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「いきものミステリークイズ」!〜ゴリラは美味しいご飯を食べると、何をする!?

2022/4/17 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、動物作家の「篠原かをり」さんです。

 篠原さんは子供の頃、毎週のように動物園に連れて行ってもらったこともあって、生き物が大好きになり、図鑑を何度も見返すようなお子さんだったそうです。そして2015年に昆虫に関する本で作家デビュー。現在は慶應義塾大学SFC研究所の上席所員としても活動されています。

 生き物が大好きな篠原さんは、世界の不思議を紹介するミステリーハンターとして、テレビ番組などでも活躍、動物や昆虫に関する幅広い知識には定評がありますよね。

 きょうはそんな篠原さんの新しい本『よし、わかった! いきものミステリークイズ』をもとに、生き物に関する、知っていそうで意外に知らない生態をクイズで出題します。ぜひご参加ください。

篠原かをりさん

馬の血液型、歌うゴリラ

●今週のゲストは動物作家の篠原かをりさんです。よろしくお願いいたします。

「よろしくお願いします」

●篠原さんの生き物に関する膨大な知識は、テレビ番組でもおなじみですけれども、そんな篠原さんの新しい本が『よし、わかった! いきものミステリークイズ』ということで、私も読ませていただきました。大人の私でも知らないことがたくさんあって、早く誰かに言いたいって思うものばかりで面白かったです! 

「ありがとうございます。一応、子供向けの本にはなるんですけど、私自身が子供の時に新しく知ったことを結構、両親に教えたりとかしていたので、大人にとっては当たり前のことだとつまらない気持ちになってしまうだろうなと思って、子供があまり知らないような動物ではなくて、親子でその動物自体は知っているけれども、この生態は知らないとか、大人も一緒にびっくりできるようなことにはこだわって作成しました」

●まさに大人の私もびっくりしました。本当に面白かったです。きょうはこの本をもとにクイズ形式で進めていきたいと思います。ぜひリスナーのみなさんも一緒に考えてみてください。

まずは「動物園クイズ」からいきたいと思います。

では問題! 馬の血液型は何種類くらいあるでしょう? 

① 300種類 ② 3万種類 ③ 3兆種類

どれも多いなという印象ですけれども、人間は A、B、O 、ABですよね? 

「そうですね、組み合わせで言った時にAAとかAOとかあることを考えるともうちょっと多くはなるんですけど、まあA、B、Oの組み合わせによって生まれるものですね」

●そうですよね。さあどれくらいあるんでしょうか。
 では、篠原さん答えをお願いします。

「正解は3兆種類です」

●すごいですよね。そんなに多いんですか!? 

「もともとは8種類なんですけど、8種類を組み合わせた結果、3兆種類になるぐらい多様な血液型があります。ただ3兆あると、なかなか輸血が大変だろうなと思うんですけど、その中でも人間でいうO型のように、どの血液型にも輸血しやすい血液型の馬がいたりとか・・・3兆種類って言うよりは、組み合わせが3兆種類あるって感じですね」

●3兆ってすごい数ですよね。では続いての問題にいきましょう。

問題! ゴリラは美味しいご飯を食べると何をするでしょうか? 
ヒントは人間も気分がいいと、やることもありますよね? 

「そうですね。でも人間でやっている人がいたら、だいぶご機嫌な感じですよね」

●そうですよね(笑)。みなさん分かりますでしょうか。ゴリラは美味しいご飯を食べると何をするでしょうか。
 では、篠原さん、答えをお願いします。 

「正解は、鼻歌を歌う」

●これ面白いですよね。動物園でゴリラは鼻歌を歌っていますか? 

「この鼻歌を歌うのは、野生の中で研究しているチームが発見したので、動物園のゴリラもするかはまだ分からないんですけど、普通のご飯より、さらに美味しいご飯を食べている時に歌の量が違ったりとか、より美味しいご飯で、その食事に満足する時には鼻歌を歌うようですね」

●ご機嫌でいいですね。可愛いですね。

(編集部注:ほかにも歌うとされている生き物として、南米のアンデス山脈に生息するネズミの仲間「デグー」がいると教えていただきました。群れの仲間たちといろいろな鳴き声を使ってコミュニケーションをとるそうで、まるで歌うように鳴くことから「アンデスの歌うネズミ」といわれているそうですよ)

篠原かをりさん

アデリーペンギンのプロポーズ!?

