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ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
ベイエリア夏の恒例イベントが3年ぶりの復活!
世界を巡る定住旅行家。伝えたいのは人々の暮らし。

2022/5/1 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、世界を巡る定住旅行家のERIKOさんです。

 ERIKOさんは鳥取県米子市出身。モデルの活動と並行して定住旅行家としても活躍、これまでに訪れた国は50か国以上。滞在したご家庭は100家族を超えているそうですよ。

 この定住旅行家という肩書を初めて聞いたかたも多いと思います。定住旅行とは、ひとつの場所に滞在する旅行のスタイルというのはわかるんですが、普通の観光とはどう違うのか、そしてその魅力はどんなところにあるのか、きょうはERIKOさんにじっくりお話をうかがいます。
  
☆写真協力:ERIKO

Photo by KATSUMI ITO
Photo by KATSUMI ITO

優等生じゃ面白くない!?

※それでは早速、お話をうかがっていきましょう。定住旅行家とは旅先に定住しながら、その体験を書くお仕事ですか?

「はい。世界各地に出掛けて、そこで、普通であれば、みなさんホテルとか宿泊施設に滞在されると思うんですけども、私の場合は現地の家庭に、本当に一般家庭なんですけれども、そこに滞在をして、その旅の様子を、具体的には暮らしを伝えることをライフワークにしております」

●1ヶ所にどれくらいの期間、滞在されるんですか?

「国によって滞在期間が違うんですけども、最低でも1ヶ月以上は滞在をしています」

●えっ! 1ヶ月以上、一般のご家庭にお世話になるっていうことですか?

「そうです。はい(笑)」

●そもそもどうやって一般のご家庭を探すんですか?

「全部、段取りは日本でやっていくんです。行きたい国を最初に決めて、地域もそうなんですけれども、そこからそこに行ったことがある人とか、そこと関係のある人に声をかけて、誰か泊まらせてくれる家庭を知りませんか?とか、知っている人いませんか?っていうのを聞いて、そこから話を進めていきます」

●では、まったくの知らない人っていうよりは、知り合いの知り合いとか、友達の友達とか・・・。

「そうです、そうです」

●へえ〜。ERIKOさん、おひとりで行かれるんですよね? 

「基本的にはひとりで行かないと、人と一緒に行ってしまうと、その人と話す時間とか、過ごす時間が多くなってしまって、現地の人と交流をしに行っているので、時間がちょっともったいないなっていうのもあります。
 受け入れるほうもひとりを受け入れるのと、ふたりとか3人、複数人を受け入れるのは多分違うと思うので、基本的にひとりで行ってます。そもそも私、人と一緒に旅行に行くのが苦手で・・・(笑)。ひとりが楽ですね」

キューバのご家庭
キューバのご家庭

●お客さんとして招かれるわけでなく、一般のご家庭に入って家族になるために、ERIKOさんなりに何か工夫されていることってあるんですか?

「私は自然体でいるんですね。末長く、私はお付き合いしていきたいので、1回定住した先に何度も行くことも結構たくさんあります。なので、その時だけではない、長いお付き合いをしたいなって思っていて、そうなると、そこの家のルールみたいなものとか、あとは風習みたいなのがあるじゃないですか。そういうのにもちろん合わせることをするんですけど、優等生だとあんまりよくないっていうか(笑)、なんでもかんでも”この子、いい子ね”だけだと面白くないんですよ、向こうの受け入れる人も。

 なので、私が意識しているのは、自分からも何か相手に与えるというか、個性を出すことを意識していますね。この子、面白いなって思ってもらえると、長続きというか、そのあとの関係性もすごく長く続いていったりするので、あまり優等生にならないようにはしています」

(編集部注: お世話になるご家庭に滞在費を払っているのか気になりますよね。 ERIKOさんにお尋ねしたところ、最初にお金を払ってしまうと、ゲストになってしまい、本来の目的である、現地の本当の生活が見えなくなってしまうため、最初にお金の話はしないそうです。
 そしてそこのご家庭を離れるときに、現地の平均給与や物価を参考に決めた滞在費をお渡しするそうですが、これまで滞在した100家族を超えるご家庭で受け取ったところはほんの少しだったそうです。生活を共にし、すでに家族のような関係になっているんですね)

言葉の使い方の価値観

※そもそもなんですけど、定住する旅のスタイルにこだわるのは、どうしてなんですか?

グリーンランドでお世話になった方と
グリーンランドでお世話になった方と

「もともとそんなに旅が好きではないっていったらあれなんですけど(笑)、旅を目的としていなくて、現地の人がどういうふうに生活しているのか、生きているのかがすごく気になるんですね。旅行とか観光というより、やっぱりそこにちょっと住んで、現地の人の目線で物事が見たいなっていうので、そうするためにはやっぱりホームステイしかないかなと思っています。

 ただそういうスタイルで旅をされている方って、いらっしゃるとは思うんですけど、あまり私は知らなくて、それで自分で『定住旅行家』と名前をつけて活動しております」

●言葉はどうされているのですか?

