毎回スペシャルなゲストをお迎えし、自然にまつわるトークや音楽をお送りする1時間。
生き物の不思議から、地球規模の環境問題まで幅広く取り上げご紹介しています。

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ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
地球が危うい!〜足るを知る。バケツ一杯の水!?〜

2020/4/18 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、奇跡の一枚をきりとる自然写真家「高砂淳二(たかさご・じゅんじ)」さんです。

写真提供:高砂淳二
写真提供:高砂淳二

 高砂さんは1962年、宮城県石巻市生まれ。ダイビング雑誌の専属カメラマンを経て、1989年に独立。世界中の国々を訪れ、精力的に撮影を行ない、これまでに数多くの写真集を発表。昨年は「水」をテーマにした写真集『PLANET of WATER』を出されています。
 そんな高砂さんの新刊が先頃、山と渓谷社から出版した『光と虹と神話』。この本は、これまで訪れた100カ国以上の中から選りすぐった34カ所で撮った写真と、その場所で感じたことを書き下ろした、集大成的フォトエッセイ集で、各地で目の当たりにした自然環境の変化にも言及しています。
 今週は、これまでの集大成とも言える新刊をもとに、とっておきの体験談などうかがいます。

僕らも生きていけない

※まずは今回の新刊で特にどんなことを伝えたいのか、高砂さんにお話をうかがいました。

「一番、僕の中ではやっぱり人がね、今の生活はどんどん豊かになって、物も作って、買って消費して捨ててっていう、そういうサイクルに入っちゃっていますよね。それがいかに影響を及ぼしているかってことも自分自身も反省しているし、なんとか変えていかないと僕らも生きていけない世の中になるっていうのが自分の中では一番大きいですね。他のことも伝えつつそれを一番感じてもらえるように形を整えていきたいなっていう風に思って作りました」

●やはり多くのフィールドを見てきた高砂さんですけれども、現在、自然が置かれている状況は、はっきり言っていい方向ではないよっていうことですよね?

写真提供:高砂淳二

「いい方向ではないですよね。温暖化もずっと叫ばれていますけれども、かなり酷い状況になっていますね。僕がグリーンランドや南極、カナダの流氷のあるところとか、いろんなところに行って撮影していますけれども、その辺がここのところ(温暖化の影響が)顕著に現れているっていうのも目の当たりにしていますし・・・。
 あとはプラスチックのゴミがどこ行ってもありますね。以前は自然が飲み込んでくれていたような感じがしましたけれども、今はもう飲み込みきれなくて突っ返されて、海岸線にどんどん戻されている感じがあってですね。生き物もどんどん(プラスチックごみの影響で)死んじゃっていますからね。それをなんとかしたいなと思って、自分でもやっぱり生活の中でプラスチックの物を買わないようにしたり、なんとか他の物で代用したりとかしています。そういうこともちょっとずつ話が出来たらいいなとも思っていますね」

自然からのプレゼント!?

※高砂さんの新刊『光と虹と神話』には選りすぐりの写真がたくさん掲載されています。その中にあるオーロラの写真についてお話しいただきました。

写真提供:高砂淳二

「あのオーロラの写真は、湖の前で撮っている写真で、湖にオーロラがそのまんま映っていたと思うんですけれども。普通オーロラっていうと寒い、雪と氷の中で見ているって印象があると思うんですけれど、実は、オーロラっていうのは実際、年中出ているんですよ。

 寒いところだと夏場は白夜になっていて、暗くならないのでオーロラが見えないんですね。僕が(オーロラの)写真を撮ったのはだいたい9月ぐらいで、白夜がちょうど終わって短い夜が始まった頃なんです。なので、まだ寒くなくて、湖も凍っていない時に快晴の空にオーロラが出て、それで静かな日だったので、水面にそのまんま鏡のように映ったと、そういう神秘的なシーンでしたね。

 そういうものって、オーロラだけじゃないんですけれども、たまに自然のいろんな条件がピタッと一致して“うわ! こんな状況が現れるんだ!”っていう、プレゼントみたいな時があるんですね。そういう時に“信じられない写真が撮れちゃった!”ってことがありますね」

●高砂さんの写真は、アザラシだったりペンギンだったり、生き物たちがとても近くに感じられたんですけれども、写真を撮る時、なにか心がけていることはあるんですか? 

