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Every Sun. 20:00~

クジラが教えてくれた 〜銚子の海をみんなで綺麗に!〜

2020/7/18 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、銚子海洋研究所の「宮内幸雄(みやうち・ゆきお)」さんです。

 銚子生まれの宮内さんは、犬吠埼マリンパークの元スタッフで生物飼育のエキスパート。イルカやアシカのショーなども行なっていたそうです。在職中に地元の漁師さんから、銚子の海にはたくさんのイルカやクジラがいると教えてもらい、初めて漁師さんの船で沖に出たところ、800頭ほどのカマイルカに遭遇し、大感動! その後、休みをもらっては沖に出て、イルカやクジラの調査を続け、その種類と数に驚き、当時としては珍しいウォッチング・ツアーをマリンパークの仕事として始めたそうです。その後、独立し、22年前に銚子海洋研究所を設立。現在は奥様と二人三脚で、イルカやクジラを見るツアーを行なっていらっしゃいます。

 きょうはそんな宮内さんに銚子沖で見られるイルカやクジラのお話ほか、来月から始める漂流ゴミの回収活動についてうかがいます。

☆写真提供:銚子海洋研究所

フリッパー号
フリッパー号

ザトウクジラ
ザトウクジラ

銚子の海はイルカ、クジラの楽園!?

※銚子沖ではどんなイルカやクジラが見られるんですか?

「今のところは20種類のイルカ、クジラは確認できているんですけども、特に銚子の場合はですね、種類から言ったらカマイルカとか沿岸性のスナメリという本当に小さなイルカとか、後はスジイルカとかマイルカとか、結構な種類が見られるんですね。大きなクジラになってきますとマッコウクジラ、ザトウクジラ、ツチクジラがだいたいメインですね」

●どうして銚子沖にそんなたくさんの種類のクジラやイルカが見られるんでしょうか? 

「カマイルカとかスナメリとかマッコウクジラもそうなんですけども、銚子の海で出産して育児して、なおかつ基本的に銚子の海ってのは餌となる魚が多いんですね、豊かな漁場ですので。ですから出産した後、子育てをするにも、基本的にはイルカやクジラは母乳ですので、お母さんの母乳にも困らない、餌が豊富ですから。出産と育児の場でもあるということですね」

●ほかの海に比べて銚子の海は居心地がいいというような感じなんでしょうね?

「そうだと思うんですけどね。銚子っていうのは北からくる親潮、南からくる黒潮が向かい合っている場所なんですね。ですから極端にそんなに水温は高くないし、極端に低くもない温暖な海域ですので出産には適していると。なおかつ餌がそこは集まる場所ですので、餌も豊富だということで、結構彼らにとっては居心地のいい場所だと思うんですけどね」

1年中、出会える!?

スナメリ
スナメリ


※銚子海洋研究所で行なっているクルーズ船によるツアー、具体的にはどんなウォッチング・ツアーなんでしょうか。

「ウォッチングってひとくちに言いましても、イルカを見る場合と、大型のクジラをウォッチングする場合があるんですね。ですからイルカウォッチングとホエールウォッチングは期間が決まっているんですね」

●例えば、イルカだったらどんな感じですか?

「イルカですと、例えば今7月ですけども、6月から10月までは本当に目の前にスナメリというイルカがいるんですね。スナメリは沿岸性のイルカで、ご存知の方は結構います。例えばサーファーの方も結構見ているし、すごく近い場所にいるんですよ、定住しているんですね。
 そのスナメリたちがほかの海域から集まってきて、銚子の海で出産するんですね。で、出産と育児に入るもんで、結構の頭数がここで見られるんですよ。特にこれから7月、8月はピークですね。そういう風にして今の時期だとスナメリを見ています。

 11月から年明けの2月までは大型のクジラ、ホエール・ウォッチングに今度は変えるんですね。マッコウクジラとかザトウクジラとかツチクジラ、そういうのを見ているんですね。それがだいたい2月頃までで彼らも移動するんで、移動すると次に来るのがカマイルカというのが北の方から来ます。途中で出産したり銚子で出産したりします。そうすると3ヶ月は沖にいるカマイルカのウォッチングに入るんですよ。ですから1シーズンでだいたい今言ったように3パターンのウォッチングのシーズンがあります」

●ほぼ1年を通じて、クジラやイルカを見て楽しむことができるんですね! 

「そうですね。特に2月、3月はイルカだけじゃなくて、キタオットセイが北のほうから越冬に来るんですね、子連れで。カマイルカと一緒にいます。ですから、そういうシーンもウォッチングすることができるし、2月、3月は寒そうなイメージがありますけどね。やはり自然の海ですから、我々もこの自然の海にお邪魔するわけですから、多少寒くても楽しいですよ! 

