2009年11月29日

島系環境ライター・有川美紀子さん
小笠原電話レポート第6弾・2009年11月編

有川美紀子さん

 THE FLINTSTONEでは小笠原で“島系環境ライター”として活動されている有川美紀子さんに小笠原特派員として、月に1回、電話でレポートを入れていただいているんですが、今月はどんなことをレポートしてくださるのでしょうか、さっそく呼んでみましょう。

●有川さーん!

「はーい。こんばんは。」

●1ヵ月ぶりのご無沙汰です。今回はどんなお話ででしょうか?

「まず、この音を聴いてください」

(ここで、『キャッキャッキャ』と動物の鳴き声らしき音が聴こえる)

●なんだろう? 子犬の鳴き声にも聴こえるし、何かを引っかいているような音にも聴こえるし、これは何の音なんですか?

「これは、オガサワラオオコウモリの鳴き声です。」

●コウモリ!?

「ええ。決してサルとか鳥ではなくて、オガサワラオオコウモリってこんな声で鳴いているんです。」

●知らなかったです!

「小笠原にはオオコウモリがいまして、逆に東京とか本州にいるような、超音波で飛ぶような小さいアブラコウモリの仲間っていないんですよ。で、目で見て飛ぶ、翼を広げると1メートルくらいになる大型のオオコウモリが生息していまして、サイザルアサの花の蜜とか、タコノキの実を食べたりしています。フルーツ・バットと呼ばれる種類のオオコウモリです。

 今、小笠原群島で100〜150頭くらいいるといわれているんですけど、なかなか数も少ないのでいろいろな保護対策が行なわれているところなんですね。だから、そんなに簡単には見ることができないんですけど、1度、とても印象に残っている体験っていうのがあって、夕陽の名所であり滝の名所である場所があるんですけど、そこに行って月を眺めていたら、その日は満月だったので、真ん丸い月が出ていたところに、『いい月だねー』って見ていたら、いきなりそこに“バットマン・マーク”みたいなものがバッと浮かび出て、『えっ!? 今の何!?』って言っていたら、オガサワラオオコウモリが飛んでいたということがありました。」

●有川さんは、あまり見られないといわれているオガサワラオオコウモリを見たわけですね!

「しかも、そんなシチュエーションで見てしまって、とってもラッキーでした。」

●ドラキュラに変身して血を吸われなくて良かったですね!(笑)

「(笑)。そういうコウモリではなくて、タヌキのような子犬のような、本当にカワイイ顔をしたオオコウモリです。」

●そうなんですか! 父島ではそんなに見られないということは、観光で行っても探し当てるのも難しいんでしょうか?

「そうですね。夕陽の展望台があるんですけど、そこにサイザルアサが花を咲かせていて、その蜜を舐めに来ていたんですね。食事をしているところは観察する機会もあって、ネイチャー・ガイドたちが『今、ここにご飯を食べにきているよ』って情報交換をしていて、自主ルールを定めて、コウモリの邪魔をしないように、こっそり観察するという形でのナイト・ツアーを行なっているので、どうしても見たいっていう方はそれに参加されるのが一番かと思います。」

●数も少ないし、野生の生き物達をあまり刺激しないためにも、現地に行ってネイチャー・ガイドさんに相談するのがベストなんですね。

「そうですね。ズカズカ入って行ったりしないで、お邪魔させていただくというつもりで、そういうときには日頃から生態を見ているガイドさんたちが一番よく知っていますから、その人達の話を聞きながら見るというのがいいと思います。」

●また、見られるチャンスという意味でも、ガイドさんと一緒のときのほうが場所とかも分かっているでしょうからね。

「そうなんですよ。是非、そういうふうにしていただければと思います。」

●有川さん、ありがとうございました。来月もよろしくお願いします。

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