写真提供:高砂淳二

「相手が生き物の時はやっぱりなるべく向こうの気持ちを、目とか仕草を見て、読むようにしています。向こうが嫌がっていると、さっさと逃げちゃう場合もあるし、あとは逃げないまでも表情が固くなったりとか、普段の生活、普段の仕草じゃなくなっちゃったりとかね。そういうこともあるので、なるべく向こうが安心している、もしくは警戒心よりも好奇心のほうが強い状況にできればしたいんですよね。

 なので怖がらせないように、その上でもしできるんであれば、向こうの気を引いて、なんだこのおじさんみたいな(笑)感じの気持ちになってくれると近寄ってくれたりとかする場合もあるんですよね。向こうの様子を見ながら、警戒心を解いて好奇心をなるべく膨らませてもらえるように撮影するっていうのを心がけていますね」

<プラスチックごみ問題>

 今週のゲスト「高砂淳二」さんもとても危惧されている世界的なプラスチックごみの問題。レジ袋やペットボトルなどの原料のプラスチックは自然分解されにくく、捨てられたプラスチック製品は風に吹かれ、川に流され、最終的に海を漂います。
 ビニール袋を、好物のクラゲと間違えて、ウミガメが飲み込み、犠牲になっていることを以前から指摘されていますが、他にも海鳥やアザラシ、イルカなど多くの生き物にも影響が出ています。もっと厄介なのが、波や紫外線で細かく砕かれ、およそ5ミリ以下になった「マイクロプラスチック」。最近の研究では魚からマイクロプラスチックが見つかり、問題となっているんです。

 プラスチックごみは推定で毎年およそ800万トンが海に流出し、2050年には海洋中の魚の重量を上回るとの試算もあり、対策が急がれています。
 今年7月からレジ袋の有料化が義務付けられます。これに先立ち、今月1日からレジ袋を有料にした店舗も多く、「エコバッグを持ち歩くようになった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そもそもなぜ義務化されるのか、経済産業省によりますと、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすること」を目的としているとのことです。エコバッグやマイボトルを使うなど、まずはできることから始めて、ライフスタイルを少しずつ見直していくことが大切ですね。
 プラスチックごみを増やさない。そのためには、なるべく、すぐごみになるものは買わない、もらわない、そんなことを心掛けたいと思います。

進化はすごいシステム!

※高砂さんは生き物たちのどんなところに魅力を感じているのでしょうか。

写真提供:高砂淳二

「たくましさもあるし、それから例えばマダガスカルなんかだと、生き物のほとんどが固有種なんですね。なぜかと言うと、マダガスカルっていうところは大陸に属したことのないところで、生き物がすごくユニークなまんま、その場所に合わせて進化してきているんですね。そういうのってなんか普通に考えてもたくましいなーと思いますよね。

 必要のないものはどんどんと削ぎ落とされて、それで必要とするものはだんだん身に付けていく、そういうのって何千年、何万年かけてそういう風になっていくわけです。このツノが欲しいとかこのトゲが欲しいとか、もうトゲがいらないとかって思って、それがずーっと続いていくうちに身体になって現れていくっていうのはすごいシステムだなと思っています」

●確かにそうですね!

「そういうのもダイナミックですよね」

バケツ一杯の水で充分!?

