毎回スペシャルなゲストをお迎えし、
自然にまつわるトークや音楽をお送りする1時間。

生き物の不思議から、地球規模の環境問題まで
幅広く取り上げご紹介しています。

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Every Sun. 20:00~20:54

地球元気村から元気の輝きを! 〜人があって自然がある、自然があって人がある〜

2020/4/4 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、冒険ライダー、そして地球元気村の大村長「風間深志」さんです。

風間深志さん

 風間さんは1950年山梨市生まれ。バイクでエベレストの6005メートルまで登ったり、同じくバイクで北極点や南極点に到達と、人類史上初の3つの偉業を成し遂げた冒険家です。82年には、日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦し、二輪部門で6位入賞という快挙!

 88年には大自然の素晴らしさや自分の体験を伝えたいという思いで、「地球元気村」を創設、現在はNPO法人として、自然体験イベントなどを実施しています。
 冒険への熱い思いは健在で2017年と2018年には息子の晋之介さんとともに「ダカールラリー」に出場、2年連続完走を果たしています。

 実は風間さんはこの番組の、記念すべき第1回目のゲスト! 以来、毎年4月の第1週に出てもらっています。きょうはそんな「風間」さんに、改めて「地球元気村」に込める熱い想いなどうかがいます。

理想社会ってなんだろう?

※まずは「地球元気村」とはどんなプロジェクトなのか、改めて教えていただきました。

「今も変わらないんですけれども、僕らはやっぱり、物に囲まれて豊かに過ごしている。で、本当に豊かってなんだろう? 本当の幸せってなんだろう? って考えていくとやっぱり、自然っていうベースに立った上で、人間が健やかに生きていくっていうクオリティの問題ね。

 ご飯がありさえすればいい、これって大事なことですけど、便利になればいいだけではない、やっぱり人間の幸せっていうのは、足元から考える活動として、自然の中で原理、原則を学びながら、人間の生きていく方法をよりいい方向に考え直そうよ、っていうことなんですね。

 で、当時1988年っていうのはね、文明や文化がどんどん進んでいって、その中に人間性とかそういったものを忘れさっていく時代だったんですね、そんな中“ちょっと待った! “って感じで、色んな文化人の方たちに協力してもらって、きょうに至っているんですけど、やっぱり目的は達成してない。

 なかなか人間難しいですね、人と自然の関わり、人があって自然がある、自然があって人がある、そんな中で人がいて、そしてそのコミュニティがあって、村があるっていうね。人と人との調和のとれた渾然一体となった理想社会ってなんだろう? ってことを常に考えていく。

 おそらくこれから10年、100年経ってもね、その答えは常にみんな見出そうとして、よりいい方向を、もっといい方法があるんじゃないか、って考えることが大事なことだと思ってやっています! 」

炎のマークは命の輝き

※続いて、地球元気村のシンボルにもなっているマークについてお話いただきました。

風間深志さん

「あのマークは炎のマークなんですね。最初は焚き火の炎だったんだけどね。人間は火を使うでしょ? まあここにいろいろ会社や家族のありかたや、自分の未来っていうものをね、枝葉を付けていくっていう、基本はここからなんだ、っていう意味合いだったんだけど、よく考えてみるとあれは最近は“命の輝き”だって言っているんですよ。

 で、元気ってなんだろう? っていうことを考えていくとなかなか難しいでしょ? これを僕は地球元気村の村長だからいろいろ考えました。元気っていうのはこれ!っていう形ではなくて現象なんですね。今この一瞬に元気が輝く、っていう一瞬のことを言っててね。

 それはやっぱり身体の健康を確保しながら、心が非常に豊かで幸せな時に元気が一瞬光るんですね。その一瞬の輝きこそが元気であって、例えば幸せとか豊かっていう価値観が、例えばですよ。古い人間だから古い言いかたをするけど(笑)高級乗用車をよその家のお父ちゃんが乗っていると、でも自分の家は軽トラ、これで寂しいなって思ったら元気じゃないんだよ。

