毎回スペシャルなゲストをお迎えし、
自然にまつわるトークや音楽をお送りする1時間。

生き物の不思議から、地球規模の環境問題まで
幅広く取り上げご紹介しています。

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Every Sun. 20:00~20:54

地球の雑学

2020/10/18 UP!

<イルカ・クジラのコミュニケーション能力>

 イルカやクジラは「ハクジラ」と「ヒゲクジラ」に分類されますが、ハクジラとヒゲクジラは仲間同士のコミュニケーションの方法も違うって、ご存じでしたか? 

 大きく分けると、イルカを含むハクジラは超音波を発信・受信するエコーロケーション、シロナガスクジラなどのヒゲクジラは“声”でコミュニケーションを取っていると考えられています。イルカなどのハクジラは呼吸器から頭にかけての構造で超音波を発生させ、前方の物体に当たって戻ってきた音を聴くことで、獲物の場所や仲間の位置などを知るほか、様々な情報を仲間同士で伝えているとされています。

 一方、ヒゲクジラの代表格で地球上最大の生き物とされるシロナガスクジラは、声の大きさもビッグスケール! ジェット機の離陸音より大きな音を出すこともあるんだそうです。また、人間には聞こえない低周波の声も出し、コミュニケーションを図っているそうです。

 同じくヒゲクジラのザトウクジラはなんと歌うといわれています。ホイッスルのような高音から低い唸り声まで数種類のフレーズを組み合わせ、数分から1時間以上も歌うことがあり、メスへの求愛の意味があるとされています。1970年にはザトウクジラの鳴き声を録音したレコード「Songs of the Humpback Whale(ソングス・オブ・ザ・ハンプバック・ホエール)」がリリースされて大ヒットしたそうですよ。

地球の雑学

2020/9/26 UP!

<昆虫食>

 今年2020年1月に私の恩師、立教大学・教授の「野中健一」さんをお迎えし、「昆虫食」の話題をお届けしました。その模様は番組ホームページに載っているのでぜひ見ていただければと思っていますが、ここで改めて、今後起こりうる食糧危機を、救うとされている昆虫食について触れておきたいと思います。

 地球温暖化による気候変動や、世界人口の増加により、人類は将来、深刻な食糧危機に見舞われることが懸念されています。FAO=国連食糧農業機関は2008年、「栄養的に優れた昆虫食を積極的に推進する」という方針を示し、さらに2013年の報告書では「世界人口の増加による食料不足の対策として昆虫食を推奨する」というメッセージを発表しました。

 昆虫食のメリットとして、まずは「種類が多く、繁殖力が強い、飼育に伴う環境負荷が小さい」という点。現在、食用にできることが確認されている昆虫は世界で2000種類とされ、多くの昆虫は大量の卵を産み、成虫になるのが早いなど、強い繁殖力を誇ります。
 そして、人工的に飼育できるものも多く、家畜に比べエサが少量で、生育に伴う温室効果ガスの排出量も少ないなど、環境負荷を小さく抑えられるとされています。

 さらに、最大のメリットが「栄養豊富」だということ。例えばコオロギに含まれるタンパク質は同じ重さの牛肉と比べても遜色はなく、加えてカルシウムや鉄分なども豊富です。ほかにもビタミンやミネラルを多く含む昆虫もいるんだそうです。

 世界中に昆虫食の文化は残っていて、特にタイや中国などのアジア、中南米やアフリカなどは日常的に昆虫食が見られるそうです。日本でも古くからイナゴやハチの子、ザザムシなどが食べられてきましたよね。
 最近では、「コオロギせんべい」や「コオロギラーメン」が話題になったり、昆虫食の自動販売機が東京都内にお目見えして、注目を集めています。

地球の雑学

2020/8/15 UP!