※最後に、ミクロネシアの小さな島での体験談をお話しいただきました。

「昔、トラック諸島って言いましたけども、そこにジープ島っていう島がありまして、だいたい直径が34メートルの、ヤシの木が20本くらい生えているだけの島なんですよ。そこは無人島じゃないんですけれども、現地のご夫婦が管理人として住んでいて、小屋がふたつ建っているところなんですね。

 僕らみたいな旅行者が一応泊まれるようになっていて、そこにはもちろん水道もなければ電気もなければ電波もきていないし、何もないんですね。そういうところで例えば人間が住むのに必要な水はどうするのかっていうと、雨水を貯めておくバケツが置いてありまして、そこに貯まった水の中から小さいバケツに採って、それをひとりバケツ一杯使うことができるっていうシステムになっているんですね。

 バケツ一杯で、歯を磨いて顔を洗って、それで身体を洗ってパンツも洗うみたいな感じなので、順番を考えてやらないといけないんですね。最初にパンツとか洗っちゃうと他にあんまり使えなくなっちゃうので(笑)、最後にパンツを洗って、それを頭から被ってシャワーにして寝るみたいな感じですけれども」

高砂淳二さん

●へぇー!

「だけどやってみると、意外にバケツ一杯の水っていうのは結構あるもんだな、これで充分いけるんだみたいな感じもありますね。
 これって不思議なものでね、日本に暮らしていると本当に湯水のようにって言いますけれど、シャワーなんかボンボンとバケツ何杯分使うのか分からないくらい使いますよね。でも、こうやって工夫すると水もこれだけで済むんだっていうことを感じますね。

 あとはチュークの人たちっていうのはそもそも仕事を持っていない人が多いんですね。南の島なので暖かいし、その辺にバナナとか植えておけばすぐにバナナもなったりとか、あとはパパイヤとかそれからパンの木とかもその辺に生えていたりとか。海に入れば魚が泳いでいるじゃないですか。なのでほとんど自給自足的な生活をしている人のほうが多いらしいんですね。

 若い人が獲った魚をお年寄りに分けてあげたりとか、畑のある人がなんか採れたものをそういう人たちにあげるとかね、そんなことで暮らしているので、例えば一生懸命ビジネスをやっている人とか営業している人みたいに、お世話様です〜とかなんかすごく気を遣ったり、そんなことをする必要もなくて。当たり前に物が採れて豊かだし、やっぱり余裕があるって言いますかね、食っていければいいじゃないみたいなところがあるんだな、それでいいんだよねと。

 実際でも日本だって本当はその辺に何か植えておけば、ちゃんと食べられるようなものも生えるし、季節になると魚もカツオとか泳いできたり、わざわざ脂のせて泳いで北から降りてきてくれる時もあれば、潜ったら貝も引っ付いているしとかね。

 元々はやっぱりこの地球って、その土地その土地でちゃんと生き物が暮らせるように食い物が、それから薬になるようなものも、ちゃんと生えているっていうのを改めてチュークに行って感じましたね。もっと自分の場所で生えているものとか、もしくはそこになくても自分でベランダででも育てて食べられるよね、とかね。そういうのも感じましたし、実際そういうこともあって僕は今、自分の家の小さなベランダでいろんな野菜を育てています」

●そうなんですか! 

「はい! それでかなり今、野菜は買わないで自分のところでなったやつを食べているんですよ。 それでスーパーでビニール袋に入った野菜も買わないでも済むし」


INFORMATION

高砂淳二さん情報

『光と虹と神話』

光と虹と神話

山と渓谷社(1800円+税)

 高砂淳二さんの新刊『光と虹と神話』は山と渓谷社から絶賛発売中です。高砂さんがこれまで撮影で訪れた100カ国以上の中から、選りすぐった34カ所の写真と、そこで感じたことが書かれています。ぜひ読んでください。

●山と渓谷社HP:
https://www.yamakei.co.jp/products/2819020490.html

 高砂さんのオフィシャル・サイトには本の情報ほか、
これまで発表した写真や近況なども載っています。ぜひご覧ください。

●高砂淳二さんのHP:
http://junjitakasago.com/blog

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