そういう付き合い方というか、丸木のカヌーと人間が同化するみたいな……。もっと極端に言うと、人間はスギメの部品、みたいな」

●なるほど、スギメは人間が乗る道具じゃなくて、むしろ丸木舟がメインなんですね!

内田さん「そうそう。そういう感覚で実は俺たちはいるんですよ、日頃から(笑)。カヤックもそうなんだよね」

●そっか、そういう考えなんですね!

内田さん「だから、今の現代的な考え方でちょっと理解できない部分はあるかもしれないけど、それこそ、この番組だったらよくわかるだろうけど、いわゆるスギメに宿っている魂みたいなもの、それをきちんとこっちのスピリットと合わせる、みたいな。それが出来ることが、海を渡れるひとつの重要な要素。それは常日頃考えていることですから、そこにもっていくっていうことが大事なんですよね」

漕ぎ手が一斉に寝た!?

※航海といえば、ハワイの伝統的な古代ポリネシアの航海カヌー「ホクレア号」はご存知ですか?この番組でも何度か特集しましたが、
2007年1月7日放送分
2007年4月29日放送分
2007年7月15日放送分
2014年10月4日放送分
実は、今回のプロジェクトでも、このホクレア号のクルーたちから、星や月、太陽や潮の流れなど、自然のサインを読み取って進む方角などを決める「スターナビゲーション」(最近ではウェイファインディングとも言われている)の技術が伝授されていました。
 ちなみにホクレア号は、2021年に次の航海が予定されていて、アラスカからアメリカ本土、太平洋にある諸島、ニュージーランド、オーストラリアを、時計回りに一周する計画だそうです。日本にも来てくれるといいですよね!

 実は今回の本番の実験航海で、とても驚くことがありました。それは2日目の夜、海の上で丸木舟「スギメ」の漕ぎ手5人が一斉に寝てしまうというハプニング! その時の状況について、プロジェクトの代表、国立科学博物館の海部陽介さんにお聞きしました。

海部さん「そうですね、正直、僕は陸上のほうにtwitterなどで情報を出さないといけないんだけど、“(漕ぎ手の)みんな、寝ちゃいました”って言えないですよね(笑)。“それひとこと言ったら、(応援している)みんなどう受け取るかなぁ……説明が必要だよなぁ”と思っていました。
 実際、僕もその時は理由がわかっていないんですよ。“何でなんですか!?”なんて聞かないんで。終わるまで待つしかないから、だからここはちょっと“うーーん……”とずっと見守っていたわけですけどね。

 ただね、あれはいい判断だったと思うんです。その時もそう思っていました。あの時はもう、物凄くみんな疲れが溜まっていたっていうのがひとつと、それと2回目の夜に入った時に、非常に雲がたくさん出ていて、星が全く見えなかったんですね。1回目の夜はまだ、星が雲の隙間からチラッチラッて見えていたんで、それを追えたんですけど、2日目のしょっぱなからは、本当にもう全く見えなくて、“あ、これはマズい!!”と思っていたんですね。疲労は溜まっているし……。そこでもう、“じゃあ休んじゃおう!”っていうのは、的確な判断だったと思います」

※それでは、実際に丸木舟「スギメ」に乗ったまま海の上で寝てしまった漕ぎ手のひとり、田中道子さんにその時の状況を電話でお聞きしました。

田中さん「私的には、本当に不安は全くなくて、“やったぁ、休める!”みたいな感じだったんですよね。与那国に向かっている潮の流れをデータで見た時に、もちろんその日によって流れっていうのは違うと思うんですけれども、その(データで見た潮の流れの)イメージだったので、私は“あ、もう潮が連れて行ってくれるな”っていうような気持ちがありましたね。なので不安はなかったですね」

●そうだったんですね! 目が覚めた時にはどんな気持ちでした?

