毎回スペシャルなゲストをお迎えし、自然にまつわるトークや音楽をお送りする1時間。
生き物の不思議から、地球規模の環境問題まで幅広く取り上げご紹介しています。

Every Sun. 20:00~

2020年7月のゲスト一覧

2020/7/25 UP!

◎和田孝志(ふなばし三番瀬環境学習館 副館長)『学びの場を届けたい! 〜ふなばし三番瀬環境学習館の新ワークショップ!〜』(2020.07.25)

◎宮内幸雄(銚子海洋研究所)『クジラが教えてくれた 〜銚子の海をみんなで綺麗に!〜』(2020.07.18)

◎森下典子(エッセイスト)『日本の心「茶道」 〜茶室で感じる季節の移り変わり〜』(2020.07.11)

◎増田隆一(北海道大学大学院・教授)『ヒグマは豊かな自然の証 〜ヒグマを通して自然との付き合い方を考える〜』(2020.07.04)

学びの場を届けたい! 〜ふなばし三番瀬環境学習館の新ワークショップ!〜

2020/7/25 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、「ふなばし三番瀬(さんばんぜ)環境学習館」の副館長「和田孝志(わだ・たかし)」さんです。
 ふなばし三番瀬海浜公園の中にある環境学習館は三番瀬の魅力を体感しながら、干潟や環境について楽しく学べる施設だそうです。
 きょうは副館長の和田さんに東京湾に残る貴重な干潟「三番瀬」の生き物や生態系、そして、工夫を凝らした新しいタイプの参加型ワークショップについてうかがいます。

☆写真提供:ふなばし三番瀬環境学習館

ふなばし三番瀬環境学習館
ふなばし三番瀬環境学習館


ふなばし三番瀬環境学習館内の展示
ふなばし三番瀬環境学習館内の展示

生き物たくさん、三番瀬!

※それではまず、どんな施設なのか、和田さんにうかがいました。

「当館は2017年からですから、3年ちょっと前に開館したばかりのまだまだ新しい施設なんですが、この施設がある三番瀬という場所、東京湾のいちばん奥にある一般の方が入れる干潟で、それが目の前に広がっている、海と環境について学べる学習館でございます。特に三番瀬という干潟と、そこに生きているいろいろな生き物についての展示がたくさんございます」

●屋外でのイベントですとか、ワークショップもされているんでしょうか? 

「すぐ目の前が海でございますので、干潟に出て生き物を探したり、干潟に集まる野鳥ですね、たくさん野鳥が集まりますので野鳥を探したり、干潟ならではの植物を探したり、あとは夜になると東京湾、南のほうが開けていますので、星もよく見えるんですね。なので観望会なんかもやっています」

三番瀬干潟
三番瀬干潟


●日本の重要湿地500に選定されているんですよね?

「東京湾全体で湿地として登録されているんですが、この近辺は絶滅の恐れのある野生の動物が結構いますので、例えばコメツキガニであるとか、オサガニであるとかマメコブシガニですね。そういうものがこの干潟では結構普通に見られるんですね。
 あとはシギやチドリといった渡り鳥なんかもたくさん来ますので、そういう意味でもかなり重要な場所だという風に考えています」

●ホームページを拝見したら三番瀬図鑑ということで、たくさんの生き物たちが載っていました。本当に様々いるんですね! 

「そうですね。いちばん目につくのは鳥なんですけど、それ以外にも、干潟の砂の中にもたくさん生き物がいます。先ほどご紹介したカニの他にも貝、例えばアサリやマテガイなどの二枚貝、あとはよく釣りの餌に使われるゴカイの仲間、それからヤドカリやエビの仲間などもいますね。
 そして冬になりますと、そういう生き物を食べるために渡り鳥がたくさん渡ってきます。東京湾の中でも野鳥観察で結構有名な場所で、特にミヤコドリと呼ばれる鳥は日本では三番瀬がいちばん多く見られるんじゃないかと思います」

●じゃあ1年中、いろいろな生き物を見ることができるということなんですか? 

「そうですね。夏は干潟の生き物、そして冬は鳥の渡りが楽しめると、そういう場所になっています」

コメツキガニ
コメツキガニ


ホンビノスガイ
ホンビノスガイ


マメコブシガニとアサリ
マメコブシガニとアサリ


ミヤコドリ
ミヤコドリ

一度は消えた三番瀬!?

※いろいろ生き物が生息する貴重な干潟「三番瀬」には今の私たちがあまり知らない、こんな歴史があるそうです。

「随分昔、江戸時代の頭に、江戸幕府から特別に御菜浦(おさいのうら)という免許をいただきまして、ここで採れたお魚の類は全て江戸幕府に献上されていたという時期もありますね。
 そのあとはやはり高度成長期に入って、海は一旦ちょっと汚れてしまうわけなんですが、実はこの三番瀬も一度干潟がなくなってしまったんですね。船が通るための航路を作るために掘り返されてしまいまして、なくなってしまったんですが、そのあと改めて埋め戻されて、野生の生き物たちが戻ってきたと、そういう状況です」

●本当に高度成長期に東京湾の干潟がどんどんなくなってしまっていますけれども、そういう意味でも三番瀬って本当に貴重な場所なんですね。

「そうですね。多分、東京湾の中で人が自由に出入りできる干潟としてもかなり珍しいと思います。三番瀬全体、広さとしてはだいたい1800ヘクタールぐらいあるんですが、この中に生きている生き物たちが、例えば貝類とか、そういう生き物が東京湾の水をろ過して、綺麗にしていますので、そういう意味でも東京湾の中で三番瀬の重要性というのは大変大きいものだと思います」

シロチドリ
シロチドリ


ハマシギ
ハマシギ


ハマシギの飛翔
ハマシギの飛翔


<干潟とは&日本最大、世界最大の干潟>

 きょうは、ふなばし三番瀬環境学習館の副館長・和田孝志さんに、東京湾のいちばん奥に残る貴重な干潟「三番瀬」についてお話をうかがっていますが、そもそも干潟とは、干潮時に潮が引いて海底が露出する浅瀬で、河川などが運んできた土砂が、海岸や川の河口部などに堆積してできます。

 日本の干潟の90%以上は千葉県より南の本州の太平洋側と四国、九州に分布し、沖合まで広がる「前浜干潟」と、河口内の静かな水域周辺にできる「河口干潟」、そして湾状の水域に形成される「潟湖(かたこ)干潟」の3つのタイプに分類されます。干潟には多くの水生生物が暮らし、魚の産卵場所になったり、孵化した稚魚が育つ場となっているほか、水中の有機物を分解するなど、水の浄化にも大きく役立っています。

