2005年7月24日

愛知万博取材レポート・パート1

今週のザ・フリントストーンは愛知万博取材レポート・パート1です。
愛知万博

 “自然の叡知”をテーマに開催中の愛知万博を、当番組の視点でレポート、3週にわたってお送りします。取材レポーターは「弓月ひろみ」さん。
 第1回目の今週、ご登場いただくのは愛知万博の総合プロデューサー「泉眞也」さん。“万博おじさん”としても有名な泉さんに愛知万博の見所をうかがいます。またNHKのスーパー・ハイビジョンや、ソニーの2005インチのスクリーン、巨大な緑の壁“バイオ・ラング”などを紹介いたします。

愛知万博の見所とは!?

エイミー(以下:エ)今週は「愛知万博・取材レポート・第1弾」をお送りしますが、取材レポーターの「弓月ひろみ」さんに登場してもらう前に、取材スタッフが愛知万博の総合プロデューサー「泉 眞也(しんや)」さんにお会いして、万博の見方や見どころなどをうかがってきました。

愛知万博・総合プロデューサー、泉 眞也さん
泉眞也さん

泉さん「今度の博覧会で『何か1つに絞って見たいな』とお考えでしたら、僕は映像に絞っていただきたいなと思います。筑波の科学技術博覧会で僕は実質的な総合プロデューサーをやったんです。その時に、20世紀の社会に一番基本的な影響を与えた技術、あるいは思想はなんだろうかということを2年かけて、世界中の知恵者が集まって議論したんですよ。結論は専門的な言い方で言うと、ムービング・イメージ。要するに動く映像なんです。
 今度、世界のどこも到達していない、日本がこの博覧会で初めて出したムービング・イメージというのが2つあるんですよ。1つはNHKさんが中心になってやっている今のハイビジョンの16倍くらいの精度を持っているハイビジョンがあるんです。スーパー・ハイビジョンって言ってますけどハイビジョンなんです。もうひとつは2005インチの横に長いやつです。これも世界一の映像です。
 僕はみなさんに申し上げているんだけど、何を見るかって言うよりもいかに見るかというほうが大事だよと。万有万物博覧会っていうのが、博覧会を見たときの一番いい訳だと思ってるんです。万有万物博覧会(ばんゆう・ばんぶつ・はくらん・え)って言うんですけど、万有っていうのは何かというと、宇宙を貫く真理ですよ。万物っていうのはそれこそ宇宙にあるあらゆるもの。人も物ならば月も太陽も物です。博覧っていうのはどういうことかというと、円いテーブルの上に万物を載せるわけです。そして、みんなで侃々諤々の大議論をやる。で、会(え)っていうのは何かというと、これは仏教用語で要するにTIME & SPACEなんですね。僕は『これでもう1回世界を見たらどうだ』と提案しているんです。今度の博覧会もそういう形でやろうねって言って始めたわけです。
 つまり、今、何をやったかということよりも、未来に対して何を残すかということが大事なので、未来の遺言だと僕は言っているんですけどね。それがすごく大切なんです。
 どこでもいいから興味を持ったら、そこにいる展示の解説者に突っ込んで突っ込んで突っ込んでくれと。そうすれば必ず答えてくれるから。分からなければ、『こういうところでこういうものを見て下さい』って必ず教えてくれるから。
 僕は『1匹の虫から世界が見えますよ』って言っているんですけど、何をやったかじゃなくて何を残したか。何を未来へ残せるか。でも、『これぞっていうのが何かあるでしょ、泉さん』って言われるから、『2つありますよ』って答えるんです。1つが先ほど言った映像の技術。もうひとつは緑の技術って言ったらいいのかな。バイオラングですね。いわゆるグローバル・ハウスっていうところにある緑の壁です。人類の歴史が始まって以来初めて、垂直になったんですよ。垂直で一番難しいのが水のやり方なんですよ。緑だから水をやらなきゃいけない。それが今回は見事にできたの。
 なぜバイオラングが大事かというと、都市の配意ですね。僕はそのバイオラングは命の息吹だって言っているんですよ。ラングだから吸ったり吐いたりすると。ただ単にボケーッと立っているだけじゃない。ちゃんと炭酸ガスを吸収して、酸素を出してくれる。このバイオラングの技術っていうのは、僕らの夢から言えば、垂直緑化壁なわけですよ。どこに使うかは、僕が一番期待しているのが高速道路なんですね。高速道路自体を花の壁で覆っちゃう。そうすると日本にある高速道路7600キロ、今、建設中のものも含めれば11200キロくらいありますから。11200キロの花の壁が出来るわけですよ。世界中にこの技術が広まっていくだろうと思います。
 2050年くらいから2100年にかけて、世界の人口の半分くらいの人が都市的環境に住むんですよ。残念ながら都市になってしまうんです。本当はあまり人口が増えなくて、気持ちのいい農村と面白い都会がうまい具合にバランスがとれているといいんだけど、そうはいかないんですね(笑)。そうすると都市をいかに住みやすくて美しくて健康的なものにするかっていうのが、人類に課せられた技術体系、思想体系になってくる。今、お話したバイオラングっていうのはすごく役に立つなと思いますね。
 そういった色々な形で僕らは博覧会に対して未来への遺言を書いたつもりなんですけど、今、何回も繰り返すようですけど、どこでもいいから『ここだ!』っていうところを徹底的に突っ込んで下されば、僕は全てのものが見えてくると思いますので、万博おじさんとしてはそういうふうに見て下さいなと言っています」

