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地球を走るアドベンチャー・ランナー〜挑戦すること自体が面白い!〜

2021/2/7 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、アドベンチャー・ランナーの「北田雄夫(きただ・たかお)」さんです。

 北田さんは1984年生まれ、大阪府堺市出身。幼少期から貧血持ちだったそうですが、中学から陸上部に入り、高校・大学と短距離で活躍。その後、就職し、一時は競技から離れますが、自分の可能性に挑戦したいという思いから、2014年、30歳のときにアドベンチャー・マラソンに参戦。会社をやめて競技に専念し、2017年に日本人として初めて、世界7大陸のアドベンチャー・マラソンを走破!

 そして先頃、これまでの挑戦の記録を綴った本『地球のはしからはしまで走って考えたこと』を出されました。

 きょうはそんな北田さんにどうしてそんなに厳しいマラソンに挑戦するのか、過酷なトレーニング、そして現在チャレンジ中の世界4大極地レースのお話などうかがいます。

☆写真提供:北田雄夫

北田雄夫さん

ビビッとゾクゾク!?

※北田さん、この世界7大陸のアドベンチャー・マラソンとはどんなマラソンなんですか?

「地球の大自然の中を、食料や寝袋やサバイバル道具を背負って、1人で何百キロも走ると、そういうスポーツが世の中にあります。そういうマラソン競技になりますね」

●大自然の、どんな場所を走るんですか?

「暑い砂漠だったり、寒い南極だったり、衛生環境の悪いジャングルだったり、本当に厳しい自然環境が舞台になっています。そんな中で、コースにやっぱり道がないので、砂漠とか。大会によっては、目印を付けている大会もあれば、はたまた全く目印がない中で、自分のGPSだけを頼りに行くとか、そういったコースになっています」

写真提供:北田雄夫

●睡眠とか食事はどうされるんですか? 

「レースによってなんですけど、ノンストップでずっと走り続けるレースであれば、睡眠時間も競争となるので、ほぼ寝ずに進むことになります。食事も基本的には自分で背負っていくんですけど、あまりにも距離が長いレースだと、途中にあらかじめ荷物をおけるポイントがルール上、設定されています。そこに置いていた食料を途中で補給しながら走り進んでいくという感じですね」

●へ〜! どんな方が参加されるんですか? 

「なかなかの強者ばかりなんですけど(笑)、まぁ普通じゃない人は多いかもしれないですね」

●世界からだいたい何人ぐらいの方が参加されるんですか? 

「それも大会によってなんですけど、多いと1000人、少ないと10人とか、本当に規模が様々ですね」

●参加条件みたいなものっていうのは何かあるんですか? 

「これも大会によってなんですけど、次に挑戦を考えているヒマラヤの850キロっていうレースでは、 標高が高いところを走りますので、これまで4800メートル以上の標高の活動経験が必要とか、超長距離レースの実績があるとかですね。レースによって決められていたり決められてなかったりということになります」

●日本人は大体いつも北田さんだけですか? 

「いや、(日本人も)参加されていることも多いんですけども、僕がいつも参加、挑戦したりしているのが、日本人がまだ挑戦すらできていない大会が多いので、そういう時は僕ひとりってことが多いです」

●そもそもどうしてこんな過酷なアドベンチャー・マラソンに挑戦しようって思ったんですか? 

「誰もやっていないことをやりたかったっていうのがいちばんですね」

●でも、いろんな選択肢がある中で、どうしてこのアドベンチャー・マラソンを選んだんですか?(笑)

「もうビビっとゾクゾクきてしまいまして。この厳しさも、ちょっと理解できないところも含めてなんですけど、自分の体力と心と知識と人生と、全てを捧げてチャレンジできるんじゃないか、というところに興味を抱きましたね」

地球のはしからはしまで走って考えたこと

これが自分の人生だ!

※とても厳しい自然環境に身を置くことで、何か見えてくるものがあるんでしょうか?

「やっぱりありますね。毎回日本にはないような、想像を超えた大自然で、限界までチャレンジしますので、自分の可能性に出会うこともありますし、やっぱりゴールしたあとの達成感とか喜びっていうのは、味わったことがない、言葉にできないほどの大きいものもありますね。すごく自分にとって、やりがいであったり、喜びは大きいですね」

●走っている時はどんなことを考えているんですか? 