田中さん「目が覚めた時は、実際にどこにいるのかわからなかったんですけど、夜中のうちに監視している人が光を見つけて、もう与那国の方向が確認できていたので、不安は全くなくて、“あ、やっぱり導いてくれたんだな”“自然が守ってくれたんだな”っていう感じでしたね」

●3万年前の人はきっと、その島を見つけた時にどんな気持ちだったのか、感じ合えるものがあったのかなと思うんですけど、いかがですか?

田中さん「3万年前の人に近づけたというか、もう自分はまだまだだなと思ったんですけど、少しでも分かろうとしたっていうことは感じましたね。やっぱり古代の人には敵わないというか、ナビゲーションにしても、海を読む力にしても、きっと敵わないんだろうなっていうことは感じましたね」

●ちょっとはその当時の人の気持ちみたいなものは垣間見えましたか?

田中さん「そうですね、不安が多かっただろうし、自分なりには少しでもわかり合おうとした、近づけたんじゃないかなとは思いましたね」

●今回のこの実験航海を終えて、今一番どんなことを感じていますか?

田中さん「自分が生まれてきたのも、そういう人がいないと自分の存在さえもないので、古代の人に対しての畏敬の念を抱いたっていうのと、私のおじいさんが島国の人で、祖先も実際にそういうところから来ているので、自分自身のルーツがどうなのかっていう、以前は考古学とかに興味はあまり持っていなかったんですけど、そういうことに関心を抱くようになりましたね」

●自然に対する思いみたいなものも、何か変わりましたか?

田中さん「変わりましたね! やっぱり、今の文明の中で失われているような、自分が持っている潜在能力っていうのが多分、凄く乏しくなっているなと思って、昔の人が持っているような五感であるとか六感とか、もっともっと自分や人間が持っているものを引き出したいなと思いました。自分自身、どこでも生きていけるような人になりたいなということは感じました」

祖先はなぜ海を渡ったのか!?

※今回の実験航海では丸木舟を使って、台湾から沖縄・与那国島まで黒潮を越えて到達することができました。これで3万年前の人たちが丸木舟を使っていたことを証明できたのか、人類進化学者・海部陽介さんにお聞きしました。

海部さん「丸木舟かどうかっていうことを証明したとは思っていないです。そこまでは出来ていないです。可能性は高いと僕らは思います、いろいろな根拠があるから。でも、これは証明ではないですね。
 でも、何をしたら証明になるかって、実は凄く難しくて、丸木舟がまず存在したかどうか。遺跡から出てきてくれれば存在したとは言えますね。まあ、その可能性は極めて低い。残ってないでしょうから。仮に見つかっても、じゃあその舟を何に使ったのかっていうのはわからないので、いくらでも突っ込めるんですよね。だから証明は、なかなか難しい。ですが、僕らはその可能性は高い、というところを示すことはできたと思う。

 ただ、もっと大事なのは、丸木舟っていう優秀な舟を使ってもですよ、これは縄文人級の舟なわけですから、高性能な舟ですよ、当時のスタンダードから言えば。それを使ってもあれだけ大変なんですよね。それを乗り越えないと島に来れないっていうことを、僕らは実験で示したんだと思っていますね。
 ですから、3万年前の人たちは、本当に凄いことをやっているんだというのが、一番の知りたかったことです。どれだけ凄いことをやったのかっていうのか。僕らの祖先がのほほんと動物を追って暮らしているだけの人たちじゃないっていうことですね」

●凄い人たちだったんですね……。

海部さん「そう思わざるを得ないですよね……」

●もうひとつの疑問だった、3万年前の人たちはなぜ、ここ日本にやって来たのか、その謎は解けましたか?