<日本の固有種はトップクラス>

 ニホンザルは日本にしかいない固有種ですが、実は日本は生き物の多様性に富んでいるので、固有種がとても多い国なんです。

 ダーウィンの進化論で知られ、世界自然遺産にも登録されているガラパゴス諸島には110種類の固有種がいるそうですが、日本はそれを上回る131種類の固有種が確認されています。全世界の哺乳類の22%、爬虫類の38%、両生類に至っては74%が日本の固有種というデータもあるんだそうです。

 固有種が多い理由としては、日本が島国であるものの、大陸と何度もくっついたり離れたりしてきたことや、6800余りの離島があること、南北に長く標高差もあり地形が複雑なこと、そして森林が多いことなどが挙げられます。

 さらに、湿地帯が水田という形で現代まで残されてきたのも大きな要因になっているようです。だから、日本と同じくらいの大きさの島国、イギリスやニュージーランドと比較しても、生物の多様性、固有種の多さともに日本が飛びぬけているそうですよ。
 この豊かな自然を「当たり前」とは思わずに、しっかり守って、未来につなげていかなければなりませんね。

地球の雑学

2020/5/23 UP!

<日本の島>

2020年5月23日放送

 さて、ご存じの通り、日本は島国で、北海道、本州、四国、そして九州のほか、数多くの離島により構成されています。

 海上保安庁は1987年に日本を構成する島の数を「6852」としましたが、日本政府の1969年から1989年までの公式見解では「3922」とされ、公益財団法人・日本離島センターの1982年の公表資料では、日本で地図上に名前のある島を「4917」としています。

 それぞれが定める「島の定義」によっても島の数は違っていますが、とにかく日本が「すごくたくさんの島から成る国」ということはわかりますよね。

 そもそも島の定義ですが、海洋法に関する国際連合条約では「自然に形成された陸地で、水に囲まれ、満潮時でも水面の上にあるもの」と規定され、世界的にはオーストラリア大陸より小さな陸地は島とされています。

 ちなみに、千葉県にも島があるって、ご存じですか?

 鴨川市沖にある仁右衛門島(にえもんじま)で、周囲4キロほどの岩でできた風光明媚な島です。
 古くは源頼朝や日蓮伝説の舞台となり、現在は「千葉県指定名勝」として、人気の観光スポットになっていますが、実は個人が所有する島で、今も島主の方が管理されています。

 一方、意外と多くの島を擁するのが東京都で、伊豆諸島と小笠原諸島に大小様々な島があります。
 特に小笠原諸島は各島に豊かな自然が残され、「東洋のガラパゴス」と呼ばれるほど動植物には固有種が多く、生態系の価値が認められ、2011年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。

 オガサワラオオコウモリや、世界中で母島にしか生息しない鳥ハハジマメグロ、そして虫ではオガサワラシジミという蝶やオガサワラトンボなど、貴重な生き物が数多くいます。

 民間人が居住するのは父島と母島の2つで、硫黄島と南鳥島には自衛隊などの公務員が常駐し、それ以外は無人島です。

 現在、火山活動によって成長中の西之島も小笠原諸島にあり、まさにこれから生態系が作られていくということで、注目を集めています。

 小笠原諸島の玄関口・父島までは船で丸1日、 東京からおよそ1000キロの長旅となりますが、いつか訪れてみたいですねー。

地球の雑学

2020/5/16 UP!

<ネイチャー・ゲーム>

2020年5月16日放送

 外出自粛が呼び掛けられる中、各地の『自然観察会』などの催しも相次いで中止になっていて、今年は冬から春への自然の変化に触れられなかったと、寂しく感じている方も多いのではないでしょうか。

 特に子どもたちにとって「自然を身近に感じられる体験」はかけがえのないもの、「落ち着いたら子どもにたくさんの自然体験をさせたい」と、思っているかたも多いのではないでしょうか。

 そんな皆さんに、おすすめしたいのが『ネイチャーゲーム』、遠出しなくても、特別な知識や技術がなくても楽しめる自然体験活動で、様々な体験プログラムを通して「自然の不思議や仕組み」を学び、自分が自然の一部であることにも気付かされます。

 もともとは1979年にアメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネルさんが著書の中で提唱した「シェアリングネイチャー」の考え方に基づく活動で、現在では日本を含む世界各国で親しまれています。

 アクティビティは170種類以上あり、多種多様な活動を年齢や経験に関係なく楽しめ、大自然の中だけでなく、近くの公園や学校の校庭、家の庭でも手軽にできるんです。

 外出自粛の今でも、場所ややり方を工夫すれば楽しめちゃいますね。ネイチャーゲームでは、大人が子どもに一方的に「これやりなさい」ではなく、一緒になって自然を感じ、体験や感動を分かち合います。

 プログラムは、参加者の心の状態や学習テーマに合わせて個々のアクティビティを組み合わせる『フローラーニング』という手法で、「カワウソ」、「カラス」、「クマ」、「イルカ」と呼ばれる4つの段階があり、指導者はこの各段階の組み合わせで効果的な学習の流れを作ることができます。

 どんなアクティビティがあるのか、気になった方は「ネイチャーゲーム」で検索すると、すぐ「日本シェアリングネイチャー協会」のオフィシャル・サイトが出てきますので、ぜひご覧ください。

◎日本シェアリングネイチャー協会のHP:https://www.naturegame.or.jp

地球の雑学

2020/5/2 UP!

