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ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
面白いな、可愛いな、ちょっと見てみよう〜漫画がいざなう生き物の世界

2021/12/12 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、生き物が大好きなイラストレーター「一日一種(いちにちいっしゅ)」さんです。

 一種さんは、環境アセスメントなどに関する、生き物や環境の調査を行なう会社に勤務後、独立。現在はフリーのイラストレーターとして「いきものデザイン研究所」というサイトを運営しているほか、生き物に関する本を数多く出版されています。

 「いきものデザイン研究所」では、生き物の面白い生態を4コマ漫画でわかりやすく紹介、その可愛くて親しみやすい絵と、ユニークな世界観がSNSなどで話題になっています。そんな一種さんが先頃、初心者向けのバードウォッチングの本を出されました。

 きょうは、バードウォッチングの初心者に向けてのアドバイス、そして、好奇心をくすぐる生き物たちの面白話をお届けします。

☆イラストレーション&漫画:一日一種

秋から冬がベスト・シーズン

イラストレーション&漫画:一日一種

※一種さんの新しい本『今日からはじめる ばーどらいふ!』。この本はひとりの男性がバードウォッチングにハマっていく様子を漫画やイラストで紹介していますが、これは一種さんの体験がもとになっているんですか?

「中身のところで、鳥の楽しさとか見つける喜びとか、あとは図鑑で調べる面白さ、そういうのはやっぱり実体験がベースにはなっていますね。ストーリーは全く体験は関係ないんですけど(笑)」

●この本は、まさにバードウォッチングの初心者の入門書みたいな感じですよね?

「意識的にはそういうものになればいいかなって。それよりも、バードウォッチングを始めようかなっていう人って正直そんな多くないかなって思ったので。ただ、バードウォッチングって何だろう?とか、興味があるっていう人は割といるかと思うんですよ。だから、始めようかなぐらいよりも、もっと手前の人も含めて、見てもらえるような本になればいいかなと思って、特に親しみやすさを含めて漫画にしました」

イラストレーション&漫画:一日一種

●とっても読みやすかったです! 一種さんはもともと、野鳥がお好きだったんですか? 

「そうですね。私も環境コンサルタントの会社に勤めていた頃は、鳥を主に調査をしていたので、専門家っていうほどでは全然ないんですけれども、生き物の中ではいちばん鳥は接してきたグループではあります」

私もこの番組でバードウォッチングの体験を海浜幕張でさせていただいたんですね。こんな都会に鳥っているんだなっていうのがすごく驚きで、カラスやハトしかいないんじゃないかっていう風に思っていたので、色んな鳥が実は身近にいるんだなということをすごく感じたんです。実際、この時期がちょうどバードウォッチングにいい季節なんですよね? 

「秋の終わりぐらいから葉っぱが落ち始めて、冬ぐらいまでは特にいい時期とは言われますね。年間を通してそれぞれ(の季節)に見どころはあるんですね。やっぱり初心者のかたとか、ベテランのかたでもそうですけれども、冬がやりやすい、始める人には結構いいかなっていうのは言われていますし、僕もそう思います」

●それはどうしてですか? 

「色々理由はあるんですけれども、主なところだとやっぱり、落葉樹の葉っぱが落ちて、鳥が見やすくなるっていうのがありますし、秋までに生まれた個体が加わって全体的に数が増えるとかですね。あとは混群(こんぐん)というのを作る、違う種類同士が集まって、一緒にグループになって見やすくなることがあったりとか、あと大きなところは渡り鳥がやってくることですね。

 夏ぐらいまでは山の標高の高いところで繁殖していた、棲んでいた鳥たちが、冬になって食べるものがないとか寒いとかって理由で降りてくるんですよね。だから私たちの身近でも普通に見られるようになります。あと北国の鳥とかも渡ってきますし、全体的に種類が増えるし、数も増えるし、見やすくなるのでやっぱり冬が個人的にもおすすめです」

野鳥観察におすすめは公園

※この時期だと、どんな野鳥を見ることができますか?

「環境にもよるんですけれども、普通の雑木林とか緑地であれば、小鳥類のシジュウカラやコゲラ、あとメジロとか。冬っていうことを考えるとツグミ類、地上をトコトコ歩いている中型の鳥、あとはジョウビタキっていう(今回番組で)ご紹介いただく本にも出てくる、オスはお腹がオレンジ色の、結構可愛い鳥も見られますね」

イラストレーション&漫画:一日一種

●おすすめの観察場所はありますか? 