海部さん「それはぁ……そこになると急に口が重くなるんです(笑)。僕らは、何が起こったかっていうことは、研究すれば調べられるんですよ。いつ、だれが、どこに行ったかは、遺跡があるから、そこで何をしていたかぐらいまでは言えるんですけど、なぜって言われると、これは科学的な証明って難しいわけですよね。これはね、本人に聞かないといけないんで、(古代の人たちは)いないですから、わからないですよね。

 ただ、いろいろと考える材料っていうのはひとつずつ増えてきているとは思います。前から言っていたんですけど、考える前にどれだけ大変なことなのかをまず、ちょっとやってみよう。その上で考えた方がいいんじゃないかっていうのは思いましたね。

 じゃあどうなったかと言いますと、やってみて……大変だったんです(笑)。思っていたより大変だったんです。着いたけど、着くのにこんなに苦労するのか。しかも、僕らは3万年前の人たちが持っていなかった物を持ってやっている部分が実はあるんです。それは地図とか黒潮の情報とか。それを事前に知っている。それはもう“知っちゃっている”ので、それが頭に入ってやっている部分はありますね。それでなんとか来れた部分っていうのはあります。

 そうすると、それがない3万年前の人たちは一体、何をしたのかっていうのはまだ、わからないんですね。だから本当に難しい。じゃあ次に、その難しいことを何でやるのかっていうことですよね。だから、余計わからなくなってきちゃったんですよね(笑)。ここまで難しいことを本当になんでやるんだろうって」

※最後に、漕ぎチームの監督、そして海洋ジャーナリストの内田正洋さんは、なぜ私たちの祖先が海を渡ったのか、個人的な見解としてこんな話をしてくれました。

内田さん「光なんですよ、光。光の先に、光へ向かう道が見えるっていうね。これは海では、はっきり見えたわけですよ。朝の太陽の光っていうのはゴールドだから。美しいゴールドの光が、それこそ、海だから自分の手前まで、穏やかだと一直線の光なんですよ。

 3万年前に直線のものってないんですよ。自然界に直線があるのは唯一、樹木だけなんだよ。水平の直線ってないんですよ。ところが海にはあるわけだよ、海とか水面の上には。月もそうだけど、月の光ってまっすぐに来るから。当然、当時は陸上には道がないから。
 だけど、そのまっすぐな直線と、その先にある光が時間とともに(現れる)。太陽って30分もすると今度は白くなるんですよ。それで道が太くなるんだけど、その後、消えるんだよね。太陽は上がっていくから。

 そうすると、朝の一瞬だけなんですよ。それを毎日もし見ていたら、確実にその道の先に光があって、その光が変化していくから、何かあるっていうのは(3万年前の人たちも)思うだろうなぁ……。でね、何を思うかっていうとね、光っていうのは、明るさじゃないですか。で、明るさって何? っていったら、希望なんだよね」

写真協力:国立科学博物館

*内田正洋さんによる今回の実験航海に関するリポートは以下をご覧ください。
 “光の道”の写真も掲載。
 https://www.upbooks.jp/uchida/

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 私たちの祖先はなぜ海を渡ったのか。あなたはどう思いますか? 私は、内田さんと同じように、海の向こうに希望を見出したから渡ったのではないかと思います。困難を超え、未来に向かって進んできた人たちが私たちの祖先だと思うと、何だか勇気をもらえそうですね。

INFORMATION

3万年前の航海 徹底再現プロジェクト関連の情報

「黒潮を越えた丸木舟〜台湾→与那国島 航海の全記録」

 明日9月8日まで、国立科学博物館の日本館1階の中央ホールで、今回の実験航海に使われた約7.5メートルの丸木舟「スギメ」が展示されています。ほかにも漕ぐための櫂(かい)、航海中の写真パネルや旧石器時代の石の斧のレプリカなども展示中。ぜひお出かけください!

 その他、「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」について詳しくは、国立科学博物館のオフィシャルサイトをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. VIVA LA VIDA / COLDPLAY

M2. LIKE THE SEA / ALICIA KEYS

M3. どこまでも 〜How Far I'll Go / 屋比久知奈

M4. ホクレア(一五一会バージョン) / BEGIN

M5. 老人飲酒歌 / SUMING

M6. 希望という名の光 / 山下達郎

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」