<日本三大秘境>

2020年5月2日放送

 世界にはまだまだ秘境と呼ばれる人跡未踏の地がありますね。日本にも、簡単には出掛けることのできない、秘境と言ってもいいような場所がけっこうあります。例えば、北海道の知床(しれとこ)とか、東京の小笠原諸島とか、宮崎県の高千穂(たかちほ)、鹿児島県の屋久島(やくしま)などは“秘境感”ありますよね。

 ちなみに、「日本三大秘境」と呼ばれている場所をご紹介すると、まずは岐阜県の世界遺産・白川郷(しらかわごう)。
 今でこそ車やバスで訪れる人が増え、人気の観光地となりましたが、山間にある日本有数の豪雪地帯ということで、かつては隔絶された集落でした。そのため合掌造りの家屋など、独特な文化や風習が現在まで残ったんですね。

 二つめは、徳島県の祖谷(いや)。高知県との県境に近い山間の地で、平家の落人(おちうど)が逃れたという伝説もあります。訪れる機会があったら、ぜひ行きたいのが国指定重要有形民俗文化財にも指定されている「祖谷のかずら橋」。つる性の樹木「シラクチカズラ」で作られた吊り橋で、長さ45メートル、水面からの高さは14メートルあり、スリルと絶景が楽しめます。

 そして三つめは、宮崎県の椎葉村(しいばそん)。周囲を険しい山々に囲まれ、こちらも平家の落人伝説が残っています。日本で唯一、焼畑農業を継承している農家があったり、国の重要無形民俗文化財の「椎葉神楽」が伝わるなど、独自の文化が受け継がれています。

  なかなか行けないからこそ価値がある秘境、まずはネットで検索して、写真からその雰囲気を感じてみたいと思います。

地球の雑学

2020/4/4 UP!

<海底地形と海山>

 様々な映像などで冒険家の皆さんの活躍を見ていると、改めて「地球ってものすごく起伏に富んでいるんだなー」ということにも気付きます。世界最高峰、標高8,850メートルのエベレストから、世界で最も深い海底、水面下1万911メートルとされるマリアナ海溝まで、その高低差はおよそ2万メートルにも及びます。

 地球の表面積の70%以上を占める海、私たちがその地形を目にすることはなかなかありませんが、山もあれば谷もあり、陸地と同様に山脈や盆地も存在します。超音波などを使って海底の地形を正確に測る技術が進み、海底地形図が作成されるようになると、陸上の山にひとつひとつ名前があるのと同様に、海底の山にも名前が付けられるようになりました。

 そして、同じ山が国によって違う名前で呼ばれたりすることを避けるため、国際的な枠組みが作られ、名称の統一が進められています。

 海底地形の名称は、例えば日本の近くある海溝だから「日本海溝」とか、測量船「大和(やまと)」が発見したから「大和堆(やまとたい)」など、誰もが「なるほどね」と納得する名前だけでなく、とてもユニークな、おもしろネームもあります。

 日本海溝に沿って続く山の列は、「日曜海山」から「土曜海山」まであり、合わせて「七曜海山列(しちようかいざんれつ)」と呼ばれています。また、九州の南には「還暦(かんれき)海山」から「白寿(はくじゅ)海山」までの「長寿海山群」という、おめでたい名前もあります。

 そして、ちょっとかわいいところでは、「すずな海山」から「せり海山」までの「春の七草海山群」と、「ふじばかま海山」から「はぎ海山」までの「秋の七草海山群」が、いずれも太平洋にあります。

 「地図を眺めるのが好き」という方はけっこう多いと思いますが、海底地形図も見てみると、いろいろ発見があっておもしろいかもしれませんよ。

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