つなぎ直そう。人と自然

レポーターの弓月ひろみさん
弓月ひろみさん

(エ)ここからは「愛知万博」の取材に行ってきてくれた「弓月ひろみ」さんと共にお送りしたいと思います。取材、ご苦労さまでした。どうでしたか?

弓月(以下:弓)万博のテーマが“自然の叡知”なので、番組の趣旨にも合うということで取材しました。会場も広く、パビリオンの出展やイベントも多いので、かなり絞りこんだ取材になりました。

(エ)今週から3週にわたって、愛知万博の取材レポートになるわけですが、今週はどんなレポートからスタートするんですか?

(弓)まずは、今回の万博のテーマ“自然の叡知”に対する日本国政府の取り組みや姿勢が反映されたといってもいいパビリオン「長久手日本館」です。
 竹で覆われた建物がまるで巨大な繭(まゆ)やサナギのようにみえて、それだけでも目に付くパビリオンでした。お話をうかがったのは長久手日本館の館長代理「吉次晃二(よしつぐ・こうじ)」さんです。

長久手日本館
長久手日本館・館長代理、吉次晃二さん
吉次晃二さん

(弓)まず、見た目的に竹かごを使用されていて印象的なんですが、これはどういったものを使用しているんでしょうか?

吉次さん「竹で編んだネットでパビリオン全体を覆っています。これによって日陰を作って涼しくする。それによってパビリオンが暑くなりませんので、省エネにも繋がっていくという考え方でやっております」

コクマザサを植え込んだ壁面。竹ケージの骨格も見える
コクマザサを植え込んだ壁面

(弓)他には陽射しを和らげたり、涼しくする効果のあるものというのは使用されているんですか?

吉次さん「南側の壁面全体をコクマザサという笹で覆っています。壁面緑化をしています。これによっても直射日光を遮るという効果を狙っています」

(弓)コクマザサは壁に真っすぐに沿うように作られているんですが、これはどういう作りになっているんでしょうか?

吉次さん「プランターみたいなものがありまして、それに植えてそれを壁に貼り付けています。で、それぞれのコクマザサにパイプで水がやれるようになっています」

(弓)枯れずにコクマザサが壁にくっついたような感じになるんですね。他に工夫されているところはありますか?

吉次さん「ええ。もうひとつ、光触媒の鋼板屋根というのを屋根に張っています。これは浸水性といって水を垂らすと水滴にならずに薄く広がる性格がありますので、それを利用して蒸発しやすくして、蒸発するときに熱を奪っていただくという効果を狙って屋根に張っています」

(弓)打ち水のような効果があるということですね。それからパビリオンを支えているのが間伐材ということですが、間伐材の使用について教えていただけますか?

