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2022年3月のゲスト一覧

2022/3/27 UP!

◎筆保弘徳(横浜国立大学の気象学者)
台風の制御に挑む!〜災害をゼロに、そして台風発電』(2022.03.27)

◎東 光弘(「市民エネルギーちば」の代表)
シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第7弾!〜畑の上で太陽光発電「ソーラーシェアリング」』(2022.03.20)

◎松岡美緒・上田直樹(徳島県・神山町のスクールプロジェクト「森の学校みっけ」)
子供たちのわくわくを探求する「森の学校みっけ」〜教科書は森の中、校庭は山・川・海〜』(2022.03.13)

◎辻直美(国際災害レスキューナース)
防災は「日々の延長」!〜あなたにもすぐできる、アイデア満載の防災術』(2022.03.06)

台風の制御に挑む!〜災害をゼロに、そして台風発電

2022/3/27 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、台風研究の第一人者、横浜国立大学の教授で、気象学者の「筆保弘徳(ふでやす・ひろのり)」さんです。

 筆保さんは1975年、岩手県生まれ、岡山県育ち。現在は横浜国立大学・教育学部・教授。専門は気象学。そして、気象予報士でもいらっしゃいます。

 筆保さんがセンター長を務める「台風科学技術研究センター」は台風を専門に研究する機関で、海外ではアメリカや中国、フィリピンなどにはあるそうなんですが、実は日本では初めてなんです。このセンターには、台風観測、台風発電開発、地域防災など、全部で6つの研究ラボがあり、大変注目されています。

 きょうは、台風を制御するという夢のような計画に挑む筆保さんに台風研究への思いや、台風のパワーを発電に利用しようという、壮大なお話などうかがいます。

☆写真協力:筆保弘徳、台風科学技術研究センター

筆保弘徳さん

台風研究、半世紀前の試み

※台風の研究をされているということですが、人間が台風をコントロールするなんて可能なんですか?

「コントロールというと、ちょっと語弊があるんですが、台風の勢力を少しでも弱めたいっていう目的のもとで、そういう研究を始めています。実際に我々が台風を制御したい、台風の制御をやると言ったのは、最初だったわけではなくて、筆保が突拍子もないことを言っているなっていうことではなくて、実は1960年頃に、アメリカがもうすでにやっています。

 半世紀前に、アメリカなのでハリケーンになるんですけど、ハリケーンの制御を試みています。実際にプロジェクトも立ち上がって、約20年くらい続いて、ハリケーンをどうやったら制御ができるか、実際に記録上では4つのハリケーンに航空機で接近して、制御できるかという介入を少しやっています」

●具体的にどんな方法で台風を制御するんですか?

「どうやったら制御が出来るかっていうのは、考えなければいけないところなんですが、アメリカが半世紀前にやっていたのは、ドライアイスとかヨウ化銀っていう物質を航空機で近づいて撒く。で、撒いた後、台風の構造が少し変わることで、勢力が少し弱まるっていうやりかたです。ただ、その時の制御のやりかたもあまりよくなかったのか、いろいろ大きな壁があって、制御研究自体は中断しています」

●ではまだ叶ってはいないという段階なんですね。

「そうですね。半世紀前は。そして、その時できなかった理由がふたつあって、ひとつは半世紀前なので、台風の制御というよりも、台風がどういうメカニズムを持っているか、そもそもの現象として、台風をよく理解できていなかったっていうのが壁でした。

 もうひとつは相手が台風という自然なので、例えば、台風になにか人為的な介入をして、台風の構造が変わったり、勢力が弱まったり、進路方向が変わったりしたとしても、それが人間が介入をしたせいなのか、何もしなくても変化したのか、分からないっていう大きな問題があります。
 効果判定というんですけども、その効果判定とか、制御方法とか、そういうのが半世紀前にはしっかり分かっていなかったのが中断した原因です」

●それから半世紀たった今、さらにいろいろ進化していますよね?

「昔できなかったことが、いろいろできるようになりましたし、我々も台風がどういった現象なのか、発生や発達のメカニズムがよくわかるようになってきました。そして、その昔できなかったこととして、どうやったら制御できるかも大事なんですけども、効果判定が、まずできるようになったと。

 スーパーコンピューターなどの新しい計算機技術が本当に発展したおかげで、台風を、より現実的にリアリスティックにシミュレートできるようになりました。で、シミュレーションコンピューターの中で作った台風に、人為的に介入した場合と、しなかった場合を比較することで、台風の効果判定がしっかりわかるようになったというわけです」

(編集部注:ここで台風発生の仕組みを、ごく簡単に説明しておきましょう。太陽の熱で温められた海水が水蒸気となり、渦を巻きながら上昇し、上昇気流が発生。そして上空に行った水蒸気は雲となり、その雲はやがて積乱雲となって、さらに発達し、台風になるとされています)

台風からエネルギーを奪う!?

写真協力:筆保弘徳、台風科学技術研究センター

※筆保さんがセンター長を務める「台風科学技術研究センター」の研究ラボの中に、「台風発電開発」というラボがありますが、これは台風で発電するっていうことですか?

「はい。実はそこは台風の制御研究と繋がるんです。まず台風はエネルギーの塊って言われているんですけども、大体どれくらいのエネルギーを持っているか分かりますか?」

●いやぁ〜ちょっと想像つかないですけど・・・。

「例えると、世界中で作るエネルギー、具体的にいうと何日分の電気をひとつの台風は作りだしていると思いますか?」

●何日分ですか〜、2日とか3日とか?

「お、いいですね。答えは、約30日分です」

●30日分!! え〜そんなにパワフルなんですね!

「すごくパワフルです。もし台風ひとつのエネルギーをまるまる使えたら、世界中の1ヶ月分のエネルギーになるというのを試算しました」

●すごいですね! 実際に台風の膨大なエネルギーを利用しよういうわけですか?

「利用したいと思ってはいます。制御をするってことは、その膨大なエネルギーを少しでも奪うっていうことで、奪うんであれば、ぜひ我々の、人類の活動に使いたいなっていう目的になります」

●どうやってそんなことができるんですか?

「これもまだ今、考えているところなんですけども、我々のチームのひとりが10年前くらいから提案していたものは、船を使って発電をすることです。
 今よく話題になっているのは風力発電で、しかも洋上風力発電。海岸沿いの風が強いところの陸地に建てている風力発電用のプロペラを、海の上に建てればいいっていう話で発展しているんです。(船を使った発電は)それに近いんですが、風力を使うって言いながら、ちょっと違います。

 台風が来た時に風力発電は、ものすごく風を受けるので、くるくるくるって回っているプロペラは実は止めたり畳んだりしています。風を強く受けすぎて回転が速くなればなるほど、遠心力などでプロペラが壊れてしまうので、実は台風が来ている時は風力発電をしないのが普通です。

 我々の考えているのは、台風に船で近づいて、その船はヨットみたいな形で台風の風を受けて進む、推進力として進んで行くと。そして水中にあるスクリュー、プロペラを使って発電するっていうものになります。

 強い風を受けてそれで発電するわけじゃなくて、船を動かすだけ、推進力を使うだけなので、船は動くと。動くことで前から来る海の流れを使って発電をすれば、常時、発電できるんじゃないか、というのを提案しているのが、うちのチームにはいます」

●へぇ〜〜! 

「先ほど言った洋上風力発電に近いんですけれども、洋上風力発電は難しいところがいくつかあります。それは、作った電気を日本に持ってくるというか、送らなければいけないんですね。そうなると、海のほうからケーブルを引っ張って、電気を送るしかないんですが、すごくコストがかかるんですよ。

 台風発電は、船で発電しながら船の中に電気を溜める。もうひとつ大変な送電も船でやることで、船がその電気を運ぶ。本当に必要な所に電気を運んで行けるのが、船を使う大きなプラスになるところです」

運命の台風、プレッシャーディップ!?

※筆保さんは、高校生の頃から気象や風に興味を持ち、岡山大学に進学後も気象研究室で活動していたそうです。そして大学4年生のときに恩師から、調査・研究のために一緒にチベット高原に行かないかと誘われ、すでに就職先が決まっていたそうですが、その場で「行きます!」と即断。
 その後、大学院に進学するわけですけど、筆保さんの気象学人生はこのとき、決まったんですね。ちなみにチベットに行ったのは何年だったんですか?

「1998年なんですけど、『セヴン・イヤーズ・イン・チベット』っていう映画を小尾さんは知っていますか?」

●いや〜知りません・・・。

「ブラッド・ピットが主演の映画で、チベット高原で暮らすみたいな話なんですけれども、それをチベットの観測に行く前に僕は観ていて、もう気分はブラッド・ピット!」

●あははは(笑)

「で、チベットに行ったら、そこには本当に青い空があって、広大な自然があったんです。そして、大きな自然をなんとかつかまえてやろうという気象学者の先生方がいて、それを見て憧れて、僕は気象学者になりたいと思ったのが、大学院1年生でした」

写真協力:筆保弘徳、台風科学技術研究センター

●チベットでは具体的にどんな研究されたんですか? 

「チベットでは、僕の師匠は空と地面の間がどうなっているかを研究する研究者でした。なので、僕もそれを手伝っていました」

●台風の制御をしようという発想はどこから・・・?