「私はもともと定住旅行家になる前に、言語がすごく好きで、色んなところに留学をしていたんですよ。なので一応6カ国語を話すんですけど、そこで対応できる国もあれば、できないところは行く前に準備段階で、そこの言語を勉強してから行くようにしています。
 準備はだいたい半年くらいかかるんです。その間に(外国語の)レッスンに通ったりとか、読み書きはできるようにならないと、例えばローカルのバスに乗れなかったりするので、一応読み書きと、あとは日常会話でよく使うだろうと思われる言葉は覚えてから行きます」

●文化とか習慣の違いで戸惑ったことはありますか?

「そうですね・・・例えば、それぞれの国で言葉の使い方の価値観が違ったりするのは、結構大きいな〜って思っています。例えば、ネパールに行った時、ネパール人は“ありがとう”ってあまり言わないんですよ。インドでもそうなんですけど、相手が困っていたら助けるのが当たり前なので、それに対して、ありがとうっていうことがすごく不自然だったりするんですよね。

 日本人の感覚だと何かしてもらったら、すぐ“ありがとう”って言ってしまって、それがちょっと向こうの人は変に感じるというか、そういうのがあるので、言語的に使うタイミングとか、全然違うなっていうのはよく感じますね」

ジョージアの文化と言葉

※ERIKOさんは先頃『ジョージア 旅暮らし 20景』という本を出されました。以前はグルジアと呼ばれていた東欧の国ジョージア。大相撲の力士「栃ノ心」のふるさととしても知られていますよね。この本ではそんなジョージアの一般家庭に滞在したときの体験が綴られています。

『ジョージア 旅暮らし20景』

 ジョージアは「ヨーロッパ最後の秘境」とも言われているそうですね。どんな国なのか、教えてください。

「国土は北海道よりも少し大きいくらいで、地形は山岳地帯で、カザフ山脈に面しているっていうのもあります。カスピ海とか黒海の近くは温暖な気候であったりするので、すごく多様性に富んだ自然環境がある国なんですね。
 人口は370万人しかいないんですけども、コロナ禍の前は観光客が年間500万人訪れていたっていうことなので、ヨーロッパの人からすると、有名というか人気の観光地っていう印象がありますね」

●文化ですとか、伝統でいうとどんな感じなんですか?

「結構、古風な国だなと思っていて、ずっと戦いの歴史がある国なんです。その中でも、ジョージア語がすごく古くからあって、そこに詩とか文学のベースがあるんですけども、国民の人たちはすごくそれを誇りというか、アイデンティティになっていて、しっかり継承している印象もありますね。

 あとはジョージアは、キリスト教が世界で2番目に国教になった国なんですね。すごく古い歴史があって、国民の人たちはもちろんキリスト教を信仰されているんです。信心深いかたが多くて、そういったことが国民の人たちのマインドのベースになっていると思います」

●ジョージア語は勉強されて行ったんですか? 6ヶ国語の中にジョージア語は入っているんですか?

「6カ国語の中には入っていないですね。事前に少し勉強してから行きました」

●例えば、ジョージア語で、こんにちは!とか、お元気ですか?はなんて言うんですか? 

「こんにちはは、”ガマルジョバ”って言います」

●ガマルジョバ!?

「はい、ガマルジョバって言います。元気ですか?は”ロゴラ ハルト”って言うんです。ガマルジョバって”あなたに勝利を”っていう意味なんですね。ジョージア語は言語学者の中では有名な言語で、独立言語なんですね。どこの言語グループにも属していない特殊な言語で、すごく古くからの歴史があります。

 海外に行かれる時に、挨拶のひとつだけでも覚えて意味を調べると、すごくその国の特徴っていうか歴史が分かったりします。日本語だと”こんにちは”っていうのは”今日様(こんにちさま)”という太陽に向かって言う言葉なので、やっぱり”天照(あまてらす)”とか、そういった神話の感性が日本人の中にあると思います」

ジョージア人は宴会好き!?