小径丸太の間伐材を9本束ねた“束ね柱”
束ね柱

吉次さん「会期6カ月が終わりますと、この日本館は取り壊しになります。そのために新しく森林伐採してくるということは環境を痛めることになりますので、今、使われない間伐材、間引きされた材木を使おうということでそれらを使っています。ただ、充分に生長していない木が多いものですから、それを作るために9本まとめて柱にしたり、スライスしたものを張り合わせて梁に使ったりという工夫をしています」

(弓)6カ月の会期後は間伐材はどうなるのでしょうか?

吉次さん「インターネットで、再利用していただける方を探すようにしております。そのためにICチップを埋め込んでおりまして、この間伐材がいつどこの山で切られたものなのか、どれくらい使ったものかっていう過去の経歴が分かるようになっています」

(弓)最後に、長久手日本館の見所を教えて下さい。

吉次さん「たくさんあるんですけど、ひとつは私共のテーマが『つなぎ直そう。人と自然』というふうに謳っていまして、自然環境問題を解決する鍵っていうのはやはり人と自然が共生する事だと思っているんです。日本も戦後60年間で生活レベルは上がりましたし、生活も便利になったんですけど、その一方でかなり自然を壊してきて、自然を見失っているわけですね。ですから、ここでもう一度それを取り戻していただきたい。やはり、環境だけを守るっていうんじゃダメで、環境を守りながら生活も良くしていくということを今後考えていただきたいっていうのが私共のテーマですので、そういう意味で、館自体もそうですし、展示の中身もそういう観点で見ていただきたいと思います」


生分解性プラスチック(ポリ乳酸プラスチック)を使った外壁
生分解性プラスチックを使った外壁

(エ)「つなぎ直そう。人と自然」というメッセージがわかりやすくていいですね。

(弓)そうですね。日本国政府の出展事業の基本コンセプトは「人間社会と自然との新たな関係を創造する」。出展は長久手日本館のほかに、瀬戸会場にある瀬戸日本館、そしてインターネット上のサイバー日本館の3つでした。
 長久手日本館の竹ケージの大きさは長さ90メートル、幅70メートル、高さ19メートル。竹ケージの制作はすべて手作業。竹は九州や北関東から切ってきたものですが、さすがに竹だけは再利用には不向きのようです。
 光触媒の金属を使った屋根や間伐材の利用、土に還る生分解性プラスチックの使用など環境面に配慮した建物は素晴らしいものでした。90%以上が木材で作られた建物で、大きな屋根を支えているのも、細い丸太を9本束ねた「束ね柱(たばねばしら)」。
 スタッフがいる事務所ももちろん全部間伐材。木がむき出しになっていて、木の香りいっぱいで、昔の学校の木造校舎のような雰囲気でした。

(エ)長久手日本館の展示にはどんなものがありましたか?

(弓)特に話題になっているのが「地球の部屋」という場所でした。地球の100万分1の大きさである直径12.8メートルの球体、つまり丸い玉の中で映像を見るようになっていて、この360度の全天球型映像は世界で初めてだそうです。
 大きな球体の中心を貫くように、幅2.7メートルの橋が渡してあって、この橋の上から周囲の丸い壁に映しだされる映像を見るようになっていました。
 私たちが立つ橋の、床にあたる部分の両側がガラス、下に映しだされた映像が見えるようになっていました。映像は地球の生命力や美しさを感じさせるもので、上映時間は2分半。そのバージョンは私たちが取材にいったときは1と2を公開中でした。
 あと「ゾーン3・プレゼンテーション」もよかったです。ここは豊かな自然をモチーフにした神秘的な森林空間で、木の柱のようなものを、紙の、わりと大きめの筒で作ってありました。大小合わせ、およそ2200本の柱がまるで森のように立っていました。屋久島の森の香り成分をもとに配合された香りや、せせらぎ、風の音、鳥や虫の声、光や風、霧などが体感できる空間。森の1日を15分に凝縮されていました。


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“山車”の形に見える長久手愛知県館
長久手愛知県館
地球タイヘン大講演会。江古野 守博士の登場!
地球タイヘン大講演会