「台風の研究者になろうというのは、僕も周りも全然思っていなかったんです。チベット高原に降りて、観測したデータを解析しながら、自然の中で観測をしている、気象学者の中でも観測屋ってその頃、言われていたんですけれども、観測屋になりたいなって思って、気象測器を恩師から借りて、色んなところに持って行っては観測をしていたんです。

 岡山県と鳥取県の間に、那岐山(なぎさん)という山があって、そこから南側の岡山方面に吹くおろし風『広戸風(ひろとかぜ)』という風があるんですけれども、その広戸風を観測したいと思っていました。
 高校の時、気象に興味があるって言ったのは、その広戸風を偶然、たまたま父親の車に乗っていた時に出会い、気象が楽しくなったので、これは観測したいなって思って、恩師から気象測器を借りて観測をしていました。それが98年で、何回やっても上手くいかなかったんですね。広戸風は滅多に吹かなくて、台風が和歌山県を通る、決まったルートの時にしか広戸風は吹かないんですよ。

 台風が日本に接近する度に、測器を持って山頂に上がっては、台風が全然思った方向に近づいてこなくて、観測失敗ばかりをしていたんですが、僕にとっては運命の台風、98年の台風10号が10月16日から17日にやって来たんですよ。

 その台風で広戸風が吹くかもしれないと思って、測器を設置していたら、和歌山のほうに行かずに、逆に我々が観測していた那岐山のほうにやって来たんですね。和歌山に直撃して大きな被害が出たんですけども、測器は無事でした。

 気象測器の観測データを見ると、台風の内部の珍しい現象を観測していて、これは面白いと思って、台風の研究を始めました。だから本当に偶然というか、たまたまというか、それが台風の研究の始まりです」

●それで今に至るわけなんですね。

「そうですね。あの時は台風の制御をしたいとか、そういうんじゃなくて、単純にたまたま、出会い頭だけれども、台風がやってきて観測した”プレッシャーディップ”っていう現象、それが何なのかを調べたいっていう、その知的好奇心だけでやっていました」

(編集部注:「広戸風」は那岐山の南側にある狭い範囲に吹く局地的な強風のことで、風速50メートルを超えることもあるそうです。筆保さんが1998年に観測に成功した現象「プレッシャーディップ」は台風に伴って発生する、気圧が突然、急降下する珍しい現象だそうです)

筆保弘徳さん

台風は生き続けられる!?

※温暖化によって、年々、台風が大きくなっているように感じているかたも多いかもしれませんが、巨大化しているか、どうかは、まだ研究中だそうです。ただ、本来なら、台風は北上して日本に近づいてくると、日本近海の海面の水温が低いことなどから、勢力は弱まるそうなんですが、最近は弱まらずに北上してくる傾向にあるとのことです。ちなみに台風の平均寿命はどれくらいなんでしょうか?

「それもすごくいい質問で、気象庁が発表している平均は5日間なんですが、台風の寿命には実は定義があります。熱帯で発生する低気圧の渦があって、それが弱かったらまだ台風ではなく、最大風速17メートル超えた瞬間に台風ですよと定義をしています。
 その逆で今度は台風の渦が弱まっていったら、台風ではなくなりましたよっていうこの期間を台風の寿命としています。でも、現象としては実は風速17メートルなる前から渦はあるんです」

●なるほど。

「だから、実は台風の寿命は5日間の平均よりももっと長いです。10日以上あると思います」

●そうだったんですね。

「はい。なので実は僕は、台風がほかの自然現象に比べて、非常にサイズにしては長寿な渦巻きだと思っています。で、小尾さんが今すごくいい質問をしたと思っていたのは、先ほど台風のエネルギーは無茶苦茶あるって言ったじゃないですか。

 人間が作り出す世界中のエネルギーの約1ヶ月分って言ったのは、そこの長寿がカギで、ほかの自然現象のエネルギーも見積もったんですけども、まあせいぜい1日いくかいかないかくらいなんですよね。だから台風は30倍もあって、すごいエネルギーを生み出す、空飛ぶ発電所みたいなものなんですね。

 彼が、台風を彼っていうのも変ですが、彼がそんなにエネルギーを作り出せるのは長寿だからです。台風はエネルギーを自分でどんどん作り出して、10日くらい寿命があって、なんでそんな寿命を持っているかっていうと、自分でエネルギーを作り出せるからなんですね。

 エネルギーを作っては放出をしているんだけれども、そのうちの一部は自分が次の瞬間にもう一回生きられるように自分にエネルギーを使っているんです。だから、台風はエネルギーをたくさん生み出しながら、外に放出しながら、持続的にエネルギーを自分に返しているので、もしもマイナスの影響、つまり上陸したとか風に流されたっていうことがなければ、台風は生き続けられます」

●すごいですね! 台風の威力って。

「威力もありますし、そのメカニズムですよね。そういうのを自己発達型っていうんです。台風は自分で自分を育てられるっていう・・・なので、先ほど言ったようにエネルギーは1ヶ月分だっていうことになります」

どこでも台風、だから防災

※今後の台風研究は将来、私たちの生活にどんなことをもたらしますか?

「直接的な影響や間接的な影響あると思うんですけど、本当に最近の台風を見ていると今まで来なかったようなところも台風が来るようになったなと。僕は岡山出身ではあるんですけども、岩手県生まれなんですよね。
 東北地方の特に岩手県は、台風なんて全然来ないところで、台風よりも津波の方が心配だった地域なんですよね。それが台風10号がやって来て、岩手県に上陸したんですよ。

 本当に過去半世紀、僕の教え子が100年前まで調べているんですけども、100年間通しても台風が岩手県に上陸したことはなかったんですよね。それが上陸してしまって・・・勢力はさすがにもう弱かったにも関わらず、岩手県では大きな被害が出てしまったんですよね。

 岩手県の人たちもびっくりしたと思うんですよ。台風がうちに来るなんて・・・そういうところに台風が来ると、勢力が強い台風が来て、台風に対して強い防災意識があるところよりも、弱い台風がまったく台風に関心がないところに来るほうが、大きな被害が出るんだなっていうのを実感しました。

 日本に住んでいる以上、台風はどこにでもやって来ると思ったほうがいいと思います。台風の勢力に関わらず、台風による研究、台風の防災に対しての新しい技術開発っていうのは、これからどんどん求められると思います」

(編集部注:台風10号が岩手県大船渡市に上陸したのは、2016年8月のことで、太平洋側から直接、東北地方に上陸、気象庁が統計を取り始めて、初めてのケースだったようです)


INFORMATION

「台風科学技術研究センター」

 台風を制御する研究は始まったばかりですが、筆保さんは少しでも台風の勢力を弱められれば、被害が減る、そして将来的には被害をゼロにする、そんな思いで取り組んでいらっしゃると思います。筆保さんがセンター長を務める日本初の台風専門の研究機関「台風科学技術研究センター」にぜひご注目ください!

◎台風科学技術研究センター HP:https://trc.ynu.ac.jp

横浜国立大学「そらの研究室」

写真協力:筆保弘徳、台風科学技術研究センター

 筆保さんの「そらの研究室」では、学生さんたちと毎日夕方4時に屋上で空や雲を観察、その日の「空当番」が明日の天気を予測し、その予測が当たったのか、外れたのかを半年記録するそうです。筆保さんいわく、天気図だけでなく、毎日、目の前の現象を見ることが大事だとおっしゃっていました。

 そして、教え子には「気象予報士」の資格を取ることを勧めているそうです。その理由として、例えば、初対面の人とお話するとき、「きょうはお天気いいですね〜」と天気の話になることが多い、そして、特に就職の面接時、履歴書の資格欄に「気象予報士」と書いてあるだけで、話が盛り上がる。つまり「人生に役立つよ」ということでした。

◎「そらの研究室」:http://www.fudeyasu.ynu.ac.jp/

オンエア・ソング 3月27日(日)

2022/3/27 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. RIDE LIKE THE WIND / CHRISTPHER CROSS
M2. HURRICANE / LISA LOEB & NINE STORIES
M3. BATTEND SHIPS / ODYSSEY
M4. STARTING TODAY / NATALIE IMBRUGLIA
M5. TYPHOON / JUJU
M6. KEEP ON GROWING / SHERYL CROW
M7. TAKE CONTROL / KODALINE

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第7弾!〜畑の上で太陽光発電「ソーラーシェアリング」

2022/3/20 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第7弾! ゲストは「市民エネルギーちば」の代表「東 光弘(ひがし・みつひろ)」さんです。

 「SDGs=持続可能な開発目標」は、2015年の国連サミットで採択され、2030年までに達成しようという目標=ゴールが全部で17設定。きょうはその中から、ゴール7の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、そして、ゴール13の「気候変動に 具体的な対策を」について。

 東さんは1965年、東京生まれの千葉育ち。20年ほど、有機農産物などの流通を通して、環境問題に取り組み、2014年に「市民エネルギーちば株式会社」を設立、現在は代表取締役として活躍中。千葉県匝瑳市(そうさし)で行なっている事業「ソーラーシェアリング」は、令和3年度に環境省「気候変動アクション 環境大臣表彰」で大賞を受賞、いま大変注目されています。

 実は「東」さんは「アースデイ千葉」実行委員会の発起人で、2005年にこの番組に出ていただいていたんです

 きょうはそんな「東」さんに、ソーラーシェアリングとはいったいどんな事業なのか、そしてその事業を進めることで、どんな効果があるのか、いろいろお話をうかがっていきます。

☆写真協力:市民エネルギーちば株式会社

写真協力:市民エネルギーちば株式会社

発電すればいい、ってことじゃない

●それでは、そんな東さんが千葉県匝瑳市で行なっている、耕されなくなった畑「耕作放棄地(こうさくほうきち)」を活用したソーラーシェアリングや「市民エネルギーちば」について、お話をうかがっていきましょう。まずは、初歩的な質問になりますが、このソーラーシェアリングとは、どんな事業なのか、教えてください。

 「ソーラーシェアリングはざっくり言うと、畑の上で太陽光発電をやりますよっていう事業で、山を壊しちゃったりとか、そういうことはしません。
 (太陽光パネルの)高さがだいたい3メートルぐらいなんですけど、その下ではトラクターも通りますし、コンバインも通って、普通に農業やれる、そういうような仕組みなんです。

 特徴的なのは、たたみ一畳ぐらいの大きな太陽光パネルは使わないで、幅が35センチ、長さが2メートルの細長い太陽光パネルが、空間が2あったら太陽光パネルが1、2対1で隙間だらけの、そういう太陽光発電のことをソーラーシェアリングって言います」

写真協力:市民エネルギーちば株式会社

●ソーラーパネルの下が畑なんですね。会社名に”市民”と付いているのは何か意味があるんですか? 