 物とかそういうものに非常に囚われるから、ありとあらゆる自分を取り囲む生活、境遇の中で豊か、幸せを感じるってことはすごく大事で、その時に身体の健康状態がいいと元気が生まれるんですね。よし、行こう! って前向きなね。だからそこは身体ひとつで幸せに思えなかったり、非常に脆い部分なんだけど、人生っていうのは幸せをなんだろうと考えることも大事だし、元気を抽出するためにはいろんな組み立てがあるからね。そんなことを考えながらやっているんですけどね。

 だから僕らはアウトドアが中心だから自然の中で大いに遊ぼう、学ぼう、っていうわけで、カヌーやっている瞬間が一番楽しかったり、ハイキングやっている時が楽しかったりね。その手法をこの自然という部分をベースに考えているから、自然と人間が関わると遊びが生まれるじゃない? 結局そこで今まで取り組んできたのは結構アウトドアの啓蒙だったんですね。  ただ、アウトドアだけじゃないんだよね。やっぱり自然の中に芽生えたいろんな芸能だとか、郷土の民芸品だとか、そういうものもやっぱり豊かな自然の中に育んだ人間の生きる力だったり、創造性だったり、そういったものの中から常に学んでいこうよと、楽しいんですよ。あんまり楽しすぎて答え出てない(笑)」

小さい頃の経験はすごく大事!

※続いて、地球元気村では、どんなイベントをやっているのか、お聞きしました。

「アウトドアっていうと何を想像しますか? 」

● うーんなんでしょう……。釣りだったりとかカヌーだったりとか、木登りだったりとか。

「そういうのをやってきました」

一同(笑)

風間深志さん

「もう単刀直入にそういうのをやってきました(笑)。ただね、生きることを考えることだから、まあ遊びだけじゃなくてね。例えば狩猟、罠、とか、そういったこともやっぱり考える。その中に生きるための猟ってこともあるし、そういうので他の動物や昆虫とか、そういったものとの共存も大きなテーマですね。僕がいくら言ったって何も変わらないんだけど、人間のひとりとして、そういうことを考える人もいますってことですね」

●どんな方が参加されているんですか? 

「ほとんどね、中心はやっぱ家族が多いですね。まあ大人も子ども、家族が非常に多くを占めるっていうのは、やはり子育てに一生懸命従事している親御さんは、子どもにとっての遊びの環境、学びの環境とか体験っていうのは、どういうものがいいんだろうって真剣に考えているってことなんだよね。

 その人たちがこの地球元気村に来て、自分たち家族以外の人たちと交わること、それからまたそれを教えてくれる人たちに疑問を投げかけて答えを貰ったりとか、そういう学習。あるいは渓流の周りをトレッキングしたとか、石がゴツゴツしたアスファルトじゃない道を歩いた、そこで足が川に落っこちたら、冬だったから随分冷たかったとかね。

 で、凍っている雪のところを歩いたら、すべすべでどうやって歩いたらいいかとか。それはやっぱり、片方は慎重に歩きながらも片方はバッて大胆に踏み出していくっていう、両方があってこそ上手く人間は歩行出来るんだよ、とかいろんなことをやれば学ぶんですよ。やらないと口で言っても分からないっていう部分があるからね。小さい頃覚えた体験は一生覚えているね。

 僕が冒険活動をやってきて、冒険で例えば誰もいない北極の氷のところで、さてどっちに行くんだ、って選んだ時に、こういう時に真価が出るんですよ。誰から教わったんじゃなく僕の感性で、第六感でこっちだ! ってやった方向で、結果僕は死に至らなくて、ある目的を達成してゴールしたのね。

 あの時のひとつひとつの、選択肢の方向をどうやって選んでいたんだろう?って、何が基準だったんだろう?と思うと、これは僕が小さい時からね、僕は山梨県の山村の生まれですよ。山で育ってキジを猟犬と一緒に追っ掛けたりとか、それが春夏秋冬ね、寒い冬と暑い夏があって、その中でなんか俺こっちがいいなっていう風景があって、だから非常に厳しい地獄絵図のような中でも、こっちがいいって選んだ直感は、昔僕が培った経験値に基づいた、ひとつの美学なんですよ。  その美学は何に焼き付けられるかって、幼少の頃からのここまでの体験なんだよね。そうやって人間は体験や経験の中から自分のサバイバルの、煌めき、そういったものを培っていく、だから小さい頃の経験はすごく大事ですね」

土を作るのが農業!