 続いて、ご紹介するのは、建物の形がお祭りのときに登場する「山車(だし)」のようにみえる「長久手愛知県館」、そこで上演されているパフォーマンス「地球タイヘン大講演会」です。
 登場するのは「江古野 守(えこの・まもる)」博士と「アイスマン」、そして美しい妖精。「アイスマン」とは1991年にイタリアのチロリアン・アルプスを登山中のドイツ人夫婦に発見されたミイラ、通称「アイスマン」でおよそ5300年前の男性。
 氷河の中に眠っていた「アイスマン」がどうして発見されたのか。それは地球温暖化のために氷河が溶けだしたからなんです。
 ストーリーは「アイスマン」が地球の未来を問いかける内容で、上演時間は1回およそ20分、1日およそ20回。
 「江古野 守(えこの・まもる)」博士は3人の役者さんが交替で演じ、万博開催中に3300回公演をめざしているそうです。
 長久手愛知県館の「あいち・おまつり広場」では地元の伝統行事などのお披露目や、特産物の販売などが行なわれていました。

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(エ)愛知万博・総合プロデューサーの「泉 眞也」さんも大推せんされていた、ふたつの素晴らしい映像、もちろん弓月さんは見てきたんでしょ?

スーパーハイビジョン・シアター
スーパーハイビジョン・シアター

(弓)はい、見てきました。センター・ゾーンにある、今回の万博のテーマ館「グローバル・ハウス」、その「オレンジ・ホール」にある「スーパーハイビジョン・シアター」と「ブルー・ホール」にある「レーザードリーム・シアター」がそうなんですが、まず、「スーパーハイビジョン・シアター」はNHKが開発した、一画面の情報量がハイビジョンの16倍という世界初の超高精細映像システムなんです。600インチ大画面と22.2チャンネル立体音響が素晴らしかったです。
 現在上映中の作品は「地球・光あふれる惑星」と題された映像作品。太陽や月、国産ロケットの打ち上げの瞬間、それから富士山、桜、紅葉など、日本国内の四季の移り変わりなどが上映されていて、細かいところまではっきりと再現された映像もさることながら、音も凄かったです。日本の美しさ、地球のかげがえのなさを改めて実感しました。

(弓)続いてご紹介するのは「レーザードリーム・シアター」。
 ソニーが開発した新技術レーザー・プロジェクション・システムを使ったもので、幅およそ50メートル、高さおよそ10メートルの2005インチのシームレス、つまり境目がないスクリーンに移しだされる映像は圧巻でした。11チャンネルの音響も迫力がありました。上映コンテンツは「2005 OUR PLANET」。写真や映像、アニメやCGなどが上映されていました。まるで大きな映画館のように広いスペースで、横にど〜んと長いスクリーンにびっくりしました。

レーザードリーム・シアター
レーザードリーム・シアター レーザードリーム・シアター

 素晴らしい映像を体験できる「グローバル・ハウス」は今回の万博のテーマ“自然の叡知”をひもとくパビリオンになっていました。
 そして、万博が始まる前から話題になっていた「マンモス・ラボ」にも行ってきました。
 シベリアの永久凍土から発掘された、およそ1万8千年前のものといわれていて、ユカギルマンモスの頭と1本の前足が、世界で初めて冷凍状態のまま展示されていました。地球の貴重な財産であり、今後の研究のために、今回、特別な冷凍展示室とラボが作られたそうです。
 やや薄暗い展示室の前を、上下二段の動く歩道があって、そこから見るようになっていて写真撮影は禁止。大きなキバが印象的でした。

150mの緑の壁!

世界最大級の垂直緑化壁“バイオラング”
バイオラング

(エ)今週の「ザ・フリントストーン」は「弓月ひろみ」さんを迎え、「愛知万博・取材レポート第1弾」をお送りしています。さて、総合プロデューサーの「泉眞也」さんのお勧めがもうひとつありました。それは「バイオラング」というものでしたが・・・?