「2011年に東日本大震災があって、原子力発電所の事故がありました。僕はその前まで20年ぐらい、有機農産物の流通をやっていたんですが、これからは食べ物だけじゃなくて、エネルギーのことを市民も考えていかなきゃいけないなって考えました。

 そこで千葉県内の9つの環境団体の理事とか代表クラスが集まって、ひとり10万円ずつ出し合って、本当に小さな90万円の合同会社を作ったのがスタートです。市民っていう名前は、市民のエネルギーなんだよ、しかも千葉から始めるんだよってことで、市民エネルギーちばっていう名前にしました」

●会社を起こすきっかけは、東日本大震災が大きかったんですね。

「いちばん大きかったですね」

●匝瑳市で行なっているソーラーシェアリングは、どんなことを大事に進めている事業なんですか? 

「ただ発電すればいいよってことではなくて、だいたい4つのことを大事にしています。ひとつは自然環境を大事にしようねっていうことです。
 いくら再生可能エネルギーでエネルギーを再生したとしても、山を壊しちゃったりとか生態系を壊しちゃったりしたら、元の木阿弥というか、本末転倒なんで、エネルギーのことだけじゃなくて、その他の環境問題のことも大事にしようね、これがひとつですね。

 それと(太陽光パネルの)下で農業やらせていただいてるんですけれども、やっぱり農業と太陽光発電だったらどっちが大事なの? って言った時には、迷わず農業のほうが大事なんだよっていう、これをすごく大事にしています。

 あとは地域コミュニティ、これもすごく大事にしています。自然エネルギーって広い土地や空が必要なので、その地域の恩恵を都会の、電気をたくさん使うところに分けていただくってお仕事だと思っているので、地域コミュニティが大事、そういうことを考えています。

 もうひとつは、社会的に僕たちは、普段”シンク・グローバリー、 アクト・ローカリー”ということで、地元で小さく活動しているんですけども、その思いが世界中に繋がっていくような社会性、そこにも寄与していきたいなってことで、この4つのテーマを大事に活動しています」

東 光弘さん

ソーラーシェアリングの師匠

※ソーラーシェアリングは、太陽の光を「発電」と「農業」でシェアするという取り組みですが、このシステムを開発したのは東さんなんですか?

「いえいえ、僕ではなくて、 僕の師匠に当たります、長島彬(ながしま・あきら)先生っていうかたがいらっしゃいます。長島先生は2010年にこのソーラーシェアリングという技術を特許申請しまして、特許を取れたんですね。でも自分がそれを独り占めすることはなくて、誰でも使っていいよってことで公開しています。

 全国で3000件以上のソーラーシェアリングがあるんですけれども、もしも長島さんがひとつあたり5万円とかお金を取っていたら、何億円も儲かっちゃっていたんですね。長島さんは全ては世界中の子供たちのためにっていうコンセプトを持っているので、自分が儲けるよりも、みんなが真似してくれて、どんどん広まってほしいっていう、そういう人徳者のかたなんですね」

●長島さんとの出会いは? 

「最初にお伝えした、自分もこれから自然エネルギーを広めたいなと思った時に、山を壊すような太陽光発電はやりたくなかったので、ちょっと悶々としているところに、畑の上の太陽光発電っていうのがあるよって知り合いから教えてもらいました。

 最初は自分もずっと有機農業の流通の仕事をしていたので、畑の上で太陽光発電をやるのは、けしからんなって感じで、ちょっと文句でも言いに行こうかなと思って(長島さんのところへ)行ったんです。行ってみたら、僕も全国の色んな畑を周るお仕事だったので、そこの野菜たちがすごくたおやかというか、僕たちは幸せだよみたいな、すごくふわふわっとした、いい雰囲気の中で作物が育っていたんですね。

 この技術は研究してみる価値があるなっていうことで、長島先生に色んなことを教えてもらいながら、実際に自分でそこで堆肥も作って、色んなお野菜を育ててみたんですね。どれもすごく元気に育つものですから、これはもう自分の仕事として全国に広めていきたいな、そう思ったのがきっかけです」

写真協力:市民エネルギーちば株式会社

パネルの下でもすくすく育つ

※先ほど、細長いソーラーパネルを使っているというお話でしたが、東さん、細長いパネルを使うメリットってなんでしょうか?

「できるだけ、自然の木漏れ日に近いような状態にしたいなと思っています。自然の中では、野菜たちって背が低いので、果樹も背が低くて、ちょっと大きい木が側にあると、その枝の隙間から来る、そこはかとない木漏れ日で、みんな元気に育っています。それに近い状態を作ってあげたいなっていうことです。

 大きいパネルを使っちゃうと、雨だれという雨の雫がすごくたくさん下に落っこっちゃって、その下の野菜の育ちが悪くなっちゃうんですね。(パネルが)細いと雨だれの量が大したことないので、作物にとってとても優しいっていうことですね」

●だから、ソーラーパネルの下の畑でもすくすくと育っていくわけですね。ちなみにどんな作物を育てているんですか? 

「現在は大豆と麦を育てています。今まで50種類以上の野菜を育ててみて、どれも元気に育つんですけども、私たちのところは土地がとても痩せているので、まず大豆を育てて空気中の窒素を固定化する。

 そして麦を育てると、麦はすごく根っこが深く延びるので土の中に空気が入っていく。空気が入っていくと微生物もよく育つ。麦と大豆を輪作していくと土がだんだんよくなるので、有機農業ではよくやる手法なんですね」

●耕作放棄地は農家さんから借りているんですか? 

「そうですね。借りる場合が多くて、あとは買っちゃったりもして、そこを有機JASということで、全部オーガニックにしてやっています。僕たちは太陽光パネルでCO2が出るのを減らしたいってことと、その下で植物が育つので、光合成によっても空気中の炭素を固定化していこうというのがひとつあります。

 有機栽培をやると土の中の炭素がどんどん増えていくし、化学肥料とか農薬はすごく化石燃料を使って作るものなので、それを使わないと、よりエコだっていうことで、トラクターもBDFっていうバイオディーゼルの燃料を使っていたりします」

●農家さんたちの反応はいかがでした? 

「わりと僕たちの農業をやってくれている仲間たちは若くて、もともと有機栽培をやっている人たちなんですね。そういう農家さんは知的好奇心が高いので、やっぱり気持ちよく、農業をただお仕事でやるんじゃなくて、それが自分たちの仕事だとプライドが持てて、社会に自分たちの農業が貢献しているんだっていう意識があると思います。

 だからその上で自然エネルギーを生み出すってことは、すごくポジティブに捉えてくれているし、今パタゴニアさんとかと協力してやっている不耕起栽培の実験にも、すごく積極的に自分ごととして参加してくれているんですよね」

●そのパタゴニアさんとのコラボってどんなものなんですか? 

「色々やっているんですけど、そのうちの大きいプロジェクトが、耕さないで農業をやってみること。今アメリカとかヨーロッパでどんどん盛んになってきているんですね。

 さっき言った有機栽培に加えて耕さないと、土の中の”団粒構造”っていう、微生物たちがネバネバした液体みたいなのを出して、土がポップコーンみたいに粒々コロコロになっていくんですね。そうすると他の微生物がもっと育つようになってきて、どんどん微生物の死骸が溜まったりして、土の中の炭素量が増えていくんです。

 僕たちの活動はその太陽光パネルでCO2が出る量を減らしていて、その下で作物を育てて光合成によって炭素を固定しているんですけれども、耕さない農業をやると土の中にさらに炭素が入っていくので、そういったことをパタゴニアさんと協力して、今実行しているところなんですね」

(編集部注:東さんによれば、千葉県匝瑳市では農地の4分の1ほどが耕作放棄地になっているそうです。そこを再生させる意味でもソーラーシェアリングに可能性を感じます)

東 光弘さん

都市部でもソーラーシェアリング

※ソーラーシェアリングの課題はありますか?

「今、うちのエリアではすごく成功しているんですけれども、まだ社会的に、例えば農家さんの高齢化が進んでいたりとか(農業)従事者人数が減っていたりとか、耕作放棄地が増えているっていうことがあります。
 農業の面からもソーラーシェアリングは期待されているし、世界的にはRE100(*)だったりとかで、自然エネルギーをもっと増やしてほしいっていうニーズがあるんですね。ニーズがあるにもかかわらず、爆発的に広まっていません。

 これはひとつは、20年間は最低やらなければいけないので、20年農業をやってくれる農家さんを探すのが大変だったりとか、先ほど最初にお伝えした通り、(太陽光パネルが)高いところにあったり、細長いちょっと特殊なパネルを使うので、コストがまだ高い。このふたつを解決していくのが今いちばん大きな課題になっています」

●ソーラーパネルのメンテナンスは結構大変なものなんですか?