「ピンポイントで特定の場所でなければ、やっぱりこれから(バードウォッチングを)やろうかな、やってみたいなっていう人におすすめなのは公園ですね。公園に行けば、水辺、池があったりして、そこで冬になってきてカモ類とかたくさん見られたり、広葉樹に小鳥類の群れが来ていたりしますね。

 鳥も公園だと警戒心が薄いんですよね。大自然の中に行くと全然見られない、すぐ逃げていっちゃうような距離でも、公園だと鳥の警戒心が薄いので、とても近くて見やすいので、すごくおすすめです」

●確かに池とかそういった水辺がある場所と、雑木林がある場所では見られる野鳥の種類も違いますよね。

「そうですね。その点では公園はどちらもセットになっていたりして、水辺で色んなカモ類を見て、そのあと雑木林で小鳥類を見たりとか出来ますね。本当におっしゃる通り環境によって全然違います。林、水辺、ちょっと流れのある川、草地、それぞれでやっぱり見られる野鳥が結構違うので、色んな環境で見るといいかなと思います」

●公園で野鳥を見つけるコツってありますか? 観察のポイントとかあったら教えてください。 

「公園に行って、水辺のカモ類は、特にコツとかあんまりなくて、すぐに見つけられると思うんですよ。ただ、昼ぐらいになるとカモ類って結構岸辺で休んでいたりするので、朝方は普通に見られたカモがいないなって思ったら、岸辺のほうを見ると見つけられたりとか、環境と環境の際辺りにいるようなことが多いと思いますね。

 川でも、川のど真ん中よりも、ちょっと岸辺の辺りを目でなぞるように探していくと、割とセキレイ類を見つけられたりとか、ちょっと休んでいる水鳥を見つけられたりしますよ。
 林を見ている時も、林全体を見ているとなかなか見つからないと思うんですけれども、林間というか、こずえの辺りを舐めるように見ていくと、上のほうに止まっている鳥を見つけられたりとかします。

 もっと簡単なコツを言えば、やっぱり聴くことですかね。声を聴く、バードウォッチングですけれども、割とリスニングが大事だったりします。まず声を聴いて、どこにいるんだろうって探す、その順番で見つけられることが多いですね。まず耳を澄ますのは大事だと思います」 

イラストレーション&漫画:一日一種

*編集部注:千葉でおすすめの観察場所として、一種さんがあげてくださったのは、習志野市の谷津干潟。自然観察センターには備え付けのフィールドスコープもあるし、野鳥観察のガイドさんもいるそうです。そしてもう1箇所が銚子漁港。何種類ものカモメが見られる、野鳥好きにはマニアックな場所だそうです。

 バードウォッチングの初心者のかたは、「日本野鳥の会」が開催しているバードウォッチングのイベントに参加するのもおすすめと一種さんはおっしゃっていました。全国で開催しているので「日本野鳥の会」のホームページをチェックしてみてください。

◎日本野鳥の会:https://www.wbsj.org/

イライラの由来、二度寝するカエル!?

●一種さんが運営されているサイト「いきものデザイン研究所」には、生き物に関する4コマ漫画が掲載されています。その中から、私が特に気になった漫画を色々お聞きします。

  まずは「由来が意外なあの言葉」という4コマ漫画がありまして、イラクサという多年草から”イライラ”という言葉だったり、”ひし形”というのは菱(ひし)という植物から来たんだよ! っていうことでしたが、それは本当なんですか? 

イラストレーション&漫画:一日一種

「はい、語源の由来自体は、どんなものでも諸説があったりするので、絶対にこれが正しいっていうわけじゃないんですけども、一説としては言われていますね。意外と植物が先だったんだっていう、ちょっとびっくりする由来ですけれども」

●びっくりです! 

「イラクサは、棘(トゲ)を全般的にイラって呼んだりして、その中でもイラクサっていう草はガラス状の棘で、刺さると簡単に砕けてしまって、しばらく取りづらいんですね。毒が入っている棘なので、結構痛痒いんですよ。ずーっとイラクサが刺さると痛痒い感じがして、まさにイライラするみたいな状態になるんですね(笑)。

 ”苛立つ(イラダツ)”から来るとも言われますね。棘(イラ)が立つ、刺さって立つことからイラダツ、イライラが苛立つから来たのかもしれないですけれども、そういうイラクサを含む、棘のある植物から来てるっていうことはどうやら確からしいです」

●へえ~〜〜! 

「ひし形もそうですね。水草の菱を見ると、そこまでひし形でもないかなっていう気はするんですけど、ただ漢字もやっぱり同じ菱、水草の菱と同じで、ひし形の由来は、どうやらそこから来ているっていうのは読めますね。葉っぱも果実も、ややひし形っぽい形をしていて、どちらから来ているのかは確かじゃないんですけども、どうやら水草から来ているようです」

●面白いですね~。それから「早起きだが、二度寝するカエル」っていうのもありましたよね。アカガエルの産卵のお話でしたけれども・・・。

イラストレーション&漫画:一日一種

「そうですね。それを漫画にしたのは、やっぱり早起きするのがまずは面白くて、さらに産卵したあと二度寝しちゃうのが、ふたつ目の面白いところで、漫画にしてみたいなって思ったんですね。

 カエル類は、冬眠して春に起きて産卵みたいなイメージが、どちらかというと強いかと思うんですけれども、アカガエル類はちょっと特殊な産卵方法です。戦略だと思うんですけど、天敵があんまりいないような、まだ寒い2月くらいに、まず起きて産卵をします。産卵をしたあとは、起きていればいいかなとも思うんですけど、やっぱり食べる物がないのか、ちょっと活動はしづらいみたいで、春が来て暖かくなるまで寝ちゃうっていう(笑)」

●二度寝しちゃうんですね?(笑)

「人間でいうところの二度寝、ちょっと真面目な二度寝ですけども」

変身するニホンウナギ

※一種さんが主宰されているサイト「いきものデザイン研究所」にアップされていた4コマ漫画の中からもうひとつ。「ニホンウナギの変態」という漫画がありましたよね?