※きょうは篠原さんの新しい本『よし、わかった! いきものミステリークイズ』をもとにお話をうかがっています。

●では、続いて「水族館クイズ」にいきたいと思います。

問題! アデリーペンギンのオスはプロポーズの時、何をプレゼントする? 
食べるものとかですかね? 

「プロポーズの時に物をプレゼントする婚姻贈呈っていう行為は、昆虫を含めいろんな動物に見られはするんです。アデリーペンギンは異質なんですが、人間からしたら結構、納得がいくかなっていう感じがしますね」

●人間がプロポーズの時にもらって嬉しいのは指輪とかですよね。
 では、篠原さん答えをお願いします! 

「正解は石です」

●石! ちょっとダイヤモンドに通ずるというか・・・。

「そうですよね。石の種類でいうと、本当に石ころっぽい見た目の石ではあるんです。鳥の中では巣を作って、その巣ごとプレゼントするというか、巣を作った状態でプロポーズするような鳥も多いんですね。このペンギンが石で巣を作るので、その巣の材料の一部ということで石なんじゃないかなと・・・」

●一緒にこの巣を守っていこうみたいな・・・? 

「実際にその石の良し悪しで(婚姻が決まります)。このペンギンってすごく一夫一妻制が強いというか、つがいになる意識が強い鳥なので、何年にも渡って同じつがいで集合していたりとか、一生一緒にいるからこそ、その可能性が高いからこそ、えり好みじゃないですけど、相手を入念に選ぶ鳥ですね。その石を受け取ってくれたら婚姻成立、つがいになるっていうふうになっています」

●では、次は「おうちのいきものクイズ」から。

問題! 次のうち遺伝的に最もオオカミに近い犬の種類は何でしょう? 

① 柴犬 ② シベリアンハスキー ③ ラブラドールレトリバー

オオカミに近い大きさとか見た目からいうと、シベリアンハスキーかな・・・。

「そうですね。かなりオオカミっぽい印象で、子供の時、私もシベリアンハスキーが散歩しているのを見て、オオカミを飼っている人がいるなと思ったんですけど」

●そうですよね。では、篠原さん答えをお願いします! 

「正解は柴犬です」

●柴犬がオオカミに近いんですか? 

「かなり近いですね。柴犬に限らず日本犬って意外とオオカミに近いですね」

●どのあたりが? 

「遺伝的な部分ですね。どこから分岐したか、オオカミからいちばん近い親戚というか。犬の種類というか品種なんですけど、オオカミから距離感的に近いのが柴犬ですね。他にも近いものでいうとチャウチャウとか。シベリアンハスキーやレトリバーもそんなに遠いわけではないんですけど、意外とシーズーのような小っちゃい犬とかが近かったりとか。見た目ではなく、柴犬はかなり上位で、オオカミに近いとされていますね」

篠原かをりさん

カモノハシに会いたい!

※今いちばん興味のある生き物はなんですか?

「ずっといちばん大好きなのはドブネズミ。やっぱり好きですね」

●ドブネズミのどのあたりがお好きなんですか?

「街にいるドブネズミは、可愛くても触ったりしては、さすがに衛生上よろしくないんですけど、子猫と子犬の中間のような性格と言われていて、非常に懐っこいんですよね。
 ドイツの研究で、研究者たちとネズミがかくれんぼするっていう研究があって、かくれんぼのルールを覚えて、人に見つからないように隠れてたりとか、人を見つけると笑い声をあげたりとか、そういうお茶目なところがあって、一緒に暮らせば暮らすほど、愛おしくなってくる動物ですね」

●一緒に暮らしていたわけですよね。

「はい。またいつか一緒に暮らしたいなと思うんですけど、あまりにも可愛すぎて、あんな可愛い動物が、寿命2年でいいわけがないと思って、いつも納得できない気持ちになっちゃうんですよ」

●そうなんですね。篠原さんからすごく生き物愛が伝わってきます。コロナ禍ではありますけれども、自由に旅に行けるようになったら、今後どんな生き物を見たいですか?