「意外と簡単です。汚れにしても、だいたい30度くらいの角度がついているので、例えば、鳥の糞とかカラスの糞がついちゃっても、ちょっとしっかりした雨が降れば、すぐ綺麗に落ちたりとか・・・。

 あとは、仕組みとしては意外とシンプルなので、メンテナンスは意外と簡単です。特に僕たちの場合はその下で農業をやっているので、定期的に人が入ります。山奥のメガソーラーと違って、週に1回ぐらいは誰かがちょっと見たりとかしているので、ケーブルがたれちゃっているねって言えば、ささっと直せますね」

●そうなんですね〜。じゃあ扱いやすいですね。

「そうですね。自然エネルギーの中では、素人でもメンテナンスしやすい技術だと思います」

●ソーラーシェアリングを都市部でも展開しようとされていますけれども、都会となると、使う土地って畑ではないですよね?

「色々考えられるんですけど、いちばん簡単なのは公園かなって思ってますね。ちょっとパーゴラみたい、藤棚みたいな感じで、木陰代わりにソーラーシェアリングになっていて、そこから例えば、外灯とか色々電気をとっておいて、災害時にはみんながそこでスマートフォンを充電出来るような空間にしたりとか。それとあと大きなビルの屋上もすごく狙っています」

●いいですね!

「ふたつのことを考えていて、屋上緑化されているビルについては、そのまま畑と同じようなソーラーシェアリングをやって、あとはビルの上ってGoogleアースとかで見ていただけるとよく分かるんですけれども、結構クーラーの室外機とかでデコボコなっているんですね。

 ソーラーシェアリングの場合だと逆に脚があるので、室外機とかをオーバーハング、上に跨いでいくような形で設置ができますね。TOKYO OASISってうブランドで、そういうことも考えています。

 クーラーの室外機って本体が35度以上になると、すごく消費電力が上がっちゃうんですけど、ソーラーシェアリングで日陰にするとすごく消費電力も下がるので、二重にお得かな! そんなことも考えています」

(*編集部注:東さんのお話にあった「RE(アールイー) 100」とは、「RENEWABLE ENERGY(リニューアブル・エナジー) 100%」の略で、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的な取り組みのこと。国内外の超有名企業が数多く参加しています)

災害時に電気を供給

※2019年に千葉県でも大きな台風被害があって、停電が長引いたことがありました。その時に「市民エネルギーちば」では充電のためのステーションを開設したそうですね。どんな試みだったんですか?

「私たちのエリアでもやっぱり2週間くらい停電がずっと続いて、僕自身も初めて被災者っていう立場になって、メンタル的にすごく削られていくっていうのがよく分かったんですね。

 自分たちに出来ることはないかなっていうことで、とりあえずメンバーが各自、自分たちの発電所に行ってパワーコンディショナーっていう機械を開けて、そこから100ボルトの電気がそれなりに取れたので、それを地元のかたたちに10日間くらい解放しました。

 そこに炊飯器を持って来れば、そこでお米も炊けるし、EVカー持って来れば、充電もできるってことを数設備分やったんです。それですごく地元のかたの信頼が上がったっていうか、電気はただエネルギーってことじゃなくて、人と人が繋がる、コミュニケーションになるんだなっていうのが分かりました。

 そのあと、匝瑳市と連携して、今度は全部の設備から電気が取れるように協定を結んだところなんですね」

●それはどういった協定なんですか?

「僕ら(のメンバー)は数人しかいないので、設備が20個あっても全部使えないから、匝瑳市の地元のかたに講習会を開いて、カギを預けておいて、もし停電になったら、みんな自分の係の発電所を開けて電気を取り出せますよ。匝瑳市の人だったら誰でも電気をタダで貰えますよっていう協定書を、覚書を作ったんですね。

 現在はそれがさらに発展して、ENEOSさんと共同申請をして”マイクログリッド”という仕組みの調査を昨年実施したところです」

●「地域マイクログリット構築プラン作成事業」!

「そう、難しい言葉! おっしゃる通りです。経産省が主導で、全国でそれに挑戦してみるところありませんか? っていうことで、私たちの地域で応募して採択されて、今調査が終わったところです」

●改めて、このマイクログリッドっていうのは、なんですか?

「普段のこの辺ですと、東京電力さんが大きなグリッド、送電網っていうものを管理していただいているわけですけれども、災害があった時には停電が起きちゃうよと。そういう時に千葉県ですと、睦沢町(むつざわまち)というところで、すでにマイクログリッドが実証されているんですね。そのエリア、決して広くはないんですけども、前々回の台風15号の時も19号の時にも、そこの町だけは停電が起きなかったんですよ。

 すごく素敵で、僕らもそれをぜひやってみよう! ってことで、近くの”ふれあいパーク”っていう道の駅のようなところがあるんですが、そこに大きな蓄電池を入れて、普段は溜めておいて、もし停電になったら、ソーラーシェアリングの電気をそこに繋いで、数百件のお宅と、あとは学校とか、そこのエリアだけは停電しないようにってそういう実証実験をやっているところで、今年からいよいよ建設が予定されているところです」

写真協力:市民エネルギーちば株式会社

※東さん、最後に「市民エネルギーちば」の代表として、ソーラーシェアリングも含め、伝えたいことがあれば、お願いします。

「本当に大事な時期に生きているなと、お互い思っていて、僕は56歳なんですけど、最近若い人もたちもどんどん訪ねて来てくれています。
 自分が普段、環境活動をやっている上で気をつけていることが3つあって、ひとつはさっき言ったような、Googleアースから見た視点、距離的に高いところから見て俯瞰してものを見る。

 それと環境問題って自分が今いいことだなって思っていても、人間が考えることなので、間違えちゃうことも多いから、時間軸を何十年とか何百年とか、時間も俯瞰して見るっていうこと。

 ソーラーシェアリングは、空中では太陽光発電をやって地面では農業をやろうってことで、階層、レイヤーを俯瞰して見る。色んな組み合わせ、車はもともと人が移動したりとか、物を運ぶための道具なんですけど、それを今度はエネルギーを運ぶっていう異なるレイヤーのことを、再度ハイブリッドに組み合わせてみると、色んな可能性がある。だから距離的な俯瞰、時間的な俯瞰、レイヤーの俯瞰をしていくと。

 これから大変な時代だって、ついみんな思いがちで、僕もそういう時あるんですけど、無限に解決していく可能性があると思っています。それはエコロジーに従事していくと、すごく自分の世界観を広げながらやっていけることだと思うので、そういうことを来ていただいた若い人には、今お伝えするようにしています」


INFORMATION

 太陽の光を「発電」と「農業」でシェアするソーラーシェアリングは、クリーンなエネルギーを得られること、作物の収穫、そして耕作放棄地の再生、さらにエネルギーの自給自足は災害時の備えにもなる素晴らしい事業です。ぜひ「市民エネルギーちば」の活動にご注目ください。

 「市民エネルギーちば」について、詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎市民エネルギーちば HP:https://www.energy-chiba.com

オンエア・ソング 3月20日(日)

2022/3/20 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. EVERYBODY COME OUT IN THE SUNSHINE / SWEETBOX
M2. ENERGY / KERI HILSON
M3. SUNSHINE / NANCY WILSON
M4. LOVE FIELD / ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS
M5. Sunshine Sunshine / Superfly
M6. SUNSHINE / BRIAN WILSON
M7. POWER / JOHN HALL

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

子供たちのわくわくを探求する「森の学校みっけ」〜教科書は森の中、校庭は山・川・海〜

2022/3/13 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、徳島県・神山町(かみやまちょう)で進んでいるスクールプロジェクト「森の学校みっけ」の「松岡美緒(まつおか・みお)」さんと、「らんぼう」さんこと「上田直樹(うえだ・なおき)」さんです。

 「森の学校みっけ」は、自然の中でのわくわくするような体験を大事に、子供たちの成長をうながし、より良い未来を創っていこうとする新しい学校です。

 具体的にはどんな学校なのか、「松岡」さんと「らんぼう」さんにお話をうかがいながら、おふたりの思いに迫っていきたいと思います。

☆写真協力:森の学校みっけ

わくわく小学校!?

●松岡さんとらんぼうさんは、徳島県神山町で「森の学校みっけ」という子供たちのためのプロジェクトを進めていらっしゃいます。まずは松岡さん、どんなプロジェクトなのか教えてください。

松岡美緒さん

松岡さん「徳島県の神山町という人口5000人の小さな町なんですけれども、移住のかたが今とてもたくさん来ている注目されている町、この中の森の一角に小学校を作ろうとしています。『森の学校みっけ』という名前で、人と人、それから人と地球のつながりを紡ぐオルタナティブ・スクールで、この4月から開校する予定です。
 子供たちは火を焚いて料理をしたり、山川で遊んだりしながら、自分のわくわくを探求する、そんな学校にできたらいいなと思って準備しています」

●発案者は松岡さんですか? 