 川から有機物が運ばれ、海からはプランクトンが供給されるため、それを栄養に貝や小さなエビが育ち、それらは魚や海鳥の獲物になる、まさに「海のレストラン」状態、そして、この食物連鎖の過程で水や砂、泥に含まれる余分な有機物も分解され、「巨大な浄化槽」とも言うべき役割を果たしているんです。

 ちなみに日本最大の干潟があるのは、ご存じ九州の有明海。福岡、佐賀、長崎、熊本の4県にまたがる大きな湾の沿岸部は、海苔の養殖やムツゴロウ、ワラスボといった珍しい生き物で知られています。先日の九州の豪雨で有明海にもかなりの流木やガレキが流れ込んでいるそうで、生態系や漁業への影響が心配されます。

 一方、世界で最も広大な干潟があるのはドイツ、オランダ、デンマークの3カ国にまたがるワッデン海。総面積は有明海がおよそ188平方キロメートルなのに対し、こちらは1万1000平方キロメートルといいますから、ケタ違いです。
 3200種類もの生き物が生息する自然の楽園で、干潮時には干潟の奥まで歩いて行ってアザラシの群れにも出会えるそうですよ。これは行ってみたいですね。

新しいワークショップ

三番瀬干潟の夕景、富士山
三番瀬干潟の夕景、富士山


※新型コロナの影響で、以前のようなワークショップは残念なんですけど、できなくなってしまいました。そんな中、環境学習館のスタッフの方たちのアイデアによる、工夫を凝らした新しいワークショップを今月からスタートさせるそうです。いったいどんなタイプのワークショップなんでしょうか。

「私たちは新しいワークショップの形として3つの提案をしております。ひとつはリアルタイム型のオンラインのワークショップですね。テレビ会議のシステムを使いまして、参加者の皆さんと私たちが直接、リアルタイムで繋がってやりとりをするという形のワークショップが、まずひとつございます。
 当館は生き物の仕組みを知るためのワークショップなどをやっているんですが、お客さんはお客さんでお魚やエビや貝、そういうものを用意していただいて、私たちも同じものを用意して、手元で一緒に生き物に触りながら、その仕組みについて学ぼうというワークショップですね」

●リアルタイムだったらその場その場で質問なども受け付けていただけるんでしょうか? 

「はい、もちろん途中途中に質問コーナーも挟みますし、お互いに相手の顔を見ながらワークショップができますので、ちょっと疑問に思ったこととか、あとは参加者の皆さんが“ちょっと見てみて〜!”っていう感じで、自分の、例えば魚やエビを画面上でアピールしたりだとか、そういうのを私たちが見ながら、それにお答えすることもできます。

 その他にもオンデマンド型ワークショップという形で、これはYouTubeなどで動画をよく公開されているんですが、それと同じように私たちも、こちら側であらかじめ準備したコンテンツをYouTubeなどの動画サイトにアップロードして、それをご覧いただきながら工作などを楽しんでいただくというようなワークショップがございます」

●どんな内容なんですか? 

「そうですね。この7〜8月は工作が多いんですが、レジ袋が有料化になりましてエコバッグが話題になっていますので、古着を使って簡単にできるエコバッグ作りを、まずはやろうと考えています。そして3つ目が野外ワークショップですね」

●それはどういったものなんですか? 

「やはり三番瀬ですから生き物の観察をしたいわけなんですが、このコロナの環境の中でやはりたくさん参加者が集まってっていうのはなかなか難しいので、参加者にグループごとにトランシーバーを貸し出して、少し距離を保ちながら解説員がしっかりと解説をするという形で、自然観察を続けていこうという風に考えています」

●無線でやりとりをするっていうことなんですね? 

「はい、そうです! 」

●確かにそれは距離も保たれながら、ちゃんと観察もできますね! 

「やはり三番瀬に来ていただきたいという気持ちは、(当館のスタッフ)みんな持っているんですけど、不安なところもありますので、それを解消しながら、かつ今まで通り学びのチャンスを皆さんに差し上げたいなという風に考えています」

参加者に説明をしている和田孝志さん
参加者に説明をしている和田孝志さん


学びの提供、さらに

※新しいタイプの参加型ワークショップを作り上げるまでには、いろいろ苦労もあって、きっと大変だったのではないでしょうか。

「そうですね。当館も実は今年の2月の末から6月の頭まで施設を全部休館、職員も全員テレワークということで、(施設等の)管理に出てくることができませんでした。その間、やはりいろいろ私たち自身が干潟に出ることができないっていうストレスもあったんですね。そんな中で、ではどうやってこの環境の中でも、今までになるべく近い形でサービスを提供できるかと、打ち合わせを重ねまして、最終的にまずはこの3つでスタートしてみようという形になりました」

●いちばん心がけていることですとか、注意すべきところっていうのはどんなところですか? 

「いちばん大切なのは、やはり私たちの施設の目的である学びの提供ですね。干潟について学んでいただくということを決しておろそかにしないこと。これを今まで通り、環境がどのように変わっても同じように提供していくと、それをいちばんの注意点としてみんな心がけております」

●自宅にいながら家族みんなで学べますよね! 

「そうですね。特に今まで干潟って、海のそばですのでバスなども本数が少なく、なかなかお越しいただけなかった遠方の方からも、今回の新しいワークショップについてはお申し込みたくさんいただいています。距離に関わらず、海について、それから三番瀬について、環境について学べるような新しいチャンスが、ここに生まれたんじゃないかなという風に考えています」

●今後もっともっと新しい展開がいろいろと期待できそうですね! 

「はい! これからもアイデアを尽くして、できるだけ元の環境よりもさらに進んだ形で皆さんにいろいろなサービスを提供できるように工夫していきたいなと思っています!」


INFORMATION


ふなばし三番瀬環境学習館 情報

「ふなばし三番瀬環境学習館」では、今月から新しい3つのタイプのワークショップを始めました。WEB会議のツールを使った「リアルタイム・オンライン・ワークショップ」、YouTubeに動画を公開する「オンデマンド・ワークショップ」、そしてトランシーバーを使った「野外ワークショップ」の3タイプ。

「クラゲランプを作ろう」や「生きもののしくみを知ろう」、「干潟の生きものを探そう」そして「天体観望会」など面白そうなワークショップが盛りだくさんです。参加方法など詳しくは「ふなばし三番瀬環境学習館」のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎ふなばし三番瀬環境学習館のHP:https://www.sambanze.jp/facility/museum/

オンエア・ソング 7月25日(土)