「いろいろ考えるんですけど、今どう乗り越えるかって考えていることは多いですね。例えば、暑い砂漠を走ると熱中症気味になって、脱水症状になって、でもチェックポイントまであと20キロあると。じゃあ持っている水はどんだけあるから、これをどういう風に使ったらいいんだろうとか。

 足の疲労は痛みとか出てきて、このペースでいけるのか、この先を越えるにはどう越えようかとかですね。いろいろ自分の体とメンタルとレース条件と、いろいろ踏まえた上で、今何を考えてどうすべきかって、常々考えていることは多いですね」

●もうやめたいって思ったことはないですか? 

「止まりたいとかはめちゃくちゃありますね。もう止まりたい休みたいとか、何でやっているんだろうとか思うことは多いんですけど、やめようと思ったことはないですね」

●何でですか? 毎回きついなって思って、でもまたやりたいって思うのって。そのモチベーションというか、それはどういった気持ちから出てくるものなんですか? 

「終わったあと、もっとできるなっていうのがいつもあるんですね。もう1回やったらもっと上手くできるなとか、速く走れるなっていうのが本当毎回あってですね。まだ先に行けるんじゃないか、もっとできるんじゃないかっていうのは常にあるので、それを目指していきたいなっていう思いはありますね」

●忘れられない光景とかってありますか? 

「大体レースってひとりで孤独で走っているので、夜が長かったりするんですね、12時間とかあったりして。
 アラスカを走っていた時に、孤独で寒くて辛くて、でもそれから一晩越えて、朝日が登った時に、その朝日が本当に眩しくて、輝いていて、生きる力が湧いてきてですね。夜、孤独で寂しかったところから生き延びたっていうのと、何かいろんな感情が合わさって、その光景っていうのはすごく忘れられないものになっていますね」

●過酷なレースをこなしていく中で、ご自身の中で変化っていうのはありますか? 

「そうですね、たくさんありますね。いちばんはこれが自分の人生なんだ、っていうことが思えるようにはなりましたね。
 30歳までの会社員の頃は、まぁ充実した日々だったんですけれども、これが自分の生き方だ! 人生だ! っていうことを言えなくてですね。今はそれだけの想いだったり、時間だったりを注いでいて、挑戦もしているので、何か自身の中で、自分の道を歩んでいる、生きているって思えることは大きいですね」

写真提供:北田雄夫

砂漠の次は極寒のアラスカ!?

※北田さんは2018年から「世界4大極地の最高峰レース」に挑戦されていますが、これはどんなレースなんですか?

「自分なりに決めたものなんですけれども、地球上で人間が走れる4つの極地があると。それが暑い砂漠、 寒冷地、衛生環境の悪いジャングル、そして標高の高い山と。その4つの環境で、いちばん難易度が高いであろうレースに全部行くというのが、僕の掲げている4大極地の最高峰レースになります」

写真提供:北田雄夫

●最近でいうと、どんなレースに出場したんですか? 

「2019年の秋に行ったモーリタニアのサハラ砂漠で1000キロ走るというレースでした」

●砂漠を1000キロ!!!

「はい(笑)」

●どんな世界なんですか(笑)

「走っても走っても、もう地平線で砂漠が終わらないんですよ。地球は広かったです」

●でもこれも無事に走破されたんですよね? 

「そうですね。幸い無事完走、6位でゴールとなりました」

●次回がアラスカ? ですか? 

「そうですね。2月末からスタートとなって、10日間で560キロ、完走を目指す、ノンストップで進むというレースになります」

●これはどんなレースになるんですか? 

「冬の寒いレースでして、冷えるとマイナス30〜40度まで落ちると。なのでかなり厳しくて、汗をかくと全部凍ってしまって、凍ると全て解凍ができないので、難易度がすごく高くてですね。

 装備が本当にエベレストを登るような防寒具を全て持っていかないといけないので、ソリを引きながらになりますね。とてもリュックじゃ背負えないので。そこに食料とかお湯も入れて、万が一の時には雪をお湯に溶かすようなバーナーとか、いろんなサバイバル道具を積んだ、おそらく15キロとか20キロの(重さの)ソリを引きながら、毎日雪の上を進み続けると」

●へ〜!  頑張ってください! 

「はい!」

写真提供:北田雄夫

55時間、眠らずに!? マイナス20度の冷凍庫!?

※2月末から開催される予定の、アラスカのレースに向けて、トレーニングの最中だと聞いたんですけど、どんなトレーニングをしているんですか?