松岡さん「最初に私とらんぼうが、山の中でトレイルランニングを子供たちとしたら楽しいんじゃないかっていうところから始まって、子供たちの放課後の時間に一緒に山川を走るプロジェクトを立ち上げました。

 そんな中で、これ日常になったらいいのにねとか、放課後だけじゃちょっと物足りないなという気持ち、それから全国で今、ひとつの学びの形だけでは収まりきらないような子供たちがたくさんいると感じているんです。その中で私たちができることって何だろうと考えながら、小学校というアイデアにたどり着きました」

「らんぼう」さんこと上田直樹さん

●らんぼうさんは創立メンバーのおひとりということですよね。

らんぼうさん「そうです。おかげさまで(笑)」

●みなさん、神山町在住なんですか? 

らんぼうさん「そうですね。僕も美緒ちゃんも神山町に住んでいます」

●具体的にどんな学校なのかをお聞きしたいんですけれども、対象は何歳から何歳までなんですか? 

松岡さん「この『森の学校みっけ』は普通の小学校と同じように選んでいただいて、通っていただくものなんですね。小学校1年生から6年生までで、月曜日から金曜日までの学校になっています。夏休みもありますし、冬休みもあります。普通の学校と同じように通っていただく、もうひとつの学校ですね」

●オルタナティブ・スクールっていうのはどういう意味なんですか? あまり耳馴染みがないんですけれども・・・。

らんぼうさん「よくフリー・スクールって聞くことってあると思うんですけど、フリー・スクールの考え方って基本的には、不登校の子供たちがゆくゆく普通の小学校とかに戻るトレーニングの場として、ある一定期間、一時的に通って、慣れてきたら、また小学校に戻っていくような学校をフリー・スクールって言ったりするんです。

 オルタナティブ・スクールっていうのは、その学校によって趣旨が違ったりするんですけれども、うちの学校は例えば、こういうことをやっていきたいっていうことで、そこにずっと通う、そこを前提として通う学校のことをオルタナティブ・スクールって言ったりします。学校ごとによって考え方が違ったりしますね」

(編集部注:創設メンバーは、おふたりのほかに、地域のかたや子供たちと、ものづくりを進める「藤本直紀」さん、「らんぼう」さんの奥様「麻衣」さん、そしてスタッフ研修などを担当する「中村奈津子」さんの、5名となっています)

写真協力:森の学校みっけ

時間割がない学校

※「森の学校みっけ」の1日は、こんな感じで始まるそうですよ。

松岡さん「普通(の学校)は時間割とかあるじゃないですか。でも『森の学校みっけ』は、朝はみんな集まって丸くなって、きょう何する? っていう話し合い、始まりの輪から始まるそんな小学校です。自分たちが本当にわくわくしていることを突き詰められる、向き合えるような、そんな時間を1日過ごせるデザインにしていきたいと思っています」

写真協力:森の学校みっけ

●ホームページを拝見させていただいたんですけど、”わくわくこそが君の地図”と載っていましたが、まさにわくわくを大切にしているっていうことなんですね。

「ずっと受け身で勉強していたり、しなきゃいけないことって提供されて勉強してきた子たちが、大きくなってから何が結局楽しんだっけとか、何にわくわくしていたんだっけ、どこに向かっていたんだっけって分からなくなるかた、いらっしゃるんじゃないかなって今の時代、感じています。

 それを小学校の時から、私がやりたいのはこれなんだ、このことで私の命はこんなにキラキラしているっていう、そういう体験が小学校のうちにできたらいいんじゃないかなって思っています」

●考える力も身に着きそうですね。普通の小学校のイメージだと、校舎があって、校庭があってっていう感じなんですけれども、この「森の楽校みっけ」はどんな学校になるんですか? 

松岡さん「私たちが今使わせてもらっている森は、川が流れていて、竹林もあって、竹林があるから、たけのこも生えたり、森の中には栗とか柿とかビワとか、色んな果物がなる木が生えています。

 川も彼岸花の咲く時期になると、モクズガニっていうシャンハイガニみたいなちょっと大きめのカニがうろうろしていたり、地元のおじいちゃんたちは、うなぎも獲れるんじゃないかって言って、罠を貸してくれるって話をしてくれたり(笑)。そんな食べられる森、本当に食べられるものがたくさんあるような、そんな森の中で、子供たちが学べることがたくさんあるんじゃないかなと思っています」

写真協力:森の学校みっけ

らんぼうさん「フィールドはそこの場所が基本にはなるんですけど、神山全体もフィールドってみんなで考えています。例えば、夏場だったら・・・滝とかあるんですよ。日本滝百選に選ばれている滝があったり、そこで打たれることもできますし、色んな綺麗な川だったりキャンプ場もあります。
 3Dプリンターがあって、雨の日とかそういう作品作りができたりする場もあるんですよ。

 別に海に出てもいいと思うんですよ。あと山登りに行ったりとか・・・だから一箇所の校舎があるところだけがフィールドっていう感じじゃなくて、全体がフィールドっていうような認識で、僕らはいますね」

自分だけの教科書

※「森の学校みっけ」が森や、町そのものが教室というお話でしたが、教科書はあるんですよね?

松岡さん「教科書も私たちは用意していないんです。始まりの輪で決めた、きょう1日やりたいことを、子供たちが行なって、お昼も食べて、またそのあとも遊んだり学んだりする時間があったあとに、きょうあったこと、きょう感じたこと、きょう見つけたこと、見つけた葉っぱ、土、そんなものを挟めるような日記を用意したいなと思っています。1年間終わったあかつきには、それが自分だけの教科書になる、そんなことをイメージしています」

●素敵ですね〜。先生がたは松岡さんや、らんぼうさんたちってことですか? 

「基本的にはそうですね。先生って呼ばずにスタッフって私たちは呼んでいるんです。子どもたちの学びをサポートする、学んでもらうデザインとか、サポートはするので、普通の先生っていう言葉じゃないのが合っているのかなって思っています。ちなみにらんぼうは、どんなことを担当するスタッフなんですか?」

らんぼうさん「僕は旅がものすごく好きなんですよ。10年以上あっちこっち世界中を周ってきたので、やっぱり、暮らしと旅時間っていうのを大事にしようかなっていうことをみんなと話しているんですよ。

 例えば夏休みとか、そういうある程度の休みの期間中に・・・この間、お遍路周ってきたんですよ。お遍路周ってきて、やっぱり地元の人たちからのお接待で、感謝しきれないぐらいのありがたみを感じるんです。例えば、そういう場所を子供たちと一緒に周ったりとか・・・。

 剣山(つるぎさん)って山があるんです。うちの息子6歳なんですけれども、一緒に登ってきて、やっぱり自分でこのぐらいだったら、できるんだって、自信にもなる姿を目の前で見てきたんですね。そういったところにみんなで行ったりとか、ちょっと旅をしながら色んなことに挑戦していく、そういうことをやりたいなって思っています」

●松岡さんは元々東京のご出身なんですよね? どうしてまた徳島県の神山町に暮らすことになったんですか? 

「ずっと国際協力のお仕事をしていて、パキスタンとか南アフリカとかに行ったりして仕事をしていたんですね。そういう国でお仕事する時って人の命を助けるお仕事なんですけど、人の命を助けているのに自分自身の命がどういうふうに作られているか分からない、知らないなっていうことに気がついたんです。
 もっと根本的な暮らしとか命とか、そういうことに触れてみたいなと思って、水と空気が綺麗なところを探していました」

●全国各地色んな選択肢があったと思うんですけど、徳島県の神山町には縁があったんですか? 

「一度、気候変動の授業をしてほしいということで、神山にある農業高校さんに呼んでもらって、高校生にそういう話をする機会があったのがいちばん大きかったかもしれません。
 その時に森の中にあるサウナとか、サウナに入ったあとに川に飛び込むとか、そういう体験をさせてもらったのが多分、私のわくわくとかドキドキとかをくすぐられたんじゃないかなって思っています」

(編集部注:らんぼうさんが神山町に移住するきっかけになったのは、奥様が占い師さんに、神山に住みなさいと言われ、面白いと思ったことと、らんぼうさん自身がもともと、地域起こしに興味があったことなどがあるそうです。そして下見に行った時に、いまならすぐ移住者用の家に入れますと言われ、即決したそうですよ。

 ちなみにニックネームのらんぼうは、北海道の実家にさくらんぼの木があることと、走ること、つまりランニングが好きなので、そのふたつの意味をあわせて、らんぼうと呼ばれるようになったそうです)

写真協力:森の学校みっけ

「やったら、えんちゃうん」

※みなさんが暮らしている徳島県・神山町なんですが、どんなところが魅力的なんですか?

らんぼうさん「まず水が綺麗なのがいいですね! 川の透明度がすごくあるし、家も湧水、地下水なんですけど、美緒ちゃんのところも湧水が流れていて、水がいいですね。
 あとはね、町の人たちがすごく・・・なんて言うんでしょ・・・神山で”やったら、えんちゃうん”っていう合言葉があるんですよ」

●いいですね〜。

らんぼうさん「だからなにか自分でやろうとした時に、背中を押してくれる人たちが本当にたくさんいるんですよ。
 例えば、今回だって『森の学校みっけ』をやるにあたって、教育委員会とも色々お話とかをさせていただいているんですけども、まだ始まっていないじゃないですか、だけども色々話をしていく中で、出席日数を普通の小学校には一応在籍するっていう形にはなるんですけれども、うちらの学校に通っていても出席日数を数えてくれるよっていう、そういう背中押してくださったりとか。

 地元のおじさんに、インターンも新しく決まって、その子の下宿先でいいですか? って言ったら、いいよって快く言ってくれるおじさんたちがいたりとか。背中を押してくださってる地元の方々の“やったら、えんちゃうん”っていうそういう雰囲気がすごく好きですね」

●「やったら、えんちゃうん」ってすごく前向きな言葉ですね。

らんぼうさん「そうですね」

●暖かい町なんですね。”奇跡の田舎”とも呼ばれているそうですけれども、どんなところが奇跡なんですか?

