三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第80回: 千葉の花畑 カラーの産地君津

2022/1/14 UP!

第80回でご紹介するのは君津のカラーです。実は千葉県は全国トップクラスのカラーの産地なんですが、中でも君津市の小糸地区は、湿地でよく育つカラーの生産が盛んな地域なんです。今回は、日本有数のカラーの産地、君津のカラー農家さんを取材しました。ちなみに、カラーという花はその生育場所によって「湿地性」と「畑地性」の2種類があります。「湿地性」は、常に水がある状態のところで育てるもの。そして「畑地性」畑・・つまり土の上で育てられるものです。「湿地性」の君津のカラーの特色について、生産者団体の ブルームネット、松崎航さんに伺いました。

松崎さん:君津でカラーを作ってます。ブルームネットの松崎航と申します。サトイモ科で南アフリカ原産なんですけども、阿蘭陀海芋っていう和名がありますね。この千葉県の君津市っていうのは、すごく井戸水が豊富にでるところなんですけど、自噴井戸が沢山実はある地域なんですね。井戸の水がたくさんないとカラーっていうのが、実は育たないっていう。ビニールハウスの中にずっと井戸水を掛け流してるんですけど、そこに球根がうわっている。よく循環させているの?とかっていう人いるんですけども、もう「かけ流し」。井戸水をかけ流し。ここら辺で出るその井戸水の温度が、15°前後なんですけども、それが要は冬場はビニールハウスを温めて、凍らないようにする。で、夏場は、その球根腐らないように冷やしてくれる。井戸水の恩恵じゃないですけども、そういうのを受けて、ここら辺、君津の小糸あたりっていうのが湿地性カラーの一大産地となっている理由かなと思います。この千葉県の君津市、世界一、多分カラーに合って いる地域なんじゃないかなって。原産国よりあってるかもしれない!という人も、昔いましたね。

白いカラーは、ちょっと大ぶりな感じで、大きめの生花や結婚式の装飾とかで使われていることが多かったと思いますが、昨年秋、千葉県が新しい品種を発表しました。名前はブリリアントベル、10年の歳月をかけて開発したそうですが、従来の人気品種・ウェディングマーチと比べてどんな特徴があるか伺いました。

松崎さん:去年、千葉県の方で育種した新しいブリリアントベルというカラーが発表されまして、ブルームネットとあと、小糸花き組合という、生産組合2つあるんですけれども、そちらの方で今皆さん作付して栽培を始めています。(従来の)ウェディングマーチっていうのはすごく茎が太いですが、このブリリアントベルは細いんです。で、花もそんなに大きすぎないので、何本かまとめて束ねて持っても太くならないんです。ウェディングマーチだと5本ぐらいで大の大人がつかむような感じになっちゃうんですけども、ブリリアントベルだったら10本とか15本とか持っても、そのなんですかね、花嫁さんが持っている姿が凄い綺麗に見える。そういう花だと思ってますね。

千葉県のホームページによりますと、特徴は

  • 花は小ぶりで、ややクリームがかった白色
  • 茎は細く、収穫本数が多い
  • 従来の栽培品種(ウェディングマーチ、アクアホワイト)よりも収穫開始時期が早い(10月頃~)
  • カラー生産の大敵である「疫病」に強い
  • フラワーアレンジメントやブーケに使いやすい

ということです。ちょっと小ぶりなら、確かにブーケなどアレンジしやすいですし、小さな手の方でも持ちやすいですよね。それに早く収穫できるということは、カラーを楽しめる期間が増えたわけですから、私たちにとっても嬉しいことですよね。まだ作り始めて間もないということですが、花屋さんやお客さんからの反応も上々だそうです。

松崎さんは生産者組合ブルームネットのメンバーで、お父様の代からカラー農家で育ちましたが、後を継ぐのはあまり乗り気ではなかったそうで一旦大手の花屋さんに就職。いろいろな現場でさまざまな種類のお花と向き合う中で、君津のカラーのクオリティの高さに驚いたそうなんですね。 そして、この花を継いでいかなくては、と就農されたそうなんです。ブルームネットのカラーはその品質の高さで、信頼を得ていますが、実はカラーというお花、扱いがとても難しいんだそうです。

松崎さん:ブルームネットの1番の売りっていうのが厳しい選別。このカラーっていうのが実はすごく傷つきやすい花なんです。白いところが折れジワとかが入ってしまったりするとすぐ茶色くなっちゃったりするんですけど。やっぱり1番取ってきた状態っていうのが1番きれいなので、そういう状態でお客さんに届けたいという思いがあるので、しっかり1本1本、丁寧にキズが入ってないかっていうのを選別して、したものを束ねて箱詰めして出荷するという形をとってますね。輸送中のスレっていうのが1番怖いんですよね。我々の手元できれいに箱詰めしても、やっぱり輸送中に揺れたりっていうことがあるので、その箱詰めでいかにすれないかっていうのは、丁寧に・・そうですね。梱包はしてますね。お客さんのもとに綺麗に行ってこいってみたいな感じですね。

松崎さんご自身の農園で栽培しているカラーについては、全部無農薬で作られているんです。井戸水掛け流しでも、下流の地域にも環境に影響がでないように持続可能な生産に配慮されています。そして、お花の収穫、摘み取り、寒い時期は、あまり朝早くは収穫しないんですが、なぜでしょうか?

この時期の君津内陸部は、霜が降りることも多々あるそうで、そんな時に摘み取って置いておくと、花が凍ってしまい、傷んでしまうことがあるので、少し気温があがってから摘み取り作業をするそうです。

お花屋さんでカラーつかいたいという時に、やっぱり太いと花束を組みにくかったりして使いにくいってよく言われたんですけども、新しいこのブリリアントベルでしたら、ほかの花と合わせてもいいですし、

一般の家庭っていうのは、大きい花瓶がない家庭って結構たくさんあると思うんですよ。ちっちゃい花瓶

しかないとかっていう方にもこのブリリアントベルだったら楽しんでいただけるサイズ感なんじゃないかなと

思ってます。このカラーっていうのは、やっぱりすごくスタイリッシュで、線があってカッコいい花だと思うんですよ。男性の人が持って歩いても、すごくサマになってカッコいい花だと思うので。是非、女性の プレゼントとか考えている方、ぜひね、君津のカラーを買って街を歩いていただけたらいいなと思います。

日本有数の産地という言葉に驕らず、一本一本大切に作られている君津のカラーは品質も抜群です。お花屋さんでカラーをみかけたら、それは君津から届いたカラーかもしれません。乾燥に注意してお手入れすれば 10日から2週間は楽しめます。ぜひ注目してみてくださいね!

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