「例えばアラスカに向けてで言いますと、ノンストップで10日間進むっていうことで、睡眠時間がいちばんもったいないなと。なので、睡眠ゼロでいけばいいんじゃないかと思ってネットを叩くんですけど、出てこないんですよね〜。これだけ情報が溢れているのに、人間どれまで寝ずにいけるかっていうのが。じゃあ自分でやるしかないと思って、この前55時間寝ずに山を走っていましたね」

●えっ? それはどんな山を? 

「兵庫県に六甲山脈っていうのがあるんですけど、そこをずっと55時間、往復しましたね」

●55時間!? 全く寝ずにですか? 

「そうです」

●できるものなんですか? そういうのって。

「結構、幻覚もそこまで見えず、できました。なので、とりあえず55時間は動けるなっていうのがそのチャレンジで分かりましたね。あとやっぱりやる中で、どこまでいったら自分の意識が飛んで、手足の感覚を失うのかっていう限界値が分かっていないと、本番ではそれ以上の条件になるので、それを試すためにっていうので、それをやりました。

 寒さでいうと、本番がマイナス30〜40度になるっていうことで、前回同じアラスカに行った時に、マイナス30度だったんですけど、凍っていない川があったんですよ。そこにちょっと足をはめてみたら、瞬く間に足が凍っちゃって、危うく凍傷になりかけたんですけど。

 次回もあるだろうっていうことで、もし自分が下半身ずぶ濡れになったら、どうやったら復活、回復できるのか、体温を取り戻せるのか、その時に考えるべき、注意することをいろいろ見つけようと思って、それでマイナス20度の冷凍庫に入って下半身ずぶ濡れにして、そこから10分後に着替えを、っていうのをやってみてですね。やっぱりむちゃくちゃ寒かったんですけど、10分間はとりあえずマイナス20度に耐えられてですね。着替える順番がすごく重要だなとか、手間取ったら凍傷の確率が高くなるなとかですね。

 なのでソリの、何センチ単位で自分がどこの荷物に何を入れているかっていうのを明確に把握しておいて、着替える順番もどんだけ疲労していても、どんだけ意識がなくても、無意識ぐらいに順序よくいけるように認識、把握しておくとか、そういうことが大事だなっていうのが改めて分かりました」

●北田さんのアドベンチャー・ランナーとしての挑戦は今後も続いていくんですね。

「そうですね。今、僕の中では第2章です。第1章の、7大陸の走破が2017年に終わりまして、今第2章の、4大極地を行くということでやっています。2022年ぐらいまでに達成できたらなと。それが終われば第3章、第4章と挑戦したいなと思っています」

●このような過酷なレースに出場して得るもの、そして出場することで伝えたいことを、改めて教えてください。

「チャレンジするのは面白いっていうのが、世の中に広まればいいなとは思いますね。挑戦って、いろいろ考えることもあったり、難しいんですけど、成功とか失敗ではなくて、チャレンジすること自体が面白いんだ! っていう風に、まぁ僕自身が経験させてもらってですね。

 やっぱり失敗したら辛かったり人の目も気になったり、落ち込むこともあるんですけど、でもそこには絶対成長があってですね、新しく出会える人もいたり。なので、本当に挑戦することで僕の喜びは膨れていたので、そういう何か、面白いなっていうのは伝えられたらなと思います 」


INFORMATION


地球のはしからはしまで走って考えたこと


地球のはしからはしまで走って考えたこと

 アドベンチャー・マラソンに挑戦するようになったいきさつから、日本人として初めて走破した世界7大陸アドベンチャー・マラソンのエピソードなど、挑戦と挫折と成長の日々が綴られています。胸が熱くなる冒険物語。チャレンジする姿勢に勇気をもらえる一冊です。ぜひ読んでください。集英社から絶賛発売中です。

◎集英社HP:
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-788046-5

「旅ラン」「アドベンチャー・クラブ」情報


 北田さんは国内を旅するように走る「旅ラン」シリーズをYouTubeで公開。奥様とのハネムーンも400キロの「旅ラン」だったそうですよ。

写真提供:北田雄夫

 また、「アドベンチャー・クラブ」というコミュニティを運営。このクラブでは北田さんのレースを、より身近に楽しみ、そして一緒に挑戦してくださる会員を募集中です。詳しくは北田さんのオフィシャルサイトをご覧ください。

◎北田雄夫さんHP:https://takaokitada.net/

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