2020/7/25 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. 渚のバルコニー  / 松田聖子

M2. 潮騒  / 山下達郎

M3. RIGHT BACK IN THE WATER / JESSE McCARTNEY

M4. TIME AND TIDE / BASIA

M5. 糸 / 菅田将暉×石崎ひゅーい

M6. BRAND NEW START / PAUL WELLER

M7. スタートライン〜新しい風 / 馬場俊英

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

クジラが教えてくれた 〜銚子の海をみんなで綺麗に!〜

2020/7/18 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、銚子海洋研究所の「宮内幸雄(みやうち・ゆきお)」さんです。

 銚子生まれの宮内さんは、犬吠埼マリンパークの元スタッフで生物飼育のエキスパート。イルカやアシカのショーなども行なっていたそうです。在職中に地元の漁師さんから、銚子の海にはたくさんのイルカやクジラがいると教えてもらい、初めて漁師さんの船で沖に出たところ、800頭ほどのカマイルカに遭遇し、大感動! その後、休みをもらっては沖に出て、イルカやクジラの調査を続け、その種類と数に驚き、当時としては珍しいウォッチング・ツアーをマリンパークの仕事として始めたそうです。その後、独立し、22年前に銚子海洋研究所を設立。現在は奥様と二人三脚で、イルカやクジラを見るツアーを行なっていらっしゃいます。

 きょうはそんな宮内さんに銚子沖で見られるイルカやクジラのお話ほか、来月から始める漂流ゴミの回収活動についてうかがいます。

☆写真提供:銚子海洋研究所

フリッパー号
フリッパー号

ザトウクジラ
ザトウクジラ

銚子の海はイルカ、クジラの楽園!?

※銚子沖ではどんなイルカやクジラが見られるんですか?

「今のところは20種類のイルカ、クジラは確認できているんですけども、特に銚子の場合はですね、種類から言ったらカマイルカとか沿岸性のスナメリという本当に小さなイルカとか、後はスジイルカとかマイルカとか、結構な種類が見られるんですね。大きなクジラになってきますとマッコウクジラ、ザトウクジラ、ツチクジラがだいたいメインですね」

●どうして銚子沖にそんなたくさんの種類のクジラやイルカが見られるんでしょうか? 

「カマイルカとかスナメリとかマッコウクジラもそうなんですけども、銚子の海で出産して育児して、なおかつ基本的に銚子の海ってのは餌となる魚が多いんですね、豊かな漁場ですので。ですから出産した後、子育てをするにも、基本的にはイルカやクジラは母乳ですので、お母さんの母乳にも困らない、餌が豊富ですから。出産と育児の場でもあるということですね」

●ほかの海に比べて銚子の海は居心地がいいというような感じなんでしょうね?

「そうだと思うんですけどね。銚子っていうのは北からくる親潮、南からくる黒潮が向かい合っている場所なんですね。ですから極端にそんなに水温は高くないし、極端に低くもない温暖な海域ですので出産には適していると。なおかつ餌がそこは集まる場所ですので、餌も豊富だということで、結構彼らにとっては居心地のいい場所だと思うんですけどね」

1年中、出会える!?

スナメリ
スナメリ


※銚子海洋研究所で行なっているクルーズ船によるツアー、具体的にはどんなウォッチング・ツアーなんでしょうか。

「ウォッチングってひとくちに言いましても、イルカを見る場合と、大型のクジラをウォッチングする場合があるんですね。ですからイルカウォッチングとホエールウォッチングは期間が決まっているんですね」

●例えば、イルカだったらどんな感じですか?

「イルカですと、例えば今7月ですけども、6月から10月までは本当に目の前にスナメリというイルカがいるんですね。スナメリは沿岸性のイルカで、ご存知の方は結構います。例えばサーファーの方も結構見ているし、すごく近い場所にいるんですよ、定住しているんですね。
 そのスナメリたちがほかの海域から集まってきて、銚子の海で出産するんですね。で、出産と育児に入るもんで、結構の頭数がここで見られるんですよ。特にこれから7月、8月はピークですね。そういう風にして今の時期だとスナメリを見ています。

 11月から年明けの2月までは大型のクジラ、ホエール・ウォッチングに今度は変えるんですね。マッコウクジラとかザトウクジラとかツチクジラ、そういうのを見ているんですね。それがだいたい2月頃までで彼らも移動するんで、移動すると次に来るのがカマイルカというのが北の方から来ます。途中で出産したり銚子で出産したりします。そうすると3ヶ月は沖にいるカマイルカのウォッチングに入るんですよ。ですから1シーズンでだいたい今言ったように3パターンのウォッチングのシーズンがあります」

●ほぼ1年を通じて、クジラやイルカを見て楽しむことができるんですね! 

「そうですね。特に2月、3月はイルカだけじゃなくて、キタオットセイが北のほうから越冬に来るんですね、子連れで。カマイルカと一緒にいます。ですから、そういうシーンもウォッチングすることができるし、2月、3月は寒そうなイメージがありますけどね。やはり自然の海ですから、我々もこの自然の海にお邪魔するわけですから、多少寒くても楽しいですよ! 

 今言ったカマイルカって種類、北から来るのがだいたい毎年3月あたりから始まるんですけども、多い時には1,000頭います。この銚子海洋研究所を始めてもうかれこれ22年経つんですが、当初の頃は結構多かったですね。多い時は3,000頭くらいいました。もうね、凄いですよ(笑)。海にバーッと船で出て“あ、いた!”って言うじゃないですか。で、(船で)バーって行くともう群れに入っちゃう、群れに囲まれちゃう感じですね」

カマイルカの大群
カマイルカの大群


<イルカ・クジラの基礎知識>

 突然ですが、イルカとクジラの違いって、ご存じですか? どちらも海で暮らす哺乳類ですが、全長がだいたい4メートルより大きいものがクジラで、それより小さいのがイルカ、そう、違いは体の大きさだけ、なんです。
 クジラもイルカも「クジラ目(もく)」に属し、「ヒゲクジラ」と「ハクジラ」に分けられて、ハクジラのうち全長4メートル未満のものがイルカなんです。ただ、4メートルより大きいシロイルカやシャチもいるので、そこまで厳密に決まっているわけではないみたいです。

 ヒゲクジラは口の中のヒゲ状のものでプランクトンなどをこして食べていて、地球上最大の生き物とされるシロナガスクジラなどがいます。一方、ハクジラはその名の通り歯があり、魚やイカなどを食べます。現在、確認されているクジラ目は84種類で、日本周辺の海にはこのうち40種類ほどが生息しているようです。