 今言ったカマイルカって種類、北から来るのがだいたい毎年3月あたりから始まるんですけども、多い時には1,000頭います。この銚子海洋研究所を始めてもうかれこれ22年経つんですが、当初の頃は結構多かったですね。多い時は3,000頭くらいいました。もうね、凄いですよ(笑)。海にバーッと船で出て“あ、いた!”って言うじゃないですか。で、(船で)バーって行くともう群れに入っちゃう、群れに囲まれちゃう感じですね」

カマイルカの大群
カマイルカの大群


<イルカ・クジラの基礎知識>

 突然ですが、イルカとクジラの違いって、ご存じですか? どちらも海で暮らす哺乳類ですが、全長がだいたい4メートルより大きいものがクジラで、それより小さいのがイルカ、そう、違いは体の大きさだけ、なんです。
 クジラもイルカも「クジラ目(もく)」に属し、「ヒゲクジラ」と「ハクジラ」に分けられて、ハクジラのうち全長4メートル未満のものがイルカなんです。ただ、4メートルより大きいシロイルカやシャチもいるので、そこまで厳密に決まっているわけではないみたいです。

 ヒゲクジラは口の中のヒゲ状のものでプランクトンなどをこして食べていて、地球上最大の生き物とされるシロナガスクジラなどがいます。一方、ハクジラはその名の通り歯があり、魚やイカなどを食べます。現在、確認されているクジラ目は84種類で、日本周辺の海にはこのうち40種類ほどが生息しているようです。

マッコウクジラ
マッコウクジラ


 きょうのゲスト、銚子海洋研究所の宮内幸雄さんのお話に出てきた、銚子沖でよく見られるザトウクジラ、マッコウクジラ、ツチクジラ、スナメリ、カマイルカのうち、ザトウクジラ以外はハクジラです。
 ザトウクジラは胸ビレが特に大きいのが特徴で、「ブリーチング」と呼ばれる大きなジャンプをします。マッコウクジラは潜水が得意で、水深1000メートルくらいは平気、およそ1時間も息つぎせずに潜っていられるんだそうです。
 ツチクジラは口の部分が比較的長く、ふくらんだ頭部と小さな背びれが特徴。スナメリは背びれがなく、なめらかな体つきの白っぽいイルカ。そして、背びれが草を刈る「鎌」の形に似ていることから、そう呼ばれるカマイルカは群れで生活し、ジャンプなどアクロバティックな動きをよくするそうです。

 水族館で見るイルカたちも本当にかわいくて大好きですが、実際に銚子の海でイルカやクジラを見ることができたら、きっと感動するでしょうね〜。

クジラに赤いロープが・・・

赤いロープが巻きついたツチクジラ
赤いロープが巻きついたツチクジラ


※宮内さんは来月から海に漂うゴミを回収する活動を始めるそうです。何かきっかけがあったのでしょうか。

「今までは確かに海に出ても、ちらほらとゴミははっきり言ってよく目にしていました。その時は目の前にイルカやクジラがいると、どうしてもチラってゴミがあったとしても、目の前にクジラやイルカがいると、ドーッて船で行っちゃうわけですね。ついついそういうことを見過ごしたっていうか、そういうことだったんですけども。

 実は去年の11月、ホエール・ウォッチングが始まるっていう時に、ウォッチングに出たんですよ。お客さん何人かいましてね、普通に(船で)バ〜ッて行ってその海域に着きました。その時に、プシューってご存知のようにクジラですからブロー(息継ぎ)をするのが見えたんですね。あ、クジラだ! っていうことで船を近づけたところ、なんかそのクジラがおかしいんですよ。

 おかしいっていうのは頭から首にかけて何か赤いんですね。ツチクジラっていうクジラなんですけども、何かいつもの彼らの動きじゃないんですね。どうも変だなってことで、船をどんどん近づけていくと、おっと待てよ、ロープじゃないかと、本当にもう太いロープですね。ツチクジラって大きさが10 メートルから 12 メートルあるんですよ。それを首に巻いているもんで、相当太いロープなんですね。

 それを見て肝心のクジラもね、泳いではいるんですけども、潜ってはすぐ浮上、潜っては浮上、もうゆらゆら泳いでいるわけですよ。どう見てもちょっと泳ぎがおかしいと。俺も22年、海に出て水族館時代から入れたら、かれこれ30年近く見ていますけども、初めてですね。人間の出したものが動物に付いているとか、なんか不都合なことを起こしているっていうのを初めて見たもんで、これはちょっとなぁってことで、本当にショックでしたね。