松岡さん「それはもう町の人に聞いたほうが、私はまだ移住3年目なので、移住民としてはまだまだ新米なんですが・・・その“やったら、えんちゃうん”もそうなんですけど、移住の人を入れなかったら、町が人口的にもどんどん小っちゃくなるだろうっていう(問題意識があるんです)。

 そこで何十年先を見据えて、これからどういう町にしていきたいのかっていうのを、町も町民もそれから第三セクターもそこにある企業の人たちも、みんなが集まって話し合いできる場がデザインされたのは、すごく大きいのかなって思っています。

 その話し合いの中で、こういうプロジェクトをやりたいんだけど、“やったら、えんちゃうん”で、色んなプロジェクトが実際に動いています。例えば『アーティスト・イン・レジデンス』、申し込んでもほぼ通らないような倍率なんですけど、アーティスト・イン・レジデンスの募集をかけています。

 森の中を歩くと、アーティストの作品が見られる場所もあったりするんです。色んな人が出入りして、その町を一緒に作り上げていくっていう、オープンでカジュアルで柔らかい物腰の姿勢が、そういうふうにしてくれているのかなって感じます」

(編集部注:神山町に伝わる「やったら、えんちゃうん」の精神は、30年ほど前に、戦前にアメリカから贈られた「青い目の人形」アリスを、アメリカに里帰りさせるプロジェクトがうまくいった、その成功体験が町の人たちの間で共有されているからではないかと、らんぼうさんはおっしゃっていました)

森の中に算数がある!?

※森の中で遊ぶことで、子供たちはどんなことを身につけていくと思いますか?

松岡さん「まず、この森の中で過ごしている時って、算数を考えない日がないんですね。例えば、あそこからここまで何メートルなんだろうっていう質問、よく子供たちが”俺は100メートルあると思う”とか”1000メートルあると思う”とか、まだメートルが分からない子たちが数を言い合っていたり・・・。

 一歩って何センチなんだろうってところから始まって、割り算をしてみたり、掛け算をしてみたり。でもこれが割り算だよとか掛け算だよとか、そういう話し方ではなくて、本当に一歩ずつ測って足していく、その積み重ねで割り算とか掛け算とか、そういう概念が入ってきたりしますね。
 あとカニがきょう何杯獲れたけど、何人いるけど、どうやって分けるとか、食べ物のことになるとみんなシリアスなので(笑)。

 算数とかそういう概念だけじゃないんです。本当にここで過ごすだけで、どうやって水はここまで流れて来たんだろう、どうやってこの芽は発芽したんだろうっていう理科の部分。この山は昔どういうふうに使われていたんだろうっていう歴史・社会の部分。

 それからみんなで美味しいね、楽しいねって、料理を作りながら体験する家庭科だとか、その美味しかったことを記録したり、絵に描いたり詩にしたり、国語とかアートとか哲学とか文化人類学とか、色んなところに、この暮らしの中でたどり着ける教科があるんじゃないかなって思っています」

らんぼう「僕もいいですか」

●はい! らんぼうさん、どうぞ。

らんぼうさん「僕の中では、いくつかあるんですけど、まず挑戦がすごくしやすい環境なんですよね。
 例えば、この前、僕らのフィールドから反対側に山があって、その山に小っちゃい建物が見えて、あそこまでちょっと行ってみる? って言って、行ってそこから、やっほー! って言ったら、こっちまで聴こえるかどうか試してみよう! みたいな感じになったんですよ。

 それで実際に走って、多分往復で4キロちょっとあるんですけど、そこまで行って、やっほー! って言ったら、お互いに聴こえたりしたんですよね。あ〜聴こえるわー! みたいな感じで盛り上がったんですよ。

 で、戻って来るまでの道のり、大体これで4キロぐらいなんだっていう、実体験として距離も分かって、これだったらいけるねっていう・・・うちの子供もこの間、そういう距離の感覚をつかんで、6歳ですけれども6キロとか走れたんですよ」

●へぇ〜〜!

らんぼうさん「大人でも6キロっていったら結構大変だって思う人もいるかもしれないけど、自分で実際挑戦すること、これくらいだったらいけるなっていうものができあがったり。

 あとこれに関わっているメンバーひとりひとりも、かなり面白い大人だし、その大人のまた友達が来たりとかするわけじゃないですか。僕すごい思うんですけど、人生の転換期っていうのは、結構本物の大人と出会う、それによって、こういう世界あるんや! って価値観が広がって、できることの幅が広がったりすると思うんですよ。そういう面白い大人と出会ったりできるのも、すごく魅力なんじゃないかなって思ったりしています」

写真協力:森の学校みっけ

※最後におふたりから、この番組を聴いてくださっている、今子育て真っ最中のパパやママに、伝えたいことがあれば、お願いします。

らんぼうさん「自分ひとりでやっているわけじゃなくて、色んな仲間たち、そして関わってくださっているお母さんたち、子供たち、お父さんたち、みんなで今作っていること自体が本当に奇跡だなと思うし、これ自体が希望だと思うんですよね。
 なので、自分たちがやりながら、わくわくしながら希望を作っていくっていう、その輪がこれからも広がっていったら嬉しいというふうに思います。

 僕たちも今、『森の学校みっけ』っていうラジオを、stand.fm(音声配信アプリ)の中でもやっていますし、今回のこのラジオを聴いてくださって非常に嬉しいですし、そういった色んな情報共有を通じて、みなさんと手を取り合って、素敵な場を作っていけたらと思っています。ぜひ、みなさん、応援よろしくお願いいたします」

●では、松岡さんもお願いします。

松岡さん「はい、学校は作る時代へ突入していると思っています。みんなで学校を作るために私たちが今できることをやっていこうと思います。
 それから、地球環境がどんどん変わっていくんじゃないかっていうことも懸念されています。子供たちが、7世代先の子供たちが、安心して心地よく住める地球をずっと守っていくために、この学校が成功したら本当に嬉しいなって思っています。応援どうぞよろしくお願いいたします」


INFORMATION

 スクールの内容や募集について、たくさんのお問い合わせがある、とのことですが、今年度募集の、小学校1年生から6年生の児童12名はすでに定員に達しているそうです。次回の募集についてはお問い合わせください。また、一緒にスクールを運営してくださるスタッフも募集しています。
「森の学校みっけ」について詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎森の学校みっけ HP:https://mapisfullofknots.wixsite.com/-site-1

 「森の学校みっけ」では4月の開校に向け、現在、クラウドファンディングで支援を募っています。ひとくち3,000円からいろいろなパターンがあって、リターンは、森の恵みやフィールド体験、月1回配信のラジオなどなどユニークなものが盛りだくさんです。ぜひご支援ください。3月26日までです。
詳しくはクラウドファンディングのサイトを見てくださいね。

◎クラウドファンディングサイト:
https://camp-fire.jp/projects/542960/activities/353097

オンエア・ソング 3月13日(日)

2022/3/13 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. OVERJOYED / CELINE DION & STEVIE WONDER
M2. CHILDHOOD / MICHAEL JACKSON
M3. FIELDS OF GOLD / STING
M4. WILD CHILD / ENYA
M5. MIRACLE / THE CORRS
M6. BRAVE NEW HOPE / BASIA

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

防災は「日々の延長」!〜あなたにもすぐできる、アイデア満載の防災術

2022/3/6 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、国際災害レスキューナースの「辻直美(つじ・なおみ)」さんです。

 辻さんはレスキューナースとして国内外の被災地で救援活動、また、ご自身も阪神・淡路大震災で被災された経験をお持ちです。そんな実体験をもとに、だれでもすぐに取り組める防災のテクニックやアイデアをまとめて本も出版されています。

辻直美さんの著書を手に

 

 きょうは辻さんに、お金をかけずに備える効果抜群の防災術や、防災の心得についてうかがっていきます。参考になるアイデアが満載ですよ!

そして、きょうは辻さんの本、防災の知識を漫画で楽しく解説した『防災クエスト〜家族みんなで防災ミッションを攻略しよう!』を、サイン入りで、3名のかたにプレゼントいたします。こちらから!

☆写真協力:一般社団法人 育母塾

辻直美さん

日常の延長としての防災

 辻さんは91年に看護師免許を取得、93年に国境なき医師団の活動で上海に赴任。帰国後、阪神・淡路大震災で被災、自宅が全壊したことで災害医療に目覚め、救命救急災害レスキューナースとして活動。現在はフリーのナースとして、講演活動や防災教育などを行なっているほか、子育てに悩むママをサポートする一般社団法人「育母塾」の代表としても活躍されています。

 レスキューナースとして様々な災害現場で活動されてきた辻さんは、どこの被災地に行っても被災者のかたから、「日頃からちゃんとやっておけばよかった」という後悔の声を聞くそうです。

※早速なんですが、電気や水道などがストップした中で避難生活が長引いた場合、特に注意しなければいけないことは、どんなことなんでしょうか。

「もちろん感染対策もありますけれども、普段と同じ生活ができないっていうだけで、かなり抵抗力が落ちるんですよ。メンタルも落ちます。体力も落ちます。そして清潔具合も変わってきます。なので、ライフラインが切れたとしても、いかに日常に近い生活ができるのか、それを考えて防災ってやっておくんです」

●日常の延長としての防災っていうことなんですね。今はコロナ禍ということで、新たな備えですとか、考え方も求められているのかなとは思うんですけれども、これまでと大きく変わった点というのは何かありますか? 