マッコウクジラ
マッコウクジラ


 きょうのゲスト、銚子海洋研究所の宮内幸雄さんのお話に出てきた、銚子沖でよく見られるザトウクジラ、マッコウクジラ、ツチクジラ、スナメリ、カマイルカのうち、ザトウクジラ以外はハクジラです。
 ザトウクジラは胸ビレが特に大きいのが特徴で、「ブリーチング」と呼ばれる大きなジャンプをします。マッコウクジラは潜水が得意で、水深1000メートルくらいは平気、およそ1時間も息つぎせずに潜っていられるんだそうです。
 ツチクジラは口の部分が比較的長く、ふくらんだ頭部と小さな背びれが特徴。スナメリは背びれがなく、なめらかな体つきの白っぽいイルカ。そして、背びれが草を刈る「鎌」の形に似ていることから、そう呼ばれるカマイルカは群れで生活し、ジャンプなどアクロバティックな動きをよくするそうです。

 水族館で見るイルカたちも本当にかわいくて大好きですが、実際に銚子の海でイルカやクジラを見ることができたら、きっと感動するでしょうね〜。

クジラに赤いロープが・・・

赤いロープが巻きついたツチクジラ
赤いロープが巻きついたツチクジラ


※宮内さんは来月から海に漂うゴミを回収する活動を始めるそうです。何かきっかけがあったのでしょうか。

「今までは確かに海に出ても、ちらほらとゴミははっきり言ってよく目にしていました。その時は目の前にイルカやクジラがいると、どうしてもチラってゴミがあったとしても、目の前にクジラやイルカがいると、ドーッて船で行っちゃうわけですね。ついついそういうことを見過ごしたっていうか、そういうことだったんですけども。

 実は去年の11月、ホエール・ウォッチングが始まるっていう時に、ウォッチングに出たんですよ。お客さん何人かいましてね、普通に(船で)バ〜ッて行ってその海域に着きました。その時に、プシューってご存知のようにクジラですからブロー(息継ぎ)をするのが見えたんですね。あ、クジラだ! っていうことで船を近づけたところ、なんかそのクジラがおかしいんですよ。

 おかしいっていうのは頭から首にかけて何か赤いんですね。ツチクジラっていうクジラなんですけども、何かいつもの彼らの動きじゃないんですね。どうも変だなってことで、船をどんどん近づけていくと、おっと待てよ、ロープじゃないかと、本当にもう太いロープですね。ツチクジラって大きさが10 メートルから 12 メートルあるんですよ。それを首に巻いているもんで、相当太いロープなんですね。

 それを見て肝心のクジラもね、泳いではいるんですけども、潜ってはすぐ浮上、潜っては浮上、もうゆらゆら泳いでいるわけですよ。どう見てもちょっと泳ぎがおかしいと。俺も22年、海に出て水族館時代から入れたら、かれこれ30年近く見ていますけども、初めてですね。人間の出したものが動物に付いているとか、なんか不都合なことを起こしているっていうのを初めて見たもんで、これはちょっとなぁってことで、本当にショックでしたね。

 その帰りの道中に思いましたね、これじゃいけないなと。本当にあんな大きなロープは別にして、よく見たら昔からゴミ浮いてんじゃねえかと。自分はこれまで海に生かしていただいていますので、イルカやクジラをウォッチングして、自分だけいい気持ちになって帰ってきていいのかな? っていうことをしみじみ考えながら帰ってきました。

 よしこれはもう何かしないといけないということで、自分たちでできること何かなって考えたら、浮いているゴミすくえばいいじゃん。少しでもすくえば、少しでもね、微々たるもんですよ。ただそうすることがやはり陸上にも流れ着きますからね。ですから、そのクジラのロープの一件以来、自分を本当に思いっきり起き上がらせてくれましたね。

 22年、水族館時代からいれたら30年、自分は本当に海にお世話になって、海でずっと生かしてもらっています。ですから、その思いだから今度は逆に少しは恩返しじゃないですけども、できることはこれからやっていこうと、自分のこれからのライフワークです」

見る、知るは大事!

銚子海洋研究所の「宮内幸雄」さん

※最後にゴミの回収活動の具体的なお話をうかがいましょう。今後、どんな風にやっていくのでしょうか。

「まず月に1回はゴミの回収日っていうのを決めます。その回収日に事前に参加者を募集して、特に考えているのは親子ですね。お父さんと子供さん、お母さんと子供さんっていうような親子を対象にしているんですね。
 やはり子供たちにも実際、海に出てこんなゴミがあるっていうことを知ってもらうことも大事だし、このゴミがどこから来たのかっていうことを子供たちが考えてくれればいい。またお父さんお母さんが一緒に(ゴミを)すくうっていうことは、とても大事なことなのかなと思います。月に1回のペースでだいたい回収日を決めてあります。イルカ・ウォッチングとかクジラ・ウォッチングの時でもゴミがあったらすくうということですね」

●ゴミをどのようにしてすくうんですか? 

「すくいかたっていろいろ考えたんですけど、最終的に行き着いたのはオーソドックスな玉網ですね。よくあるじゃないですか、普通の網。あの網も地元にそういう魚網の会社があるんですね。それを作って販売しているところもあるもんで、相談かけに行きまして、結局ちょっと大きいんですけども、それを決めて10本ほど用意しました。
 親子で一組という風にしてだいたい20人、本当はもっと乗せたいんだけども、やっぱり網を使ったりゴミを拾いますのでスペースの問題もあるし、ちょうど今やはりコロナの問題で船を満船状態にできないもんですから、あくまで20人っていうのを目処にやっております。
 もちろん支援してくださった方々にも投げかけます。もうこれは長いスパンでやりますので、機会があったらそういう支援者の方々も来ていただいて、実際見てもらうということも考えています。

 見る、知るっていうことは大事ですね。陸上でよくみなさんゴミを出さないようにしようとか、ポイ捨てをしないようにしようとか、もう基本ですよね。みんなができることっていうのは、やっぱり今言ったゴミをぽい捨てしないとか、必ず処分するとかっていうことが基本なんですけども、やはりそういうことしていてもゴミって出るんですね。その出たゴミっていうのは陸上で処分される場合もあるし、中には回り回って海に出ちゃう場合があります。その出た場合のゴミっていうのはこんなもんだよと、みんなが気をつけているゴミでもこういう風に出ているよってことで、より一層みんなが考えて感じてくれればいいなと思っています」

●ひとりひとりが意識するだけでだいぶ変わりますよね。

「だいぶ違うと思いますね。今世の中の風潮がそうじゃないですか、やっぱり環境ってなってくるとみなさん本当に真剣に考えていますし、自分だって遅いくらいですよ。気がつくのが遅いくらいです。海に散々出ていて、なんだ今更ですけども、でもやっぱり気がつかしてくれましたね。クジラが」