 その帰りの道中に思いましたね、これじゃいけないなと。本当にあんな大きなロープは別にして、よく見たら昔からゴミ浮いてんじゃねえかと。自分はこれまで海に生かしていただいていますので、イルカやクジラをウォッチングして、自分だけいい気持ちになって帰ってきていいのかな? っていうことをしみじみ考えながら帰ってきました。

 よしこれはもう何かしないといけないということで、自分たちでできること何かなって考えたら、浮いているゴミすくえばいいじゃん。少しでもすくえば、少しでもね、微々たるもんですよ。ただそうすることがやはり陸上にも流れ着きますからね。ですから、そのクジラのロープの一件以来、自分を本当に思いっきり起き上がらせてくれましたね。

 22年、水族館時代からいれたら30年、自分は本当に海にお世話になって、海でずっと生かしてもらっています。ですから、その思いだから今度は逆に少しは恩返しじゃないですけども、できることはこれからやっていこうと、自分のこれからのライフワークです」

見る、知るは大事!

銚子海洋研究所の「宮内幸雄」さん

※最後にゴミの回収活動の具体的なお話をうかがいましょう。今後、どんな風にやっていくのでしょうか。

「まず月に1回はゴミの回収日っていうのを決めます。その回収日に事前に参加者を募集して、特に考えているのは親子ですね。お父さんと子供さん、お母さんと子供さんっていうような親子を対象にしているんですね。
 やはり子供たちにも実際、海に出てこんなゴミがあるっていうことを知ってもらうことも大事だし、このゴミがどこから来たのかっていうことを子供たちが考えてくれればいい。またお父さんお母さんが一緒に(ゴミを)すくうっていうことは、とても大事なことなのかなと思います。月に1回のペースでだいたい回収日を決めてあります。イルカ・ウォッチングとかクジラ・ウォッチングの時でもゴミがあったらすくうということですね」

●ゴミをどのようにしてすくうんですか? 

「すくいかたっていろいろ考えたんですけど、最終的に行き着いたのはオーソドックスな玉網ですね。よくあるじゃないですか、普通の網。あの網も地元にそういう魚網の会社があるんですね。それを作って販売しているところもあるもんで、相談かけに行きまして、結局ちょっと大きいんですけども、それを決めて10本ほど用意しました。
 親子で一組という風にしてだいたい20人、本当はもっと乗せたいんだけども、やっぱり網を使ったりゴミを拾いますのでスペースの問題もあるし、ちょうど今やはりコロナの問題で船を満船状態にできないもんですから、あくまで20人っていうのを目処にやっております。
 もちろん支援してくださった方々にも投げかけます。もうこれは長いスパンでやりますので、機会があったらそういう支援者の方々も来ていただいて、実際見てもらうということも考えています。

 見る、知るっていうことは大事ですね。陸上でよくみなさんゴミを出さないようにしようとか、ポイ捨てをしないようにしようとか、もう基本ですよね。みんなができることっていうのは、やっぱり今言ったゴミをぽい捨てしないとか、必ず処分するとかっていうことが基本なんですけども、やはりそういうことしていてもゴミって出るんですね。その出たゴミっていうのは陸上で処分される場合もあるし、中には回り回って海に出ちゃう場合があります。その出た場合のゴミっていうのはこんなもんだよと、みんなが気をつけているゴミでもこういう風に出ているよってことで、より一層みんなが考えて感じてくれればいいなと思っています」

●ひとりひとりが意識するだけでだいぶ変わりますよね。

「だいぶ違うと思いますね。今世の中の風潮がそうじゃないですか、やっぱり環境ってなってくるとみなさん本当に真剣に考えていますし、自分だって遅いくらいですよ。気がつくのが遅いくらいです。海に散々出ていて、なんだ今更ですけども、でもやっぱり気がつかしてくれましたね。クジラが」


INFORMATION


銚子海洋研究所 情報

銚子海洋研究所

 銚子海洋研究所では、休止していたウォッチングツアーを再開。感染予防のために、乗船する人数を減らして行なっているそうです。この時期はすぐ近くで見られるイルカのスナメリを見るツアーを主に実施しています。
 ウォッチング船の運航情報や料金、そして漂流ゴミの回収活動など、詳しくは銚子海洋研究所のオフィシャルサイトをご覧ください。

 また、銚子海洋研究所には宮内さんが「世界一ちっちゃい」とおっしゃっている水族館があります。銚子の海で採取したクラゲや小さな海洋生物を展示、そしてタッチング・プールにはヒトデやナマコなどを飼育し、触ってもらっているそうです。マンツーマンで生き物の解説をしてくださるそうなので、子供たちにも大人気だそうですよ。

◎銚子海洋研究所のHP:https://choshi-iruka-watching.co.jp

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