「今までだと避難所に行ったりとか、もちろん被災したお隣同士とかでも、物のやり取りって割とありました。しかし今は人から物をもらう、あげるって、ちょっと控えめになっています。なんとなく気が引けますよね」 

●そうですよね〜。どうしても密になってしまう避難所へ行かなきゃいけないっていう時は、どうしたらいいんでしょう? 

「もともと避難所を運営する時は感染症対策マニュアルというのが、コロナ禍の前からあるんです。そしてその感染対策っていうのは、コロナに対する対策と全く同じなんですね。しかし、コロナ禍になって変わったことは、自分でマスクを着けていくこと。そして消毒と感染対策ができるグッズを、自分で用意していくことになりました。

 手を洗うという行為ひとつでも、水で洗っても大丈夫。石鹸をつけたら、なおのことよし。そしてアルコールをつければもっといいっていう、この3つの方法を目の前にある物で上手くやっていくことで、ひとつ感染対策はできると思います」

●備えておいたほうがいいっていう物に関してはいかがですか? 

「もちろんアルコールや石鹸などは必要だと思います。あとマスクなども手に入ることが少なくなると思いますので、不織布だけではなくて、布物のマスクも用意されて、洗って使うというのも対策としてはあると思います」

100均グッズで上手に防災

※辻さんはご自宅で、おもに100均グッズを使って、地震に備えた工夫をされているそうですね。どんなことをされているのか、教えてください。

写真協力:一般社団法人 育母塾

「私の家は基本的に地震を想定して準備しています。地震は物が落ちる、倒れる、移動する、そして飛ぶっていう動きをするんですよ。特に震度7以上になると物が飛んできます。
 この4つの動きをさせないために、どうすればいいのかってことを考えて、物を配置しています。私は、物が全て落ちてこないように滑り止めシートをすごく多用しています」

●私は東日本大震災の時は大学生で、千葉市の実家にいたんです。滑り止めを冷蔵庫自体には付けていたので、冷蔵庫が倒れるってことはなかったんですが、冷蔵庫の中身がばーっと出てきてしまったり、食器がばーっと倒れてしまったりっていうことがありました。その防止策を100均グッズで、できたりするんですか? 

「まず冷蔵庫で言いますと、冷蔵庫の中身が地震で左右前後に揺れることで、実は冷蔵庫ってダンシングって言うんですけど、踊るように動くんですよ。最終的に冷蔵庫の前面に全部食べ物とか中の物が出てきて、バーンって倒れるんですね。そうならないために、私は冷蔵庫の中身も滑り止めシートを敷いています」

●中身にも? 

「はい。透明の滑り止めシートが100均ショップで売っているんですよ。それだけではなくて、メッシュになっている取っ手の付いているカゴってありますよね。あれの中に、下にも滑り止めシートを敷いて、そして朝ごはんセット、これは中華食材、これは和食みたいな感じで、物の住所をちゃんと決めて、中で物が動かないようにしています」

写真協力:一般社団法人 育母塾

●なるほど! きちんと仕切りを立てるというか、その仕切り自体にも滑り止めを付けるっていうことですね。

「はい。お料理をする時はその箱ごと出してくるんですよ。冷蔵庫の前でどれかな〜って悩むんじゃなくって、箱ごとバサって出してきます。その箱には滑り止めシートが敷いてあるので、お料理中にもし被災しても滑り落ちることがありません」

●食器棚に関してはいかがですか? 

「食器棚も全て滑り止めシートを貼ってまして、ここも100均ショップで売っている箱の中に食器を分けて入れてあります」

●食器棚の中にさらに箱を入れて、その箱の中にお皿を入れるってことですね。

「はい、そうです。なぜそういうふうにしているかと言うと、もちろんまず、誰が見てもここにしまう、片付けるってことが分かりやすくしているのがひとつと、食器棚の中で食器が割れた時、箱の中で割れているので片付けが楽なんです」

●それは言えますね! 確かにそうですね! 

「やはり皆さん、被災した瞬間のことは考えられるんですけど、大事なのは被災したあとも生活していくんですよね。そして、ぐちゃぐちゃになっているのを自分で片付けなきゃいけないんです」

●そうですよね〜。またそれで怪我してしまったりしますよね。

「片付けやすい方法を考えたら、食器棚にそのまま食器入れていると、中でぐちゃぐちゃ、落ちてきてぐちゃぐちゃになると、怪我もするし片付けにくい。箱の中に入っていたら、そのままガサって捨てるだけなんで、楽でいいなと思って、そこから始めました」

普段の延長、日々が大事

※ライフラインが止まった状態で在宅避難が続いた場合、例えば、乳幼児がいらっしゃるご家庭で、備蓄していた離乳食が足りなくなることもあると思うんです。なにかいい方法があったりしますか?

「皆さん、それを持ってこようとしている人が多いんですけど、そんなのいくらあっても足りないですよね(苦笑)。
 災害時において私は常に思うんですけど、それ専用のものを1個だけ買って用意するって、数限りなく用意しなきゃいけなくなるので、あるものから転用していくっていうか、作っていくっていうのが大事なんです。

 例えば、離乳食と高齢者用の柔らかいご飯を作りたいっていう時は、大人のご飯にお水やお湯を足して、なめらかにペースト状にしていただく。そういうふうにして離乳食を作っていただいています」

●わざわざ離乳食用、ご高齢者用ではなくてっていうことですね。

「こういうテクニックって実は日々から大事なんですよ。いきなり、そういうテクニックがあるんだなって思っていても、災害が起きた時に、それができるかって言ったら絶対できないです。

 やはり普段からやっていることの延長でしかないので、付け焼刃の、テスト勉強の前の日の徹夜みたいなことをしたって、やっぱりできないんですよ。なので普段から、お子さんがいらっしゃるかたは、とりわけ離乳食っていうやりかた。例えばポトフとかをたくさん作ったら、そこから取り分けて作る離乳食、高齢者の方々のご飯を作るっていう、そういう体験を日々やっておいてほしいなと思います」

●そうですね。そうしたら慌てなくて済みますよね。避難生活の場合、食事が本当に大切になってくると思うんですけれども、備蓄の食料を美味しく調理するコツですとか、アイデアがあればぜひ教えてください。

「私、日々思っているんですけど、なんで災害時って、皆さん、しょぼいご飯を食べる想定なんだろうなと思っているんですよ」

●やっぱりそんなイメージはあります。

「そんなので元気になれますか?」

●いや〜、心身ともにちょっと・・・。

「落ちますよね。非日常になっている、それも楽しい非日常じゃない中で、食べたことないような缶詰とかレトルト、冷えているものを食べるのは本当に心にも身体にもダメージがくるんですよ。

 なので、日々のご飯と近いものを作るためには、ライフラインが切れた時でも作れる状態を用意しておく。何がいるかっていうと熱源ですね。それはカセットコンロだとか固形燃料だとか、キャンプやっている人だと炭とかも使えると思います。そういう物を普段から使いこなしている人は、多分ガスとか電気がなくてもご飯って作れますよね」

(編集部注:ほかにも辻さんから、乳幼児のおむつはレジ袋とペット用のシートで代用できるというお話がありました。また、パスタはビニール袋に水をいれて浸しておけば、食べられる状態になる。そこで大事なのが、気持ちの持ち方。冷たいパスタか・・・というネガティブな気持ちではなく「冷製パスタ」を作ったと思えば、前向きな気持ちになれるということでした)

写真協力:一般社団法人 育母塾

いちばん大事なのは排泄対策

※水が止まってしまうと、トイレの問題も出てきますよね。簡易トイレがないときに、なにかいい方法はありますか?

「基本的には、水が吸収できる物を家の中で探しておいてください。私はペット用のトイレシーツを家に常備してあります。大体、A3ぐらいのサイズで300〜400ccぐらいの水分を吸ってくれるんですよ。成人男性の1回のおしっこぐらいは吸ってくれるんですね。

 私は、災害トイレはそれを使ってやります。それも普通のゴミ袋、45リットルのゴミ袋ありますよね。あれを便器に2枚、便座を上げた状態で2枚掛けていただいて、そして中にペットシーツを入れて便座を降ろします。そうすると水は流せませんが、いつものトイレで排泄ができますね」

●確かにそうですね。

「終わったら2枚重ねていた上の1枚目だけを取っていただいて、縛って捨てていただきます」

●そのまま、また次繰り返しで、できますよね。

「ペットシーツがないかたであれば、サイズアウトしたお子様のオムツだったりとか、ぼろ布、あと新聞紙、週刊誌みたいな雑誌とかもいいと思います。水分を吸収できる、そういう物を使って排泄をしてください」

●いかに自分の日常の中から、災害に使えるものを探すかっていうのが大事なんですね。

「皆さん、災害時には水と食料っていうのはすごく頭にあるんですけど、実はいちばん大事なのって排泄対策なんですよ。どんなに私たちは怖い思いをしても、おしっことうんちはします。そして緊張して怖くなって、心理的にもトイレの回数は増えます。となってくると、そのトイレですらいつもと違う形、例えばバケツでやるなんてできませんよね」 

●そうですね。やったことないですね。

「だからお水が流せなくても、いつものように便座に座るだけでリラックスして排泄ができるように、ある物をいかにうまく使って、日常と近い状態を作っていくのかっていうことが防災のポイントになります」

(編集部注:辻さんはペットボトルのキャップの真ん中に穴を開け、それを使って、シャワーやウォシュレットの代わりにすることもあるそうです。キャップもサイズがいくつかあるので、それぞれに穴を開けたキャップをカバンに入れて持ち歩いているそうですよ)

わざわざ買わない

※日頃の備えで心がけていることはありますか?