INFORMATION


銚子海洋研究所 情報

銚子海洋研究所

 銚子海洋研究所では、休止していたウォッチングツアーを再開。感染予防のために、乗船する人数を減らして行なっているそうです。この時期はすぐ近くで見られるイルカのスナメリを見るツアーを主に実施しています。
 ウォッチング船の運航情報や料金、そして漂流ゴミの回収活動など、詳しくは銚子海洋研究所のオフィシャルサイトをご覧ください。

 また、銚子海洋研究所には宮内さんが「世界一ちっちゃい」とおっしゃっている水族館があります。銚子の海で採取したクラゲや小さな海洋生物を展示、そしてタッチング・プールにはヒトデやナマコなどを飼育し、触ってもらっているそうです。マンツーマンで生き物の解説をしてくださるそうなので、子供たちにも大人気だそうですよ。

◎銚子海洋研究所のHP:https://choshi-iruka-watching.co.jp

オンエア・ソング 7月18日(土)

2020/7/18 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. DAY WITH THE DOLPHINS / WILL CONNER

M2. 青い楽園 / 杉 真理

M3. ローレライ / ゴスペラーズ

M4. ドルフィン リング / 杏里

M5. 街のドルフィン / 浜田金吾

M6. 小さなクジラ / 綾瀬はるか

M7. FEELIN’STRONGER EVERY DAY / CHICAGO

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

日本の心「茶道」 〜茶室で感じる季節の移り変わり〜

2020/7/11 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、エッセイストの「森下典子(もりした・のりこ)」さんです。

 森下さんは神奈川県生まれ。日本女子大学・文学部卒業。週刊誌の記事を書く仕事を経て、1987年に作家デビュー。2002年に出版した『日日是好日』が大ヒット! 2018年に映画化され、森下さんの役を黒木華さんが演じ、また、茶道教室の先生を演じた樹木希林さんの遺作となったことでも記憶に残る作品となりました。

『好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり』より

 きょうはそんな森下さんに茶道と自然、そして茶室で感じる季節の移り変わりのお話などうかがいます。

イメージは絵巻物!?

※森下さんが『日日是好日』、その続編『好日日記』に続く、第3弾『好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり』を出されました。前2作との違いは、どういうところなんでしょうか。

「視覚的にお茶の魅力をお伝えしたかったんですよ。本当にお茶室って美しいものがたくさんあるので、是非それを皆さんにお伝えしたいと思って。それと私、子供の時から絵を描くのがすごく好きだったので、それで絵を描いてみたかったんですね」

●ではやはり、タイトルが示すように“絵で読ませる”というのが特徴なんですか? 

「そうですね! 絵巻物を描きたいというのが最初のイメージだったんですね。それで、絵巻物をさーっと広げると、お正月から春になって、夏になって、秋になって、だんだんと季節が変化していく・・・お茶の花もそうなんですけど、お菓子とかお道具って、その季節によって色合いが変化していくんですね。その色合いの変化を絵巻物にしたら、1年の色の変化っていうのが見えてくるんじゃないかと思ったんです。でも流石に巻物だと本屋さんに置けないでしょ(笑)。だからそれで本にしたんです」

●まさに絵巻物のようでした。本当に美しくって! 先ほどお話にもありましたけれども、季節ごとに描かれていまして、春は光から始まる、夏は水の美しさ、秋は透き通った風を聴く、冬は火を見つめるということで、本当に茶室の中の移りゆく季節っていうのを感じることができました。

「ありがとうございます! 小尾さんはお茶をなさったことはあります?」

●高校の時に少しやっていました! こんなに季節を感じられる場所ってなかなかないですものね。

「そうなんですよ。お茶室っていうのは本当に広くても8畳、それから小さいところでしたら、4畳半くらいのお部屋だったり、中には2畳くらいのところもあるんです。とっても小さいお部屋なんですけれども、小さいからこそね、さっと小窓を開けた時とか、障子戸を開いた時とか、そこから見える、本当に切り取ったような茶庭の小さな景色の中に季節感が本当に見えるんですね」

茶道から学べること

※森下さんは20歳の時に、お母さんの勧めで茶道を始めました。最初は、気乗りはしなかったそうですが、お稽古に行ってみたら、こんな発見があったそうです。

「私はお茶っていうのは日本のとっても古臭い行儀作法なんだろうって想像していたんです。ところが行ってみたら、なんて言うのかな? そこに私の知らない日本があったというか、日本じゃなかったというかね、本当に知らない日本があったんですよ。知らない世界ばかりで、お道具もそうですし」

●やはり茶道で学べることってお作法だけではないですものね。

森下典子さん

「まさにそうで、私は茶道っていうのはそもそもお茶のたてかたを教えてもらう場所だと思っていたんですね。あと行儀作法とか、そういったものを教えてもらう場所だと思っていて。ところが実際習ってみたら、茶っていうのはそういうことじゃなくって、季節の移り変わりの中に身を置くっていうことの訓練。それから日常から自分を切り離して、今の瞬間を味わうという訓練。実はそういうことだった気がするんですね。

 あともうひとつね、ものを習うということはどういうことかっていうことをすごく最初に感じました。つまり学校で何か習う時の習いかたとは違う、分からないことがあったら質問しなさいって、私たちは教育されてきたわけですけど、そういうことじゃなくって、とにかく自分を相手に対してオープンに開いて、言われることを受け止めて、そして繰り返していくんですね。それがなぜそうするのかっていう質問はできないんですよ。しても答えが返ってきても分からないんですよ(笑)。長い間やっていくうちに、本当に長い時間をかけて、こういうことだったのか!ってことが分かってくるんですね。

 そうなって初めて、ものを習うって結局何も知らない自分を知ることなんだなと思って、それがとっても気持ちいいんですよ。大人になってこんなに何も知らない自分を恥ずかしげもなく人前にさらせますか? だって歩きかたから何もかも教えてもらって、左の足から入りますとかここで一礼しますとか、そこはお隣に先にお辞儀しなさいとか、もういちいち言われるんですよ(笑)」 

●そうですよね!(笑)茶道をやっている時って、本当に茶道以外のことは何も考えられないというか、悩みごとがもしあったとしても、その時は何も考えられないというような、夢中になれますよね。

「そうですね。他のことを考えられないように作られていると思います。何でこんなにまで細かい決まりがあるのかなと思うんですけど、それって結局、他のことに心がいかないようにわざわざ、がんじがらめにされているんじゃないかなと思うんですよ。

 そうすると何がいいかっていうと、私たちは生きている間にものすごくいろいろな、不安であるとか心配であるとか、そういうことで心が揺れますよね。何かに心を集中しようと思っても集中って難しいんですよね。だけどお茶をやっている時って、そういう細かい決まりがあまりにもたくさんあるので、集中せざるを得ないんですよ」

おぼんの上に天の川!