「そうですね。私、東南アジアや南米にはよく行っていたんですけど、生き物を好きって言いながら、まだオーストラリアやニュージーランドには行ったことがなくて、有袋類の仲間をまとめて見たいなと思いますね。あとはいちばん見たいのはカモノハシですね」

●カモノハシ?

「有袋類でも、カンガルーやコアラは日本国内でも見ることができるんですけど、カモノハシは、あまりにも魅力的な存在でありながら、日本国内で見ることができません。現地に行かないと見ることができないので、現地に行かないと見られない生き物として、やっぱりいちばん見たいのが、今はカモノハシですかね」

●どんなところが魅力的なんですか?

「見た目のとっぴさというか、哺乳類なので、哺乳類のずんぐりした体と、くちばしと水掻きと、卵を産むっていう生態と、最近、紫外線ライトを当てると発光することが分かったりとか。
 全体的に何ひとつ確かなキャラクターをつかめていない不思議なばかりの動物なので、実際会って見た時に私は好きになるなって確信はあるんですけど、より好きになるために会いに行きたいなと」

(編集部注:先ほどドブネズミが大好きというお話がありましたが、ペット用として品種改良されたネズミで、ファンシーラットとも呼ばれています。街中で見かけるドブネズミは感染症の危険がありますので、絶対に触らないでくださいね)

生き物から学んだこと

※篠原さんは慶應義塾大学SFC研究所の上席所員でいらっしゃいますが、どんな研究をされているんですか?

「慶応大学のSFC研究所の所員として携わった研究としては、餌のタンパク質の量がどんな影響を与えるのかっていう研究があって、その中で昨年、昆虫食の論文を出しました」

●私の立教大学のゼミの教授が昆虫食を研究していたんですけど、ゼミの最中に昆虫食を何度も食べさせられたんです(笑)。この番組にもゲストで出てもらったんですが、昆虫食のどんなところを研究されているんです。

「昆虫食の中でもいろんな昆虫がいる中で、私は蜂の子の粉末をマウスに与えて、その影響を見るっていうことをしていたんですね。論文としては、まず害がないこと、蜂の子が有害な作用をもたらさないことの確認と、あとは他のタンパク質にはない、いい部分がないかっていうのでは、筋肉を発達させる、活性化させる遺伝子が活発になっていることが確認できたという論文をあげていますね」

●改めて、生き物を見ていて、篠原さんはどんなことを感じますか?

「本当に色んな生き物がいすぎて、とにかくルールはないんだなとか。今残った生き物はいい部分があって、武器があるから残ってきたんだって思っていたんですけど、そうじゃなくて、結構ランダムに残るんだなっていうのを最近、学びを深める中で実感していますね。

 そこから分かることって、どんなふうに生きてもいいし、必ずしも合理的なばかりが進化ではないし、自分も他人の生き方も必ずしも合理的な結果をもたらすわけではないから、あらゆることが、これだけ色んな生き物がいて、色んな結果になっているのは、自分の人生においても、何が起きても仕方ないなっていう諦めと安心感の中間のような気持ちを持ちましたね」

※この他の篠原かをりさんのトークもご覧下さい


INFORMATION

『よし、わかった! いきものミステリークイズ』

『よし、わかった! いきものミステリークイズ』

 篠原さんの新しい本をぜひチェックしてください。「動物園クイズ」「水族館クイズ」「昆虫館クイズ」そして「おうちのいきものクイズ」の4つのジャンルから、生き物の生態や不思議を学べる内容になっています。子供向けではありますが、大人が読んでも、知らないことがたくさんあって、楽しめました。おすすめです! 

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◎文藝春秋 HP:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914954

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