「わざわざ、それ用に買わないことと、ひとつの商品をできるだけ違う形でも使えるようにアレンジするのは、いつも気をつけています」

●違う形でアレンジというのは具体的にどういうことでしょう?

「例えば45リットルのゴミ袋、まあ普通だったらゴミを捨てる袋ですよね。私の場合は2枚重ねて災害トイレにします。そして2枚重ねてリュックサックに入れると給水タンクになります。そして服の上から被ればカッパになります。そして、ゴミ袋の中に破った新聞紙を丸めて入れると、コタツのように暖かくなるんです」

●万能ですね、ゴミ袋!

「でもそのゴミ袋って、わざわざ買うもんじゃないですよね」

●確かにそうですね!

「家の中にある普通にゴミを捨てるためのものです。そういうふうに常に家に転がっている物でも、ほかになんか使い方ないかな、これとこれを組み合わせたらどうなるかな〜っていうことを常に考えて、実践にしています。実際やってみて色んなやり方を試して、今の私の中ではこれがベスト! っていう感じのやり方を探していますね」

●確かに各ご家庭で防災用グッズなど備えているとは思いますけれども、備えていれば安心っていうわけじゃないですよね。

「皆さん、やたら買うんですよ。でも使ったことない人ばっかりです。だから難しく考える必要はなくて、防災グッズを買ってきたら、取り敢えず1回使ってみて、使ってみたら自分のスタイルに合っているのか合わないのか、これってもしかしたら、ほかの物で代用できるんじゃないかと思えば、コストダウンにもなるし、気軽に試せますよね」

備蓄の目安は「食事・睡眠・清潔」!?

※私もそうなんですけど、どんな物をどの程度備蓄しておけばいいか、迷っているかたも多いと思うんですね。何か目安のようなものはありますか?

「生活スタイルによって大事な物って違うはずですから、備蓄も実は大きく変わります。被災をしても生活はしなくてはいけませんから、その中で”食事”と”睡眠”と”清潔”、この3つをどの順番で大事にしたいのかって考えると、必然的に備蓄する物って変わってきますよね」

●確かにそうですよね。

「私は髪の毛を短くしているのは、髪の毛を洗う水の量を減らしたいからなんですよ」

●へぇ〜〜! 

「(災害)現場にいたら、髪の毛を洗っていられないんで、お風呂も2〜3日は入れません。以前は長かったんですけど、切った方が楽なんで切りました。髪の毛がセミロングからもっと長いかたになると、髪の毛を洗うための水の量の備蓄が増えるんです。
 あと洗顔も、普段の水洗顔じゃなくて、私は拭き取り化粧水洗顔に変えました。そうすると、災害時だから拭き取りじゃなくて、普段やっている通りになるんです。

 そういうふうに生活をちょっとずつシフトして、物を減らしたりとかして、私の生活スタイルに合うような備蓄をしています。ですから、何を持っておけばいいですか? 何をどういうふうにすればいいですか? って言われると、あなたが生活の中で何を大事にしたいですか? それを分厚くしてください、っていうふうに申しあげています」

「3.3.3の法則」

※辻さんの本に、普段から「3秒、3分、30分で気分をあげられるものを持ちましょう」と書いてありました。これは具体的にはどういうことなんでしょうか。

「”3.3.3の法則”って、私は呼んでいるんですけど、気持ちが下がった時に、まず最初の3っていうのは、3秒で”香り”です。香りは脳にダイレクトに来ますから、すぐに気持ちを切り替えることができます。お好きな香りを用意しておくことですね」

●アロマオイルとか、そういったものを用意しておくってことですか?

「何でもいいと思います。コーヒーが好きなかただったら、アルミのドリップパックとか持って行ってもいいと思います。あとは、柔軟剤の香りが好きな人は、そういう匂いがする物を紙に染み込ませた、乾燥機に入れる時のシートみたいな物でもいいと思いますし、もちろん香水でもいいと思います」

●3分っていうのはなんですか?

「今度は”触る”です。触って落ち着く物。柔らかい物が好きなかたもいらっしゃるし、麻とか綿とかみたいにシャリっとしたのが好きな人もいらっしゃると思います。好きなタオルだとか手ぬぐいとか、そういう物でもいいですし、体のパーツでもいいと思うんですよね。

 もしかしたら、二の腕を触ると落ち着くかもしれないし、お腹かもしれない。だから二の腕とお腹は太っているんじゃなくて、防災グッズですから、手入れしておけばいいんです(笑)」

●あははは〜(笑)そうですね! 30分というのはなんでしょう?

「今度は見て落ち着く物です。この場合、災害時ですから、残念ながらデジタルが使えません。スマホで何か見るっていうのは難しいです。そうなってくると家族の写真だとか好きな絵、推しの写真もいいですね。あとは小説とか漫画とかでもいいと思います」

●なるほど。やっぱり心身共にダメージを受けていると免疫力も下がってきてしまいますよね。

「はい。この3.3.3の法則は大きな災害の時だけではなくて、日々もちっちゃい災害ってありませんか? 寝坊するとか水をこぼすとかゴミ捨てを忘れるとか、これ全部災害です。

 そういう時に心を落ち着かせる、いらっとした気持ちを落ち着かせるために、あ〜いい匂いって、匂いを嗅いだりとか、二の腕をもみもみして、あ〜なんか柔らかいな〜って落ち着くとか、自分の好きな写真を見て、あ〜いいわって落ち着くっていうふうにして、日々の心をフラットにするために使っておけば、これもまた災害時に活きてきます」

防災やりましょ!

※最後に、生き抜く力や知恵を身に付けるためには、どんなことが大事になりますか?

「そうですね〜。やはり日々からやることしかできないんで、面白がって何でもやって欲しいなって思います」

●日頃からってことですね。

「防災っていうと、皆さん、めっちゃネガティヴなんですよ。災害を防ぐためのものやから、めっちゃハッピーなはずなんですよね。何か用意したら(災害が)来るかもしれないとかね。いや、来るんです! 来るんですけど、本番のための練習だと思って、いかに面白がってやるかってことですね。

 きょうはずっと何回も繰り返してお話ししたように、日々やっていることしかできないっていうことは、こういうライフハックを付けておくとか、ものを代用して使える力、柔らかい頭ですね。

 発想力と転換力と、そして行動力、決断力、これが防災をすれば上がるんです。つまり企業力が上がって、そして生活力が上がって、人間力が上がるんですよ。人間力が欲しいんだったら、防災やりましょ! ってことです」

写真協力:一般社団法人 育母塾

(編集部注:辻さんに「仕事先や移動中に被災してしまうことを想定して、何か持っておいたほうがいいものはないですか」とお聞きしたら、「4種の神器」を教えてくださいました。その4種とは「防災笛」「マルチツールか、万能ナイフ」「アナログのコンパス」そして「ソーラーライト」。辻さんはこの4種の神器を防災ポーチに入れて、いつも持ち歩いているそうですよ。マルチツール以外は100均ショップでも購入できるそうです)


INFORMATION

辻直美さん

 辻さんの活動については一般社団法人「育母塾」のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎育母塾HP:https://ikubojuku.org

『レスキューナースが教える プチプラ防災』と『保存版 防災ハンドメイド  100均グッズで作れちゃう!』

 辻さんは防災関係の本を何冊か出していらっしゃいます。『レスキューナースが教える プチプラ防災』は扶桑社から、『保存版 防災ハンドメイド  100均グッズで作れちゃう!』はKADOKAWAから出ていますよ。ぜひ参考になさってください。

◎扶桑社 HP:https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594083359

◎KADOKAWA HP:https://www.kadokawa.co.jp/product/322102000107/

<リスナー・プレゼントの応募方法>

『防災クエスト〜家族みんなで防災ミッションを攻略しよう!』
辻さんの本、防災の知識を漫画で楽しく解説した『防災クエスト〜家族みんなで防災ミッションを攻略しよう!』をサイン入りで、抽選で3名のかたにプレゼントいたします。

応募はメールでお願いします。件名に「本のプレゼント希望」と書いて、番組までお送りください。

メールアドレスはflint@bayfm.co.jp

あなたの住所、氏名、職業、電話番号を忘れずに。番組を聴いての感想なども書いてくださると嬉しいです。応募の締め切りは3月11日(金)。当選発表は発送をもって代えさせていただきます。たくさんのご応募、お待ちしています。
応募は締め切られました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

オンエア・ソング 3月6日(日)

2022/3/6 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. RESCUE / KRYSTAL MEYERS
M2. SAVE YOU / KELLY CLARKSON
M3. EVERYDAY / JACKIE BOYZ
M4. RELAX, TAKE IT EASY / MIKA
M5. IT’S MY STYLE / CATHY DENNIS
M6. HAPPY PEOPLE / R.KERRY

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

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    4月21日 ゲスト:福井県立恐竜博物館の主任研究員「柴田正輝(しばた・まさてる)」さん  柴田さんが監修された「オダイバ恐竜博覧会2024」の見所や恐竜王国・福井についてうかがいます。 ……

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