(弓)はい、もちろんしっかり取材してきました。「バイオラング実行委員会」事務局の「進藤美子(しんどう・よしこ)」さんにお会いして、「バイオラング」とはいったい何かというあたりからうかがいました。

進藤さん「バイオラングというのは造語で、英語のVAIOなんですけど、それとLUNGEが私達が呼吸するときに必要な肺ですね。都市の肺機能という意味でバイオラングという名前を付けています」

(弓)バイオラングというのはどういうものなんでしょうか?

バイオラング実行委員会の広報、進藤美子さん
進藤美子さん

進藤さん「今、都市ではヒートアイランドとか温暖化が問題になっているんですが、そういう解決策の1つとして土地が少なく、狭い場所でも垂直に緑化することで緑が増やしていけるよっていうプロジェクトです」

(弓)こうしたものが垂直に立っているというのは珍しいと聞きました。

進藤さん「そうですね。これからどんどん普及していくんですけど、まだここに出展されているものも3つくらいが高速道路や東京のほうのビルで使われているんですけど、ほとんどが今回の万博のために開発されたものです」

(弓)今まで実現が難しかったのはなぜなんですか?

進藤さん「垂直にするということで、土が倒れてしまったり、こぼれてしまうというのがありますね。あとは、乾燥させないために水をうまく行き渡らせるっていう灌水方法がクリアになれば今後、どんどん普及していくと思います」

(弓)バイオラングを使うことによって、都市にはどんな効果があるんでしょうか?

進藤さん「6カ月間測定していくんですけど、少なくとも気温が下がるっていうのは、来場のお客様も『ちょっと涼しい』とおっしゃっていますし、あと二酸化炭素の濃度が低くなるというのがあります。あと、都市では見られないような生物、ここにもトンボやハチがいっぱい来るんですけど、そのような生態系のうまい循環が成立すると思います」

野草の壁面からユリの花が・・・
バイオラング・ユリ

(弓)バイオラングのデザインについて教えていただけますか?

進藤さん「3層の壁になっているんですが、中の2層は回廊として歩いていただけるんですね。端から端までが150mで、正面から見ていただきますと池を前にした山並みをイメージしています。ですので、手前には野辺河辺の植栽と、上に行くにしたがって奥山の緑濃いものが植えられています」

(弓)パッと見ると色々な花や草木が植えられているように見えるのですが、大体何種類くらいあるんですか?

進藤さん「会期中は200種類20万株の植物が植えられまして、季節ごとにお花が植え替えられまして、春に来られた方が夏に来られますとまた違った景色が見えますね」

(弓)今後はこれを実際に都市の中に導入していくということになると思うんですけど、そういう予定はありますか?

進藤さん「企業様よりも家庭の、個人でやるならいくら位?っていうお声も頻繁に聞かれるので、個人個人のお家で1平米でも2平米でも緑を増やしていければ、全体とすれば大きな効果になります。また、企業さんだとイメージアップが今、重要だと思いますので、景観の向上と企業イメージアップということで、コストがどこまで下げられるかというのが勝負だと思いますね」

表側には園芸種の花々
バイオラング

(弓)例えば、企業のビルの壁面であったり、自宅の壁面の他にはどんな利用方法があるんですか?

進藤さん「あとは、工事現場で6カ月など比較的長くかかるところで利用しています。ここの躯体も簡易的なもので作っているんですけど、通常ペイントされているような無機質な絵とかではなくて、癒しの効果がある植物を壁面にしますと景観も良くなりまして、騒音、工事の音も減少するんじゃないかと期待されています」

(弓)今後、このバイオラングを実際に使用していく中で5年後、10年後も続けていくっていうのは可能なんですか?

進藤さん「はい。今ここにあるものは耐久性10年といわれているんですけど、それぞれのタイプで20パターンあるんですが、どれがビルの何階の高さまでいけるかとか、不向きとか適切なものがあるので、当然、歩いている人に壁面が落ちてしまっても困るし、事故があってはいけないので、安全性を第一に考えています。あとはコストをどこまで下げられるかというのが勝負ですね」

(弓)最後に、バイオラングを見に来た方に感じて欲しいことや見所があれば教えて下さい。

進藤さん「季節ごとに色々な光景が見られるので、何度も見ていただきたいというのもありますし、こういう狭い場所でも緑が増やせるんだよ、重要なんだよっていうところを少しでも感じていただければと思います」

水やり用のパイプ。下側に穴が開いている
水やり用のパイプ
展示室内にあるモニター画面。温度の違いが一目瞭然
バイオラングのモニター

(エ)実際に見てきて、どうでした?