※新刊の『好日絵巻』には、森下さんが七夕というテーマで描いた「星のしずく」という、サイコロ型のとても可愛いお菓子の絵が載っています。その絵にまつわるエピソードを話してくださいました。

「その絵を描く時に、その“星のしずく”っていうね、銘もすごく可愛い銘なんですけど、小さいサイコロみたいな形でしょ。で、いろんな色が入っていて、ちょうど七夕の短冊の色みたいで本当にこの季節って薄ぼんやりと空が霞んでいて、その向こうに天の川が見えるでしょ。そこに星があって、らくがんで作ってあるんですけども、お菓子の淡い色合いがすごく綺麗だなと思うんです。

『好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり』より

 実は私、色が綺麗に映えるようにと思って、黒いおぼんに絵を描いたんですけど、そのお菓子が出てきたおぼんが素晴らしかったわけ。黒い塗りもののおぼんの真ん中に金粉でふわーって天の川が!」

●えー! 素敵〜! 

「そうなんですよ〜! もうね、そういうところがね、お茶の素敵なところなんですよ」

●やはり季節感も和菓子から感じとれるっていうことですよね。

「そうなんです!」

●目で楽しめますね! 

「いちいちね、菓子器の蓋を開けた時とか、それからお茶をたてる時、なつめ(*)の蓋を取った時、それからお茶が出てきて、お茶をいただいて最後まで飲みきって前に置いた瞬間に、そのお茶を飲み終わったお茶碗の底に、例えば秋だったら落ち葉が一枚とかね、それから春だったら舞い散った桜の花びらが一枚とか描かれていたりするんですよ」
(*)抹茶を入れておく容器

●いや〜素敵ですよね、いいですね〜。

「そういうところがね、魅力なんです〜!」

匂いや音も楽しむ

※お茶室に入って、お茶をたてる一連の流れの中で、いちばん好きな瞬間はどんな時なのでしょうか。

「私すごく好きなのは、茶筌(ちゃせん)通しっていうところがあるんですね、お茶碗の中にお湯を少し注いで、その中に茶筌を浸して、中で茶筌を動かして。ひとつにはお茶碗を温めること、もうひとつは茶筌の穂先を柔らかくすること、そういう意味があると思うんですけども。

 茶筌通しをして、その茶筌をちょっとお茶碗からぐるーっと回しながら、穂先が折れていないかをチェックするんですけど、上に回してあげながら目の前まで持ってくるシーンがあるんですよ。茶筌って竹でできていて、私が習っている流派は黒竹でできているんですね。その黒竹の茶筌はお湯で湿っているでしょ。竹の匂いがするんです。その瞬間が何かすごく好きですね。

 あとね、ちゃんとお点前(おてまえ)できるかなーって思いながら(お稽古に)行って、座って最初に蓋置を置いて、それで柄杓(ひしゃく)を構えるんですよ。その竹の柄杓を置くときに、コトンって小さい音がするんですね。そのコトンって音がした時に、“大丈夫、ずっとやってきたじゃないか“って言われた感じがするんですよ。自分を信じなさい、みたいなね、そんな感じがするんですね。すごくその時が好きですね」

●茶道って本当に目でも耳でも、五感すべてを使っている感じがしますよね! 

「そうですね! 私たちも日常的にお湯を沸かしてお茶を入れてますけど、茶道は本当に火を起こすっていうところから始まって、お湯を沸かしてお茶をたてるわけです。いちいち火の起こり具合とか、茶碗の温まり具合とか、そういうことに五感を使って確かめながらやっていくんですね。今の現代人の日常生活の中ではそれもうないでしょ!? うちとかはIH(コンロ)なのでピピピってやって火加減とか(笑)。でも昔の人はそれを全部肌で感じながらやっていたんですよね。それをお茶をやることで、そういう人間の皮膚感覚で何かを確認しながら、お茶一杯でも入れていく、そういうことを取り戻せるような感じがしますね」

野の花一輪で部屋に季節が!

『好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり』

※茶道を始めて、日々の暮らしの中で、いろんな変化があったのではないでしょうか。

「私がすごくそれを感じるのは、野の花をたくさん覚えたんですね、茶花っていうのは山野草なので。今まで私はお花はすごく好きでお花屋さんに行って、よくお花も買いましたし、知っているつもりだったんですよ! ところがね、お茶を始めて何も知らないっていうことが分かったの、もうね、全然違う花の世界なんですよ! 

 生け花とも違うんですね。生け花だと枝を溜めたりするでしょ。そういうことはなくて、本当にただ野に咲いているままに見えるように、採った花を花入れに入れる。本当にもう投げ入れたように入れるっていうのが茶花なんですね。

 それによって毎週、今まで知らなかった花の名前、そういえばこんな雑草が生えていたな〜みたいな感じの花まで全部名前を覚えたんですね。そしたら道を歩いていても、たくさんのいろんな花が目に飛び込んでくるんです! だから自分の足元の世界が変わりましたね。

 実は『好日絵巻』の中にヒルガオの絵があるんですけども、あれも実は籠(かご)は人に頂いた和菓子が入っていた籠なんですよ。その竹籠の中にヒルガオを採ってきて挿して、ツルをグルグルって巻いたんですけど、そのヒルガオなんて本当にどこにでもある花なんだけれども、それを花としてそこに入れてみると、部屋の中に季節が入ってくるんですよ。他に何もない部屋の中でも花が一輪あるだけで本当に季節が入ってくる」

●そうかもしれませんね!

「だから私、本当によくお勧めはありますかって言われるんですけど、お茶をやってみたいと思ってもなかなかお仕事が忙しかったり、すぐにお茶を始められない状況にあるってことあるでしょ? それだったら例えば、お茶を買って茶筌1本だけ用意して、後はカフェオレボールでもなんでもいいです。それでお湯を沸かしてお茶をたてて飲んでみてください。そこに是非! 野の花を一輪、それをテーブルの上に飾ってくださいってお話しているんですよ。それだけで季節が入ってくるし。
 で、和菓子ね、和菓子はまさに今の季節というものが描かれているわけなので、そうするとこの季節ってこんな綺麗なものがあったんだって思えるんですよね〜」

●日々ワクワクが増えそうですね。

「よく私たちは簡単に日本には四季があるからって決まり文句のように言いますでしょ? だけど“四季“じゃないんですよね、4つじゃないんですよ。本当にたくさんの季節があるんですね。季節に詳しくなるってことは日本に詳しくなるってことですよね」

●では最後に改めて、森下さんにとって“茶道”とはなんでしょうか? 