※地球元気村では、農業の体験プログラムも実施しているそうです。

風間深志さん

「農業は、土をいじって、種をまいて、土を被せて、肥料をやって、水をあげて、ひとつの生命、生き物が出来上がるっていう、植物という生き物を種から育てて食する立体感を感じてほしいね。

 スーパーに行っていくらだったとかっていうことじゃなくて、自分が育てた食べ物ね、生き物と接するってことがすごい大事なんですね。

 僕たちはほかの生き物を自分たちの身体の中に入れて、自分たちは生きているんだと。つまりお互い様のひとつの食物連鎖とかあるでしょ? 

 農業をやることは、ナスを育てるキュウリを育てるっていうだけが農業じゃなくて、もうちょっと深いところ、例えばナスやキュウリやトマトは自然になるんだよね、自然に付くんですよ、実。ちゃんと日光があって水分があればね。

 それは俺が作ったんじゃなくて、もとを正せば土壌、土は全て微生物の塊です。何十億の生命の中でその種が生まれた。だからナスが勝手になったんだよね。そのナスがなるような環境を人間が整えるっていうことが農業であって、トマトを作ることが農業じゃないんだよね。土を作ることが大事だってことをやってみると学ぶんですよ。
 だからこの地球は全て自分たちのためにあって、全てのものの生み出すもとなんだよね、だから杉も松も一個一個の名前っていうものは大事だけど、それ以前にもっと大事なものは自然っていう大きな生き物のもとになるやつね、こういったものを考えるのも面白いですよね」

夢はエンドレス

※最後に、冒険を続けるモチベーションはどこからくるのか、うかがいました。

風間深志さん

「言っちゃいけないけどフェミニストではないけども、自分を好きであることね。自分自身の夢を大切に思う気持ちがやっぱりその夢の先にある想像性とかね。夢ってのは捨てられないわけよ、夢を諦めきれないわけ。

 だから絶対やりたいなというポジティブさだね。ポジティブっていうのはいたずらにポジティブになれないんだよね、やっぱり夢でしょ、もっとやるぞ! っていう今よりさらに、っていう何か、まぁそういうことなんだよね、それが冒険屋さんとか、アグレッシブにバイタリティを持って歩む人のひとつの共通項はその辺だと思うね」

●風間さんの夢はなんですか?

「夢? 夢はですね、僕はもう何年か夢を持ちながら実行できていない夢が南極点に障害者たちを連れていって、それも全世界のありとあらゆる国々の人たちと一緒に南極点まで行って、イェイ! イェイ! ってやりたいわけ(笑)。

 それが出来ていないからそれもあるし、僕自身の頭の中でもちろん諦めちゃった夢もありますよ。僕はバイクで一生今まで走ってきましたよね。それはバイクに乗ること自体を楽しんでいるんじゃなくて、バイク=俺は何を目指しているのか、地平線を目指している、地平線をどこまでも手繰り寄せていくんだっていうこと。

 僕のスタイルはバイクを使った旅のスタイルになっているでしょ。その先に見た夢は、月をバイクで走る。僕はこれは出来ていないんですよ。空間を手繰り寄せていく旅人は結局宇宙空間に行くんですね。人間がやっぱり宇宙空間にひとつの未来を見つめるってのは正しい、あっているひとつのベクトルなんだよね。
 やっぱり僕も、たかがバイクでも月を走りたかった、でも月を走ってもその先に見えるものは、太陽系を離れて銀河の中でまた銀河を眺めて、その銀河をさら違う星雲の中から眺めるっていうわけでね。究極、夢というのはエンドレスですね。そこに至ればまた次の夢が見えるんですよ。だからこれはね、遠大なひとつの生命活動だね」


INFORMATION

風間深志さん情報

 NPO 法人「地球元気村」では今年も風間さんの出身地、山梨市ほかで、アウトドアでの体験イベントや、畑での作物づくりなどを実施する予定です。

 また「地球元気村」の活動を支えてくださる村民を随時募集しています。ビジター村民で500円、個人村民で2000円、家族村民で3000円、村民になると年4回の季刊誌が届くほか、元気村イベントの参加費が割引になる特典もありますよ。

 詳しくは「地球元気村」のオフィシャルサイトをご覧ください。

・地球元気村のHP:https://www.chikyu-genkimura.com

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