(弓)巨大な緑の壁で、長さは150メートル、高さは4.5〜15メートル、緑の壁が3層立っていて、その間は通路。世界最大級の垂直の緑の壁なんです。会期中には200種20万株の多種多様な植物が植えられていて、山野草から園芸植物などいろいろ。
 私たちが行った時は黄色いユリの花が咲いていました。壁からユリというのは、不思議な光景でした。
 水やりは、小さな穴のあるパイプが各植物にセットされ、夜から早朝にかけて、自動的に、各植物にあった水やりが行なわれています。下に落ちてきた水も再利用し、雨も有効に使っているそうです。
 都会の少ないスペースを有効に使って、このバイオラングが定着したら、ヒートアイランドの軽減につながるし、CO2の吸収も期待できます。
 バイオラングの一角にある展示室には、温度を表示してあるモニターがあって、緑化されていない場所と緑化されている場所では明らかに温度が違うことがわかるそうです。また、昆虫や野鳥が生息し、ひとつの生態系が出来あがっているんですね。安全性やコスト面でまだ課題は多いけれど、とても期待できる技術と言えるでしょう。ぜひ広まって欲しいなと思います。

(エ)「弓月」さん、ありがとうございました。来週はどんなレポートになりますか?

(弓)来週は三菱未来館や三井・東芝館、日立グループ館など、企業パビリオンを中心にレポートします。

愛知万博取材レポート・パート2へ(2005年7月31日放送)
愛知万博取材レポート・パート3へ(2005年8月7日放送)

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■愛知万博のアクセス方法や注意点

・まず、万博会場への交通機関は、地下鉄・藤が丘駅からリニモなどいくつかありますが取材スタッフが一番良いと感じたアクセス方法は、名古屋駅からの場合シャトルバスがスムーズだという意見となりました。運行時間は名古屋発長久手会場行きは朝7時台から運行、長久手会場・東ゲートから名古屋行きのバスは午後10時台はじめまであります。行き、帰りとも10分から15分間隔で運行していて、所要時間は、交通事情にもよりますが約30分から40分、料金は、片道1000円、往復は割引価格が設定されていて1500円となっています。ゆったり座ってかえれます。
 また、タクシーは、東ゲートだけで利用でき、北・西ゲートでは利用できません。無線で呼んでも地元のタクシー会社で決まりになっているので呼ぶことはできません。

・そして、会場内ですが、日差しや雨をよける屋根が少ないです。炎天下、熱中症にならないように帽子や日傘は大変役に立ちます。対策として水分補給が大切となります。
 なお、会場内に市販のペットボトルは持ち込めません。飲み物は水筒に入れてきてください。会場内には飲み物の自動販売機は結構あります。場所によっては無料で水のサービスもやっているので是非利用ください。
 また食事ですが、会場内には様々なレストランや大きなフードコートなどもあります。家庭で作ったお弁当は持ち込めますが、これからますます暑くなるので、お弁当の持ち歩きの時間があまり長くならないように気をつけてください。
 そして会場は広いので沢山歩きます。靴は履きなれたものがお奨めです。服装も歩きやすい物をお奨めします。お子さん連れの方はこまめな休憩を取りながら楽しんでください。

愛知万博の公式サイト:http://www.expo2005.or.jp/

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. GET TOGETHER / BIG MOUNTAIN

M2. SAY WHAT YOU WILL / ERIC CLAPTON

M3. OCEANO / JOSH GROBAN

M4. ALL THE LOVE IN THE WORLD / THE CORRS

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M5. HAND IN HAND / 鈴木重子

M6. BEST OF ME / OLIVIA NEWTON-JOHN & DAVID FOSTER

M7. TERRA / LUAR NA LUBRE

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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