「自分に会いにいく時間みたいな感じ。お点前中にそっと何か自分に話しかけてくれる自分が寄ってきたりする時があるので、そういう自分と対話のできる時間を持つためにお茶にいくって感じですね」


INFORMATION

『好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり』

好日絵巻〜季節のめぐり、茶室のいろどり



 『日日是好日』、その続編『好日日記』に続く、第3弾。視覚的にお茶の魅力を伝えたかったという森下さんご自身が描いた、茶室の中のお花、道具、お菓子など、73のイラストと心に染みる言葉がとても素敵です。ぜひ見て、そして読んでください。
パルコ出版から絶賛発売中です!

◎パルコ出版のHP:
https://publishing.parco.jp/books/detail/?id=325

オンエア・ソング 7月11日(土)

2020/7/11 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. DON’T STOP ME NOW  / QUEEN

M2. 春夏秋冬  / レミオロメン

M3. SWEET SEASONS / CAROLE KING

M4. 四季 / 大貫妙子

M5. I’m Here / 三浦大知

M6. LOVE FOR ALL SEASONS / CHRISTINA AGUILERA

M7. 心のまま / 熊木杏里

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

ヒグマは豊かな自然の証 〜ヒグマを通して自然との付き合い方を考える〜

2020/7/4 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、北海道大学大学院・教授の「増田隆一(りゅういち)」さんです。

 増田さんは1960年、岐阜県生まれ。北海道大学大学院からアメリカ国立がん研究所を経て、現職の北海道大学大学院・理学研究院・教授としてご活躍中です。先頃出版された『ヒグマ学への招待〜自然と文化で考える』という本では全体の構成なども手掛けていらっしゃいます。

著書「ヒグマ学への招待」

 きょうはそんな増田さんに北海道に生息するヒグマの生態や森との関係性、そして私たち人間がヒグマを通して考えるべきことなどお話いただきます。

*写真協力:知床財団・山中正実、増田隆一

知床のヒグマ親子,11月。後ろ2頭は大きくなった満1歳の子グマ(知床財団 山中正実氏撮影)
知床のヒグマ親子、11月。
後ろ2頭は大きくなった満1歳の子グマ(知床財団 山中正実氏撮影)

隔離された島に数千頭!?

※ヒグマは北海道には何頭くらいいるのでしょうか?

「正確には推定できていません。しかし毎年、有害獣駆除、町の中に出てきて人に危害を加えるのではないかということでハンターによって捕獲されることもありますし、農作物の被害で駆除されることもありますし、狩猟獣ですのでハンティングされることもありますけれども、そういうものを含めると去年ですと900頭以上捕獲されています。実際にはその数倍以上は北海道に生息しているのではないか、という風に考えている研究者もいます。ですから数千頭ですね。

 北海道って言いますと北の大地ということで、日本では広大な地域だという風に思われていますけれども、世界地図を見てみますとヒグマは北半球に広く分布していまして、大陸から見ると狭い分布域なんですけれども、その中に、隔離された島の中に数千頭のヒグマがいるということは世界的に見ても非常に密度の高い地域になります」

●ヒグマって1年をどのように過ごすのですか? 

「夏の間は山を巡ってですね、しょっちゅう食べ物を食べています。だいたい冬の12月から3月ぐらいまで北海道は雪で覆われるんで、その間は餌を捕るのは非常に難しい時期になりまして、穴を掘ってヒグマは冬眠をします。他の動物は冬眠をしない動物もいるんですけれども、ヒグマは冬眠をするという、そういう道を選んだ動物です」

●繁殖行動は夏になるんですか? 

「そうですね。交尾をするわけですけれども、オスとメスは単独で生活しているんですが、オスはメスを求めて6月から7月くらいに交尾行動をとります。その後ですね、オスとメスは分かれて生活しまして、オスもメスも冬眠するんですけれども、この冬眠中の2月くらいにメスは穴の中で出産します。ですから完全に眠っているわけではなくて、穴の中では起きて出産と子育て、母乳を与えているので、冬眠というよりかは冬籠りという風に言ったほうが正確かもしれません」

ヒグマ頭骨標本。オス成獣(左)、メス成獣(右)
ヒグマ頭骨標本。オス成獣(左)、メス成獣(右)

ヒグマの食生活!?

※写真や映像でヒグマが川に入り、サケを捕まえているシーンを見たことありますよね? やはりヒグマの好物はサケなんでしょうか。

「そうですね。もちろんサケがいるところじゃないとサケを食べることはできないですけど(笑)。北海道でもサケとかマスが秋になると川を遡上してくるのは、北海道の東部に限られることが多いんですけれども、そういうところでは自然環境も保護されていますし、人もほとんど立ち入らないような、国立公園とかそういう地域では浅い川をサケが産卵のために遡上してきますので、それをヒグマが捕獲して食べるという、そういう光景があります。

 それはそういう地域で、かつ、夏の終わりから冬の初めにかけて、秋を中心とした時期ですけれども、それ以外の地域とかそれ以外の時期にはサケはいません。実はクマは肉食性の食肉類って分類されているんですけれども、肉だけではなくてアリとか、それから土の中にいる小さな昆虫を食べたり、それからドングリとか、それからふきですね。ふきのとうのふき、そういうものを食べたり、秋には山ぶどうとかありますので、そういう木の実を食べたりしています」

カラフトマスをとらえたヒグマ(知床財団 山中正実氏撮影)
カラフトマスをとらえたヒグマ(知床財団 山中正実氏撮影)

●そうなんですね! もうサケのイメージが強すぎて、(笑)そういったものも食べるんですか。

「だから平均的に見ると植物性のものを食べていることのほうが多いと思います」

●ヒグマが生活できているということは、そこの場所はすごく豊かな自然があるということなんですか?  