※ERIKOさんは、ジョージアでは3ヶ所のご家庭に滞在されたそうですよ。

ジョージア・カヘティ地方で滞在したご家庭
ジョージア・カヘティ地方で滞在したご家庭

「その中でもすごくジョージアの文化に触れさせてもらったのが、東部の”カヘティ地方”っていう場所がありまして、そこがすごく印象に残っていますね。そのカヘティ地方はすごく有名なワインの生産地で、ジョージアはワインの発祥地なんですよね。国民の70〜80パーセントくらい、ご家庭でみなさん、ワインを自分で作る習慣があるんです。もちろん毎日、ご飯を食べる時にワインが出てきて、私も楽しませてもらいました。

写真協力:ERIKO

 そこでこれこそジョージアだなって思ったのが、”スプラ”っていう宴会なんです。宴会自体が儀式になっていて、タマダと呼ばれる司会者が演説をしたり詩を詠んだりりして、時計回りにみなさんそれぞれ演説をしていく儀式的な宴会みたいなのがあります。これは多分、ジョージア人に招かれると、おもてなしとして受けることのひとつだと思います」

●家庭で宴会をやるっていうことですか?

「家庭でもありますし、友達同士で集まってやるパターンもあるんです。家庭でご飯を食べるときもちょっと演説みたいな、スプラが行なわれることも結構ありますね」

ジョージアのヨーグルト
ジョージアのヨーグルト

(編集部注:ジョージアの食べ物で有名なのは「マッツォーニ」と呼ばれるヨーグルト。ご家庭に自家製のヨーグルトがあって、毎日欠かさず食べるそうです。特徴は水分が多くて、最初、口に入れると酸味を感じ、そのあと甘みが出てくるそうですよ。口当たりはお豆腐に近いとERIKOさんはおっしゃっていました。食べてみたいですよね)

※ERIKOさん、ジョージアではトレッキングに出かけたそうですね。

「そうですね。コーカサス山脈の近くの、スバネティ地方っていう場所があるんですけど、そこに滞在した時にトレッキングをしました。私は山がすごく好きなので、いろいろ見て回ったんですけど、中でも”ウシュバ山”っていう山があるんですね。ピークがふたつある特徴的な山なんですけども、そこに行った時はすごく美しいなって、非常に印象に残っている場所ですね」

ウシュバ山
ウシュバ山

日本に対する思い

※今までたくさんの国を訪れ、滞在されて、改めて定住旅行の醍醐味はどんなところにあると感じてますか?

「観光だと、本当に分からない人の暮らしだったりとか、生き方に触れられることがいちばん醍醐味じゃないかなと思います」

●やっぱり実際に行ってみて体験することで分かることってたくさんありますよね。一方で日本に対する思いに変化があったりはしましたか?

「日本に対して・・・うーん、そうですね・・・やっぱりすごく日本は有名な国ですよね。人口がすごく多いし、それは国力にも繋がることだと思うので、そういったことが、ずっと日本にいたらあまり感じなかったことですけど、客観的に見えるようになったかなって思いますね。

 あとは、本当に日本はガラパゴスみたいになっているなっていうふうに思っていますね。もちろんそれが個性だと思うんですけど、陸続きじゃないので、そこはやっぱり島国としての特性がすごくあるなって思いますね。今グローバル化がすごく進んできていて、これから日本はどういった立ち位置でいろんなことを繰り広げていくんだろうっていうのはすごく見ています」

●コロナ禍でなかなか思い通りに海外に行けなくなってしまいましたけれども、今後の定住旅の予定がありましたら、ぜひ教えてください。

「今年はポルトガルに行く予定にしていますね」

●ポルトガルは何度目か、なんですか?

「ポルトガルは初めて行く国ですね」

●そうなんですね。どんな旅にしたいですか?

「そうですね。ポルトガルは日本に初めて西洋を持ってきた国のひとつでもありますし、すごく日本とは関係が深いので、そういった文化面も含めて色んなところを見ていきたいなと思います。昔、大航海時代は世界を制していたような国ですけども、今人々はどういうふうな生活をしているのか、そういったところも見られたらなと思います」

☆この他のERIKOさんのトークもご覧下さい


INFORMATION

『ジョージア 旅暮らし20景』

『ジョージア 旅暮らし20景』

 ERIKOさんの最新刊。一般家庭に入り、生活をともにすることで見えてきたジョージアの人たちの生きかたや暮らし、文化などが綴られています。定住旅行家としての視点を感じる一冊。ERIKOさんが撮った写真もたくさん掲載されていますよ。ぜひご覧ください。東海教育研究所から絶賛発売中です。

 そして現在、本の発売を記念して、ジョージアゆかりのグルメがあたるキャンペーンを実施中!詳しくは出版社のサイトをご覧いただければと思います。

◎東海教育研究所HP:
https://www.tokaiedu.co.jp/kamome/georgia2022/?fbclid=IwAR2WyXTvwneEIhfpys0pRU4CM_w1h6GQJc_beMpcdMIZTUVbyTOSJHbcgQk

 ERIKOさんのオフィシャルサイト、そしてYouTubeチャンネルもぜひ見てくださいね。

◎ERIKOさんオフィシャルサイト:http://chikyunokurashi.com/

◎YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCzbr3YbLejEbjq2LTb2O36g

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