「そうですね。あれは土用の丑の日に合わせて、何かしらウナギの面白い話をアップ出来ればなと思っていたんですね。今ウナギって絶滅危惧種なところにまず、すごく関心がいっているじゃないですか。それもすごく大事なテーマなんですけれども、それですごい乱獲がどうのこうのとか、ウナギを食べないようにしなきゃみたいなところに、みんな意識が集中しちゃっているかなと思ったので、それより以前に、別の視点でウナギってこんなところが、実はすごく面白い生き物なんだっていうのを知ってもらえればな~と思って、敢えて変態っていうテーマで書いたんですね。

 食のウナギっていうよりも、生き物のウナギとしての見方でも、実はすごく魅力的な生き物なんですね。産卵場所をようやく特定できたことは、数年前にニュースになったりもしましたけれども、本当に謎だらけの、何かすごくダイナミックな生き方をしている面白い生き物です。そういう面も知ってもらえたら、食べ方とか、食としてのウナギのほうの接し方も変わるのかなと思って、そういう漫画を描きました。

イラストレーション&漫画:一日一種

 変態は、蝶がやっぱり有名だと思いますけれど、イモムシからサナギになって成虫になるみたいな変態を、ウナギも何段階かの変態をします。最初は葉っぱ型のレプトケファルスっていう、海流に乗りやすい不思議な平べったい形をしているんですけれども、それが段々日本に近づいて来ると、細長いいわゆるウナギ型みたいな形になって、シラスウナギっていう状態になります。

 それがどんどん成長していくと、お腹が黄色くなったり、黒くなったり、最後に銀ウナギっていうお腹が銀色のウナギになったりする、変身を何回も繰り返す、実は面白い魚なんですね。なので、”変態するウナギ”っていうテーマで、面白さを知ってもらえればなと思って、漫画を描きました」

漫画だけど、裏付けはちゃんと

※「いきものデザイン研究所」のサイトにあげている4コマ漫画のネタは、どうやって決めているんですか?

「生き物のネタ自体は世の中ありふれているので、僕は出来るだけ多くの人に興味を持ってもらえそうなものを決めて、それからどうやって漫画にしようとか、どうやったら面白く伝えられるかを考えて作りますね」

●でも、漫画を描くにもやっぱり生き物とか自然のことをよく分かっていないと描けないですよね。

「そうかもしれないですね。僕もそれなりに調査とか仕事でやっていても全然、今もそうですけれども、まだまだ知らないなと思うので、漫画にする前に間違いがないように、フィクションの部分はフィクションとしてちゃんと伝わるようにして、情報として伝える部分は間違いないように、ちゃんと調べたりしたりとかはしていますね。そこがいちばん正直、神経が擦り減る辛いところですね」

●漫画を描くこと以上に大変なことなんですね。

「そうですね。やっぱりこういうものをやっていると、どうしても漫画なので、誇張して伝わっちゃう部分もあるんですけれども、出来るだけ、おかしな伝わり方をしないように、こう見えても一応は気を使っているつもりです。はい!」

●改めて一種さんが漫画やイラストを通じて、どんなことを伝えたいですか?

「正直そんなすごい意識を持って欲しいわけじゃ全然ないんですよね。ただ単純に、生き物ってこういうところが面白いなとか、可愛いなとか、ちょっと見てみようかなぐらいな感じで、ちょっと入口になればいいかなくらいに思っています。

 生き物が嫌いな人に無理やり勧めようとか、好きになってもらいたいなんて全然思っていなくて、本当に普通に暮らしている人が、ちょっと知って特になればくらいに思って漫画を描いています。基本的に漫画ってほんと娯楽なので、それぐらいですね」

*編集部注:一種さんがいま注目しているのが微生物、例えば身近な生き物として、苔などいるクマムシ、乾燥にも強いスーパー微生物ですよね。そんな微生物のミクロの世界を描いてみたいそうです。


INFORMATION

『今日からはじめる ばーどらいふ!』


『今日からはじめる ばーどらいふ!』

 初心者に向けて、バードウォッチングのポイントやノウハウ、そして面白さなどを漫画とイラストでわかりやすく解説、本当に楽しく読めますよ。これからやってみようと思っているかたに最適な入門書。ぜひ活用してください。文一総合出版から絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。

◎文一総合出版HP:
 https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-7236-6/Default.aspx

 一種さんが主宰しているサイト「いきものデザイン研究所」もぜひご覧くださいね。4コマ漫画、面白いですよ。

◎「いきものデザイン研究所」HP:http://wildlife-d.xsrv.jp

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