「まさにそうです。ヒグマが食べることのできる植物が多様に繁殖していたり、それから昆虫がたくさん見られるような環境、それからサケとかマスがたくさん遡上してくるような、そういう環境がないとヒグマも生活できないということです。

 ヒグマが生活できる環境があるってことは非常に自然豊かで、その下ではいろんな生物が多様に生活することができるということで、傘種。種っていうのは生物の種っていうことですけども、英語では傘のことはアンブレラ、種のことはスピーシーズって言いますので、アンブレラ・スピーシーズという風に生態学では呼ばれることがあります。

 それはヒグマに限ったことではなくて、この『ヒグマ学への招待〜自然と文化で考える』の中にも書かれていますけれども、北海道にシマフクロウという大型のフクロウがいるんですが、そのシマフクロウが生活できるような環境では、いろんな生物が生息できるっていうことで、シマフクロウもアンブレラ・スピーシーズという風に呼ばれています」

紅葉の知床半島とオホーツク海(知床財団 山中正実氏撮影)
紅葉の知床半島とオホーツク海(知床財団 山中正実氏撮影)

<世界のクマ>

 さて、日本にはヒグマとツキノワグマの2種が生息しています。ヒグマは北海道のほとんどの森林にいて、大人になると体長2メートル前後、体重は200キロ以上ということで、その巨体を維持するために、とにかくよく食べる! 冬眠前の秋には1日40キロも食べるそうです。

 一方、本州と四国に生息するのはツキノワグマ。かつては九州にもいましたが、絶滅した可能性が高いとされています。こちらは体長が1メートルちょっとで、平均的な体重はオスが80キロ、メスは50キロ程度です。毛の色はヒグマが茶色に対し、ツキノワグマは黒。胸に三日月のような白いマークがあるのが特徴です。主食はヒグマと同じく植物で、昆虫や蜂蜜、魚や動物の死骸も食べます。

 世界には、日本にいるヒグマとツキノワグマを含め、全部で8種類のクマが確認されています。最も大きいのは北極圏に生息する地上最大の肉食動物・ホッキョクグマで、次に大きいのがヒグマ、そして最も小さいのは東南アジアにいるマレーグマです。

 そして、忘れちゃいけないのがジャイアントパンダ、現在は中国南西部・四川省などの標高の高い地域に生息していますが、かつてはベトナムやミャンマーにもいたとされています。竹やタケノコばかり食べているイメージがありますが、野生では鳥や小型の哺乳類なども食べるんだそうです。

 このほかには、北米大陸のアメリカクロクマ、インド東部やスリランカに生息するナマケグマ、そして南米大陸にはメガネグマがいて、これら全て日本の動物園で見られます。「クマのいる動物園」をまとめたサイトもあるので、気になるクマがいたら、会いに行ってみてはいかがでしょうか?

ヒグマに遭遇したら・・・!

※北海道の知床半島では、ヒグマとの共存・共生がうまくいっているそうです。それはどうしてなんでしょうか。

「行政の環境省とか、それから知床には知床財団という財団がありまして、そこにクマの生態に詳しいスタッフがいます。一方で知床半島は観光地にもなっていまして、観光客も毎年大勢が訪れます。で、自然の中に入っていくわけですけれども、その時にクマに出会わない対策を事前にレクチャーして、それを学んだ後、自然の中に入っていくというエコツアーもあるんです。

 ただ単に自然の中に入っていくだけではなくて、事前に自分は自然の一部なんだっていうことを学んで、そして自然の中に入っていって、自然を観察すると、そういう学習がしっかりされているということで、ヒグマと出会っても事故が起こらないと」

●なるほど! 学んだ上で自然の中に入るんですね。ちなみにもしヒグマに遭遇したらどのようにしたらいいんですか? 

「私も遠くから見たことはあるんですけども、近くでは出会ったことないので、出会わないってことがいちばん大切です。そのためには鈴を鳴らしたり、時々大声を出したり、それからラジオを大きな音量でかけて、私がここにいるということをクマに知ってもらうために音を出して対応するということが重要であるっていう風に考えられています。

 で、もし出会った場合は慌てて走って逃げることは絶対しないという風に言われています。少しずつクマの目を見ながらクマからゆっくり離れるということが重要です。で、自分が思っているものを、例えばタオルとか帽子とかリュックサック、そういうものを自分の身から離して、タオルは置き去りになりますけれども、そのタオルにクマが気をとられている間に自分自身は少しずつクマから離れていくということが大切であるという風に言われています」

冬の知床連山(知床財団 山中正実氏撮影)
冬の知床連山(知床財団 山中正実氏撮影)

ヒグマとサケが森を育てる!?

※ヒグマがサケを食べることで森が育つという話を聞いたことがあるんですが、どういうことなんでしょうか。

「サケは元々は川で産卵して、その卵が孵化して海に戻っていって、数年かけて海で生活して成長してまた川に戻ってきます。だからサケは海の恵みを受けて成長するんですけれども、その成長したサケが川へ遡上してきた時に、今度はヒグマがサケを捕獲して食べることになります。

 そのサケの肉なり消化物が、クマによって山の中に運ばれて、それが排泄されると、その排泄されたものは山の中で分解されて、それが植物の栄養素になっていきます。それによって木とか草がまた成長していくということで、海の栄養素が山に移動するんです。

 それがサケとヒグマ、食べる食べられるの関係にありますけれども、それによって物質循環が海から陸地の山に循環していくということで、ヒグマの存在、それからサケの存在は非常に重要であるということになります」

●今後、私たちはヒグマとどのような付き合いかたをしていくべきでしょうか? 

「クマとの付き合いっていうのは自然との付き合いと言い換えることもできるんですけれども、ヒグマとはなにかっていうことを考えることが重要という風に思います。ヒグマだけではなくて自然とはなにかということを考えることによって、私たちが自然の中でいかに生きていくか、いかに共存していくかという道が開けてくると思います」


INFORMATION

増田隆一さん情報

著書「ヒグマ学への招待」の表紙
(著書「ヒグマ学への招待」の表紙)

厳冬のフィンランド・ハイルオト島(北緯65度)にて。
厳冬のフィンランド・ハイルオト島(北緯65度)にて。

ヒグマ学への招待〜自然と文化で考える



 増田さんが編集も手掛けた新刊『ヒグマ学への招待〜自然と文化で考える』は、ヒグマを学問ととらえ、動物や生物の視点だけではなく、歴史や文化などあらゆる側面からヒグマを探求していて、その道の専門家が原稿を寄せた、まさに「ヒグマ学」といえる充実した内容になっています。
 北海道大学出版会から絶賛発売中です! 詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎北海道大学出版会のHP:
http://hup.gr.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_book_info&products_id=992

オンエア・ソング 7月4日(土)

2020/7/4 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. EVERYBODY NEEDS A BEST FRIEND / NORA JONES

M2. BEAR WITH ME / GILBERT O’SULLIVAN

M3. どこにいるの? / ヴォンダ・シェパード&バリー・コフィング

M4. RETURN TO POOH CORNER / KENNY LOGGINS FEAT. AMY GRANT & GARY CHAPMAN

M5. その先へ / Dreams Come True FEAT. FUZZY CONTROL

M6. HELLO / LIONEL RICHIE

M7. 大空と大地の中で / 松山千春

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

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